委員会記録・調査報告等

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子どもの未来応援特別委員会記録
 
令和4年 第 3定例会

2
 



開会の日時

年月日令和4年7月7日 曜日
開会午前 10 時 0
散会午前 11 時 25

場所


第2委員会室


議題


1 陳情令和2年第79号
2 子どもの貧困問題及び教育無償化並びにこれらに関連する諸問題の調査及び対策の樹立について(令和3年度沖縄子ども調査報告書について)
3 閉会中継続審査・調査について


出席委員

副委員長  当 山 勝 利 君
委  員  新 垣 淑 豊 君
委  員  新 垣   新 君
委  員  石 原 朝 子 さん
委  員  西 銘 啓史郎 君
委  員  仲 田 弘 毅 君
委  員  玉 城 健一郎 君
委  員  山 内 末 子 さん
委  員  玉 城 武 光 君
委  員  次呂久 成 崇 君
委  員  平 良 昭 一 君
委  員  喜友名 智 子 さん


欠席委員

西 銘 純 恵 さん


説明のため出席した者の職・氏名

子ども生活福祉部長   宮 平 道 子 さん
 子ども未来政策課長  仲 村 卓 之 君
 教育庁教育指導統括監 玉 城   学 君
 教育庁教育支援課長  大 城 勇 人 君



○当山勝利副委員長 ただいまから、子どもの未来応援特別委員会を開会いたします。
 陳情令和2年第79号、子どもの貧困問題及び教育無償化並びにこれらに関連する諸問題の調査及び対策の樹立に係る令和3年度沖縄子ども調査報告書について及び閉会中継続審査・調査についてを一括して議題といたします。
 本日の説明員として、子ども生活福祉部長、保健医療部長、商工労働部長及び教育長の出席を求めております。
 まず初めに、子ども生活福祉部等関係の陳情令和2年第79号の審査を行います。
 ただいまの陳情について、子ども生活福祉部長等の説明を求めます。
 なお、継続の陳情については、前定例会以降の新しい事実についてのみ説明をお願いいたします。
 宮平道子子ども生活福祉部長。

○宮平道子子ども生活福祉部長 それでは、陳情の処理方針について御説明させていただきます。
 ただいまお手元のタブレットに通知いたしました陳情に関する説明資料の陳情一覧を御覧ください。
 子ども生活福祉部関係の陳情につきましては、継続が1件となっております。
 継続の陳情につきましては、処理方針に変更はありませんので、説明を省略させていただきます。
 以上で、子ども生活福祉部関係に係る陳情の処理方針について、説明を終わります。

○玉城学教育指導統括監 続きまして、教育委員会所管に係る陳情処理方針について御説明申し上げます。
 ただいまお手元のタブレットに通知しました陳情に関する説明資料の陳情一覧を御覧ください。
 教育委員会関係では、継続の陳情が1件となっております。軽微な時点修正等を行っており、下線を付しておりますが、説明は省略させていただきます。
 以上で、陳情の処理方針について、説明を終わります。

○当山勝利副委員長 子ども生活福祉部長等の説明は終わりました。
 これより、陳情に対する質疑を行います。
 質疑に当たっては、説明資料の該当ページをタブレットの通知機能により委員自ら通知し、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行うようお願いいたします。
 また、この際、執行部の皆様に申し上げます。
 答弁に際しては要点をまとめ、要領よく行い、円滑な委員会運営が図られるよう御協力をお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 新垣淑豊委員。

○新垣淑豊委員 ありがとうございます。
 陳情の4ページですが、貧困家庭の児童生徒への補助・支援を拡大というふうにありますけれども、今、所得制限というものについていろいろ議論がなされているかと思いますが、これは国会のほうでもお話が出ていると思いますけれども、沖縄県内の子供たちもしくはその保護者の方々に対しての補助や支援の事業で、所得制限がかかっている、そういった事業というのはどのようなものがあるのか教えてください。

○宮平道子子ども生活福祉部長 子ども生活福祉部のほうで所管をしている取組について、まず御説明をさせていただきます。
 子ども生活福祉部が所管する取組において、給付等における要件として所得制限を設けている事業は、低所得世帯等に日常生活に必要な経費等を貸し付ける生活福祉資金でございますとか、所得が一定以下のひとり親世帯等に支給される児童扶養手当、また、低所得世帯等の子供に学習支援を行う子育て総合支援事業など、24の事業が制限を設けているところでございます。

○大城勇人教育支援課長 県教育委員会では、教育機会の均衡を図るため様々な就学支援事業を行っております。このうち所得制限を設けている事業は、県立高校の授業料を支援する高等学校等就学支援金、授業料以外の教育費を支援する高等学校等奨学のための給付金事業、中高生のバス・モノレール通学費を支援するバス通学費等支援事業、県外難関大学等への進学を支援する県外進学大学生支援事業など、10事業があります。

○新垣淑豊委員 もちろんこういった所得制限がかかる事業に関してはある一定の基準があると思うんですけれども、その基準というのはどのような形になっているんでしょうか。

○宮平道子子ども生活福祉部長 主に低所得世帯ということで基準を表記しておりますが、一般的には住民税非課税世帯、またはこれに準ずる世帯ということで実施をしております。

○大城勇人教育支援課長 教育委員会も子ども生活福祉部とほぼ同様でございまして、所得制限に係る分については、住民税非課税世帯であるとか、国の国庫補助事業を活用した国の基準の範囲内で実施をしているところでございます。

○新垣淑豊委員 例えば非課税から課税世帯になると、様々な負担というものが出てくるというふうに感じているんですけれども、例えば可処分所得の逆転というところについては、沖縄県としてはどのような方針を持って取り組んでいるのか、あれば教えていただけますか。

○宮平道子子ども生活福祉部長 様々な各種支援策を実施することによりまして、支援の対象とならない世帯と支援の対象になる世帯で所得の逆転が起きてくるという可能性はあるというふうに認識はしておりますが、それぞれの世帯における可処分所得というのはなかなか把握をするのが難しいと思っておりまして、所得の状況については申告に基づく課税情報によって判断するのが最も公平な手段であるというふうに考えております。

○新垣淑豊委員 例えば、これは我々にも当てはまるんですけれども、我々はある意味議員として議員報酬を頂いておりますけれども、最近も所得の公表がされました。沖縄県内の平均的な所得から見ると非常に高所得な部類になると思っています。ただ、実は我々もそうですけれども、その家庭の懐具合というのはそれぞれの家庭にしか分からないものがあると思っています。例えば我々の場合は、選挙に当たって実は借金をする人もいるわけですね。この4年間の任期の間でその借金を返したりとかという人たちもいるわけです。もちろんこれはあくまでも私が自分の立場で分かりやすい説明をしていると思っているんですけれども、これは一般の人も同様なケースがあると思っています。例えば個人事業主であったり、何かしら生活の中でそのとき必要なお金があったりとかということで、一時的に所得が上がったりする可能性もありますし、しかし、その所得の中で使う順番、優先的なものがあるというときに、子供への教育費というものがなかなか捻出できないというような世帯もあるのではないかと推測がされるんですね。先ほど部長が公平にというふうにおっしゃいましたけれども、実はそれは子供にとっては本当に公平なのかということを考えたときに、私はちょっと違うんじゃないかなと思っております。
 例えば、今SNSとかでもよく取り上げられている兵庫県の明石市、こちらの市長がいろんな子供の施策を打っているんですけれども、それは保護者の所得は関係ない。子供に対してフォーカスをしてその対策を打っていくということが必要ではないかということで、これが全国的にも注目をされている状況であります。こういったものに対しては、沖縄県としてはどのように考えているのか教えていただけますか。

○玉城学教育指導統括監 本県においては、沖縄県子どもの貧困対策計画において子供の貧困を社会全体の問題として取り扱い、貧困の世代間連鎖を断ち切り、次世代の沖縄を担う人材育成に取り組むということとしておりまして、親の経済的格差により教育の機会が十分得られない子供たちがいるという実情を踏まえて、まずは経済的に困窮する家庭の教育機会均等を図り、貧困の連鎖を解消するのがまず最優先だというふうに考えております。

○新垣淑豊委員 私は経済的な格差をなくしていくというところも非常に重要なことだというのは認識しております。ただし、できる子を伸ばしていくという2本立てでいかなければいけないんじゃないかと思っていまして、これは以前委員会でもお話をさせていただいたこともあるんですけれども、例えば両親が共に公務員をなさっているという大学生がいました。しかし、彼女も兄弟がいるとか、そういったときに自分だけ県外の大学に進学するというのはなかなか難しいんですというようなお話をされたことがあります。
 確かに私も長男が今県外の大学に行っていまして、授業料、それとそこでの生活費を含めると、やはり年間で200万ぐらいのお金がかかるんじゃないかと思っておりますが、例えばこれが年子である。そうするとお金がかかってくるわけですよね、その場合。子供が2人、3人、4人と増えていくと、やはりそれなりのお金がかかっていくということもあるので、本当に学びたいという意思を持っていて、例えばそれが非常に進学先がいいと言われている給付型の奨学金対象のようなところであれば、枠が空いているのであればそういった子も対象にするべきではないかと思っているんですけれども、今その給付型の奨学金は全て活用されているのかということについて、まずお聞かせいただきたいと思います。

○大城勇人教育支援課長 現在、教育委員会における所得制限のある事業の不用額については、おおむね高い水準、90%を超える水準で執行しているところです。一方で、国庫補助事業をほぼ活用している状態でございまして、国庫補助事業については全国一律の要綱に基づいておりまして、その要綱に基づく対象については支給をさせていただいておりますけれども、不用額があるからといって別の事業に充てるというのは、そもそも収入の財源の対象にはならない前提となっております。

○新垣淑豊委員 ちなみに予算額ってお幾らですか。

○大城勇人教育支援課長 全てではなく高等学校就学支援金についてなんですけれども、これについては令和3年度当初予算42億5037万3000円になります。これに対し、執行率が99%になっています。

○当山勝利副委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、新垣委員から県外進学大学生支援事業について聞きたいとの補足説明があった。)

○当山勝利副委員長 再開いたします。
 大城勇人教育支援課長。

○大城勇人教育支援課長 失礼しました。
 県外進学大学生支援事業につきましては、令和3年度当初予算8636万2000円になっておりまして、執行率は98%になっております。この不用額については、もともと国の制度を活用したりとか、一時的に止めている方々というのがいらっしゃいますので、その方がまた戻ってくる可能性があって、それを留保している部分がございますので、目的としてはほぼ100%使えるように県としては準備しているところです。

○新垣淑豊委員 ちなみに言うと、これは何人ぐらい対象にされていますか。

○大城勇人教育支援課長 毎年25名ずつ採用しているところです。

○新垣淑豊委員 25名、非常に限られた数だと思っています。多分対象になる大学を1校に1人ずつ入れても、ちょうどぐらいか、もしくはちょっと足りないぐらいかなと思うんですけれども、だからこそやっぱり優秀な学生というのをどんどんと県外に出して、また沖縄のために将来的に働いていただく。そういった形をつくっていくほうがいいんじゃないかと私は思っていて、ぜひこの県外の奨学金の金額、特に国の補助があって、例えば授業料とか一部生活費とかに充てられる可能性がありますけれども、やはり沖縄から県外に出るということはもうまるっきりその生活が変わってしまうということもあるので、この分の充実は私は必要だと思っておりますし、もっと人数についてもしっかりと拡充をしていただきたいと思っていますし、また、受給要件についてもある程度緩和をしていくことも必要ではないかというふうに思っていますけれども、この辺りはいかが考えていますでしょうか。

○大城勇人教育支援課長 少し説明をさせていただきますと、県外進学大学生は県単の事業でございます。恐らく新垣淑豊委員がお話しされているのは国の修学支援新制度と少しだぶっているかなと思っておりまして、国の修学支援新制度については、対象者人数に制限をかけているところではございません。一方で、県の就学支援制度につきましては、令和2年度に所得制限を一部緩和したところでございます。国の高等教育の修学支援新制度については、380万円未満の方々を3段階に分けまして支援をしているところで、ほぼ県のほうでも同様な形にしていたものですから、そこはやっぱり同じ補助をするよりは、沖縄独自の取組として所得制限を緩和させていただいたところでございます。

○新垣淑豊委員 どの程度緩和されていますか。

○大城勇人教育支援課長 現在597万円以下まで下げているところでございます。

○新垣淑豊委員 最初にお話ししたように、お子さんが例えば1人だったらいいかもしれません。しかし、それが2人、3人、同時期に重なる可能性というのがあるわけですね。そういったときにやはりなかなか県外進学、本当は希望しているんだけれども厳しい。お父さん、お母さんが両方公務員でもなかなかそこまではたどり着けないというような声が実際にありました。なので、その辺りの枠というものをもう少し広げてあげるのも必要ではないかと思っています。これは多分予算的な面とか、今後制度の見直しというのも必要になってくると思いますので、ぜひ御検討していただきたいということで要望として終わりたいと思います。
 以上です。

○大城勇人教育支援課長 ちょっとだけ補足説明をさせていただきますと、県の県外進学についても多子世帯は考慮に入れているところということと、今国のほうで教育未来創造会議がございます。多子世帯、それと理工系の大学についての給付の要件の見直しとか、いろいろ改善について検討されているところです。これも含めて、県の制度をどうするかというのは検討していくことになるのかなというふうに思っております。
 以上です。

○当山勝利副委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○当山勝利副委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、子ども生活福祉部等関係の陳情に対する質疑を終結いたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、補助答弁者の入替え)

○当山勝利副委員長 再開いたします。
 次に、本委員会の付議事件子どもの貧困問題及び教育無償化並びにこれらに関連する諸問題の調査及び対策の樹立に係る令和3年度沖縄子ども調査報告書についてを議題といたします。
 ただいまの議題について、子ども生活福祉部子ども未来政策課長の説明を求めます。
 仲村卓之子ども未来政策課長。

○仲村卓之子ども未来政策課長 それでは、お手元のタブレットに通知しております、冊子でもお配りしておりますけれども、令和3年度沖縄子ども調査概要版に基づいて御説明いたします。
 2ページ目の目次を御覧ください。
 本調査報告書は、調査概要、第1章から第5章、自由記述で構成されております。
 それでは、4ページの調査概要を御覧ください。
 まず、調査の目的でございますが、本調査は、沖縄県の子供及びその保護者の生活実態や支援ニーズ等の把握・分析を行い、子供の貧困対策の効果的な実施や、施策の評価に活用することを目的に実施しました。令和3年度は、平成27年度・2015年、令和元年度・2018年に続き3回目となる小中学生調査及び初の0歳から17歳調査となっており、調査対象は、小学5年生と中学2年生の児童生徒及びその保護者、0歳から17歳までの調査は子供の保護者を対象としております。
 調査実施期間は、令和3年10月8日から10月25日となっております。これは、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて同年5月23日から続いていた特措法に基づく緊急事態措置が9月30日に終了した、いわゆる第5波が収束した時期となっております。
 5ページを御覧ください。
 調査方法ですが、小学5年生、中学2年生については、市町村や圏域ごとで均衡を図った上で、県内公立学校83校(小学校55校、中学校28校)に調査票を送付し、学校を通して調査票の配付と回収を行いました。
 0歳から17歳調査については、沖縄県が各市町村へ住民基本台帳から配付数に相当する世帯を無作為抽出するよう依頼をしまして、その名簿を基に郵送で配付・回収を行いました。調査票の回収状況につきましては、小学5年生が約72%、中学2年生が約75%、0歳から17歳が33.8%となっています。0歳から17歳調査は、郵送調査のため回収率が低くなっておりますが、それを見込んで配付数を設定しておりまして、統計上必要な標本数は確保されております。
 6ページ、7ページを御覧ください。
 こちらは本調査の調査協力研究者、大学の教授等のリストと、本調査の備考となっております。説明は割愛させていただきます。
 8ページからは世帯の基本属性となります。8ページ、9ページは回答者の属性と世帯類型ですが、説明は割愛します。
 10ページ、11ページを御覧ください。
 世帯収入について、小学5年生、中学2年生について前回までの調査と比較をしております。小5、中2とも200万円から300万円未満の層が減少し、300万円から400万円未満の層が増加傾向にあります。0歳から17歳においても世帯収入で最も割合が多いのは300万円から400万円未満で、19.5%となっております。
 12ページを御覧ください。
 困窮世帯の定義について御説明します。
 本調査では、経済状況による影響を分析するため、世帯の可処分所得を世帯の人数の平方根で除した等価可処分所得を算出し、世帯の困窮程度を3つの所得階層に分類しています。分類に当たりましては、厚生労働省の2019年国民生活基礎調査における貧困線127万円を基準にしておりますが、貧困線以上ではあるものの周辺の世帯の状況を把握することを目的に、貧困線の1.5倍、年収190.5万円でも区分を設けております。
 具体的には、低所得層Ⅰが等価可処分所得127万円未満、これは例えば4人世帯で見ますと世帯年収が254万円未満となる世帯。それから低所得層Ⅱとして127万円以上190.5万円未満で、これは4人世帯で言いますと世帯年収が254万円以上381万円未満となる世帯。一般層としまして190.5万円以上、4人世帯で言いますと世帯年収が381万円以上となる世帯。この3つの所得階層を設けて分析をいたしました。
 13ページを御覧ください。
 先ほど説明した3つの所得階層を基にそれぞれの年齢の状況を見ますと、低所得層Ⅰは小学5年生で28.5%、中学2年生で28.5%、0歳から17歳で23.2%となっております。二人親・ひとり親の別で見ますと、いずれの年齢においても低所得層Ⅰの占める割合は二人親よりひとり親世帯のほうが高く、二人親では2割未満であるのに対し、ひとり親世帯では6割以上となっております。
 14ページを御覧ください。
 小中学生調査における困窮世帯の割合の経年比較でございます。2015年29.9%、2018年25.0%と減少していましたけれども、今回2021年の調査では28.9%と、逆に増加をしております。
 15ページを御覧ください。
 二人親・ひとり親別の困窮世帯の割合の2018年と2021年の経年比較です。二人親では顕著な変化は見られませんが、ひとり親世帯では、小学5年生で56.3%から68.9%へ約12ポイント増加し、中学2年生で56.7%から66.4%へ約10ポイント増加をしております。
 続きまして、16ページ以降が第1章保護者の状況ということで、17ページから21ページは母親の就労状況や就業形態、収入について、22ページから26ページは同様に父親の状況について記載してありますが、こちらの説明は割愛させていただきます。
 少し飛びますが、27ページを御覧ください。
 新型コロナウイルス感染症による世帯収入への影響についても調べております。あなたの世帯では新型コロナウイルスの感染拡大の前と比べて現在の世帯収入は減りましたかという質問です。グラフの左から、全くなくなった、5割以上減った、3割から5割減った、1割から3割減った、変化なし、増えたという順番に並べておりますが、低所得の世帯ほど収入減の影響を受けておりまして、1割以上減った割合、左から4つのパーセントを足した数なんですけれども、一般層では26.6%であるのに対し、低所得層Ⅰでは63.2%と大きく影響を受けております。
 同じく28ページですけれども、こちらは中学2年生と0歳から17歳を載せておりますが、こちらも同様の傾向となっておりまして、世帯収入が1割以上減った割合は、中2では一般層で25.4%、低所得層Ⅰで65.3%、0歳から17歳では一般層で28.3%、低所得層Ⅰで67.1%となっております。
 続きまして29ページ、全国との比較でございます。
 収入が減った割合、これは所得階層別に分けていないんですけど、全世帯で沖縄県は42.8%、全国は32.5%となっておりまして、約10ポイント以上の差がついております。
 30ページを御覧ください。
 二人親・ひとり親別で全国調査と比較したものでございます。世帯収入が減った割合は、二人親では、全国32.1%、沖縄40.4%と沖縄が8.3ポイント高く、ひとり親では全国34.4%、沖縄51.7%と沖縄が17.3ポイント高くなっています。全体的に全国よりも沖縄が影響を受けており、中でもひとり親世帯への影響がより大きいという結果となっております。
 次のページからは、第2章学校・学習状況についてでございます。
 32ページを御覧ください。
 進路について、児童生徒に将来どの段階まで進学したいですかと尋ねました。小学5年生、中学2年生ともに、大学またはそれ以上は所得階層が低いほど割合が低くなっているのに対し、高校までは所得階層が低いほど割合が高くなっております。
 33ページを御覧ください。
 中学2年生の生徒の全国との比較でございます。大学またはそれ以上が全国49.7%、沖縄39.3%と10ポイント程度の差がございます。また、二人親・ひとり親別では、二人親世帯では全国51.8%、沖縄41.6%と10ポイント程度の差がありますが、ひとり親世帯では全国34.4%、沖縄31.3%と3ポイント程度の差となりました。
 34ページ、35ページは進路をそのように選択した理由でございますが、説明は割愛させていただきます。
 36ページを御覧ください。
 保護者にお子さんの将来の現実的な進学先を尋ねたものでございます。大学またはそれ以上は所得階層が低くなるほど低くなるのに対し、専門学校まで、高校までは所得階層が低くなるほど高くなっております。
 37ページ、中学2年生保護者の全国との比較でございます。
 大学またはそれ以上は全国50.1%、沖縄38.9%と約11ポイントの差がございました。また、二人親・ひとり親別ですが、二人親世帯では全国53.2%、沖縄41.6%と約12ポイントの差がありますが、ひとり親世帯で見ますと、全国29.4%、沖縄31.1%と、逆に沖縄が全国を上回る結果となっております。
 38ページを御覧ください。
 小学5年生、中学2年生の保護者の2018年との経年比較です。大学またはそれ以上の割合が減り、短大・高専まで、まだ分からないが増えております。
 39ページ、40ページは選択した理由の全国比較となります。こちら説明は割愛させていただきます。
 41ページから、第3章ふだんの暮らし(児童・生徒)でございます。
 42ページ、43ページを御覧ください。
 所有物の状況でございます。子供部屋、インターネットにつながるパソコンの2項目では、低所得層ほど所有する割合は低くなっており、一般層と低所得層Ⅰの間で約20ポイント前後の差がございます。
 44ページ、45ページを御覧ください。
 子供の自己肯定感に関する質問でございます。頑張れば報われる、自分は家族に大事にされている、不安に感じることはない、孤独を感じることはないという4つの質問について、とてもそう思う、どちらかといえばそう思う、あまりそう思わない、そう思わないで答えてもらいました。
 2018年との経年比較を掲載しておりますが、小学5年生、中学2年生のどちらも、いずれの質問でもとてもそう思うの割合が高くなっています。頑張れば報われるでは、小学5年生が41.3%から47.8%へ6.5ポイント増、中学2年生が29.5%から38.6%へ9.1ポイント増。2つ目の自分は家族に大事にされているでは、小学5年生が59.7%から72.7%へ13ポイント増、中学2年生が47.5%から63.9%へ16.4ポイント増。3つ目の不安に感じることはないでは、小学5年生が26.4%から34.7%へ8.3ポイント増、中学2年生が19.1%から26.5%へ7.4ポイント増。4つ目の孤独を感じることはないでは、小学5年生が38.8%から48.9%へ10.1ポイント増、中学2年生が31.7%から40.4%へ8.7ポイント増。特に、2つ目の自分は家族に大事にされているについては、小学5年生、中学2年生とも10ポイント以上の増加が見られる結果となっております。
 46ページから51ページについては、学校の授業が分からないと感じること、夜遅くまで起きている回数、いらいらや不安を感じたり、気分が沈むことについて所得階層別の比較とか全国との比較を掲載しておりますが、説明は割愛させていただきます。
 52ページからが、第4章ふだんの暮らし(保護者)になります。これは保護者に尋ねたふだんの暮らしでございます。
 53ページを御覧ください。
 家庭に広く普及している物品を経済的な理由で所有していないものを尋ねた結果でございます。53ページが小学5年生、54ページが中学2年生の結果です。子供の年齢に合った本、インターネットにつながるパソコン、新聞の定期購読、急な出費のための貯金の4項目では、小学5年生、中学2年生ともに、一般層と低所得層Ⅰの間で10ポイント以上の差がございます。そのほか、小学5年生では世帯人数分のベッドまたは布団、中学2年生では子供が自宅で宿題をすることができる場所が、それぞれ一般層と低所得層の間で10ポイント以上の差がございました。
 55ページを御覧ください。
 過去1年間に、お金が足りなくて家族が必要とする食料が買えないことがあったかを尋ねた結果でございます。低所得層Ⅰでは、よくあった、時々あった、まれにあったの3つを合計しますと47.1%と、約半数の世帯で食料を買えなかった経験があると回答しております。
 56ページを御覧ください。
 全国との比較では、よくあった、時々あった、まれにあったの合計で全国は11.3%、沖縄は23.6%と約2倍の高さとなっております。また、沖縄、全国ともに、二人親よりもひとり親世帯で割合は高くなっております。
 57ページを御覧ください。
 電気料金・ガス料金・水道料金の滞納経験について、全世帯とひとり親世帯に分けて沖縄、全国を比較したものでございます。いずれも全国より沖縄が高く、また、ひとり親世帯のほうが全世帯より高くなっております。
 58ページを御覧ください。
 過去1年間に、子供を医療機関で受診させられなかった経験があるかどうかを0歳から17歳調査で尋ねた結果でございます。あったと回答した割合は、一般層で13.1%、低所得層Ⅰでは32.4%と約20ポイント高くなっております。この概要版には掲載しておりませんが、小学5年生、中学2年生も同様の結果となっております。報告書のほうでは同様の結果で掲載をしております。
 59ページを御覧ください。
 0歳から17歳調査を基に子供の年齢層別で受診させられなかった経験に違いがあるかを見ると、あったと回答した割合は未就学児で14.6%でございますが、小学生、中学生、高校生ではいずれも20%以上となっております。これは沖縄県内で実施されておりました未就学児への窓口負担の無料化の医療費助成が、一定程度の効果を上げて差がついたものと考えております。
 60ページ、61ページを御覧ください。
 受診させられなかった理由について尋ねております。
 61ページが年齢別で理由について記載したものでございますが、未就学児を見ると、家計が苦しかったがほかの小学生以上より低く、新型コロナウイルスの感染を心配したが71.9%と、ほかの小学生以上とは10ポイント以上高くなっております。受診控えの要因が経済的事情からコロナの影響にシフトしたことがうかがえる内容となっております。
 62ページを御覧ください。
 保護者の抑鬱傾向(心理的ストレス)に関して、K6と呼ばれる指標を用いて調査をしました。点数が高いほど抑鬱傾向が強いという調査でございます。4つの区分全てで、所得が低い世帯ほど該当する割合が高くなっております。
 63ページで経年比較をしておりますが、小学5年生、中学2年生ともに同様の傾向にありまして、困窮層、非困窮層ともに2021年は高くなっており、非困窮層より困窮層において顕著な増加が見られる結果となっております。
 続きまして、第5章制度の利用状況でございます。
 65ページを御覧ください。
 就学援助の利用状況を聞いております。小学5年生の困窮層では、2015年42.8%から2018年52.9%と11ポイント程度の上昇が見られ、2021年は54%と微増ではありますが増えております。中学2年生の困窮層では、2015年50.2%、2018年57.9%、2021年55.9%となっております。
 66ページを御覧ください。
 子供の居場所の利用状況について児童生徒に尋ねています。利用しているは、小学5年生が2018年9.2%から2021年11.3%、中学2年生が2018年6.1%から2021年7.9%とそれぞれ約2ポイント、2割から3割増加をしている結果となっております。
 67ページを御覧ください。
 小学5年生に子供の居場所を利用している理由を尋ねています。勉強するためが最も高く、続いて友達と遊ぶためとなっております。経年比較では、家に誰もいないため以外の項目が全て増加をしております。
 68ページを御覧ください。
 中学2年生に尋ねております。勉強するためが最も高く、続いて友達と遊ぶためとなっております。経年比較で見ますと、いると安心できるため、御飯を食べるため、友達と遊ぶためが増加をしております。
 69ページを御覧ください。
 子供の居場所を利用していない理由を尋ねております。そのような居場所があることを知らなかったからが49.8%で、約半数が知らなかった結果となりました。
 同じく70ページが中学2年生の結果でございますが、同様にそのような居場所があることを知らなかったからが48.8%となっております。小5と中2の両方の結果から、居場所の周知方法等について課題が見られる結果となりました。
 続きまして、71ページ以降は自由記述となります。
 幾つか読み上げたいと思いますが、まず72ページ、ふだんの暮らし・新型コロナウイルス、これは児童生徒の自由記述でございます。左下を御覧ください。コロナで学校行事がなくなって悲しいです。お金で買えない大事な学生時代です。もっと若い人や学生を大事にしてほしいです。子供の文句にしか聞こえないと思いますが、このように理不尽を感じている同級生はたくさんいます。子供も納得して生活できるよう大人の方々にはもっと頑張ってほしいです。タブレットありがとうございます。効率よく学習できて助かっています。もっと活用したいですというような御意見がございました。
 続きまして、74ページを御覧ください。
 右側の上のほう、今回、回答したことが、少しでも子供が住みやすい県にするために役に立ったらいいなと思います。内容もすごく簡単だったし、名前も書かなくていいから、私はすごくやりやすかったです。子供たちが過ごしやすい県にするためにこれからも頑張ってください。
 それからその次、このアンケートを今後に生かしてほしいなと思う。問19の子供の居場所について初めて知ったので利用してみたいなと思います。
 アンケートについてはこの後も説明しますが、児童生徒、保護者とも肯定的な意見が多く見られました。
 76ページを御覧ください。
 こちらからは保護者の自由記述でございます。左下、ヤングケアラーという言葉が取り沙汰され、うちの子たちもそうなんだと気づきました。親ができないときは兄弟で面倒を見るということが当たり前と思っていたけど、小さいときから何かしら我慢させていたのかなと思うと悲しくなる。同じ立場の兄弟児同士のサークルや、親に言えない悩みや思いが言える第三者やおしゃべりができる会等を企画して、交流の場があればいいなと思ったという意見がございました。
 77ページが子育て支援等についての親の意見でございます。
 左側の2つ目、子供にかかる費用を減らしてもらえると家計も助かります。授業料や制服、体育着、学級費、PTA費等々、月々何かと徴収されてぎりぎりです。余裕があれば、子供を水族館に連れて行ってあげられたり、どこかに行けるのになと思います。日々生活していくのに精いっぱいですという切実な意見もいただいております。
 続きまして78ページ、就学援助、子供の居場所、コロナ禍の支援等について載せておりますが、右側の上から2つ目、コロナ禍が2年も続くと正直とても厳しい。自営業で観光業のため収入が5割以上減っている。飲食店のみに協力金等の援助があるが、観光産業全般大変厳しいのでは。一括支援金などないと、いつまでもつか分からない。生活福祉の貸付けもしているが、免除にならないと、また、借金返済からスタートだと、生活が安定する見込みはほぼゼロ。低所得者に関しては貸付返済免除をぜひ希望するというコロナ禍の切実な事情も書かれております。
 79ページが支援制度、アンケートについて掲載しております。
 左側の下、2つ目の意見です。私の家庭は子供が多く、保育料や学費など、日々の生活費など出費がかさみ大変でしたが、市のソーシャルワーカーさんと出会い、私もパートに出て、下の子を保育園に入れることができました。保育料、給食費、医療費等とても子育てについてのバックアップが充実していて、とても助かっています。今でもソーシャルワーカーさんと連絡を取り合い、子育てのことなどすごく相談しやすく、助かっています。友達や家族などに相談しづらい人もいると思います。みんなが相談しやすい支援員さんがいると助かりますと、こちらではうまくつながることができた事例を見ることができました。
 それから最後、右側の一番下ですが、データ収集のため統計を取られるのは大いに結構ですが、データ収集のための調査にとどまらず、実際に子育て家庭の支援策が生活の中で反映・実感できるような状況になることを願いますということで、このアンケートについての御意見も伺っております。
 自由記述はこちらではこれだけなんですけれども、実際の報告書では298ページから約40ページを割いて全ての自由記述を載せておりますので、後ほど御覧いただければいいのかなと思っております。
 以上で、自由記述の紹介は終了させていただきますが、児童生徒及び保護者からの貴重な御意見をしっかりと受け止め、今後の事業や施策の展開につなげていけるよう、引き続き子供の貧困対策に取り組んでまいります。
 以上で、子ども調査に関する執行部からの説明を終わります。

○当山勝利副委員長 子ども未来政策課長の説明は終わりました。
 これより、令和3年度沖縄子ども調査報告書についての質疑を行います。
 質疑はありませんか。
 西銘啓史郎委員。

○西銘啓史郎委員 4ページの調査概要から伺います。調査実施主体、委託費の額を2021年、2018年、2015年で教えてください。

○仲村卓之子ども未来政策課長 調査自体は平成28年から今年まで、小中学生調査、高校生調査、未就学児調査という3種類を2回ずつ、今回が小中学生調査は3回目ということになっております。これを平成27年からまとめていきますと、平成27年度が789万7000円、これが沖縄県子ども総合研究所というところに委託をしております。平成28年度747万4000円、沖縄県子ども総合研究所、同じ研究所でございます。平成29年1320万円、沖縄県子ども調査事業共同体というところでございます。平成30年度、こちらは2つに分けていまして、大阪府立大学に886万円、それから200万円で沖縄県子ども調査事業共同体。令和元年度894万9000円、沖縄県子ども調査事業共同体。令和2年度1123万5000円、沖縄県子ども調査事業共同体。令和3年度1377万9000円、沖縄県子ども調査事業共同体でございます。

○西銘啓史郎委員 次に、ちょっと関連するので6ページですけど、調査協力研究者と4名の方がありますけれども、その方たちへの協力金という言い方がいいのか、何か対価はお支払いになっているのかどうか教えてください。

○仲村卓之子ども未来政策課長 それは全て委託料の中で、受託した事業者が支払っているということになります。

○西銘啓史郎委員 この額は皆さん把握はしていないですか。

○仲村卓之子ども未来政策課長 県の報酬とか報償費とかの基準にのっとって、受託者のほうから支払われていると考えております。

○西銘啓史郎委員 いや、だから額は把握していますか。

○仲村卓之子ども未来政策課長 それぞれお一人お一人に支払われた額については把握をしておりません。

○西銘啓史郎委員 これは万国津梁会議でも話題になったと思うんですけど、日当だったか忘れましたけど、2万7000円払ったケースがあったり、それが県では規約上、たしか8000円前後だと思うんですけど、それについてはやっぱり何らかの把握はすべきだと思うんですが、できていないのか、していないのか、やる気がないのか、どっちですか。

○仲村卓之子ども未来政策課長 把握はしていないんですけれども、委託料の規模からしますと、実際にこの調査に関わった時間というのは物すごく時間をかけて調査、分析していただいておりますので、過大な支払いにはなっていないというふうに承知をしております。

○西銘啓史郎委員 先ほど、この事業でいうと789万、747万から今回1320万円へと倍近いんですけれども、この額の多い、少ないを言っているんじゃなくて、今までこの調査協力研究者がいたかどうか分かりませんけど、委託費の中にそれが含まれたからこれだけ増えているのか、または何か今までと違う調査をして深掘りしたからなのか、そこを把握したいんですけど、県としては把握していますか。 

○仲村卓之子ども未来政策課長 今回は0歳から17歳調査というのを初めて実施をしました。それまでの6年間は小中学生調査、高校生調査、未就学児調査というのを2回ずつ毎年やっておりましたけど、今回0歳から17歳調査というのを含めて郵送調査をしましたので、その分、額は増えております。

○西銘啓史郎委員 それと5ページにちょっと戻りますけれども、有効回答率が小学5年生、中学2年生、児童生徒、保護者で71%から75%とありますけど、2015年、2018年と何か比較したものはありましたっけ。数字はありますか。

○仲村卓之子ども未来政策課長 今手元に2015年、2018年の細かい数字はございませんが、小中学生調査については、過去3回とも学校を通しての施設調査になりますので、回答率は7割程度は確保できております。

○西銘啓史郎委員 同じ5ページで、先ほど初めて0歳から17歳、33%、4割を切る回答率なんですけど、今回初めてなので、次回以降、もしやる場合の対策をどうするかというのはしっかりやったほうがいいと思うんですよね。ですから、質問の中身を全部把握していませんけど、設問の仕方によっては回答したくないとか、中身がちょっとどうなのか分かりませんけど、そこはぜひ検討していただければと思います。
 それともう一つ、44ページのほうですけれども、小学生の中で頑張れば報われる、もう一つは大事にされているという回答が増えているというのは非常に私うれしいことなんですね。企画部が実施した県民意識調査の中でも、幸せを感じる、どちらかといえば感じるが8割を超えていたということも含めて、ややもすると県民所得が低い、子供の貧困が多いということでマイナスのイメージといいますか、こういうふうに子供たちが前向きになれるような―だからちょっと言葉を選ばなきゃいけないんですけど、自分の貧困が負のスパイラルにならないように、学童に行くことも何か行きたくないとか、分からない人も多いとありましたよね。ですからこの辺は、行政としてはもちろん光の当たらないところに光を当てていく、困っている人を助けるというのは理解するんですけれども、今回私一般質問で言おうと思っているのが、ウェルビーイングという言葉、部長は聞いたことありますか。日本的にも世界的にも、これがやはり大事だと思うんですよね。幸せって多分、個人、家庭で価値基準、幸せの基準はばらばらだと思うんですけど、そこら辺をしっかり見ていって、マイナスからゼロに持っていくのを、さらにプラス1、2に持っていけるような行政の在り方とかですね。そこはもちろん予算が絡むことなので簡単ではないにしても、一番大事なことは、自分にはそういった希望が持てるということが今後必要じゃないかなと。私たちは大変なんだということよりも、希望を抱けるような行政の取組をぜひお願いしたいと思います。
 それと最後に1点、先ほどの77ページでしたかね。右側のバス通学の話ですけれども、これは私もちょっとオキカの制度をよく分かっていないので教えてほしいんですけど、指定された路線1本しか利用できないようになっているんですか。今の制度というか。

○大城勇人教育支援課長 ちょっと書きぶりをしっかり把握しないといけない部分はあるんですけれども、まず通学という概念がありますので、最寄りのバス停から学校の最寄りのバス停ということで区間を定めていますので、その区間を通るバスであれば、同じバス会社であれば特に1本というわけではございません。

○西銘啓史郎委員 これを読む限りは、指定された路線、例えば何番とかという番号があって、このバス以外は乗れないというふうに僕は理解したんですけど、そうじゃないということでいいですか。

○大城勇人教育支援課長 そうではありません。通常の定期券を想像していただければ、同じバス会社であれば、その区間であれば利用が可能になっています。ですので今委員からお話があった、例えばAバス会社の路線が複数あって、この区間内で通っていればそれは利用できます。ただ、他社については対象になっていないという状況でございます。

○西銘啓史郎委員 では、77ページのこの文は間違いということですか。勘違いしているんですかね。

○大城勇人教育支援課長 間違いかどうかというのは、この文面だけでは把握できないんですが、定期券ですので、この区間であれば、同一バス会社であれば特にこちらのほうで制限をかけているということではありません。

○西銘啓史郎委員 最後に1点、これは会社が違ったら駄目。A社の同じ路線、B社の同じ路線、番号は違うけどB社なら駄目ということですか。

○大城勇人教育支援課長 通常の定期券と考え方は同一ですので、バス会社が変われば、そのような対応は今のところ困難かなというふうに考えています。

○西銘啓史郎委員 私もちょっと調べてみますので、要はいろんな子供たちの生の声、これは全て調査目的に書いているように施策の評価に活用するということなので、ぜひこの声を大事にしていただいて、本当に効果がある、課題があるなら課題を―これは僕今すぐに解決できるのかなと一瞬思ったんですけど、要は優先順位をつけて、今やっている施策をしっかり見極めて課題を解決していただければと思います。我々もできる限りのことは協力しますので。
 以上です。

○当山勝利副委員長 ほかに質疑はありませんか。
 喜友名智子委員。

○喜友名智子委員 御説明ありがとうございました。
 私も今西銘委員から指摘のあった、概要版の44ページですね。頑張れば報われるという自己肯定感が高くなっているというところは、これまでのどういった事業の効果が要因だったのか、ここはぜひ突っ込んだ分析を今後期待したいと思っています。ポイントとしてはかなり上がっているなという印象があるので、やっぱり何かしら要因はあると思うんですね。特に2018年から2021年というと、コロナ禍に後半入っている部分があります。世の中的にはやっぱり全体的にストレスがたまったり、生活収入が苦しいという状況が大人の世界ではあった中で、子供の肯定感のアンケートが高くなっているというのは少し要因があるのではないかと思いますので、ここは背景分析をしっかりしていただきたいと思います。こちらは要望です。
 次に37ページなんですけれども、進路についてですね。大学進学を希望するところと、短大・高専・専門学校までというところ、沖縄のほうは短大・高専などの希望が高いというのがあります。子供の貧困対策の中でも特に教育の分野では、全国に比べて大学進学率が低いと。だから進学率を全国並みにしようという動きはあると思いますけれども、私自身は大学にも行きましたけど、全員に大学進学が本当に、特に高校3年生から現役ストレートで行くことがいいよみたいなものが沖縄に合っているのか、目指すべきかというところはちょっと疑問を持っているほうです。特にこの10年、20年で、私立を中心に新設の大学も増えています。ただ中には、これは大学の目的にもよりますけれども、学問をするためというよりも、いわゆるよい仕事に就くための、ありていに言えば経歴に書ける大卒と。何かが欲しいとか、専門学校とさほど変わらない大学とかも増えているのが実態だと思っています。
 そのときに37ページのアンケート結果を見ると、沖縄において大学進学の率を全国並みにする施策を取るのがいいのか、それとも進学希望の多い短大・高専・専門学校の中身を強化して、しっかり手に職をつけるというところに充実を図るのか、ここは真剣に議論をしていただきたい部分だと思うんですね。私は大学というのは基本的には学問をする場であるという立場に立っていますので、専門学校に近いような大学はむしろ廃止するべきだし、進学もさせるべきではないと思っています。そうであるならば、この進学の希望を見たときには、ぜひ安易に大学進学というものではなくて、専門学校・高専・短大の強化というところもきっちりと視野に入れていただきたい。今は社会人になっても大学、大学院に行き直すという選択肢も当たり前になっていますので、高校を卒業してすぐに大学に行くというのがいいんだよ、ステータス高いんだよみたいな安易な方向にだけは、ちょっとこの結果を見て流れてほしくないなと思います。
 すみません、ちょっと長くなりましたが、これはコメントと、あとこの37ページのアンケート結果を今教育委員会のほうでどういうふうに捉えているのかだけ、コメントいただけますか。

○玉城学教育指導統括監 今委員がおっしゃるように、我々としては必ずしも大学進学を皆さん目指してくれというわけではなくて、それぞれの生徒の特性、個性に合った進路実現をしていこうというところで、やはり以前から申し上げているとおり、キャリア教育ですね。これをしっかり子供たちに充実させて、自分の将来像を―基本的に目指すのは社会的、職業的自立、これに尽きるのかなと思っていて、それを自分の特性に合わせたところでしっかり実現していってほしいというところであって、高校を出てすぐ大学へ行く人もおれば、就職する人もおれば、専門学校で資格を取って職に就く。大学でさらに専門的知識を深める。様々な生き方があると思います。そういう中にあって、我々としては今申し上げたとおり―ただここで心配なのが、まだ分からないという部分が全国と比較すると多いんですね。やはりまだまだ我々キャリア教育に課題があるというところで、そこをしっかり踏まえて今後も学校教育に生かしていきたいなというふうに思っているところでございます。
 以上でございます。

○喜友名智子委員 ありがとうございました。
 分からないという回答がまだ多いというところもやっぱり着目すべきだと、おっしゃるように思います。特に中学生の段階で職業選択までできる子はなかなかいないと思うんですね。漠然とした憧れという前向きな気持ちを持つのはいいんですけど。その職業教育と、あとは分からないなりに勉強するというのがどういう意味を持つのか。大学進学だけが目的ではなくて、大学進学も一つのプロセスだよと。こういう進学の多様化というところはやはり押さえておいていただきたいと思います。ありがとうございます。
 もう一点、これは報告書そのもののほうから見たんですけれども、249ページの考察のところ、生活保護制度の利用についてです。貧困世帯、困窮世帯が多い沖縄で、生活保護を利用したほうがいいんじゃないかとおぼしき世帯でも、やっぱりもうちょっと自分で頑張るからいいですとか、私の家庭はその対象じゃないとおっしゃる家庭も一定数いるんじゃないかと思います。制度の使いにくさとか、生活保護申請をする心理的なハードルの高さはあるかと思いますけれども、この考察の中で249ページの一番上の段落の下から5行目、一方で、利用したいが手続が分からなかったり利用しにくいから、また、それ以外の理由で利用に結びついていない人も多くいるという指摘がありました。
 今後ぜひ、制度の使いやすさは当然取り組んでいただいているものという前提で、それ以外の理由というところを考察調査で深めていただけないかと思っています。それ以外の理由について、何か調査機関、受託者と意見交換をしたことはあるでしょうか。

○仲村卓之子ども未来政策課長 この設問について、それ以外というのがどうなのかというのは、まだ話はしておりません。

○喜友名智子委員 これは全く私の仮説なんですけれども、沖縄の場合だと、家族、親戚をたどれば誰か1人か2人、稼いでいる人がいると。この人たちが意外に生活費や進学費の援助をしているというケースがやっぱりあるように周りを見ていると思うんですね。困窮世帯の中で、そういう親戚からの金銭的な援助があれば生活保護まで受けなくてもいいという層がやはり一定数いるのではないかと思っています。こういった要因があるのであれば、本来であれば制度で支援をすべきなんだけれども、家族内、親戚内で助け合っているものまで邪魔するものでもないと。ただし、先ほど淑豊委員が可処分所得の話をしていましたけれども、やっぱり親戚の中でも生活保護を受けるなんて恥ずかしいから、それだったら自分たちがお金出すよとか、そういうところもやっぱりあるんじゃないかなと思うんですね。ユイマールのいいところではあると思いますけど、これはぜひ経済的な要因も含めて、それ以外の理由というところも突っ込んでいただきたいですし、できればそういう親戚でちゃんと援助をしているという実態があるのであれば、例えば税のほうで所得税の免除をするとか、沖縄だとそういった提案もあっていいのかなと。ちょっと大きい話になりますが、思っています。ぜひここの理由を今後深掘りしていくように要望します。
 以上です。

○当山勝利副委員長 ほかに質疑はありませんか。
 石原朝子委員。

○石原朝子委員 よろしくお願いします。
 県のほうで新たな子どもの貧困対策計画(素案)というのが県民の意見を募集していることがあったんですけれども、この新たな子どもの貧困対策計画はもう策定されているんでしょうか。

○仲村卓之子ども未来政策課長 昨年、第1期の6年間の子どもの貧困対策計画の最終評価をしまして、それを踏まえて有識者会議、それから県全庁を挙げた推進会議を4回ほどやりまして、今年4月1日から第2期の新たな子どもの貧困対策計画が開始しております。

○石原朝子委員 それは公表されているんでしょうか。

○仲村卓之子ども未来政策課長 推進会議4回、それから有識者会議も4回やりましたが、全てマスコミへフルオープンの会議でございまして、それから計画については県のホームページにも掲載をしておりまして、全てオープンにしております。

○石原朝子委員 分かりました。
 では今回、沖縄子ども調査、令和3年の概要版を見て、その中で課題とかが出てきたと思うんですけれども、そこら辺は今後こういった新たな子どもの貧困対策計画の中にどのような形で生かされていきますでしょうかね。

○仲村卓之子ども未来政策課長 先ほどの喜友名委員からの御指摘もございましたが、この調査結果については全庁的に今後の施策を推進するために調査を行っておりますので、これは全ての部局に配付をしておりまして、例えば先ほどの生活保護の話でいきますと、保護・援護課のほうでこういった意見を聞いて施策に生かしていくということになりますし、様々な子供の貧困対策、教育庁も含めまして、うちの子ども生活福祉部でも受け止めるところはたくさんありますので、各担当課のほうでこの調査結果を受け止めて施策に生かしていくという流れになります。その基本的なところとして、毎年子どもの貧困対策推進会議というのを、知事四役を筆頭に全部局長が集まる会議を開いておりますので、その中で例えば目標値を修正したり、重点施策を追加していったりとか、そういったことで対応していくという流れになります。

○石原朝子委員 分かりました。
 やはり横の連携もしっかり取りながら、ただ計画をつくるだけではなくて、実態に合った対応をしていただきたいと思います。ありがとうございました。

○当山勝利副委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○当山勝利副委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、令和3年度沖縄子ども調査報告書についての質疑を終結いたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、執行部退席)

○当山勝利副委員長 再開いたします。
 陳情に対する質疑については全て終結し、採決を残すのみとなっております。
 陳情の採決に入ります前に、その取扱いについて御協議をお願いいたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、議案等採決区分表により協議)

○当山勝利副委員長 再開いたします。
 お諮りいたします。
 陳情令和2年第79号については、休憩中に御協議いたしましたとおり継続することに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○当山勝利副委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 次に、閉会中継続審査・調査事件の申出の件についてお諮りいたします。
 先ほど、閉会中継続審査・調査すべきものとして決定した陳情1件と、本委員会付議事件を閉会中継続審査及び調査事件として議長に申し出たいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○当山勝利副委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 以上で、本委員会に付託された陳情等の処理は全て終了いたしました。
 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。






沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

 副委員長  当 山 勝 利