委員会記録・調査報告等

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子どもの未来応援特別委員会記録
 
平成29年 第 6定例会

2
 



開会の日時

年月日平成29年12月18日 曜日
開会午前 10 時 1
散会午後 2 時 43

場所


第2委員会室


議題


1 陳情平成28年第140号 貧困をなくし、子供の来来を保障する対策を求める陳情
2 子どもの貧困問題並びにこれに関連する諸問題の調査及び対策の樹立(教育庁として考える学校をプラットフォームとした総合的な子どもの貧困対策の展開について)
3 閉会中継続審査・調査について


出席委員

委 員 長  仲 村 未 央 さん
副委員長  上 原 正 次 君
委  員  新 垣   新 君
委  員  具志堅   透 君
委  員  島 袋   大 君
委  員  仲 田 弘 毅 君
委  員  次呂久 成 崇 君  
委  員  亀 濱 玲 子 さん
委  員  比 嘉 京 子 さん
委  員  瑞慶覧   功 君
委  員  西 銘 純 恵 さん
委  員  嘉 陽 宗 儀 君
委  員  金 城 泰 邦 君


欠席委員

      なし


説明のため出席した者の職・氏名

子ども生活福祉部長      金 城 弘 昌 君
 福祉政策課長        金 城   賢 君
 青少年・子ども家庭課長   友 利 公 子 さん
 子ども未来政策課長     喜舎場 健 太 君
 保健医療部地域保健課班長  上 里 とも子 さん
 商工労働部産業雇用統括監  伊 集 直 哉 君
 商工労働部雇用政策課長   下 地 康 斗 君
 商工労働部労働政策課長   宮 平 道 子 さん
 教育庁教育指導統括監    與那嶺 善 道 君
 教育庁教育支援課長     登 川 安 政 君
 教育庁学校人事課長     古 堅 圭 一 君
 教育庁県立学校教育課長   半 嶺   満 君
 教育庁義務教育課長     當 間 正 和 君
 教育庁保健体育課副参事   島 袋 勝 範 君



〇仲村未央委員長 ただいまから、子どもの未来応援特別委員会を開会いたします。
 陳情平成28年第140号子どもの貧困問題並びにこれに関連する諸問題の調査及び対策の樹立に係る教育庁として考える学校をプラットフォームとした総合的な子どもの貧困対策の展開について及び閉会中継続審査・調査についてを一括して議題といたします。
 本日の説明員として、子ども生活福祉部長、商工労働部長及び教育長の出席を求めております。
 まず初めに、子ども生活福祉部、商工労働部及び教育委員会関係の陳情平成28年第140号の審査を行います。
 ただいまの陳情について、子ども生活福祉部長の説明を求めます。
 なお、継続の陳情については、前定例会以降の新しい事実についてのみ説明をお願いいたします。
 子ども生活福祉部長の説明を求めます。
 金城弘昌子ども生活福祉部長。

〇金城弘昌子ども生活福祉部長 それでは、お手元に配付しています陳情に関する説明資料で、子ども生活福祉部所管に係る陳情処理方針について御説明申し上げます。
 表紙をめくりまして、陳情一覧をごらんください。
 本委員会に付託されている陳情については、継続が1件となっています。
 継続審査となっております陳情1件につきましては、処理方針に変更がありませんので、説明を省略させていただきます。
 以上で、陳情の処理方針についての説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

〇仲村未央委員長 子ども生活福祉部長の説明は終わりました。
 次に、商工労働部産業雇用統括監の説明を求めます。
 伊集直哉産業雇用統括監。

〇伊集直哉産業雇用統括監 続きまして、商工労働部所管に係る陳情処理方針について御説明申し上げます。
 継続審査となっております陳情1件につきましては、処理方針に変更がありませんので、説明を省略させていただきます。
 以上で、陳情の処理方針についての説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。 

〇仲村未央委員長 商工労働部産業雇用統括監の説明は終わりました。
 次に、教育庁教育指導統括監の説明を求めます。
 與那嶺善道教育庁教育指導統括監。

〇與那嶺善道教育指導統括監 続きまして、教育委員会所管に係る陳情処理方針について御説明申し上げます。
 継続審査となっております陳情1件につきましては、処理方針に変更がありませんので、説明を省略させていただきます。
 以上で、陳情の処理方針についての説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

〇仲村未央委員長 教育庁教育指導統括監の説明は終わりました。
 これより陳情に対する質疑を行います。
 質疑に当たっては、陳情番号を申し述べてから重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行うようお願いいたします。

〇仲村未央委員長 質疑はありませんか。
 新垣新委員。

〇新垣新委員 陳情に関する説明資料の2ページの商工労働部のところについて質疑します。パートのような形での非正規雇用が多い県内の女性や貧困層についてのある程度の状況はわかっているのですが、恐らく1時間当たりの労働時間、最低賃金の問題で全国平均1000円を目指していると思います。この中で、県内の経済関係者との意見交換はしましたか。説明資料にあるとおり、県内の経済団体との話し合いはどうなってますか。陳情者が出した陳情の内容について調整していますか。国の動向を注視という前に、県内の経済団体との意見交換及び話し合いはどうなっているのかということです。

〇下地康斗雇用政策課長 陳情処理方針にありますとおり、経済団体―経営者協会等への要請を行っております。そのほかに、働き方改革検討委員会の関係や沖縄県雇用対策推進協議会のような会議の場で意見交換等を行っています。それと今年度の11月中に、沖縄総合事務局と沖縄労働局―本省でいえば中小企業庁と厚生労働省になりますが、その中で中小企業の支援についての取り組みを進めようと、官民共同による運動として、働き方改革や生産性向上推進運動を展開することとしております。その中で、行政と民間団体も含めて、さまざまな企業がどういう取り組みができるのか。それに対して行政としてどういう支援ができるのか。市町村もありますが、そういった形で推進運動を展開をして、非正規雇用の改善と正規雇用率を上げようという取り組みを進めているところでございます。

〇新垣新委員 私が聞いているのは、九州とか大きな枠ではなくて、県内の主要経済団体と県の話し合いについてです。県内の経済団体と意見交換をしましたかと聞いているのです。これは県内の方が陳情を出しているので、県内でやりましたかということを聞いているのです。大枠のことは大体わかっています。県内でやりましたか。

〇伊集直哉産業雇用統括監 先ほど、雇用政策課長からも答弁があったとおり、県内の各種経済団体等々と意見交換を行っています。具体的には経営者協会、商工会議所連合会、商工会連合会、中小企業団体中央会、九州企業家同友会、工業連合会等です。

〇新垣新委員 理想とする最低賃金は1000円ということについて理解できます。意見交換をしてみて、その中身はどうでしたか。

〇伊集直哉産業雇用統括監 働き方改革で、経営者側の意識の醸成といった部分に関して要請を行っていることが1点目に上げられます。ただし今の最低賃金の1000円に向けてというところは、国ではそういった形で出されておりますので、沖縄県としても、地方審議会や法令に基づいて最低賃金が決定されますので、それが遵守されるのかどうか。それを上回る賃金を含めて、しっかりと処遇の改善に取り組んでいただきたいという意見交換を行っているところです。

〇新垣新委員 県内でも人手不足がいろいろなことにまたがって、時給900円というところも出てきている状況になってきています。県内でも人手不足という状況が出てきて、もう外国人を入れる時代になっています。農業、漁業、コンビニエンスストアでも、こういう時代に変わってきているということを強く思っています。こういった時給が900円ぐらいを超えてきているということもありますが、現在の実態はどうなのか。そこについて県はどう把握していますか。

〇伊集直哉産業雇用統括監 県は、人手不足に関係する連絡会議を昨年度から開催しております。今年度の8月に3回目を開催して、それで非常に人手不足の状況が顕著だということについて、関係する部局や課で認識をしているところです。外国人労働者の活用についても一応議論しております。ただ、各部局がそれぞれの業界団体を持っているところがござますので、そこがどのような形で認識をしているのかという現状の整理と、どういった取り組みをしているのか、今後どうしていくのかという意見交換をして、今年度中にそれを取りまとめていきたいと考えております。

〇新垣新委員 例えば、農家、JA、農業法人とかいろいろあります。その中で時給2000円をもらっているところもあると聞いています。ですから、この実態やニーズの数字とか、きちんと把握すべきではないかと。都道府県によって、ばらつきがあると思いますので、その実態調査までしっかり行うようお願いします。
 次に、貧困の問題について伺います。
 生活保護率の向上及び最低保障年金制度の中で、この生活保護率は年々どのくらいふえていますか。

〇金城賢福祉政策課長 生活保護率が年々幾らふえているのかということについて、過去5年間で申し上げますと、平成25年が23.5パーミル、平成26年が24.01パーミル、平成27年が24.59パーミル、平成28年が24.95パーミル、平成29年は8月末時点で25.14パーミルとなっています。

〇新垣新委員 その中で一番比率が大きい市町村はどこになりますか。

〇金城賢福祉政策課長 保護率が最も高い村は、57.91パーミルで粟国村になります。

〇新垣新委員 市町村で大きいところの世帯数とか、率を聞いているのです。

〇金城賢福祉政策課長 世帯数で申し上げますと、最も多い市が那覇市になり、9496世帯です。次に大きいところが沖縄市で3952世帯です。その次にうるま市で2140世帯という順序になっています。

〇新垣新委員 そこに関連して、低所得者に対する国の自公体制で、奨学金制度の創設や所得に合わせた幼児教育の無償化、貧困対策についてしっかりと考えているという形です。そこで伺います。教育予算の大幅な増額により、保護者の経済的な負担軽減をすることについて、現在の貧困問題も重ねて、どのような取り組みが今走っているのか。以前の取り組みなどについての話は聞きました。それから進歩している部分をお聞かせください。例えば、我が党の座波一議員が、ランドセルの問題などといったものについても考えていくべきではないかとか。中学校、高校の制服代が高いとか。そういったもろもろのことについてどう考えていくのか。所得に合わせて、まずは生活保護者から、また所得水準もあわせて、鑑みて考えていくべきではないかという意見についてどのように考えていますか。

〇登川安政教育支援課長 この子供たちに対して、さまざまな支援があります。国が今大きな動きを見せております。今年度に日本学生支援機構を窓口とした給付型の奨学金が開始されています。これは全国で2万人規模で、沖縄県につきましては、私学も含めまして各学校の合計で799名の給付型奨学金について各学校への割り当てがあります。さらに国においては、人づくり革命と生産性革命という形で、12月上旬に政策パッケージを発表しました。その中で、今後、住民税非課税世帯の低所得世帯を限定として、国立大学の入学金と授業料を免除していく考え方と、給付型奨学金についても通学費や家賃などの生活費を賄えるような拡充を目指していくと。国では、さまざまな手だてを行っています。県といたしましても、この支援を必要とする学生、生徒につながるような仕組みをしっかりと構築するために頑張っているところです。

〇新垣新委員 少し答弁がかみ合っていない部分があります。今、私が聞いているのは進歩した部分を聞いているのです。例えば、貧困の世帯、低所得者というのは、子供のランドセル、制服、机を買うとかいったものについて非常に厳しい状況があって、その手当てが必要なのです。これも貧困対策の一環として考えていくべきではないのかと、進歩していますかということをお聞きしています。ですから、国の動向も大事ですが、沖縄県としての取り組みを聞いています。

〇登川安政教育支援課長 沖縄県の取り組みといたしましては、子ども生活福祉部で設置されている子ども貧困対策基金を活用しまして、就学援助を実施する市町村に対して、学用品の購入費や、単価で新たな費目の増加を行う市町村に対して支援援助を実施して、この子供たちに学費関係についての支援拡充を行っているところでございます。

〇新垣新委員 この予算は、何世帯のどのくらいの子供たちが活用していますか。このランドセル、机、制服といった予算規模はどうなっていますか。全然行き渡っていないから質疑しているのです。県の言い分とその実態は違っていて、活用したいのですが活用できませんという感じになっているのです。ですから我が党の座波一議員も同じ質問をしています。ニーズは大きいと思いますよ。小学生、中学生、高校生でどのくらい活用されたのか、具体的に説明してください。

〇登川安政教育支援課長 小・中学生に対する支援は、就学援助の制度で、今おっしゃっている入学用品や、通学用品関係の支援を行っています。これについて沖縄県の場合には、その支援人数が年々増加しています。直近で見ますと、小学生、中学生の合計の人数で、平成25年度が2万8566人、平成26年度が2万9198人、平成27年度は2万9539人となっています。それから速報値として平成28年度が3万1108人と年々支援対象の人数が増加しております。平成29年度はまだまとめておりません。

〇新垣新委員 3万1000人余りとなっていて、毎年その活用はふえてきていると。所得制限についてはどうなっていますか。

〇登川安政教育支援課長 市町村で実情に応じて、所得制限に関する対象の設定がされました。例えば、住民税非課税世帯を対象とする市町村。それから生活保護の費用の1.2倍とかといった掛け数を用いたり、さまざまな視点から各町村ごとに、支援を必要とする児童・生徒に対する支援が実施されております。

〇新垣新委員 そこで、市町村に対して県が指導助言を行ってほしいのです。わからない親や世帯もあると思います。所得の線引きもあると思います。そういったもろもろを含めて、正直に言って予算が足りない。この予算枠しかありませんという声を聞いているのです。これは市町村によってばらつきがあると思います。そういったことについて再度市町村と一体となってさまざまな予算の獲得についてぜひもう一度、現場の実態調査を行ってほしいのです。その件に関してどう思いますか。行き渡っていないということが現実なのです。

〇登川安政教育支援課長 県教育委員会は、全市町村の担当者を集めまして、毎年度、意見交換会や情報交換会をしています。その中で、県内・外を含めたいい取り組みをしている市町村の事例紹介を実施しています。それから周知関係についても、各市町村がどのような周知活動をしているのか。それも全ての市町村の取り組み状況を確認し、支援費目等についても全て提示して、みんなで勉強会をしながら、どのような改善ができるかについて意見交換を行っています。
 それと委員がおっしゃった子供の援助について知らない保護者がいるのではないかということについては、平成28年度の子ども貧困調査の中でも、支援を受けなかった貧困世帯において、この制度について知らなかったという世帯として20%の数字がありました。それを受けて、県では平成28年度からテレビ、ラジオによる就学援助の周知活動を実施しています。さらに今年度も実施することで情報格差をなくすような形で、こういった支援があることを知ってもらう取り組みについて、市町村と連携しながら、強力に取り組んでいく考えでございます。

〇新垣新委員 市町村における法人保育所や認可外保育園、幼稚園といった機関にまでパンフレットを配付するなど、市町村と県が一体となって網羅した周知活動を行っていただきたい。成果を期待しています。

〇仲村未央委員長 ほかに質疑はありませんか。
 亀濱玲子委員。

〇亀濱玲子委員 今、新垣委員も質疑されたのですが、商工労働部についてお聞きします。処理方針の中で、平成27年9月に雇用管理の改善等に向けて要請を行ったというようになっております。その後、さまざまな協議や意見交換をされてきたところだというようになっていますが、この処遇改善について、具体的に改善したものが、例えば数字として、もう既に2年経過しているわけですから、これぐらいよくなったということが示せますか。こう取り組まれて、こう改善された、これはどれぐらいの数字であるというように数字を示せたら教えてください。

〇伊集直哉産業雇用統括監 委員がおっしゃるように、意見交換や要請等を行っていく中で、特に非正規職員を正規化するという問題が極めて重要だということで、その部分について要請を行ってきたところです。あわせて、県の事業として、正規雇用化に向けた事業を幾つか行ってきており、その事業を開始してから正規雇用率が上がってきているという認識でございます。

〇亀濱玲子委員 この部分がこれだけ変わったということで、具体的に数字として示せるものがありますか。

〇下地康斗雇用政策課長 正規雇用率で申し上げますと、平成28年は58.2%です。本年度は、平成29年1月から10月までの平均値、10月時点で59.8%となっております。昨年度の平成28年度に比べまして、10月時点の人数としては1万4000人ほどふえておりまして、企業も正規雇用の重要性を認識して取り組んできた結果、平成29年は59.8%となっています。10月の時点でありますが、昨年よりも1.6%増加している状況です。

〇亀濱玲子委員 県として、今努力をされていて、少しずつよくなってきているという数字が示されました。具体的にその目標をおいて行っているという、県の目標になっている―例えばこの部分は何年度までにこれぐらいまで追いつこうという目標として、何か掲げているものはありますか。

〇下地康斗雇用政策課長 沖縄県と沖縄労働局で沖縄県雇用対策協定を結んでおりまして、その中で毎年度実施計画を定めております。その数値目標といたしまして、正社員の求人数の目標があり、昨年度の実績として3万1959件の正規の求人があります。正規の就職件数については7480件ということで、毎年度、前年度の実績を踏まえながら目標値を掲げております。あと正規雇用化率でございますが、沖縄21世紀ビジョン基本計画の中間報告の中で、新たに正雇用率の目標を掲げております。平成28年の全国平均値62.5%に追いつこうと、平成33年度までの向こう3年間で本県も62.5%まで上げようという正規雇用率の目標を掲げております。

〇亀濱玲子委員 先ほど官民一体となった取り組みというようにおっしゃったのですが、今この沖縄21世紀ビジョン基本計画で上げた目標率を達成するために、戦略的かつ具体的にどういう役割や性質を持って、この協議会として進めることを考えていらっしゃるのか。つまり、きちんと毎年度、協議会の開催を定例化して、確認をし、目標を達成することが官民で共有して取り組める体制になっているのかということについてお聞かせください。

〇伊集直哉産業雇用統括監 雇用政策課長からもありましたように、沖縄労働局との間で毎年の目標数値を設けております。沖縄21世紀ビジョン基本計画の中にも設けているのですが、この大きな会議の中で労働生産性をどう上げていくのかといった考え方などについて議論していくことになっています。具体的にもう少しブレイクダウンしますと普及啓発活動、マニュアルや成功事例の作成、ITの利活用、支援機関による施策の連携といったものを進めていこうということで、これは先ほど申し上げました沖縄総合事務局や沖縄労働局、経済団体等が一緒になった運動の形になります。一方で、沖縄県雇用対策協議会の中でも、これらの取り組み等の成果について確認していきたいと考えています。その上で課題を抽出して、さらに次年度につなげることを想定しているところです。

〇亀濱玲子委員 次に、子ども生活福祉部の処理方針から、その対応について、申請しやすい、生活保護行政による生活保護率の向上について取り組むというように書かれておりますが、41自治体の各福祉事務所において、それぞれ受けるサービスのばらつきがあると思います。その課題について、県としてどのように把握をしていて、格差がないようにするということに取り組まれているのかお聞かせください。

〇金城賢福祉政策課長 41市町村とおっしゃいましたが、生活保護は、市部においては11市が実施します。町村については、北部・中部・南部・宮古・八重山の各福祉事務所において、県が実施しているところです。サービスの質の格差については、毎年度、ケースワーカーや査察指導員、それから面接相談員等の研修を実施しております。そのときにケースワークの質の向上等の研修をしています。それから毎年度、福祉事務所に対しては、事務指導監査が入りますので、この中で受付事務や保護決定の内容等を確認して、必要があれば助言・指導等を行っているところでございます。

〇亀濱玲子委員 各福祉事務所の中で、当然受けられるべき保護であるにもかかわらず、そのサービスが受けられないといった事例があったりしますか。

〇金城賢福祉政策課長 基本的には県や市においては、生活保護を必要とする方に確実に保護を実施するという基本のもとに、生活保護の事務を実施しております。御質疑の保護が必要であるにもかかわらず、保護を受けられていない方がいるのかということについては、申請に来られた方の申請内容を確認したり、保護についての要件等を確認した上で、適正に実施しているところでございます。

〇亀濱玲子委員 もう少し踏み込んで聞きたかったのですが、これはまた課題としておきます。
 次のページの教育委員会の給食費について質疑します。
 この陳情の目的は国に要請することと、もう一つは給食費の無償化を実現することなのですが、これまで県はずっと県議会の答弁において、学校給食法第11条第2項を挙げて、保護者が負担するのが原則であると言ってきているのですが、実際には、県内は完全に無償化や一部助成という形で進んできているわけです。ですから、この状態は学校教育法第19条を見ると、もちろん主語は「市町村は」となっているのですが、この経済的に援助が必要な場合は、その援助を行わなければならないというようになっているので、これについては、県がもう一歩踏み込んで、41市町村全部の無償化に向けた方向を示すことの議論も必要ではないかと思います。この点について、いつまでも同じ答弁を続けているだけでなく、この市町村が先に進んでいる状況に対して県がどう捉えていくかということが問われていると思います。これについてお考えをお聞かせください。

〇島袋勝範保健体育課副参事 今、委員がおっしゃられたように、給食費については、学校給食法第11条第2項の規定に沿って答弁させていただいているところです。現在、23市町村で全額または一部助成を行っているところでございますが、経済的に困窮している児童生徒等については生活保護等の支援が行われているところで、現在文部科学省において、市町村における学校給食費無償化等の実態を把握するための調査が行われております。県としましては、その結果等を踏まえて、国の対応等を注視しながら、考えてまいりたいというところでございます。

〇亀濱玲子委員 文部科学省の調査とおっしゃったのですが、県がもっと沖縄県の貧困対策について、本当に積極的に予算を組んでやろうという姿勢でいるのですから、ここは一歩踏み込んで、県の方針を前進させることが求められているのではないかと思っています。多分答弁を聞いてもこれ以上のものは出てこないと思いますので、県独自の取り組みを要望します。

〇仲村未央委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

〇西銘純恵委員 最初に陳情者の要旨のところで、日本の子供の貧困率は6人に1人。沖縄県の調査では3人に1人ということで、子どもの貧困調査を先駆的にやったと思います。小・中学校や高校生も調査をした。あとは、乳幼児についてやるということでしたが、これについての取り組みを伺います。

〇喜舎場健太子ども未来政策課長 昨年は高校生の調査を行いました。ことしは就学前ということで、現在調査に向けて準備をしていくということであります。

〇西銘純恵委員 具体的に調査を実施をするのは、次年度になるのでしょうか。

〇喜舎場健太子ども未来政策課長 今年度中に実施したいと考えておりますが、結構大規模な調査になるということと、やはり、この調査は生活実態調査ということで、その中で見えるのが残念ながら沖縄県の場合は貧困ということになるのですが、少し誤解をされると、貧困調査というようになると保護者がアンケートに協力できないということもあります。詳細について具体的には言えませんが、一応今年度中にはしっかり実施して報告をまとめていきたいと思っています。

〇西銘純恵委員 離島や過疎地、都市部であるとか、地域によっていろいろ内容も違うと思います。そこら辺は調査の対象について、結構規模が大きいとおっしゃったのですが、全県そういう観点で準備されているのかお聞かせください。

〇喜舎場健太子ども未来政策課長 基本的には、5歳児と1歳から2歳児―生年月日でとっているので、1歳から2歳というようになります。2つの年齢を設定することについては、全国で代表的な子供実態調査に関係した学識者の意見を聞きながらやっています。今、恐らく北海道が行っていますが、それに続いて、今年度では初めての都道府県ということで、就学前の子供の生活実態がまた大きく把握できるのではないかと考えています。

〇西銘純恵委員 認可外保育園に預けざるを得ないという就労の関係で、正規雇用であれば、大体認可保育園に入れているかもしれないけれども、認可外保育園に預けざるを得ないという方々がダブルワーク、トリプルワーク、夜間勤務とかいうことについてもしっかりと声を聞いていくという調査になるのかと思うのですが、それについてどうなっていますか。

〇喜舎場健太子ども未来政策課長 高校生調査でも行いましたが、保護者の就労状況や、収入等も聞いていきますので、議員がおっしゃっている親の就労実態も踏まえた分析ができるものと考えています。

〇西銘純恵委員 調査なくしては、計画を立てられないと思いますので、ぜひ今年度中で実施できるようによろしくお願いします。
 次に、雇用の件ですが、正規雇用の拡大に向けて頑張っているということでのやりとりがありましたが、先ほど平成27年からということでしたが、一番非正規雇用が高かったのは44.5%という時期があったと思うのですが、それはいつごろだったのでしょうか。

〇下地康斗雇用政策課長 平成24年度の就業構造基本調査という、5年に1回の調査がございます。先ほど申し上げました数字については、毎年総務省が行っている労働力調査に基づく数値です。ですから、平成25年度以降はその労働力調査の数字と正規雇用率を計算して、把握しているところでございます。

〇西銘純恵委員 5年に1度といったら、今年度の就業構造基本調査の結果は出たのでしょうか。それとも、まだですか。

〇下地康斗雇用政策課長 実施年は今年度の予定です。まとまって報告されるのは、次年度になるかと思います。

〇西銘純恵委員 県も頑張って改善させてきているとのことですので、44.5%から全国的に比較できる数字として、次年度出てくることを待ちたいと思います。
 先ほど正規雇用の拡大に向けて、経済団体等との関係で取り組んでいると言われたのですが、例えば、建設業については結構非正規が多いのかとか、また業種によっていろいろ違うと思うのです。コールセンター、IT産業など。大手チェーン店の居酒屋が、いわばブラック企業だという訴えがあるくらい、本当に労働環境は厳しいものがあると思います。公務の労働も業種によって、いろいろと正規率が違うのかと思いますが、この業種との関連で、どのように正規化に向けた取り組みがなされているのですか。

〇伊集直哉産業雇用統括監 先ほども申し上げましたが、人手不足対策に係る連絡会議を全庁的に開催しております。その中で各部局、各課が関係して所管しております業界との関係がどうなっているのかということをその会議の中で報告をしていただいたり、調査していただいたりなどという形で、どのような対応しているのかということを、今年度も、進捗状況やそこからの課題について、議論させていただいているところです。それで、正規化に向けての話は、それぞれの業界の事情もありますので、そこを踏まえてどのような方策を考えていくのかということについては具体的に検討していただくという形で今進めています。

〇西銘純恵委員 介護の現場では、60代以上の皆さんが本当に低賃金で頑張ってやっていて、求人募集しても、若い方は、低賃金できついということで定着できなくて、60代以上の皆さんが、ある意味では責任感だけで頑張っている介護の現場とかあるのです。保育所もやはり正規雇用率を上げることでやっているのですが、先ほどから、そういう業界と話をされていると言うけれども、そのところでなぜ正規雇用ができないのか、賃金が上げられないのかという個別具体的に、業種ごとに課題としてなぜできないのかというところをしっかり吸い上げて、これに対する施策をやらないといけないと思います。そういう業種別の課題は出てきているのですか。

〇伊集直哉産業雇用統括監 委員御指摘の課題については、所管する部局の担当課においてしっかりと認識しております。ただ、具体的にどのように進めていくのかという部分については、今、鋭意検討しているところや、取り組んでいる状況や現状の課題等については整理されておりますが、今後どうしていくのかということ、個別に進んでいるようなところもございます。例えば農林水産部でしたら、国家戦略特区を活用するというような部分。それと商工労働部においても人材の活用などを今検討している状況でございます。幾つかの取り組みがそれぞれでありますので、これらをさらに深めていきたいと考えています。

〇西銘純恵委員 県内業者のスーパーでしたか、正規雇用にしたことが大きく報道されたところがあったと思うのですが、それはどういう手を打って正規雇用化できたのかということについては聴取されていますか。その会社はどこでしょうか。

〇宮平道子労働政策課長 委員がおっしゃっている、改善している―正規雇用が図られたことについて、手元にその事例を持っていません。県が今取り組んでいる事業の一つとして、非正規労働者の処遇改善事業を行っております。これは、非正規労働者について正規雇用化を図っていく取り組みの一方で、介護や育児等をしながらの仕事ということで、柔軟な働き方として非正規ということを希望される方もいらっしゃるということを聞いております。それで、非正規雇用の方々が働く環境を改善しようと。それによってその方々の処遇を改善していこうというような事業でございます。具体的には、非正規雇用者がいらっしゃる事業者に対して、専門家を派遣をしたり、その事業者に対してセミナーを開催して、法令等の遵守についての周知を図っていくというような取り組みでございます。この取り組みの結果、就業規則等が定められていなかった事業所においてそれが定められたとか、昇級、昇格に反映する評価の基準が明確になってわかりやすくなったとか、長時間労働が改善されたというような声が上がっているところでございます。これは昨年度から行っておりますが、派遣したところは、福祉施設、医療関係施設、それから総合交流業といった多岐に渡る事業所に対して専門家を派遣して、処遇改善事業を進めているところでございます。

〇西銘純恵委員 非正規の処遇改善については、効果を発揮していると。これも必要な事業だと思うのですが、やはり正規雇用に向けてどうしていくのかということが一番大きなネックだと思うのです。やはり業種としては、もうかっているけれども、正規雇用にしないというところに対して、やはりもうけに応じて、きちんと働く人に賃金を払う、正規職員として雇用するという立場でやっていくということも大きな柱になると思うのです。コールセンターを誘致しましたが、これは一番非正規率が高いところですね。ある意味では、今コールセンターやIT産業は本当にもうかっている業種になっていると思います。ですから、そこを正規雇用にするためにきちんとやっていくための手だてが必要ではないかと思います。
 もう一つ、本当に1人、2人の従業員を抱えて、下請や孫請とか本当に零細の皆さんの経営がきちんと成り立っていくようにして、そして働く人も守るという立場でやるとしたら、何らかの公的な支援を入れないとできないというところについて、また別枠での対策もとらないといけないと思います。そういうことは調査の中で見えてきたのですか。業種別に調査をなされて、いろいろあるけれども、まだ解決策については、先ほどおっしゃったとおりそこら辺を整理しないと、やはり手だてが打てないと思います。それはどうなっていますか。

〇伊集直哉産業雇用統括監 今後、検討していくべき課題だと考えております。商工労働部では中小企業支援条例に基づく、中小企業支援計画を毎年度策定をしております。その中で基盤が脆弱である企業の支援といった部分を含めて、トータルで支援をしていくというような事業を総合的に展開しています。ただ、委員が御指摘のそれぞれの業界ごとにどうなっているのかについては、それぞれ所管する部局の事情等もございますので、今後も意見交換をしながら、効果的な手がいかに打てるかということ。あるいは業界側が何を望んでいるのかといった課題の抽出も含めて、それとうまくマッチングするような形で施策を展開していただくよう、各部局にもその辺を依頼することとあわせて調整をしていきたいと考えています。

〇西銘純恵委員 地元企業がきちんと経営を拡大し、向上させて、そこで働く県民の賃金が引き上げられるよう、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
 就学援助について、政府に対して教育予算の増額を求めていることで上げられています。この県の支援が拡充されて非常に効果が大きいのが就学援助だと思います。子供の貧困対策予算を使って、それで就学援助の人数が何名から何名に就学援助が上乗せされたのかということがわかるのか。それと市町村の事業がトータル的にどうなっているのかということ。さらに国の制度では就学援助の支給要綱の項目に入っていないけれども、新たに市町村が独自の就学援助を使って―この前は眼鏡のことを聞きましたが、生徒に支援するもので拡充された中身についてお尋ねします。

〇登川安政教育支援課長 子どもの貧困対策基金を活用した事業は、昨年度から開始されているところですが、就学援助を受けた人数については、直近の速報値で、平成28年度が3万1108名と年々増加しているということを先ほど答弁いたしました。ただ平成28年度が直近の数字ということで、基金事業の効果としてどのくらい増加したかについて、まだ把握できておりません。
 また、貧困対策基金の新たな取り組みとして、先ほど委員がおっしゃった眼鏡について金武町で開始されてます。そのほかの新たな取り組みで、国の事業にないものとしましては、沖縄市での学校徴収金。それから南風原町でも校納金について新たな取り組みとして始めております。

〇西銘純恵委員 県は相当頑張って予算をつけてやっていますが、陳情の処理方針にもあるのですが、具体的に教育予算をふやすことについて、国に対して要請をされている内容を具体的にお答えいただけますか。

〇登川安政教育支援課長 県教育委員会では、全国都道府県教育長協議会を通して、国に対して予算に関する要望を行っています。その主な要請項目としましては、幼稚園就園奨励補助に係る補助単価の引き上げ。それから就学援助制度における市町村の対象者数等に見合った十分な財政措置。離島高校生の就学支援の拡充。高校生に対する奨学のための給付金に係る給付額の増額でございます。さらに、就学支援金制度に係る就業年齢の制限の撤廃といった数多くの要請を行っているところでございます。

〇仲村未央委員長 ほかに質疑はありませんか。
 島袋大委員。

〇島袋大委員 今までの質疑を聞いていて、国は何もやっていないような話の内容が見受けられるのですが、国の予算を使わずに県が独自でやった貧困対策はどういう事業でしたか。県は独自で一生懸命頑張ったと言っていますが、何を頑張ったのですか。

〇喜舎場健太子ども未来政策課長 沖縄県では、平成28年度から30億円の基金事業を実施しております。具体的にはきょうの陳情の中にもありました就学援助について、市町村への財政支援を通じて行っているというものが、県独自の事業です。

〇島袋大委員 この基金事業は幾らですか。平成28年度はどれだけ積んだのですか。

〇喜舎場健太子ども未来政策課長 基金事業は平成28年度補正から組ませていただきました。交付金の所要額としては約2億2400万円でございます。

〇島袋大委員 これは平成28年度補正と言いますが、毎年度本予算で上積みすることになるのですか。幾らぐらい積めるのですか。

〇喜舎場健太子ども未来政策課長 平成29年度は当初予算に編成しておりまして、交付金所要額として4億3000万円余りを当初予算で計上して、事業を実施しているところです。

〇島袋大委員 これは就学援助を中心でやるということで理解していいですか。

〇喜舎場健太子ども未来政策課長 そのとおりです。これについては、立ち上げる前に市町村のニーズを把握したところで、大半の市町村が就学援助に活用したいという意見を踏まえて、実施しております。

〇島袋大委員 就学援助については、この基金を使ってやる市町村の裁量を含めた要求をすると思うのですが、今いろいろと答弁を聞いていたら、市町村独自の考えのバランスが違うのです。やりたい計画が。この市町村はこれぐらいパイは広げるけれども、ここは縮まっている。この整合性はどうなるのですか。これを我々はどういう理解をすればいいのかと思っているのですが。

〇登川安政教育支援課長 就学援助は従前から市町村がそれぞれの事情に応じた形で支援費目、市町村の児童生徒にはどういった支援が必要であるかといった考えた方から支援しているところです。そういった事業として、市町村によっては、支援費目や金額に差がありますが、これについても各市町村それぞれの考え方の事業となっております。

〇島袋大委員 ですから、これは要するに沖縄県独自の事業として約4億円を組んだわけです。今、市町村の裁量―市町村の判断ですが、計画が全然違うわけです。それで、いろいろな面で県との連絡をとりながら、しっかりと議論して、これも使えるのだと。一括交付金と一緒です。観光に資するものについてどうすればいいのかという理屈をつくって、そのようにクリアできれば予算は出すけれども、これが通らなければできない市町村があるわけです。沖縄県はその辺はひとしく就学援助をやろうということの政策が必要です。その辺がないと、どういうことが起きるというのはわかっているでしょう。

〇登川安政教育支援課長 県教育委員会では、毎年1回、市町村との意見交換のために会議を行っています。今年度も11月に開催しますが、その中で各市町村には、子どもの貧困対策基金を使ってこういった事業をしていますといったことも説明しながら、今後の参考にしてもらうような形で各市町村に対して、情報を提供し、意見交換を行っているところでございます。

〇島袋大委員 そうであれば、市町村ではこれまで考えられなかったけれども、その協議会の中でほかの市町村はこれが使えていることであれば、では我々も次年度からこういうことで使っていいですかという議論は行っていますか。問題はそこだと思うのです。これはほかの市町村ではできないことをこの交付金を使ってほかの市町村がやっている、意見交換しているのであれば、次年度は我々も手を挙げますとなった場合、仮にその予算がなくなったときはその積み増しを行うのですか。

〇喜舎場健太子ども未来政策課長 基金の配分につきましては、各市町村の実施状況をおおよそ把握していますが、6年間の目安を各市町村にお伝えしております。それを今超えるような、毎年度執行しているところがまだないので、現時点で不足しているというところはないのですが、来年度以降は就学援助を充実することによって、基金を先に使うというところも出てくると思います。そのときになって、慌てることがないように事前に、特に来年度については、制度の中間になるということで、市町村と丁寧に意見交換をしていきたいと思っています。

〇島袋大委員 大変頑張っている事業だから、特にどうこう言うつもりはないのですが、この基金については、県の単独予算ですか。

〇喜舎場健太子ども未来政策課長 はい、県の単独予算で一般財源を充てております。

〇島袋大委員 こういった貧困対策のもろもろに対して、これに対応してという言葉足らずで少し悪いかと思いますが、一括交付金をやるのでしたら、毎年PDCAサイクルを含めた費用対効果を検証するのだけれども、この事業に関しては人ですから。いろいろな面で子供たちがどのように改善するのかを見届けないといけない事業です。そうなれば、今県教育委員会が行っている、市町村に任せて、市町村の判断に委ねてこの市町村はできているのに、この市町村はやっていない。だけれども、議論したときに、我々が手を挙げた場合はどうしますかといったら、今のところ予算は切れていないから大丈夫かもしれませんという旨の答弁かもしれませんが、これは6年がめどと言ってますが、国がやっている貧困対策についても、今回、上積みして12億円ぐらいになるはずです。だからこれを6年間やるとなると、沖縄県は基金が足りなくなった場合には、基金を積み増していく必要が出てきます。6年間ずっと、今は4億円だけれども、これが10億円、12億円近くになる可能性がないとは言えません。全ての市町村をひとしくやるのであれば、その辺の議論もされていますか。

〇喜舎場健太子ども未来政策課長 子供の貧困対策の観点で、県と市町村は今全力を挙げて取り組んでいます。委員の質疑は、本当に沖縄県全体のレベルをバランスよく上げていく。その中で本当にこの予算でどこまで成果を上げていくのかということにつきましては、非常に重要な課題であります。基金の事業の中に関しては、まだ1年ぐらいなので、やはりその成果をしっかりと数字として、市町村の実情を明らかにする必要があると思います。ここは課題ですので、基金事業についての成果については、もう少し時間をいただければお出ししていきたいと思います。一方、国の緊急対策事業はこちらに先行して、1年半を経過しておりますが、その成果が出てきております。こういったものをほかの市町村も共有し始めていますので、同じ感じで基金事業も好事例を共有していくことについて対応していきたいと思います。

〇島袋大委員 資料を要求したいのですが、県教育委員会の就学援助の中で、各市町村での事業があると思います。それで、協議をしている途中のものもあると思いますが、この市町村はやっているけれども、この市町村はやっていないというものについて、多分一覧でまとめられていると思います。それを提出していただきたいと思います。また、担当部署として基金を活用した事業をつくっているけれども、どの市町村にどれだけの予算を配分しているのか。そういった資料をまとめられているのでしたら、提出していただきたいと思います。委員長、よろしくお願いします。

〇仲村未央委員長 今の資料要求の趣旨はよろしいですね。

〇喜舎場健太子ども未来政策課長 はい。

〇仲村未央委員長 では速やかに資料をまとめられて、委員会及び島袋委員に提出をお願いいたします。
 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

〇仲村未央委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、子ども生活福祉部、商工労働部及び教育委員会関係の陳情に対する質疑を終結いたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、説明員入れかえ)

〇仲村未央委員長 再開いたします。
 次に、本委員会付議事件子どもの貧困問題並びにこれに関連する諸問題の調査及び対策の樹立に係る教育庁として考える学校をプラットフォームとした総合的な子どもの貧困対策の展開について審査を行います。
 ただいまの議題について、教育委員会教育指導統括監の説明を求めます。
 與那嶺善道教育指導統括監。

〇與那嶺善道教育指導統括監 教育庁として考える学校をプラットフォームとした総合的な子どもの貧困対策の展開について、御説明いたします。
 県教育委員会におきましても、国が策定した子供の貧困対策に関する大綱及び沖縄県子どもの貧困対策計画と同様に、沖縄県教育振興基本計画後期改定版に、教育の機会均等を図るための子どもの貧困対策の推進を、主要施策として新たに盛り込んでおります。
 教育の支援としまして、全ての子供が集う学校を子どもの貧困対策のプラットフォームとして位置づけ、学校教育による学力の保障、学校を窓口とした福祉関連機関との連携及び経済的支援を通して、総合的に対策を推進することとしています。
 県教育委員会としましては、家庭の経済状況にかかわらず、全ての子供たちが夢と希望を持って成長し、多くの分野で活躍できる人材を育成するため、さらなる学校教育の充実を図り、貧困の連鎖を断ち切ることを目指しております。
 それでは、お手元の資料1をごらんください。
 教育庁として考える学校をプラットフォームとした総合的な子どもの貧困対策の説明資料でございます。
 資料1については、義務教育課長が説明します。

〇仲村未央委員長 教育指導統括監の説明は終わりました。
 次に、義務教育課長の説明を求めます。
 當間正和義務教育課長。

〇當間正和義務教育課長 学校をプラットフォームとした総合的な子どもの貧困対策について御説明します。
 お手元の資料の1ページをお開きください。
 学校をプラットフォームとした総合的な子どもの貧困対策のスキーム図となっております。
 初めに、図全体の構成について、御説明します。
 図は、上下に分かれており、上の四角で囲まれている部分が学校の対応で、下の四角の部分が、保健、医療機関や教育委員会・福祉部局、警察、児童相談所等の関係機関となっております。
 次に、図の右上の囲みの部分の貧困対策に係る学校の現状と課題、対応策について御説明します。
 現状として、1つ目の丸は、支援を必要とする児童生徒の発見についてです。
 学校や役所等においては、年度の当初に、就学援助や生活保護等の手続が行われております。経済的な要因で支援を必要とする家庭のほとんどは、この時点で福祉関係部局等とつながっております。
 次に、2つ目の丸は、学校における教育相談体制です。学校においては、年間を通じて毎週実施されております生徒指導部会や教育相談部会等の生徒指導に係る部会において、気になる生徒の情報共有と今後の支援等について協議しております。その協議の中で把握された支援の必要な児童生徒については、保護者や子供のプライバシー、プライド等に十分配慮し、迅速に福祉等の関係機関につなげております。
 支援を必要とする児童生徒を見つける際の課題としては、保護者の失職や離婚等により経済状況が悪化したにもかかわらず、無理して明るく振る舞い、周囲が気づきにくい子供など、発見が難しい児童生徒がいること。普段の学校生活や生徒指導に係る協議等でも発見が難しく、潜在化している児童生徒をどのように見つけ、支援につなげていくのかが大きな課題と捉えています。さらに、支援を必要とする児童生徒は、信頼関係に基づいた教育相談の中で、把握できるものであり、貧困等の児童生徒を把握した場合においても、保護者や子供のプライバシー、プライド等に十分配慮し、慎重に福祉機関等につないでいく必要があります。
 現在学校では、学級担任等による子供との教育相談や保護者との面談等が、放課後や夜間等に行われております。教職員のみが、これまで以上に面談や家庭訪問、スクールソーシャルワーカー等との調整等を行うことは、さらに長時間勤務につながる懸念があります。支援を必要とする児童生徒を見つけ、関係機関につなぐためには、教職員や教育相談員等が、日ごろから児童生徒とのかかわりを深め、相談しやすい雰囲気をつくることと、学校の中に相談できる機会を多く確保するため、日常的な支援に結びつける専門職等の配置を拡充する必要があります。
 資料の中央部分をごらんください。
 学校をプラットフォームとした総合的な子どもの貧困対策を全ての児童生徒を対象に安心して学べる環境で授業を理解し、将来の夢の実現や自己実現につなげる取り組みと捉えています。
 具体的な取り組みの1つ目として、図の左側の取組1は、全ての児童生徒に対し、学力の保障と進路指導の充実により、将来の夢の実現や就労につなげる取り組みです。一人一人の子供たちの能力と可能性を最大限に伸ばすため、学力向上推進プロジェクトに示された方策に基づく授業改善を中心に、わかる授業、参加する授業を行い児童生徒の自己肯定感を高めることと、キャリア教育の充実により、進路選択幅を広げ、将来の夢実現につなげる取り組みです。
 2つ目は、図の右側の取り組み2では、生徒指導部会等で、気になる児童生徒の情報共有を行い、必要に応じて関係機関と連携するなど教育相談体制の充実を図ることにより、安心して学べる環境を整える取り組みです。スクールソーシャルワーカーや教育相談員等を含めた生徒指導部会や教育相談部会等において、気になる児童生徒の情報共有と今後の支援策等について協議し、必要に応じて関係機関等につないでおります。その中でも、経済的な支援が必要な児童生徒については、取り組み3の就学援助や奨学金等の手続支援について福祉等関係機関につないでおります。
 学校における教育相談体制について詳しく御説明します。
 資料の2ページをごらんください。
 この図は、学校における教育相談をフロー図に示したもので、その流れは原則として、上から下、左から右、そして矢印方向に進んでいきます。
 図の中の長方形は、取り組み事項となっております。
 ひし形は確認・分岐で、ひし形内の設問に対し、「はい」の場合はイエスの「Y」、「いいえ」の場合は、ノーの「N」の方向に分岐します。
 初めに、学級担任や教科担任等が、朝の会や帰りの会、授業中、各活動等において、いつもと様子が違う等、気になる子がいないかを確認します。
 気になる子の様子として、真ん中の四角に例を記載しております。「元気がない」、「落ち着きがない」、「服装の乱れ」、「学習意欲がない」、「遅刻、欠席がふえた」、「校納金の滞納がある」などとなっております。想定される要因として、「いじめ・友人関係」、「家庭不和」、「規範意識の低下」、「学習不振」、「不規則な生活」、「保護者の失職」等となっております。気になることがない場合は、ノーで下に進んでいきます。何か気になることがあった場合は、イエスで右側四角の「第一気づき者による声かけ、教育相談」を行います。初めに気づいた者による、声かけや教育相談を行い、必要に応じて保護者との相談等を行います。
 これで解決した場合は、左に進み、もとの流れに戻ります。解決しなかった場合は、学年会等による対応策の検討が行われます。
 検討の中で、その要因が友人関係であった場合は、スクールカウンセラーや教育相談担当で対応を行います。友人関係でなかった場合は、次に進み、要因が進路関係の悩みであった場合は、進路担当で対応を行います。
 要因が健康や身体的な悩みであった場合は、養護教諭等で対応を行い、必要に応じて医療機関につないでいます。
 要因が貧困や家庭環境等であった場合は、スクールソーシャルワーカーや教育相談担当等で対応を行い、必要に応じて福祉機関等につないでおります。
 児童生徒の貧困等については、信頼関係に基づいた教育相談体制の中で、把握できるものであります。
 また、教育相談や福祉機関へつなぐ場合においても、保護者や子供のプライバシー、プライドに十分配慮し丁寧に行う必要があります。
 前の資料にお戻りください。
 学校における教育相談体制で御説明したとおり、学校において、貧困のみを把握することは、非常に困難なことで、いろいろな教育相談の中からしか見つけることはできません。
 その対応策としては、教職員や教育相談員等が、日ごろから児童生徒とのかかわりを深め、相談しやすい雰囲気をつくることと、学校の中に日常的に支援に結びつける専門職員の配置拡充により、相談できる機会を多く確保する必要があります。
 国の子供の貧困対策に関する大綱の学校をプラットフォームとした総合的な子供の貧困対策においても、学校をプラットフォームとするための施策として、平成31年度までに、全ての中学校区へのスクールソーシャルワーカーの配置拡充や、全公立小中学校へのスクールカウンセラーの配置拡充等、校内で児童生徒に直接対応する専門家の配置拡充を目指しております。
 また、市町村においても県の貧困対策基金を活用し、120名近くの貧困対策支援員を配置し、支援に努めております。
 図の真ん中の下をごらんください。
 貧困対策支援員の配置には、学校内に配置され、課題の発見から教育相談、関係機関へのつなぎを行い成果を上げている事例や、福祉部局等学校の外に配置され、関係機関へつなぐため、学校からの情報を待っているが、うまく連携できていない事例等があります。
 県教育委員会としましては、子ども未来政策課と連携し、教職員や教育相談員等が、日ごろから児童生徒とのかかわりを深め、相談しやすい雰囲気をつくるための研修会の充実に加え、学校の中に日常的に支援に結びづける専門職の配置拡充を目指し、市町村貧困対策支援員の学校配置の要望及び連携強化を図るとともに、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーの配置拡充に向けて、国の動向を注視し取り組んでまいります。
 以上で、学校をプラットフォームとした総合的な子どもの貧困対策について御説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

〇仲村未央委員長 義務教育課長の説明は終わりました。
 次に、子どもの貧困の関連指標として、本日現在の所管委員会の目標値が取りまとめられていますので、子ども未来政策課長の説明を求めます。
 喜舎場健太子ども未来政策課長。

〇喜舎場健太子ども未来政策課長 お手元にお配りしました資料2で御説明いたします。
 1ページ目をごらんください。
 子どもの貧困に関する指標及び目標値については、平成28年3月に子ども貧困対策計画を定めて、その中に34の指標を設けております。その進捗として、12月18日現在で取りまとめております。
 1ページ目の上段の基準年、また年度と比較した数値の改善状況等をごらんください。
 34の指標のうち、改善したものが23指標、横ばいが3指標、後退が6指標、直近のデータがないというものが2指標あります。合わせて34指標ということで、そのうちで目標を達成したものは4指標となっております。
 詳細は次ページ以降で主な内容を説明します。2ページ目をごらんください。
 34指標について左の番号ごとに御説明していきます。1、2、3番はまとめて乳幼児健康診査の受診率であります。乳児、1歳6カ月、3歳と分けています。表の見方ですが、左側に基準年度とあります。これが例えば一番上の乳児に関しては、平成25年のデータが計画の基準年とありまして89.2%。これが今回平成28年度データが出てきて、91.7%の受診率になっています。計画目標は95%ですので、目標にはまだ届いていませんが、基準年よりも改善していることで、右側に改善と表示しております。参考として右に全国の状況がございます。全国の直近値は95.6%ですので、まだまだ全国に届いていませんが、改善の方向に向かっているということであります。
 次に、9番をごらんください。
 放課後児童クラブ平均月額利用料、いわゆる学童の月額利用料でありますが、基準年は平成26年度ですが1万115円。これが直近の平成29年度に出ており、9199円と大きく低減しております。改善と記載しております。その下の10番、小学校児童の不登校について1000人当たりで換算しておりますが、平成26年度の1000人当たり4.6人が、平成28年の直近値6.9人となっており、目標は2.0人ですので、後退しています。参考として、全国の状況についても、3.9人から4.8人と少し後退しています。同じように、11番の中学校の生徒不登校についても後退しております。
 14番をごらんください。高等学校等への進学率でありますが、基準年の平成27年は96.4%でしたが、これが平成29年度の直近値で96.9%ということで、改善に向かっております。
 3ページ目をごらんください。
 20番の就学援助制度に関する周知状況ということで、これは毎年度、進級時に就学援助制度の書類を配付している市町村の割合も計画の指標としておりまして、基準年である平成25年が46.3%でしたが、直近値の平成29年度は75.6%と大きく改善しております。
 さらに、23番の地域等における子どもの学習支援、いわゆる無料塾の取り組みです。これは基準年の平成27年が33市町村でしたが、直近値の平成28年においては40市町村となっており、目標値まであと1つというところまで来ています。
 次に、高校生期ということで、27番の高等学校生徒の不登校率については、これも1000人当たりで見ると平成26年度の基準年度の28.2%に対して、直近値の平成28年度が32.3%ということで、後退しています。
 あと、31番の高校卒業後の進路未決定率についても、基準年度の平成26年度が12.1%であるのに対して、直近値の平成28年度は14.0%ということで、後退しています。
 ナンバー32番の大学生期においては、県外進学大学生支援事業、いわゆる給付型奨学金による支援人数ということで、基準年はありませんが、平成28年に実施したということで、直近値が25人となり、取り組みは改善されています。
 33番の支援を要する若者に対しては、若年無業者率は15歳から34歳の人口に占める無業者の割合ですが、基準年の平成26年が4.6%であるのに対して、直近値の平成28年度は3.1%ということで、改善しています。
 34番は保護者への支援ということで、就職相談から就職に結びついたひとり親家庭の数の累計は基準年度平成26年度が399世帯であるのに対して、直近値の平成28年度は611世帯に改善しています。
 4ページ目をごらんください。
 34の指標とは別に、注視すべき資料を参考資料とは別途に設けております。その中の主なものを御説明いたします。2番の生活保護世帯に属する子どもの就職率について、高等学校卒業後ということで、基準年の平成25年が39.3%であるのに対して、直近値の平成28年は49.6%と就職率が向上しています。
 6番の不良行為少年補導人員は人口1000人当たりで、基準年の平成26年が132人であるのに対し、平成28年度は56人となり、大幅に改善しています。
 7番の就学援助率は、基準年度の平成25年度が19.65%であるのに対して、直近値の平成28年度は21.52%となり、改善しています。
 8番の子どもの貧困率につきましては、基準年の平成26年の29.9%についての直近値がまだ出ていませんので、据え置きということで29.9%の数字を入れています。ただ、参考として、全国は16.3%から13.9%となっており、好景気によってその改善がなされているという情報が出ているところであります。
 これで主な指標の説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

〇仲村未央委員長 子ども未来政策課長の説明は終わりました。
 これより、教育庁として考える学校をプラットフォームとした総合的な子どもの貧困対策の展開について及び子どもの貧困の関連指標について、あわせて質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 新垣新委員。

〇新垣新委員 まず資料1から質疑を行います。いろいろな説明があって、本当に頑張っていただきたいと思います。同時に学校の教職員等による課題発見の前に、今教員がやめていく時代ということについてどのように対応していくのか。学力向上を含めて、これからの子供たちに期待を寄せたいという考えですが、この教員をふやすという計画も持つべきではないかと考えます。その問題に関して、小学校、中学校、高校の対策はどうなっていますか。

〇古堅圭一学校人事課長 小・中学校の教員については、ここ数年、約350名の新規採用を行っております。正規率の改善とあわせて、さまざまな、きめ細かい指導が可能になるように一定数の教職員を計画的に採用している状況です。

〇新垣新委員 高校はどうなっていますか。

〇古堅圭一学校人事課長 高等学校についても同じです。

〇新垣新委員 では、やめていく小学校、中学校、高校の教員は1年当たり平均で何人くらいですか。

〇古堅圭一学校人事課長 今、手元に具体的な数字は持っておりません。毎年体調を崩されたりしたことで、やめていく教職員はいます。

〇新垣新委員 体調という前に少し精神的に、一番よくわかっていると思いますが、鬱病になったという教員が一番多いのです。その問題において、どのように改善していくのかということ、教職員の心のケアということが一番大事なのです。その対策はどうなっていますか。前々から指摘されていながら、全然改善されていない。どのような対策を講じていますか。

〇古堅圭一学校人事課長 教職員の病休取得率が、全国と比較して沖縄県の場合は非常に高いという状況にあります。そういう現状に対して、メンタルヘルス面での対策。臨床心理士など専門的な医療の知識を持っている先生方を現場に派遣しまして、ラインケアやセルフケア等のメンタルヘルスの対策を講じている状況です。

〇新垣新委員 それをずっとやっていても改善できていないのです。ですから、教職員をもっと採用すべきであるという発言になってしまいます。
 次に、学校現場において、子供たちの問題も多い中で精神的にまいってくると小学校、中学校、高校の中でやめていく教員はどこが多いのですか。

〇古堅圭一学校人事課長 今の質疑については資料を持ち合わせておりませんが、小学校、中学校、高等学校等を比較すると、義務教育学校でやめる方が若干多いのではないかと思います。

〇新垣新委員 スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラー、教育相談・就学支援員等は今何名いますか。この専門職をふやすという計画で頑張っていくという姿勢については評価します。現状はどのくらいですか。市町村のスクールソーシャルワーカーや教育相談員等の現状はどうなっていますか。ここが一番大事だと思っています。教員とこことの連携。そして、新たに貧困対策支援員も120名にふやすと、先ほど体制をつくると言っているので、現状はどうなっていますか。

〇喜舎場健太子ども未来政策課長 子ども貧困対策支援として、国の支援を受けた支援員が、10月1日現在で117人市町村に配置をされている状況です。

〇當間正和義務教育課長 県が派遣しているスクールソーシャルワーカーの人数は20名となっております。市町村が派遣しておりますスクールソーシャルワーカーは66名となっております。それから市町村が派遣している教育相談員等につきましては、詳細な数字は把握しておりません。スクールカウンセラーにつきましては今年度110名を配置しています。

〇新垣新委員 市町村の支援員については、把握していないということで理解していいですか。

〇當間正和義務教育課長 市町村の教育相談員や支援員等については把握していないということでございます。

〇新垣新委員 今の答弁を受けて疑問に思うところがあります。この説明資料をもらって、我々は県民の代表ですから、意見交換をして、事業の体制を固めていきたいと。市町村との連携というものについて、でき上がってきた部分は提示すべきだと思っているのです。わからないと言われたら、それでは、絵はすばらしいものを描いてもその中身はなく、単なる絵に描いた餅なのかと思ってしまいます。この教職員の心のケアや連携についても専門職員ですね。厳しい言い方をしますが、そこら辺の体制がわからないのでは、正直言って怠慢としか思えないのです。委員長、この件について資料要求をお願いできませんか。

〇仲村未央委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、仲村委員長から執行部に対して、資料要求するとともに現状把握について再答弁するよう指摘があった。)

〇仲村未央委員長 再開いたします。
 當間正和義務教育課長。

〇當間正和義務教育課長 今、市町村におきましては、心の教育相談員でありますとか、いろいろな方が配置されています。全市町村について、今後、調査を行って、その状況を把握してまいりたいと考えております。

〇仲村未央委員長 整いましたら、資料の提供をお願いします。

〇新垣新委員 これがなぜ大事なのかというと、市町村も沖縄県も心を一つにしてやらないといけない問題ですから、少し脇が甘いということを指摘しておきます。
 次に、資料の2ページの改善や後退という意味について、お聞きします。
 子供の不登校を見ると、まず小学校、中学校の不登校が後退したと。その要因について、正直に申し上げると、大きなウエートを占めるのは、いじめではありませんか。

〇當間正和義務教育課長 不登校の増加について、正確な要因はつかめておりません。不登校が出る背景といたしまして、さまざまな理由がございます。特に小学校におきましては、不安などや情緒が安定しないための不登校。それから中学校におきましては、遊び・非行等といったものがふえていることが、本県の状況でございます。

〇半嶺満県立学校教育課長 平成28年度の高等学校の不登校の状況については、前年度に少し増加しておりますが、ここ数年の不登校については減少傾向にあります。不登校の要因につきましては、高等学校においては無気力の傾向が29.3%。遊び・非行の傾向が27%といった状況になっております。特に、遊び・非行の傾向は全国よりも少し高いというような特徴があります。

〇新垣新委員 無気力と遊び・非行がウエートを占めてきているという中で、無気力が一番大変だと。やる気が出ないということですが、これを改善していくことは、小学校でそういったやる気を出させるという教育の仕方、親のしつけや周り―社会環境も大事だと思うのですが、その対策はどうなっていますか。

〇當間正和義務教育課長 先ほど申し上げたとおり、不登校にはさまざまな要因がございます。その要因の中には、特に基本的な生活習慣等がまだ身についていないというようなこともございます。まずは家庭での早寝・早起き、朝御飯等の基本的な生活習慣の形成。テレビの視聴時間や携帯電話の使用時間等の家庭のルールづくり。挨拶を含む日々のコミュニケーション等や家庭の教育力を高めていくこと。それから学校におきましては、まずは子供たちが学校に行きたくなるような魅力ある学校づくりを推進していくことです。学級、集団による体験活動を充実させていくこと。生徒指導体制で少し不登校気味になった子供に対してすぐに対応できるような体制を整えていくことで、個々の子供たちに寄り添った形で対応していくことが必要だと考えております。

〇半嶺満県立学校教育課長 先ほどの答弁で、不登校の要因として、特に遊び・非行の傾向を説明しました。これは全国と比較して少し高いという特徴があると申し上げました。その背景としまして、やはり家庭や地域の教育力の低下。あるいは夜型社会の影響による基本的な生活習慣が身についていないといったことが考えられるのかと思います。また、要因については複合的でございまして、コミュニケーション能力が身についていない。人間関係がうまく構築できない。あるいは基礎学力が不足しているといったことも複合的に絡んでいると思います。県教育委員会としましては、スクールカウンセラーの配置や教育相談・就学支援員の配置等を実施することで、学校における生徒指導体制の自立を図ることや、不登校対策リーフレット等を活用して、家庭や地域、関係機関との連携を図りながら、不登校の対策、その改善に取り組んでいるところでございます。

〇新垣新委員 実は現場について、県職員で少しわかっているのかと思う方がいます。親が貧しくて、例えば野球など部活動をやりたいが、スポーツ用具を買ってあげることができないのでやめなさいと言われたと。そこで無気力になって、学校に行っても何もやりたくないということ。また学校にも行きたくないという子供の本当の悩みがあるという問題があります。子供たちのスポーツ用具を見ると、高校野球のグローブは5万円もします。野球の場合は1年に1回か半年に1回買いかえます。サッカーでもスパイクを半年に1回買いかえます。その現状を親がやるなと言って、その子供が無気力になっているという問題を知っていますか。これが子供の現状なのです。子供たちは夢や希望があります。プロ野球のキャンプとか見て、頑張ってくださいということが、我々大人なのですが、少年野球などにおいても、親がグローブを買ってあげることできないから、学校にも来ていないという少年野球の監督の話とか、親の会、サッカーでもそういう話を聞きます。そのような問題を、いろいろな形で分析ができないのかと思います。そういった身近なことを把握すべきであるということを強く言いたいのです。この小・中学校からの非行を防ぐためには、特に小学校からしっかりとこのような意識づけをしてあげないと、その後は幾ら対策をしても改善できないものと思っているのです。問題は小学校からなのです。部活動などで友達もできますから。文武両道、心身ともに強くなってほしいという。今の沖縄県をよくしていくためには、これからの子供たちにしか期待をかけられないのです。そのことについてどう思いますか。

〇與那嶺善道教育指導統括監 委員がおっしゃるように、不登校についてはさまざまな要因があると思います。先ほどの答弁の中でもあったように、不登校の要因や背景は、多様化、複雑化しております。委員が御指摘されるように実態把握に努めなければならないと思います。そして、学校、家庭、地域が連携して、きちんとその支援をどうするかということもお互いで考えていかないといけない。まずは実態把握のために先ほど説明した資料の2にありましたように生徒に働きかけて、その生徒のSOSをきちんと把握しないといけないと思います。そして、その問題に対応できる適切なところにつないでいくということが大切であると考えています。今、現場ではさまざまな支援をしていますが、不登校自体は若干後退しているようであります。ただ、実際に不登校になった生徒に支援して、その結果、登校できるようになった児童生徒は、平成28年度で小学校32.1%、中学校37.7%となっており、全国の28.3%に比べて、かなり多くなっています。また、高等学校においても指導の結果、登校できるようになった生徒が、全国平均を上回っています。委員から御指摘がありましたように、今後も県教育委員会としては、現場と連携して生徒の支援に努めてまいりたいと思っています。

〇新垣新委員 小学校が大事なのです。小学校からそういった心のケアをしていかないと改善できませんということを強く訴えておきます。これは太鼓も買えなければ、太鼓もやるなと。創作エイサーもです。そういう現場からの話を一番聞いているのです。ですから、状況把握だけではなくて、親身になって聞くと、ここが一番大きなウエートを占めているのです。心のケアですよ。そこはぜひ予算も大きくしていただいて、所得水準に合った貧困対策をお願いします。
 次に、30番の児童養護施設の子どもの大学等への進学率についての説明をお願いします。

〇友利公子青少年・子ども家庭課長 児童養護施設の子どもの大学等進学率については、専門学校を含む大学等ということになっております。全国が平成26年度22.7%であるのに対して、沖縄県の状況は平成26年度が26.1%、そして直近値の平成27年度が27.7%ということで、先ほど申し上げましたとおり、全国値と比較してもいい数値が出ております。

〇新垣新委員 逆に就職率はどうなっていますか。この子供たちはたしか高校卒業までしか入所できなかったと記憶しているのですが、そこはどうなっていますか。

〇友利公子青少年・子ども家庭課長 高校を卒業した後の児童養護施設の就職率ですが、平成26年度は69.6%、平成27年度は72%となっています。こちらを全国の状況で見ますと、平成26年度は70.9%、平成27年度が70.4%ということですので、悪くない数字になっています。

〇新垣新委員 この子供たちは親がいない形で育って、ハングリー精神があっていいと思うのですが、ぜひアパートなどの支援等もお願いします。ぜひ万全な体制をこの子供たちに対してお願いします。さきの文教厚生委員会でも提言しましたが、この児童養護施設との連携を図るという形で、南風原町のような貧困対策のように御飯を食べさせるとか、遊びに来るとか、そういった横の連携もつけ加えてほしいのです。南風原町に2つの施設があります。あのような形で勉強もできて、御飯も食べられるような場として連携ができないのかということをお願いしたいのです。法的な壁もあると思いますが、その壁を外すのも、人間がつくった法律は人間が直すというものから、その辺の連携を強く求めます。

〇喜舎場健太子ども未来政策課長 児童養護施設の事例として県民運動も立ち上がっております。企業から寄附をいただいています。今年度は美さと児童園の子供たちに対する、九州に就労体験をさせる事業が実は立ち上がっています。これは企業が美さと児童園の子供たちにキャリア教育を行うものとなっています。これまでもクリスマスなどにケーキを提供するということはやっていたのですが、それだけではなくて、将来を見据えた就労支援をやっていくという事業が県民の中から生まれています。このように、児童養護施設にいろいろな方々のかかわりが広げていけるように県も支援していきたいと思っております。

〇新垣新委員 ぜひうまくできるところをまずお願いします。市町村の財政が厳しいのであれば、県の児童養護施設を借りてやると。市町村と連携してやると。そういったお互いの交流によって勉強できるという環境ができるので、これは一石二鳥だと思っています。また糸満市にできる児童心理治療施設との連携をお願いします。これは三和中学校を校区として指定するなどの指導もお願いします。

〇仲村未央委員長 休憩いたします。

〇仲村未央委員長 再開いたします。
 午前に引き続き、質疑を行います。
 質疑はありませんか。
 金城泰邦委員。

〇金城泰邦委員 資料の1、2を見ると、このような取り組みがあるのだと認識しました。県で貧困対策をされて、児童生徒の貧困の問題のアンケート調査と、高校生のアンケート調査がなされております。そのアンケート調査を行った結果として、県として、新たに支援すべきもの、事業メニューとして必要であるということで取り組まれたものがあれば、どういうものがあるのか教えてください。

〇喜舎場健太子ども未来政策課長 資料2の3ページの22番をごらんください。
 就学援助を申請しなかった理由として、就学援助を知らなかったとする貧困世帯の割合というものがあります。これは当時の調査で、貧困世帯においても2割が知らなかったということを掲げているものです。これについての調査結果は来年度ですが、その上にあります20番、21番についてもやはり就学援助の周知が非常に重要だということが、実態として把握されましたので、活動指標になっていますが、20番、21番に関しても、市町村の活動として精力的に周知活動に取り組まれているということが把握できるのかと思っています。

〇金城泰邦委員 就学援助の取り組みの数値が出ています。皆様の調査からも沖縄県の場合は貧困の割合が高いと。たしか30%近くありましたね。それと、この就学援助制度の支援との連携が全てうまくいくのかどうか。要するに3割近くの貧困だとされている子供たちの全てが就学援助を利用できる状況にあるのかを教えていただけますか。

〇登川安政教育支援課長 就学援助の認定基準としては、例えば住民税非課税世帯があります。給与等の年収でおおむね250万円以下の世帯、生活保護を外された世帯、それから生活保護の認定基準の所得金額に1.2や1.5を掛けた形など、各市町村でそれぞれ認定基準を設けています。この貧困対策で貧困とされる29%全ての子供たちが網羅されているかについての照合は困難なところがありますが、経済的に厳しい状況にある児童生徒に対する学習の機会を与えるための就学援助制度などは、各市町村においてはその趣旨で取り組まれているものと理解しております。

〇金城泰邦委員 せっかくアンケート等にも取り組んでいて、ある意味全国でも先進的な取り組みと言われているわけですから。30%弱の子供たちが貧困の状態にあって、そのうちで就学援助を受けている子供が何%いて、カバーできている子供がいて、カバーできていない子供が何%いるということについては、把握しておく必要があると思います。

〇登川安政教育支援課長 子どもの貧困対策では、就学援助について、利用している、利用していないということも聞いています。利用していない世帯については、その理由を確認しています。また、就学援助関係で、おおむねカバーできているのかという調査も行っております。子ども生活福祉部や県教育委員会としましては、その中でも、この指標にあります就学援助を利用していない世帯の中で、その制度を知らなかったという世帯が貧困層で20%もいたということですので、その周知について、最も力を入れていきたいと考えているところです。

〇金城泰邦委員 貧困の状態にある子供たちの中で、やはり一番重いところから周知していくということが大事なことであると思います。そういった意味では、生活保護世帯や非課税世帯というところから、まずは漏れなくやることは大事だと思います。その残りの方々―30%と言われている中で、そのような光が当たっていない方々への施策を講じる必要があると思いますが、そういうものを検討していますか。

〇喜舎場健太子ども未来政策課長 まさに貧困状態にある子供の状況はなかなか把握が難しいのです。緊急対策事業として内閣府が支援しています市町村における子供の居場所において、児童養護施設の子供たちだけではなく、次に厳しい生活保護世帯の子供や、それに準ずるような子供たちを1カ所当たりで13人ぐらいの子供たちを見ているということです。こういった取り組みなどによって、しっかりと最も厳しい層以外にも支援が広がっているものと考えております。

〇金城泰邦委員 私が聞いているのは、厳しいところから先にやっていることは認めますが、その次のステップとしては、皆様のいろいろな調査の中からも貧困に当たるという子供たちをどうやって貧困から脱するかということが1つの取り組みだと思います。それでは県の考えとして、何を持って、貧困の解消というところを目指しているのかについて説明していただけますか。

〇喜舎場健太子ども未来政策課長 貧困の概念―当初の県議会でも非常に議論になりました。基本的には親の経済状態が厳しく、これについての支援が非常に重要です。これはまさに、就学援助が一番大きいところになります。ただ、子供の貧困に関しては経済的な支援以外でも、勉強ができない状況を改善するために無料塾で教えるとか。文化的資源が不足している、お風呂に入ることがわからないような子供たちを、子供の居場所で普通に教えるというようなことです。よく言われますクモの巣のように、いろいろな困りごとを全て子供の貧困というように捉まえて、総合的な施策を行っている状況であります。

〇金城泰邦委員 県よりも市町村のほうが現場に一番触れていると思いますが、市町村のうちおおよそ56%、21市町村が学校給食費について何らかの補助を実施しているわけです。半数以上がやっている。そのことについて文部科学省も今調査しているのです。給食費における、その調査の中身について、教えていただけますか。

〇島袋勝範保健体育課副参事 学校給食費無償化等調査においては、例えば、貴自治体では、平成29年度において、学校給食、完全給食を実施していますかという問いがあります。それから問2では、学校給食、完全給食を実施していない理由や課題を記入してくださいというものです。質問項目として、問4では関連して、貴自治体では、平成29年度において学校給食費の無償化を実施していますか、該当する番号を記入してくださいと。学校給食費無償化についての質問として10項目が調査されているところでございます。

〇金城泰邦委員 この件に対して、無償化するか、しないかを聞いていることは沖縄県として無償化をする考えであるのか、それともないのかということを聞いていると思います。沖縄県はそれに対して、どういう考え方を持っていますか。

〇仲村未央委員長 休憩いたします。

〇仲村未央委員長 再開いたします。
 金城泰邦委員。

〇金城泰邦委員 それでは、市町村に対して、直接的なアンケートになっているものと理解しますが、このような国の調査によって、市町村の56%が給食費補助を施策として実施しているということは、その背景として、親の経済的負担をいかにして少なくするかということもあると思うのです。先ほど貧困の解消という中で、親の経済的負担を下げることについて皆さんも認めていますが、こういったことから見ても、給食費について今後どのように向き合っていけばいいのか。県としてどのように考えているのでしょうか。

〇與那嶺善道教育指導統括監 繰り返しになるのですが、陳情の処理方針に書いてありますとおり、県内の23市町村で給食費の全額または一部援助の支援が行われております。この経済的に困窮している児童生徒に関しては、先ほど申し上げたように、生活保護や就学援助の支援が行われており、また子どもの貧困対策推進基金を活用した学校給食費補助や就学援助の充実を図るための事業を実施している市町村を各研修会を通して優良事例等として紹介して、引き続き市町村、就学援助担当者に基金活用等も周知していきたいと考えております。

〇金城泰邦委員 学校給食費が払いにくい状況であるということは、今の話からすれば、生活保護や就学援助で賄えるということであります。一方で、少し調べてもらわないとわかりませんが、学校給食費未納者の問題があります。この未納者の中には、経済的にいろいろ厳しいというか、この貧困に当たる3割の児童の家庭に当たるような割合がどれぐらいなのかということについて、皆さんはこれまでに分析したことがあるのでしょうか。

〇島袋勝範保健体育課副参事 学校給食費の未納が全てそれにつながっているのかというと、そこまでは把握できている状況にありません。

〇金城泰邦委員 要望ですが、貧困に当たる家庭がどの子供であるということはわかりにくいとおっしゃっていましたが、いろいろな角度で調べることは可能だと思います。学校給食費未納者の中で、払えるのに払えないというのはもってのほかですが、少し厳しい状況になる方がいるのかということは、やはり先ほどの3割の子供たちにどう光を当てるのかという観点から、そういった調査もぜひ行っていただければと思います。これを要望とします。

〇仲村未央委員長 ほかに質疑はありませんか。
 亀濱玲子委員

〇亀濱玲子委員 資料1、資料2についてあわせて質疑します。
 午前中にも質疑がありましたが、小学校、中学校、高等学校の不登校の子供たちがふえていて、目標値から後退しているということが出ています。資料1の2ページに、学校における教育相談フロー図があるのですが、こういうことをきめ細かにやっていて、なおかつそういう状況になっているとすれば、このフロー図の体系は生かされているのですか。これは何か課題があるのではないでしょうか。これについてどこが責任を持って、その学校における相談の核になって進めているのか。そういったものがつくられているけれども、実際にそれが生かされていなければ、いろいろことへの対応がうまくできていないのではないかと思います。このあたりについて、執行部として検証したことはありますか。

〇當間正和義務教育課長 不登校については、一般的に長期的に増加傾向にありますが、不登校の子供の中には、このようなかかわりを持った中で、学校に復帰している子供もいます。こういう子供もいる中で、また新たな不登校も出ているということで、早期にしっかりと対応していくということで取り組んでいるところでございます。

〇亀濱玲子委員 この学校における教育相談のフロー図ですが、学校ごとに取りまとめて、これはどのようにして、生かされていくのかということが、少し全体として見えないので、教えていただけますか。これはどこが中心になって生かしていくのですか。

〇當間正和義務教育課長 フロー図の1ページ目をごらんください。
 この右側の教育相談体制の充実ということで、生徒指導部会、教育相談部会、拡大生徒委員会が週1回のペースで開催されています。その中で、具体的な支援を行ったことによって成果があったのかどうか。次の課題は何であるのかということについて洗い出しをして、さらに次の取り組みを実施しているところです。ですから、各学校においては教育相談体制部会の中で、とりまとめを行い、対応しているところです。

〇亀濱玲子委員 県議会9月定例会でのやりとりから質疑させていただきます。私は9月定例会で、学校現場と教育機関や福祉の窓口とどのようなネットワークを構築しているのかと、体制をつくられているのかという質疑をしました。そのときに子ども未来政策課長が、県事業として北部、中部、南部、宮古、八重山県域にスーパーバイズするようなコーディネートを行っており、きめ細やかに毎月市町村から報告をいただいたり、あるいは2週間に1回云々というように細かく取り組んでいると説明がなされましたが、これは現在どうなっているのか教えてください。

〇喜舎場健太子ども未来政策課長 まず、そのスーパーバイズをしているコーディネーターは毎月1回、県庁で現場の支援員の課題や助言を共有化するためにやっていますが、今はまず論点となっている学校との連携に関して、いわゆるスーパーバイザーの前にいる117名の支援員が、実際に現場を回っている現状であります。具体的には、教育委員会のスクールソーシャルワーカーと一緒になって、学校に入っていくケースが非常に多いと聞いています。実際に積極的な自治体、例えば、南風原町などにおいては、支援員が単独でも動けるように認知されていて、学校と連携が図られている状況となっております。

〇亀濱玲子委員 説明資料1の1ページを見ると、スクールカウンセラーについては、平成31年までに、全ての中学校区に配置、拡充を目指すとありますが、この報告の中では、横ばいというように書かれています。これについて、各目標は、今達成されていますか。状況を見ると横ばいになっていますので、今の答弁の状況について十分に担保できますか。

〇與那嶺善道教育指導統括監 資料1のソーシャルワーカーを平成31年度までに、全ての中学校に配置、拡充を目指すということは、国において、子供の貧困対策による大綱の中でうたわれている文言です。それを注視していきたいということで、処理方針の中で書かせていただいております。

〇亀濱玲子委員 そのようなことを聞いているわけではありません。今、答弁の中で一生懸命取り組んでいるということは理解できましたが、この状態では実現できるのかということを聞いています。事業の内容ではありません。

〇當間正和義務教育課長 先ほども説明したとおり、まず学校の中で、貧困のみを拾い出すことは大変難しい状況にあって、いろいろな相談員等が、相談の中から貧困があればつないでいくというような体制が現在学校ではとられています。そのようなことで、今、貧困対策支援員も学校に配置されています。その皆さんを含めて、市町村が派遣をしているソーシャルワーカー等とも連携しながら、相談の中からさらに関係機関につなげていくところの枠をどんどん広げていくことが子供たちの支援につながるというように考えております。今できることを一つ一つやっています。それから国においては、平成31年度までに拡充することで、どんどん予算が入ってくれば、これを利用しながら、さらに拡充を目指していきたいと思います。

〇亀濱玲子委員 貧困対策支援員は、子供を通した学校支援というようにうたわれています。一番わかりやすいのは、幾つか指標があると思うのですが、この資料の1ページに、年度当初に就学援助の生活保護等の手続に必要なものは全部福祉につながっているというように書かれていて、実際そのようにスタートすると思うのですが、年度途中で、例えば家庭の事情が変わったときに、要保護児童、準要保護児童についてはしっかりと、年度途中でも対応できる状況が、全ての市町村にできていると考えてよいですか。

〇登川安政教育支援課長 就学援助につきましては、年度途中でも受け付けることになっています。

〇亀濱玲子委員 次呂久委員の要求で出していただいた資料の中で、41自治体のうち内閣府の事業、あるいは県基金事業の実施一覧を見ると、全く取り組んでいないところが7自治体ぐらいあります。粟国村は、生活保護率が五十何%であるという説明があったにもかかわらず、粟国村は内閣府や県の事業を一切使っていない状況にあります。県はこの状況をしっかりと捉えて、課題として分析されているのかと。この状況も皆さんからいただいた資料なので、この課題は御存じだと思います。なぜそういう状況になっているのか説明してください。

〇喜舎場健太子ども未来政策課長 内閣府事業や県の基金事業も含めていわゆる離島町村の活用ができていない―これは県の説明がまだ足りていないというところもあると思います。ただやはり、離島町村から最初に出てくる話は、人手不足ということがあります。いわゆる支援員を雇うにしてもなかなかいない。あと居場所の運営に関しても人がいないという課題が出てきます。すぐに課題を解決することは難しいのですが、工夫の仕方はあるのかと思っています。今でもスクールソーシャルワーカーが定期的に巡回しているところもありますので、そういう巡回について手厚くするとか、いろいろなやり方があると思います。少し時間がかかっていますが、離島町村を含めた子どもの貧困対策について、必ず困っている子供はいるというつもりで、課題を乗り越えて調整していきたいと思っています。

〇亀濱玲子委員 支援員が全く配置されていない自治体もあったりするので、ぜひこの課題について精査して、一歩でも前進できるような取り組みが求められているのかと思います。

〇仲村未央委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

〇西銘純恵委員 学校をプラットフォームとした総合的な子どもの貧困対策を確認したいのですが、どこで、何を目的として、いつから始められたのですか。県が独自に始めたものではないと思うのですが。

〇與那嶺善道教育指導統括監 平成26年に子供の貧困対策に関する大綱が閣議決定されております。そして沖縄県も沖縄県子どもの貧困対策計画を同じく平成26年に策定しています。その中で、全ての子供が集う場である学校、その学校を子どもの貧困対策のプラットフォームとして、子供たちの抱えるさまざまな課題の気づきの場として捉え、貧困家庭の子供たちを早期の段階で生活支援や福祉制度につなげていく趣旨で、この子どもの貧困対策に資する意味で、学校を子どもの貧困対策のプラットフォームとして位置づけているものと理解しています。県教育委員会としては、その中にある学校における学力保障。それからこの部分にあります進路支援。また実際に自己実現するための教育相談体制の充実。そして他の関係機関につなぐ経済支援とかという部分をしっかりやっていくということで、このフロー図をつくらせていただきました。

〇西銘純恵委員 とても疑問です。政府がやろうということでやっているけれども、学校に行くのにカバン、制服。部活も学校でやっているのに体育着、そして音楽関係の部に入っても楽器なども自己負担であるとか。その辺がまだ教育予算の中に入っていないのはなぜなのかと思います。そもそも、憲法の規定からしても、義務教育は無償ということですから。だから文部科学省が大綱をつくり、閣議決定をしたというのであれば、やはりきちんとその財源が充てられていないというところから、現在、県として大変頑張って対策を講じているのです。そこら辺をもっと整備してほしいと思うのですが、義務教育の段階で、そういう教育の整備をやってほしいという要望はやっていますか。

〇當間正和義務教育課長 子供にかかる教育費、教材費等につきましては、教科書等においては無償化されております。ただし、実際には費用がかかっているのが現状です。県としましては、全国都道府県教育長協議会や全国都道府県教育委員長協議会等を通して、国に要望しているところでございます。

〇西銘純恵委員 体制もそのプラットフォームにしようということで、スクールソーシャルワーカー、カウンセラーなど、いろいろな相談員ということで、この表にも出ています。例えば、2年後の平成31年度までに全ての小・中学校区にスクールソーシャルワーカーの配置、拡充を目指すとか、そういう学校現場の体制を整備することになっていますが、これは現在の体制も含めて、学校教職員の定数をそれに沿って拡大するということになっているのですか。

〇當間正和義務教育課長 先ほども申し上げましたが、予算等に関する要望の中で、正規化等につきましても、あわせて要望しているところでございます。

〇西銘純恵委員 やはりこれだけ大事な部分ということを政府も言っていて、これを進めている割りには、予算が伴っていないというのは問題があります。専門的な資格を持った社会福祉職や心理職など、いろいろ難しい不登校や困難な児童生徒に対応していく職種が粗末にされている。きちんと、その身分が保障されていない、正規ではないというところがとても大きな問題だと思います。ですから、ぜひそこも定数化することが大切なことになるのではないかということを指摘しておきます。
 不登校について、具体的に伺います。残念ながら高校生の不登校が、後退しているということですが、私は泊支援センターについて一般質問で質疑しました。そこで、ぜひ現場を見ていただき、その拡充を図ることなどの対策を講じていただきたいと思います、真和志高校にできたサポータールーム「和」など、不登校対策の事業についての説明をお願いします。子供たちがどのような状況にあるのか。子どもの未来応援特別委員会で一度行きましたが、そういうものを広げることについては、不登校対策としてとても有効ではないかと思っています。

〇喜舎場健太子ども未来政策課長 真和志高校の不登校対策として、「和」という内閣府の緊急対策事業を活用した県立学校における居場所づくりの事業があります。今年度の予算は約1000万円です。基本的には日中、福祉の専門家である支援員が2人常駐しておりまして、緊急時に少し不安が大きくなった生徒への対応やあとは昼間、放課後に解放して、高校生が安心して過ごせる居場所ということでやっています。真和志高校も大分不登校が改善されていますが、私は何回か行かせていただいて、本当に先生方の長年にわたる不登校対策、細かな対応がまず基盤にあると思ってます。それに加えて「和」の福祉の専門家と我々が一緒にやっているので、成果を上げつつあるという認識であります。

〇西銘純恵委員 長年の先生方の努力と言うけれども、なぜ後退しているのか。不登校がふえているのかということについて、根本的な部分をもっと深く掘り下げて、どこに手だてをとるのかということをやらないと、現場に配置された先生方の努力だけでは解決できないと思うのです。だからこそ組織上、専門職を含めてどのようにいい人を配置するのか。「和」のことを聞いたついでに、支援センターの中にもやはり不登校対策として、直接学習するようなことについても大事ではないのかと。そこだけではなくて、通信制や中部地区などあるのですが、そこも拡充をする立場でやれたら、また違ってくるのではないかと思いますが、いかがですか。

〇半嶺満県立学校教育課長 基本的に就学支援センターでは、定期的な面接、家庭訪問、電話での相談等、子供たちの支援に当たっているところでございます。今、子供たちを支援するに当たって、質疑がありました中部地区への拡充等につきましては、しっかりと生徒の指導の状況等を踏まえながら、さまざまな観点から、慎重に研究していく必要があるというように考えております。

〇西銘純恵委員 「和」の拡充についても聞いたのですが。

〇喜舎場健太子ども未来政策課長 高校内の居場所の意義につきましては、ことしの夏ごろに内閣府から緊急対策事業を総括する報告が出されております。その中でも、人材育成の方針ということで、高校内の居場所の有効性を内閣府としても認識しているということで、現在どのような広がりができるのかを調整しているところです。内閣府としても、しっかり理解していただいているということで、県としてもできれば広げていきたいということで現在、調整しているところです。

〇仲村未央委員長 ほかに質疑はありませんか。
 比嘉京子委員。

〇比嘉京子委員 教育庁と子ども未来政策課において、これから就学前の調査をなされると。今、生活習慣の問題等が不登校の理由に挙げられておりましたが、やはり幼児期の問題にスポットを当てていかないとなかなか厳しいのではないのかという認識を持っています。これは貧困対策の先進地においては、既にそこにスポットを当てた対策を講じているのです。そういうことを踏まえて、質疑いたします。この3つの連携とは、組織体制として、庁内における各部署がどのような連携をとっているのか。また連携については問題がないという認識なのかをお聞かせください。

〇金城弘昌子ども生活福祉部長 今回、議論の集中が、教育、福祉、保健というようなお話がありました。子どもの貧困対策については、全庁体制で取り組むということで、午前には商工労働部に対する質疑もございました。いわゆる全庁挙げて、知事をトップとする子どもの貧困対策推進会議を持っています。そこで、子どもの貧困対策計画の進捗や課題の洗い出し、新たな施策も含めて、現在、議論しているところでございます。その中で、個々の議論の中から、特に関係が深い県教育委員会とは、しっかりと連携を持たせていただいておりますし、保健医療部では、いわゆる子育て支援センターや母子生活総世代相互支援センターの設置についても取り組みを進めているところでございます。連携としては十分にとられているものと認識しております。

〇比嘉京子委員 その推進会議の開催頻度について、子ども生活福祉部長としては回数だけではないとのようですが、さまざまな部署との連携は十分に図られており、問題はないという認識なのでしょうか。

〇金城弘昌子ども生活福祉部長 繰り返しになりますが、子どもの貧困対策については、県の重要施策の一つということで、今回の沖縄21世紀ビジョン基本計画の見直しの際にも改めて位置づけたところでございます。ですから、基本的にはしっかりと連携が図られていると思います。一方で、それぞれの施策との兼ね合いについては、考慮すべき点があるのかと思っていますが、その辺をしっかり埋めていくのは推進会議であったり、それぞれの部局長や各課において議論していく中で、埋めていくべきものであると思っています。

〇比嘉京子委員 この学校をプラットフォームとした子どもの貧困対策について、学校プラットフォームには3つの役割があるという説明がありました。この中の学校教育における学力の保障についてどのようにとられていて、それが保障されるというようなことになっているのかということをお聞きします。以前に質疑したときに、チーム・ティーチングなどの少人数教育を行って、一人一人の習熟度に応じた対策を講じるというお話があったかと思います。それを実施するための組織体制は構築されていますか。

〇當間正和義務教育課長 学校をプラットフォームとした総合的な子どもの貧困対策の中で、特に学校が担うべきことと考えているのは、やはり一人一人の子供たちの学力保障であると考えております。その中の一番大きな方策としましては、学力向上推進プロジェクトの中で、一人一人の教師の授業力を高めていって、子供たちがわかる授業を展開することを中心に進めていく中で、少人数指導についても、それを実施している学校、学年等において、さらにきめ細やかな指導をしていくこととしています。

〇仲村未央委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、比嘉委員から組織体制は構築されているのかを質疑しているとの説明があった。)

〇仲村未央委員長 再開いたします。
 古堅圭一学校人事課長。

〇古堅圭一学校人事課長 少人数学級に係る組織の件については、現在、小学校5年生までと中学校1年生について実施しています。1人の教師が生徒一人一人にきめ細かく指導ができるということで、段階的にこれまで拡大してまいりました。ですけれども、まだ教室不足など幾つかの課題がありまして、その取り組みについては十分でないところもあります。その辺のところは児童生徒への学力をきちんと保障するという観点で、引き続き取り組んでいきたいと考えております。

〇比嘉京子委員 小学校高学年、中学校、高校入試の受験生になったときに、教育庁として小学校の何年生が安定した学力をつけるためのターニングポイントであると理解をしていますか。

〇當間正和義務教育課長 全ての学年において、子供たち一人一人にしっかりとした学力を身につけさせるものと捉えておりますが、その中でも、特に小学校4年生で教科の内容等の難易度が上がってきます。そこをしっかりと支援し、指導に努めていくということです。

〇比嘉京子委員 確かに足立区で、小学校4年生は1対1でやっている事例がありますが、やはり小学校3年生までの重点的な基礎のところについて、さらに手厚く人員を強化していくことが、その後の積み残しを引き継ぎながら進級していくことへの歯どめになるという意見もございます。そういう意味で言うと、沖縄県としては、少人数学級を小学校5年生までやっているのでいいという理解ではなくて、例えば、教職員の退職者を再雇用しながら、30人以下学級をさらに半分に分けるなど、落後する子供たちを一人たりとも出さないというような意気込みをどこまでも徹底するかということが大事ではないかと思っています。皆さんはそういう議論を行っていますか。

〇當間正和義務教育課長 現在、各学校において、一人一人の子供たちにしっかりと、学力を保障する視線で取り組んでいます。それから授業の中においてはチーム・ティーチングを導入したり、学習支援員を配置している学校もございます。そういった形で、きめ細やかな指導ができるような体制で取り組みつつあるところです。

〇仲村未央委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、比嘉委員から重点的に指導すべき学年における具体的な取り組みについて庁内で議論しているのかという確認があった。)

〇仲村未央委員長 再開いたします。
 當間正和義務教育課長。

〇當間正和義務教育課長 一人一人の子供たちの学力を保障するということにつきましては、本県が最重要施策としております学力向上推進プロジェクトの中で、県内部でも議論しております。それから、各教育事務所、各市町村や各学校においても、いかにして子供たちの学力を高めていくかということについて、研修等を行いながら進めているところです。

〇比嘉京子委員 今回いただいたフロー図や先ほどの答弁の中で、子供の貧困については、早く気づいていくという問題だけではないというお話がありました。学校の中で、例えば1日欠席するとどういう対応する、2日欠席すると家庭訪問をするなど、マニュアルができていると伺っています。そういうことからすると、気づいた人、状況の観察、担任など信頼関係がある者が訪問するなど、いろいろとあるのかと思います。フロー図の中における、第一義的な役割の人。その担当。例えば、これは教頭や担任で行うとかという役割分担はあるのですか。

〇當間正和義務教育課長 御質疑のとおり、特に学年会等における対応・検討の中で、こういう事案だから誰が対応するとか、こういう中身を採用しようなどということの役割分担等を含めた話し合いがなされております。

〇比嘉京子委員 それでは、責任の所在は明確にしてあると理解していいですね。

〇當間正和義務教育課長 そのとおりでございます。

〇比嘉京子委員 子ども生活福祉部に対する要望です。幼稚園には養護教員等がいないわけです。そうなると、なかなか子供たちの問題を上げるシステムは、このフロー図のようにはいかないと思うのです。ですから、就学前の対策を練るときに、責任の所在と、それから気づきをどうしていくのか。どのように対応していくのかということを、ぜひ明確な役割りとその担い手を設けていただけるよう検討をお願いします。

〇喜舎場健太子ども未来政策課長 就学前―具体的には幼稚園ということで、所管課ともしっかりと連携して、子どもの貧困対策は、まさに外部の福祉専門家とどうかかわるのかというところが出てくると思っています。どうしても小・中学校を重点的にやっていますが、そこについても今後見据えながら、その対策について検討していきたいと思います。

〇仲村未央委員長 ほかに質疑はありませんか。
 仲田弘毅委員。

〇仲田弘毅委員 学校をプラットフォームとした子どもの貧困対策は絶対に必要であると考えています。本当は遅いぐらいで、もっと前にこういったことに県は手をつけておくべきではなかったのかと思います。その中で、一番に問題視されるのは、子供たちは1日の大半を学校で過ごしますから、基礎的な教育、生活の基本的なものを学校で培うべきもの―家庭でやるべきものと学校でやるべきものがありますが、その中で学校給食が一番肝心だと思います。沖縄県は、多分三百何十校の小・中学校、そして高等学校も60校前後あります。学校給食を取り入れているところは何校ぐらいありますか。

〇島袋勝範保健体育課副参事 現在、学校給食を取り入れていない学校は、県立中学校2校のみとなっております。そのほかの学校においては、学校給食が実施されています。

〇仲田弘毅委員 県立中学校2校は、新しくできた学校ですね。球陽中学校と開邦中学校ができたのかと。そのほかの公立の小・中学校は100%実施されていると。ちなみに、大阪府の小・中学校でどれだけ学校給食があるのか。学校の実施率についてお答えできますか。

〇島袋勝範保健体育課副参事 大阪府など他府県の状況については把握しておりません。

〇仲田弘毅委員 たしか大阪府の全てで実施していないと思います。はっきり申し上げて、学校給食を実施しているのは沖縄県だけです。そういうことで、生活の中の大半を過ごす中での学校給食は、富める家庭の子や、貧困家庭の子も、同じ時間、同じメニューの食事をするわけです。ですから同じ学校の子供たちに対する支援のあり方の中でも、一番最初に公正公平に実施すべきは学校給食の無償化だと思います。今、県内においては、41市町村の中でも23市町村が全額あるいは一部を補助金で手当てしているということがあります。うるま市においても、全額無償化の学校とそうでもない学校があって、これが大きな問題なのです。つまり、地方行政において、財政にゆとりがある自治体は全額無償化しているのです。特に米軍基地を抱えていて、基地に関連した交付税などが入ってくるところは、全額無償化しても学校運営はきちんとやっていける。ですから、そういった考え方を県として、国に求めるべきだと思うのですが、いかがでしょうか。

〇與那嶺善道教育指導統括監 委員がおっしゃるように、23市町村が学校給食費の全額または一部の補助を行っております。その中で、子どもの貧困対策推進基金を活用した市町村もございます。県教育委員会としては、文部科学省が、全国の市町村における学校給食費の無償化等の実態を把握するための調査を行っていますので、その結果も踏まえながら、国の対応等を注視していきたいと考えているところでございます。

〇金城弘昌子ども生活福祉部長 先ほど教育指導統括監からもお話がありましたが、基本的にはまず必要なお子さんにはしっかりと生活保護や、就学援助を行っているものと考えています。県としましても、国の動きを見ながら県としてできることはどういうものがあるのか。県教育委員会と一緒に検討していきたいと思います。

〇仲田弘毅委員 これまでの答弁や陳情処理方針を見ると、ほかの都道府県の様子を見ながら要請をしていくということです。沖縄県でこれだけ子供の貧困問題が大きなクローズアップされている中で、沖縄県独自で要請すべきであると考えています。それと児童手当が次年度から削除されていくという国からの情報が入ってきているわけですが、どんどん子供たちに対する補助や助成がカットされる中で、一方で教育の無償化を国はうたっているわけですが、このような公正公平に取り組むべきものについては、今後とも頑張っていただきたいと思います。

〇仲村未央委員長 ほかに質疑はありませんか。
 島袋大委員。

〇島袋大委員 資料1、資料2を見ましたが、小・中学校の家庭訪問率はどうなっていますか。これのどこを見ても家庭訪問の話は出てこないのですが。

〇當間正和義務教育課長 今、家庭訪問率という形で、数字的なものについては掌握しておりません。必要に応じて、家庭訪問を実施するとか、あとは教育相談員等が、特に不登校等につきましては毎朝迎えにいくといった支援を行っているところでございます。

〇島袋大委員 進級すると新学期の当初に、各学校で家庭訪問しているところと、していないところの判断については市町村教育委員会に委ねられていると思っています。家庭訪問を行っていない自治体もありますか。

〇當間正和義務教育課長 年度当初の家庭訪問につきましては、実施している市町村、それから実施している学校ということで、それぞれ異なります。

〇島袋大委員 家庭訪問をやっていない市町村があるのですか。市町村の中でもやっていない学校があるというように分けられているのですか。

〇當間正和義務教育課長 市町村の中でも、家庭訪問を実施していない学校の差があります。

〇島袋大委員 これについては、学校長に権限が委ねられているのですか。

〇當間正和義務教育課長 行事等の編成につきましては、学校長の権限で実施しております。

〇島袋大委員 年度当初の家庭訪問をしていない学校は、要するに子供の貧困率や生活保護率等が出ていて、またその学校の不登校率がどうなっているのかということについて把握していますか。

〇當間正和義務教育課長 家庭訪問の実施と貧困率等について比較したことはありません。

〇島袋大委員 私は家庭訪問は絶対にあるべきだと思っています。やはり家庭訪問することによって、まさしく家庭環境が把握できるというように理解しているのです。ですから、その辺の実態把握も踏まえて、先生方は大変だと思いますが、新学期に学級担任になったら、担任の教師としてスタートするからには、やはり家庭環境と子供の性格は重要だと思っています。その辺の実態把握、家庭訪問をしていない学校についてどういう状況となっているのかを調べるべきではないかと思っているのですがどうですか。

〇與那嶺善道教育指導統括監 先ほど義務教育課長からもありましたように、各学校がその生徒の実態等に合わせて、学校長の責任のもとに家庭訪問をするのか、しないかのということを決定していると思います。必要に応じて、支援員等や学級担任等で、そういう対象の生徒がいれば、当然のこととして、家庭訪問を各学校でなされているのかと思います。その実態等について把握するための調査の実施はかなり厳しいことであると思います。

〇島袋大委員 各小学校にしても、読み聞かせとかいろいろやっている中で、これは私の嫁もやっています。やはり気づくところは、きのうと同じ洋服を着けているとか、担任と同じように気づくところがあるわけです。ただ何らかの理由があるかもしれない。ですから、その中で家庭訪問については、やはりあるべき姿ではないかと思っているわけです。何も強制的にやれということではないけれども、やはり実態把握のための数字を、調査することが難しいのであれば、これは担任の先生が唯一の権限で家庭訪問の際に、家庭に入ることが理解されることがあるわけですから。それについても少し見据えて、部署内で議論していただき、市町村教育委員会でもいろいろを議論していただきたいと思っています。
 次に、資料2を見ていて、まだ理解できないことがあります。この中で、これは全体の乳幼児の検診、1歳半小児健診などのデータがありますが、この子供たちは沖縄県全体の子供たちのことですか。それとも貧困としてカウントされた数字のことですか。

〇喜舎場健太子ども未来政策課長 基本的には、貧困対策の総合的施策として、例えば資料2の2ページの乳幼児全戸訪問事業における訪問率の4番などは、子ども生活福祉部で各市町村事業の施策をまとめたものです。これについては貧困というよりも、その事業の全体、県全体の数字と捉えていただければと思います。

〇島袋大委員 それでは、乳幼児検診―1歳半小児健診、3歳児健診について県内は八十四、五%となっています。県議会一般質問の答弁でもそのように聞いているのですが、実際はどうなのですか。各市町村を回った中で、このような数字ではないと思いますが。

〇喜舎場健太子ども未来政策課長 所管ではないのですが、一応今回、議会に提案することを踏まえて、照会した数字ですので、間違いないものだと考えております。

〇仲村未央委員長 所管課は来ていないのですか。

〇上里とも子地域保健課母子保健班長 各市町村のデータの合計はこのようなものになっております。沖縄県はだんだん受診率が上がってきておりまして、現在90%近くまで行っているところです。

〇島袋大委員 その中で、生活保護に属する子供の率とかいろいろありますが、この間、我々の特別委員会は東京都の足立区に行きましたが、これは貧困の子供とカウントされている方々は乳児医療費などもろもろ無償なわけです。その中で虫歯健診をしたら、虫歯が相当多いわけです。治療は無料なのですが、親御さんも働き過ぎて、子供を病院に行かせる機会がないわけです。言葉が悪いのですが、その子供たちは虫歯が多すぎて歯がないわけです。その数字をカウントしてこの中に入れられないのかと思います。

〇喜舎場健太子ども未来政策課長 この34の指標については平成28年3月に策定した沖縄県子どもの貧困対策計画の中の指標であります。まさに今の子供たちの健康という視点で、委員がおっしゃられた内容の指摘を庁内の推進会議の中でもいただいています。虫歯についても入れるべきではないかということについては来年度、中間の見直しを行うときに、委員の御提言を踏まえて、新たに盛り込めるのか検討していきたいと思います。

〇島袋大委員 学校や保育園などで歯科検診をやっている中で、虫歯の数が多いことと貧困について連動している点についても、実際にデータとしてあるようです。計画を見直しするのであれば、その辺も盛り込んで、いろいろな面から改善策が出てくると思いますので研究してください。

〇仲村未央委員長 ほかに質疑はありますか。
 次呂久成崇委員。

〇次呂久成崇委員 学校における教育相談フロー図の中で、学級担任を初め学校の先生方で、第一に気づいた方たちがこのような過程で教育相談を行っている。フロー図のように対応していると、これは学校内で行うとの答弁がありましたが、その中で具体的にこういう対応していくというつなぎが少し見えないような気がします。この学校の教職員による課題発見がありますね。そこでこのフロー図のような対応をしていくわけですね。スクールソーシャルワーカーや、スクールカウンセラーというように説明があったのですが、学校から家庭にというところで誰が訪問するのか、そこが少し見えないと思います。ですから、私は前にも言ったのですが、そこに貧困対策支援員という福祉部門の方だけではなくて、やはり学校の中にもそのような方が必要ではないのかと。そういうつなぎをする方が、学校の中にはいないのではないかと思っています。

〇當間正和義務教育課長 まずは、学校の教職員等による課題を発見し、その後に協議して、外部機関につながないといけないというときには、現在、各学校にスクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラー、教育相談員等が派遣されています。こういう専門の方々が直接その関係機関につなぐ場合もありますし、教職員が直接つなぐ場合もあります。子供の状況に合わせて、状況に応じて対応しているところでございます。

〇次呂久成崇委員 スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーは常駐ではないですね。私は学校でしかできないこのプラットフォームという位置づけの中で、やはり学校でしか気づけない部分というところでは、やはり常駐をするような体制、またはそういう配置をすることが必要ではないかと思っているのです。すぐに配置するということは、さすがに予算的なことを含めて難しいと思うのですが、つなぎということを考えたときは、福祉部門の貧困対策の支援員など学校に配置されている支援員。そのつなぎがスムーズな福祉へのつなぎと、各機関へのつなぎということになってくると思っています。その人たちが結局、現在、支援コーディネーター事業によるスーパーバイザーがいますが、そういう方たちとの連携というか、つながりが少し見えません。私は学校の中にも、こういう支援員の配置が必要ではないかと考えています。また、この支援コーディネーターの皆さんが現在つなぎ役を行っていると認識しています。ですから、そういう方々のお話をぜひお伺いしたいと思います。

〇喜舎場健太子ども未来政策課長 県で設置しているコーディネーターは基本的に福祉部門の人材なので、子供たちの気づき、つまずきについてどのように支援すればいいのかということを考える専門家です。学校との連携という意味では、まさに学校側の立場の人から支援員とつないでいただくことで、どちらかというと教育委員会の各事務所の指導主事の方々とマッチングしながら学校に入っていくと。あと、子ども未来政策課に県教育委員会からきた職員もいます。その職員が一緒に学校に行くときに支援員を連れて行って、学校長と会ってもらっています。最初にそのような形で、コーディネーターはどちらかというと福祉部門の課題に対するアドバイス。現在の福祉と学校との連携については、各教育事務所や県立学校の職員が支援員と一緒に学校訪問しながらつながっている状況であります。

〇次呂久成崇委員 学校側の教職員だけで対応するということであれば、先ほど説明があったようにこの職員の超過勤務などの負担につながってくるのではないかと思っています。やはり学校の中にも、しっかりと支援員を配置して、支援員同士で連携していく。つなぎをつくるという体制づくりが必要ではないかと思います。
 委員長、現在、県はコーディネーターを事業を行っています。できればそういう実際に現場を見ている方々を参考人としてお呼びし、現場の話を聞きたいと思います。御検討をお願いします。

〇仲村未央委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

〇仲村未央委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、教育庁として考える学校をプラットフォームとした総合的な子どもの貧困対策の展開について及び子どもの貧困の関連指標についての質疑を終結いたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、執行部退席)

〇仲村未央委員長 再開いたします。
 陳情の質疑については全て終結し、採決を残すのみとなっております。
 これより陳情の採決を行います。
 陳情の採決に入ります前に、その取り扱いについて御協議をお願いいたします。
 休憩いたします。
  
   (休憩中に、陳情の取り扱いについて議案等採決区分表により協議)

○仲村未央委員長 再開いたします。
 お諮りいたします。
 陳情については、休憩中に御協議いたしました議案等採決区分表のとおり決することに御異議ありませんか。
  
   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○仲村未央委員長 御異議なしと認めます。 
 よって、さよう決定いたしました。
 次に、閉会中継続審査・調査事件の申し出の件についてお諮りいたします。
 先ほど、閉会中継続審査・調査すべきものとして決定した陳情1件とお手元に配付してあります本委員会付議事件を閉会中継続審査及び調査事件として、議長に申し出たいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○仲村未央委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 休憩いたします。
   (休憩中に、議題の追加について協議を行った結果、追加することで意見の一致を見た。)

○仲村未央委員長 再開いたします。
 お諮りいたします。
 陳情平成28年第140号「貧困をなくし、子供の未来を保障する対策を求める陳情」に係る参考人招致については、休憩中に御協議いたしましたとおり、議題に追加し、直ちに審査を行いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○仲村未央委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 陳情平成28年第140号「貧困をなくし、子供の未来を保障する対策を求める陳情」に係る参考人招致についてを議題といたします。
 陳情平成28年第140号「貧困をなくし、子供の未来を保障する対策を求める陳情」の審査のため、参考人の出席を求めるかどうかについて、休憩中に御協議をお願いいたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、参考人の出席を求めることについて協議を行った結果、参考人招致を行うこととし、その日程等については委員長に一任することで意見の一致を見た。)

○仲村未央委員長 再開いたします。
 お諮りいたします。
陳情平成28年第140号について、本委員会に子どもの貧困対策に係る支援コーディネーター等を参考人として出席を求め意見を聞くことについては、休憩中に御協議いたしましたとおり決することとし、その日程及び人選については委員長に御一任願いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○仲村未央委員長 御異議なしと認めます。
よって、さよう決定いたしました。
 以上で、本日の日程は全て終了いたしました。
委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。






沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

   委 員 長  仲 村 未 央