委員会記録・調査報告等

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子どもの未来応援特別委員会記録
 
平成30年 第 7定例会

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開会の日時

年月日平成30年10月24日 曜日
開会午前 9 時 58
散会午後 3 時 25

場所


第2委員会室


議題


1 子どもの貧困問題並びにこれに関連する諸問題の調査及び対策の樹立(沖縄県子どもの貧困対策に関する中間評価の概要について及び平成29年度沖縄県未就学児調査について)
2 陳情平成28年第140号及び陳情第44号の6
3 閉会中継続審査・調査について


出席委員

委 員 長  仲 村 未 央 さん
副委員長  上 原 正 次 君
委  員  新 垣   新 君
委  員  又 吉 清 義 君
委  員  島 袋   大 君
委  員  仲 田 弘 毅 君
委  員  次呂久 成 崇 君
委  員  亀 濱 玲 子 さん
委  員  比 嘉 京 子 さん
委  員  瑞慶覧   功 君
委  員  西 銘 純 恵 さん
委  員  嘉 陽 宗 儀 君
委  員  金 城 泰 邦 君


欠席委員

      なし


説明のため出席した者の職・氏名

子ども生活福祉部長        大 城 玲 子 さん
 子ども福祉統括監        名渡山 晶 子 さん
 子ども未来政策課長       喜舎場 健 太 君
 子育て支援課長         久 貝   仁 君
 青少年・子ども家庭課長     真榮城   守 君
 保健医療部保健衛生統括監    糸 数   公 君
 保健医療部保健医療総務課班長  末 吉 美和子 さん
 商工労働部産業雇用統括監    伊 集 直 哉 君
 商工労働部雇用政策課長     下 地 康 斗 君
 教育庁教育指導統括監      與那嶺 善 道 君
 教育庁教育支援課長       佐次田   薫 君
 教育庁保健体育課副参事     島 袋 勝 範 君
 教育庁義務教育課班長      天 願 直 光 君



○仲村未央委員長 ただいまから、子どもの未来応援特別委員会を開会いたします。
 本委員会付議事件、子どもの貧困問題並びにこれに関連する諸問題の調査及び対策の樹立に係る沖縄県子どもの貧困対策に関する中間評価の概要について及び平成29年度沖縄県未就学児童調査について、陳情平成28年第140号及び陳情第44号の6、閉会中継続審査・調査についてを一括して議題といたします。
 本日の説明員として、子ども生活福祉部長、商工労働部長及び教育長の出席を求めております。
 まず、本委員会付議事件子どもの貧困問題並びにこれに関連する諸問題の調査及び対策の樹立に係る沖縄県子どもの貧困対策に関する中間評価の概要について及び平成29年度沖縄県未就学児童調査についての審査を行います。
 ただいまの議題について、子ども生活福祉部子ども未来政策課長の説明を求めます。
 喜舎場健太子ども生活福祉部子ども未来政策課長。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 ただいまの事項につきまして、資料1沖縄県子どもの貧困対策に関する中間評価の概要について、説明をしていきたいと思います。
 1ページをごらんください。
 1、子供の貧困対策の推進に関する政府・県の対応状況です。赤い字で書いてあるところがポイントでございます。上から2行目、平成26年1月に子どもの貧困対策の推進に関する法律が施行されております。それを踏まえる形で、8月29日に基本的な指針となる子供の貧困対策に関する大綱が閣議決定されております。沖縄県におきましては、平成28年1月29日に沖縄県の「子どもの貧困率29.9%」及び沖縄県子どもの貧困実態調査(小中学生調査)結果公表を行っているところです。その後、平成28年3月に沖縄県子どもの貧困対策計画を策定し、同年3月には議会の議決をいただいた上で、沖縄県子どもの貧困対策推進基金として30億円基金を積み立てております。6月17日には官民一体となって貧困を解消する沖縄子どもの未来県民会議が設立されたところです。
 2ページをごらんください。
 本日、議事に関係する沖縄県子どもの貧困対策計画の概要を1枚でまとめているものです。計画期間として、平成28年4月から平成34年3月までの6年間の計画ということで対策を進めております。
 1、計画策定の趣旨、基本理念の丸の3番目をごらんください。基本理念、社会の一番の宝である子供たちの将来がその生まれ育った環境によって左右されることなく、夢や希望を持って成長していける社会の実現を目指すとしております。
 2、基本方向の(1)子供のライフステージに即して総合的な施策を実施するとしております。これについては、右の5、指標の改善に向けた当面の重点施策をごらんください。大きい柱が2つあります。青文字のつながる仕組みの構築、そして、子供のライフステージに応じた子供と保護者への支援策が重点施策と位置づけられております。これについて主なものを書いておりますが、ライフステージに応じた子供と保護者への支援策の赤文字、乳幼児期、小中学生期、高校生期ということで、それぞれのライフステージに応じて施策を落とし込んでいるところであります。
 4、指標及び目標値については、ライフステージに応じ設定しており、34の指標及び目標値と9つの参考指標を掲載し、それに向かって取り組んでいるところです。
 6、調査研究、連携推進体制の構築につきましては、沖縄子どもの未来県民会議の設置とあわせて、外部有識者等で施策を評価し、計画の効果的な推進を図るということが計画に位置づけられております。
 3ページをごらんください。
 中間評価の概要についてです。(1)趣旨の①沖縄県子どもの貧困対策計画の着実かつ効果的な推進を図るため、PDCAサイクルに沿って施策の点検評価を行います。②外部有識者等で構成する会議を設置し、施策の分析・評価を行う。③計画の3年目及び最終年度において、計画の成果や課題等を総括するとしております。(2)中間評価の対象として、先ほど1枚にまとめてありましたが、①で計画に定める重点施策、そして、それ以外も含めた子供の貧困対策に資する施策を対象としております。(3)中間評価の主な視点としましては、目標値の達成状況、重点施策等の取り組み状況、重点施策の実施に係る成果及び課題、重点施策等の成果や課題を踏まえた今後の展開方向という視点で整理をしてまいります。
 4ページをごらんください。
 計画前の平成27年度から計画期間平成28年度、平成33年度までを記載し、それぞれの取り組みと評価について記載しております。平成30年度をごらんください。赤文字で書いてありますが、今年度は平成28年度と平成29年度の2カ年の実施施策について中間評価を行い、計画期間中の施策をより充実させていこうというものです。
 5ページをごらんください。
 平成30年度の中間評価及び計画見直しスケジュールです。現在、10月でございますので、中間評価の取りまとめを行っているところです。この後、12月ごろには知事を議長とする推進会議を開催し、中間評価の取りまとめ、公表を行う予定となっております。その後、パブリックコメント等を行い、年度内には今計画の改定を行いたいと考えております。
 6ページをごらんください。
 具体的な中間評価の内容に入ってまいります。3、指標及び重点施策の状況についてです。(1)子どもの貧困対策計画に掲げる指標の改善状況等について、上の行をごらんください。基準年と比較した数値の改善状況等につきましては、改善25指標、横ばい2指標、後退5指標、直近値更新なし2指標ということで、全体34指標のうち25の指標が改善しております。1段下には前年度のものを記載しております。さらにその下、うち目標達成数については、5指標について目標を達成しているところです。(2)重点施策等の取り組み状況につきましては、一番下の行をごらんください。平成29年度着手と未着手ということで、128施策のうち未着手のものが1施策ございます。これについては、中卒無職少年の就労関係の取り組みが未着手となっておりますが、次年度以降、新規事業を立てて着手できるということで、平成28年度、平成29年度は未着手ですが、次年度は着手できる見込みとなっております。
 7ページをごらんください。
 重点施策と指標について、整理をしたものです。4、ライフステージごとの取り組み状況について、主なポイントを御説明いたします。①乳児家庭全戸訪問事業についてです。取り組み内容につきましては、市町村が実施する乳児家庭全戸訪問事業について、平成28年度は41市町村のうち32市町村に対し、平成29年度は33市町村に対して事業の補助を実施しているという内容です。取り組みの成果につきましては、各市町村において生後4カ月までの乳児もいる家庭を訪問し、1万4450世帯を実施しているというものです。
 それに関係する指標として、8ページに記載をしている主な指標の①をごらんください。乳児家庭全戸訪問事業における訪問率を記載しておりますが、右側の基準値をごらんください。平成25年度を基準として83%だったものが、平成28年度は89.1%ということで、改善に向かっております。目標値が92%ということで、目標には達成していないというものでございます。達成状況の要因と対策をごらんください。訪問者の人材確保や資質の確保、訪問拒否家庭への対応等が課題となっており、県内市町村の訪問率は全国平均の94.8%に比べ低い状況にあります。目標値の達成に向け、各市町村において乳児家庭全戸訪問事業にかかわる職員等を対象とした研修の実施や、広く県民向けに事業内容の周知を図るといった取り組みを行うことにしております。
 9ページをごらんください。
 (2)の1、小中学生期の重点施策の主なものを記載しております。③就学援助制度周知広報事業です。取り組みの内容は、就学援助を必要とする児童生徒に支援が届くようにするため、テレビやラジオ等を通して県民に広く制度の周知広報を行うとともに、全児童生徒へ配付できるようリーフレットを作成しております。また、新学期の前後において、テレビやラジオCM、バス広告など、広報を行ったほか、全児童生徒にもリーフレットを配付したということで、取り組みの成果としましては、テレビCM等を通して援助を必要とする保護者が情報を得ることができたほか、マイナスイメージの払拭にもつながったとしております。
 これについては、10ページをごらんください。
 ③就学援助制度に関する周知状況(進級時)の指標を記載しております。基準値として平成25年度が46.3%、直近値が平成29年度で75.6%ということで大幅に改善しており、目標の100%に向かって取り組んでいる状況でございます。
 11ページをごらんください。
 これも小中学生期ですが、重要な事業が⑦沖縄子供の貧困緊急対策事業です。取り組みの内容につきましては、市町村が行う子供の貧困対策支援員の配置と、子供の居場所の設置・運営といったものです。取り組みの成果をごらんください。平成29年度末時点で、子供の貧困対策支援員が27市町村に114名、子供の居場所が26市町村に130カ所設置されております。数値については省略させていただきます。これについては指標を掲載しておりませんので、先へ飛ばします。
 13ページをごらんください。
 (3)高校生期、大学生期ということで、④子供に寄り添う給付型奨学金事業をごらんください。これについては、県の直接事業というよりも県民会議の事業ですが、計画の中に位置づけられておりますので説明をいたします。取り組みの内容は、児童養護施設退所者や里親の委託解除者等に対し、大学等進学に伴う入学金及び授業料を全額給付しております。平成28年度は応募者9人全員、平成29年度も18名全員を給付対象と決定し、支援をしているところです。
 これについては、14ページ③で指標が記載されておりますが、説明を省略させていただきます。
 時間の関係で、その後の指標は飛ばしまして、17ページをごらんください。
 34指標のうち改善が図られていない5つの指標についての説明です。左側10番、小中学生期における小学校児童の不登校は、児童1000人当たり基準年4.6人に対し、直近値の平成28年度が6.9人ということで、後退しております。これについては、右側の要因と対策をごらんください。要因につきましては、不登校となる背景は多様・複雑であり、主な要因として、小学校では「漠然と身体の不調や不安を訴えたり、無気力でなんとなく登校しない」ことで、中学校及び高等学校では「遊び・非行」などとなっております。対策につきましては、児童生徒の取り巻く環境の変化に伴い、不登校となる背景も多様・複雑であることから、一人一人の状況に応じて、早期の支援を行う必要があります。そのために、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラー等の配置とともに、福祉関係機関との連携強化に努めます。一方で、不登校については、どの児童生徒にも起こり得ることとして捉える必要があるとした「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」がありまして、これを踏まえて、効果的な支援に向けて本指標の見直しも今後検討していきたいとしているところです。その下に大学の進学率と高校卒業後の進路未決定率についても記載をしております。
 18ページをごらんください。
 改善が進んでいるもの、進んでいないものもありますが、この計画の課題及び展開方向について記載しております。(1)基本的な考え方をごらんください。計画の基本理念の実現を目指すためには、さまざまな課題解決に向けて効果的に施策を推進していく必要があります。このため、中間評価における検証の結果、2つに整理をしております。まず、①今なお残る課題については、取り組みの充実強化を図り継続して改善に取り組む。②重要性を増した課題や新たな課題については、その課題に対応した各種施策展開を実施していくこととしております。(2)新たな課題に対応した施策の展開方向については、重要性を増した課題や新たな課題が明らかとなったことから、課題の解決を図るための個別具体的な施策展開を実施していくとし、重要性を増した課題や新たな課題を解決するための施策展開を明確にし、残り3年の計画期間において取り組んでいく必要があるため、今後3月までに計画を改定し、より強力に施策を推進することとしております。
 これにつきましては、19ページをごらんください。
 つながる仕組みの構築の小中学生期、新たな課題、重要性を増した課題の②をごらんください。例えば、小規模離島町村における子供の貧困対策の推進です。小規模離島町村の中には、人材確保が困難なことなどから、貧困対策支援員が配置されておらず、支援が必要な子供が把握できていない状況となっているため、必要な支援につなげることが課題となっております。施策の展開方向としては、小規模離島町村に支援員を定期的に派遣するとともに、役場や学校と連携して支援が必要な子供を把握し、適切な支援機関につなげていきたいと考えております。人材の確保と資質の向上をごらんください。④子供の貧困対策にかかわる専門人材の育成です。困難を抱える子供や、その保護者を支援する専門人材が十分とは言えない状況であることから、支援を行う側の人材を育成する必要があります。施策の展開方向として、県内大学や関係機関が実施する講座や研修等を活用するなどして、子供の貧困対策にかかわる専門人材の育成を図るとしております。これについては、琉球大学が既に講座を開設しているという取り組みを踏まえたものとなっております。その下、乳幼児・小中学生期の生活の支援の⑤こども医療費の現物支給です。病院等の窓口で現金の支払いが困難な低所得層等に対する支援を拡充する必要があります。展開方向としまして、子供の健全な育成・発達を図ること及びひとり親家庭の生活の安定と自立を支援することを目的に実施している子供に関する医療費助成について、窓口での支払いが不要となる現物給付制度の導入を支援すると記載しております。
 20ページをごらんください。
 高校生期の経済的支援、⑧通学費負担軽減です。経済的な理由により、高校生等の通学にかかる定期券代等の費用が捻出できず、希望する学校への進学をあきらめたり、保護者による送迎が行われている状況があることから、これらを解消するため通学費の負担を軽減する必要があります。施策の展開方向として、高校生等の通学費の負担軽減を図るため、低所得者層を対象としたモノレールやバスの運賃の負担軽減に取り組んでいきたいと思っております。その下、保護者の生活の支援、⑩母子健康包括支援センターの設置促進をごらんください。市町村で設置が求められている母子健康包括支援センターについて、全県的に設置されるよう促進していく必要があります。施策の展開方向としては、全県的な設置を促すとともに、同センターで中核的な役割を担う母子保健コーディネーター等支援者の目指すべき姿を検討、支援者育成のための研修会を実施するとしております。
 以上が、中間評価の概要についての説明になります。
 続きまして、資料4沖縄県未就学児調査について説明していきたいと思います。この調査は7月に記者発表等を行っており、その結果の概要をまとめた資料です。
 4ページをごらんください。
 調査の概要です。目的として、未就学児の保護者を対象に、子供たちを取り巻く社会や経済の状況が子供や保護者の日常生活にどのように影響しているかを調べ、今後の子育て施策のさらなる充実を目的に調査を実施してまいります。調査期間として、平成30年1月に調査を実施しております。
 5ページをごらんください。
 調査の対象としましては、1歳児の保護者、5歳児の保護者となっております。
 6ページをごらんください。
 調査の主な内容です。(1)の家族構成等を初め、(8)現在の暮らしということで、多面的に子育て家庭の生活状況を把握していくという内容です。回収状況ですが、1歳児の保護者につきましては有効回答数が1929、5歳児の保護者につきましては2800となっております。
 7ページをごらんください。
 この調査につきましては、学識者の協力をいただいております。特に右側の上から2番目、山野良一沖縄大学名誉教授、左下の島村聡沖縄大学准教授につきましては、全面的に協力をいただいているところです。この後の考察についても協力をいただいております。
 具体的な内容に入ります。11ページをごらんください。
 この調査は、一般層と低所得層を比較していくということで、所得区分を説明したいと思います。所得区分①、調査票における世帯の人数と世帯収入から等価可処分所得を算出し、世帯の困窮程度を3つの区分に分類し、分析をすると書いております。下の表をごらんください。わかりやすく言いますと、手取り所得を把握し、最も困難な層を低所得層Ⅰとしまして、4人世帯の場合、手取りがおおむね年収244万円未満で生活する世帯を低所得層Ⅰ、それに準ずる家庭が低所得層Ⅱ、そして一般層は年収が366万円以上ということで、この調査では低所得層Ⅰと一般層を比較して、低所得層Ⅰがどれだけ困難な状況にあるかということを調査しております。
 12ページをごらんください。
 所得区分②としまして、困窮世帯の割合を示す低所得層Ⅰは、1歳児では20.9%、5歳児では25%となっております。グラフの一番下、1歳児と5歳児を足したものが記載されておりまして、低所得層Ⅰにつきましては23.3%となっております。
 次に、15ページをごらんください。
 参考ということで記載をしております。EUなどで取り入れられている中央値の60%を貧困線とする区分も取り入れた今回の調査と過去の調査の分布を調べております。一番上のグラフをごらんください。今、御説明しています平成29年度未就学児調査の表でありまして、貧困線未満、いわゆる低所得者層Ⅰの非常に困難な層が23.3%となっております。その下、小中学生期では29.9%、高校生期では29.3%ということがあらわれております。今調査で明らかとなったのは、貧困線より10%上の層を切り出したところ、例えば、一番上の未就学児調査については、貧困と言われる層より少し上でも14%ということで、23.3%と14%を足し合わせると結構な割合の方が困窮しているということが明らかになったところです。
 16ページ、保護者の働き方の調査結果について御説明いたします。
 17ページをごらんください。
 保護者の働き方として、まず、お母さんの状況です。図の1の1の1、1歳児、お母さんの現在のお仕事の状況を教えてくださいと聞いております。表の一番上をごらんください。全体の23.9%は働いていないということで、その1つ下、一般層については21.4%が働いていない。低所得層Ⅰでは29.6%が働いていないという内容になっております。一方、右の大きな輪は働いているというものを示しておりまして、これについては下の枠囲みの3番目をごらんください。1歳児の母親の働く割合は約76%となっており、全国は約50%から54%ということなので、全国と比べて1歳児のお母さん方は非常によく働いていらっしゃるということが沖縄の特徴として出てきたところです。
 次に、19ページをごらんください。
 同じく保護者の働き方で、今度はお父さんの労働時間を聞いております。図の1の6の3、1歳児の父親の1週間の残業時間を含む平均的な労働時間を質問しております。表の一番上は全体であり、右に赤い輪がありますが、22.5%は1週間に60時間以上働くということでございます。週の法定時間が40時間ということからすると、2割を超えるお父さん方が長時間労働を強いられているという結果が出ております。
 20ページをごらんください。
 報告書の中の考察を記載しております。ポイントを説明しますと、(3)をごらんください。母親と父親の働き方は、長時間労働によって保護者が身体を壊してしまうリスクを高めるという点も考えなければならない。今回の調査対象となった就学前の子供の場合、特に子供と保護者が一緒に過ごす時間を減らすことで、子供の発達面へのマイナスリスクを高めるという面も考慮する必要がある。長時間労働の解消は政策的なテーマとなっているが、今回の分析において保護者の働き方や経済状況との関連性が明らかとなったことから、働き方や雇用環境の改善に向けて取り組みを推進する必要があると考えられると考察しております。
 次に、22ページをごらんください。
 妊娠期間中の相談相手①としまして、図の2の2の1、1歳児、お子さんを妊娠している間、妊娠や出産、今後の育児などに関する悩みや心配なことをお母さんが相談できる方はいましたかということで、複数回答で質問をしております。表にありますように、お母さんの実父母が最も多くなっております。表の見方は、一番上が全体、次に一般層、低所得層Ⅱ、一番下が困窮を窮める低所得層Ⅰとなっております。ここでは3番目の夫をごらんください。夫に対し、一般層では71.7%が相談できるという回答がありますが、低所得層Ⅰは56.0%となっておりまして、低所得層Ⅰでは相談できる割合が一般層に比べて低くなっております。
 これにつきましては、26ページをごらんください。
 考察の(1)「妊娠期の育児などの悩みを相談する相手」について、夫が相談相手となっている割合が低所得層Ⅰで低くなっており、一般層と低所得層Ⅰを比較すると、1歳児で約16%、5歳児では約25%と大きな差が生じており、出産後、時間とともに母子家庭がふえ、所得が低いほど夫の相談が得られない状況となることが考えられる。(3)としまして、これらのことから、低所得層では悩みを打ち明ける相手は少なく、また、産後に家事や子育ての手伝いが得にくいことがうかがえ、低所得層にはこういった状況に対応できる保育環境の整備のほか、妊娠期から継続して相談に乗ってくれる専門家などの必要性がより高いことが考えられるという指摘をいただいております。
 次に、51ページ、健康のところをごらんください。
 52ページをお開きください。
 子供を受診させられなかった経験①としまして、図の7の4の1、1歳児、過去1年間にお子さんを病院や歯医者で受診させたほうがよいと思ったが、実際には受診させなかったことがありましたかという質問をしております。左側の表をごらんください。全体で13.4%があったという回答でございます。一般層が10.0%に対して、低所得層Ⅰが18.7%と高くなる傾向が確認されております。
 54ページをごらんください。
 子供を受診させられなかった理由を聞いております。図の7の5の1、1歳児、過去1年間にお子さんを病院や歯医者で受診させなかった理由を複数回答で聞いております。仕事で連れていく時間がなかったというものが全体でも多くなっておりますが、ここでは2行目の家計が苦しかったというところをごらんください。全体では26.5%ですが、一般層6.3%に対し、低所得層Ⅰでは60.3%と大きく家計が苦しかったということがあらわれております。
 56ページをごらんください。
 今度は保護者が受診できなかった経験を聞いております。今回、非常に重要なものということで御説明します。図の7の6の1、1歳児、過去1年間にあなたが病院や歯医者に行きたいのに行けなかったことがありましたかという質問に対しては、全体で43.3%あったと回答があり、一般層、低所得層Ⅱ、低所得層Ⅰとなるにつれ、割合が高くなってくるということが把握されております。
 これについては、65ページの考察をごらんください。
 考察として、保護者の場合は、子供の場合と比べ1歳児で3倍以上、5歳児で2倍以上の高い割合で受診抑制の経験があるとの回答があり、保護者が子供の養育や仕事を優先してみずからの健康について後回しにしている姿が見える結果となった。また、低所得層では健康でないことの影響が一般層に比べ大きくなっており、子供の場合、保護者が健康でないことが子供の受診という養育状況にまで影響を及ぼすことを示唆しているという結果があらわれております。
 最後に、78ページをごらんください。
 自由記述ということで、保護者の方々から意見をいただいております。生の声ということで、幾つか御紹介をさせていただきたいと思います。
 79ページをごらんください。
 教育費、保育料等についてです。①を読み上げます。「将来的な課題として、子供に学習を積ませていくのにかかる費用が日本は高過ぎる。県だけの課題ではないが、国や地方公共団体等の負担をふやし、一人一人が金銭面で進学できないことがないような世の中になってほしいと願っています。」1歳児の保護者です。
 次に、80ページをごらんください。
 医療費についてです。「①3人目の子供が保育料無料がとてもありがたかったです。中学生まで医療費が無料になってくれたら助かります。医療費までは、1カ月の家計の中の計算に入れないので、急な出費で焦ります。お金がないから風邪をひくなと言ってしまいます。本当は大丈夫?と言いたいのに。」5歳児の保護者です。
 82ページをごらんください。
 保育、教育について、②を読み上げます。「観光に関する仕事で、土日も働きながらの子育てが大変。手当があるわけでも、保育所があいてもいないが、県では、こういう仕事ばかりで働きにくいなと感じる」。
 85ページをごらんください。
 働き方・給与等についてです。①を読み上げます。「子の父親は帰りが遅く、平日子供と遊ぶ時間が少ないです。子育て支援もありがたいですが、働き方改革もよろしくお願いします。」5歳児の保護者です。
 最後に、87ページをごらんください。
 その他ということで①を読み上げます。「子供の貧困問題への取り組みに力を入れてほしい。貧富の格差で子供が犠牲になってはいけない。教育は平等でなければならない。未来の日本を明るくするために、行政がもっと子供に関わるべきだと思う。」1歳児の保護者の意見をいただいております。
 以上、執行部からの説明を終わります。

○仲村未央委員長 子ども未来政策課長の説明は終わりました。
 これより、沖縄県子どもの貧困対策に関する中間評価の概要について及び平成29年度沖縄県未就学児童調査についての質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 新垣新委員。

○新垣新委員 沖縄県、市町村全体で貧困の解決に向けて努力していくということは、沖縄県最大の課題だと思っております。私は、ことしの3月に文教厚生委員会でフィンランドを視察し、フィンランドのネウボラという施設を導入すれば、この問題に関して解決に向かっていくという形で執行部を初め知事も視察に行くべきだと。その中で、今回、デニー知事が沖縄版のネウボラをつくるというすばらしい公約を掲げて、執行部としてどのような形で、いつ視察に行くのか。そういった体制づくりと国との連携をどのように進めていくのか。それをまず部長にお聞きしたいと思います。

○糸数公保健衛生統括監 ネウボラ関連につきましては、母子保健型の支援ということで保健医療部で市町村の支援をしているところでございます。国としてもネウボラの仕組みを日本に適用させるということで、母子保健法の中に子育て包括支援センター―正式には母子保健包括支援センターと言いますが、それを日本版にアレンジするために、いろいろな研修をしたり、運営の仕方などについて国から全国に周知をしております。現在、私たちは国の示したモデルに従って、それを市町村に合った形でどのように展開していくかということで、モデル市町村をつくったりして、国が示したものを適用するという方向で進めているところでございます。具体的に視察に行くということは検討してはいないのですが、当面、いかに市町村でうまくそれを適用させるかということで支援しているという状況です。

○新垣新委員 取り組みとして、もっと力強くアグレッシブに頑張っていただきたいのです。沖縄と本土は違うのです。沖縄独特のものをつくっていく、沖縄だから特別だという形で補助のメニューをつくらせていくという姿勢が大事なのです。ネウボラのような施設を、健康増進センターとがん検診も全て一緒にして、子供が生まれて、子供がどこで働いたという記録もして、ある意味社会主義の血も入れながら―ある程度の強制力を入れないといけないのです。そうしないと改善もできないし、先ほど受診もできないといった問題がありましたが、これはフィンランドにはないのです。国がこういった制度をつくって、条例化もする。健康診断といったもろもろについても、41市町村にその施設をつくってほしいのです。健康増進センターもくっつけて、市町村とも連携しながら、誰がどこで働いている、誰がどこで働いていないということも細かく義務教育のような強制力―これは人をいじめるとか軽蔑するとかそういったものではありません。差別も何もない。ぜひ、視察に行ってほしいのです。指摘してから7カ月たっているのです。確かに皆さんの努力は高く評価しますが、踏み込んで改善されるという大きな期待感があるのです。そこら辺に関して、答弁を求めます。

○大城玲子子ども生活福祉部長 先ほど説明した中間評価の資料の7ページをごらんください。この中にライフステージごとの取り組みということで、乳幼児期の③に母子健康包括支援センターの市町村設置を促進するということを掲げて、この間、取り組んできております。母子健康包括支援センターにつきましては、先ほど保健衛生統括監から説明がありましたとおり、保健医療部の所管ではありますが、子供の貧困対策を取りまとめている当部としましてもぜひ必要だということで、一緒になって取り組んできたところでございます。確かに海外の視察までは行っておりませんが、いろいろな情報を取り寄せて、全市町村に設置したいという意気込みで頑張っておりますので、そこは御理解いただければと考えているところでございます。

○新垣新委員 先ほど全市町村で取り組んでいくというお話も伺っているのですが、本気のやる気度というのは現場を見て、持ち帰って、そして沖縄版にしていくと。都道府県によって気質や風土、郷土愛などはさまざまで違うところもあると思うのです。そういう感じで、現場を見れば発想力、想像力、解決に向かう考え方が180度変わるのです。ですから、携わる関係各位、市町村で国から予算をとってきて、基金があるではないですか。それでいけばいいのです。改善できるのです。子育て世代包括支援センターを41市町村に設置を促進していくと言っているのですが、沖縄は全国一高いのです。その問題の解決の答えはフィンランドのネウボラにあるのです。一つ提案しますが、フィンランドは年齢的に健康診断を強制としていますが、日本の認知症とフィンランドの認知症は全然違っていて、日本が高いのです。フィンランドは健康管理されて、誰がどこに住んでいると、しっかりと記録されて、このようにある程度は社会主義の血を入れたほうがいいのです。社会主義の血を入れるべきなのです。いかがですか。知事も公約を掲げた以上、行くべきです。

○大城玲子子ども生活福祉部長 母子健康包括支援センターの取り組みに関しましては、委員のおっしゃるようにネウボラの考え方は非常に先進的でございますので、そこから専門家を招聘して、市町村と県も含めて意見交換や研修をする中で市町村に広めていくという取り組みをこれまでやっておりまして、少しずつセンターを開設する市町村もふえております。特に、那覇市や沖縄市などでは母子手帳をもらうときから始めて、いろいろな市の機関を横断的に使って子育てまでつなげるというような取り組みが始まっておりますので、これを充実させて、全市町村に向けて取り組んでいけたらということで、保健医療部とも一緒になって頑張っていきたいと思っております。

○仲村未央委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、新垣委員から質疑内容について補足説明があった。)

○仲村未央委員長 再開いたします。
 大城玲子子ども生活福祉部長。

○大城玲子子ども生活福祉部長 委員のおっしゃるとおり、フィンランドの取り組みは非常にすばらしいものだと思います。ただ、これまでもいろいろな情報を取り寄せて、市町村と一生懸命意見交換をしてまいりましたし、予算の関係もございますので、今、行くという答えはしづらいのですが、これからもできる限りの情報をとって連携して頑張っていきたいと思います。

○新垣新委員 先ほど沖縄県未就学児調査の中で病院に受診できなかったということも、あの制度をしっかり沖縄に持ち帰れば受診率は100%に上がるのです。がんの予防率や肥満なども改善できるのです。健康な沖縄、長寿立県の奪還、全て沖縄がよくなるという答えはフィンランドのネウボラという施設にあるのです。こういった逃げ腰な答弁は聞きたくありません。知事の公約なのです。最重要課題として一番上に置いているのです。ぜひ要望として、視察に行ってください。行かなければ公約違反で訴えます。このぐらいの気持ちで、改善に向かってください。ぜひ強く求めます。自分の子供と同じような気持ちに立ってください。次に、貧困の子が学校に行かない理由も、私も少年期に同世代の苦しみや悲しみを見てきた中で訴えます。例えば、小学校時、母子家庭の友達がいて、野球をしたくてもグローブが買えなかった。小学校はお下がりで何とかなったのですが、中学校、高校に向かって彼がやりたいこともできなかったと。今、親になってしっかりやっていると。この体験者と意見交換をして、小学校、中学校、高校の部活動に対する用具の支援をするだけでも友達との輪ができて、引きこもりにもならず、学校も行くといった関係に変わっていくのです。体験者からの意見は大事なのです。どうにか用具の支援という形も検討できませんか。ニートの対策、負の遺産を断ち切るという形で、人と触れ合っていけば、周りとのチームワークや輪もできていくのです。いじめも解決に向かっていくのです。どうですか。

○佐次田薫教育支援課長 今、県立の高等学校においては、奨学のための給付金事業が国の補助制度でございます。その中で、第1子であれば年額で8万800円、第2子であれば年額12万9700円というような給付金を非課税世帯に支援している状況であります。

○新垣新委員 今の答弁は、生活保護者、母子家庭という形で捉えていいですか。

○佐次田薫教育支援課長 母子家庭に限らず、非課税世帯ということで支援をしております。

○新垣新委員 その成果を具体的におっしゃってください。例えば、どこの高校にグローブを買ったとか、バスケットシューズとか、そういったものはありますか。

○佐次田薫教育支援課長 この給付金は授業料以外の教育費にかかる全体の部分ということで給付していますので、実際にどの経費にかかっているかということは把握しておりません。

○新垣新委員 この周知を市町村と一緒になって徹底してほしいのです。この制度はいつからできましたか。

○佐次田薫教育支援課長 この制度は、平成26年度から始まっております。現在、高校生の約3割に当たる部分に給付金を支給しており、ことしも中学3年生にパンフレットを配布したところでございます。

○新垣新委員 小・中・高生の親に対して、周知がまだ行き渡っていない部分があるのです。諦めてしまっている親もたくさんいるのです。周知徹底として子供に渡すものももちろんですし、CMなどいろいろな形でやっているということですが、さらに強い周知徹底を求めたいのですが、どういう方法がありますか。

○佐次田薫教育支援課長 まず、高校生については、入学時のオリエンテーションなどでやっていますし、中学3年生についても、今の段階で個人に行き渡るように学校にリーフレットを配布しているところでございます。

○新垣新委員 今までの取り組みはわかります。それでも伝わっていないから、さらなる強化としてどういうものがあるのか説明してもらいたいのだが。そこで、提案します。企業にも配ってほしいのです。県内各地の企業に広がるように、給料が低いという結果も出ていますよね。働いていない部分はどうするかというのは、働いている県内の企業に周知徹底をしていくと。そういった作業までやってほしいのですが、いかがですか。沖縄県のさまざまな経済団体がありますよね。

○佐次田薫教育支援課長 高校生は、入学した段階で課税証明書を出していただいていますので、これを申し込みしていない子には個別に受けるようにということで、各学校から周知を徹底しております。

○新垣新委員 子供たちにもこういう活動があると、小・中・高と毎年言えば、親に持ち帰りますので、そういう形で親にも勧めていくということを、教育機関、小・中・高でさらなる連携を図っていただきたいのです。そうすると、子供の悩みや不登校などはある程度治ると思います。まだわからない親もいると思いますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 最後に、貧困のために御飯が食べられない子供がまだいるとお聞きしております。特に夜間の子ども食堂等々を県内市町村各地に広げてほしい。南風原町は中学校単位でやっています。各市町村、財政状況は厳しいと思いますが、中学校単位で―これは市の各教育委員会や社会福祉協議会など、さまざまな団体との連携はどうなっていますか。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 子ども食堂ということがありましたが、内閣府の緊急対策事業として、子供の居場所で食事以外の生活支援も行うということで、今、130カ所ぐらいで展開をしております。現状として、数では全国で4番目の多さになっておりますが、沖縄の厳しい現状の中で認識としてはまだまだ不足しているということです。これについては、内閣府と連携しまして、次年度ももう少し箇所をふやしていくような取り組み、具体的には教育委員会形式など、もう少し掘り起こしができるような取り組みを行い、さらに数をふやしていきたいと考えているところです。

○新垣新委員 こういうものは恥ずかしがらないで、うまい方法論で御飯を食べに来てとか、送り迎えさせるとか、そういう形もうまくつくってほしいのです。内閣府との連携等もお聞きしました。それでは、貧困率が高く、子供が御飯を食べきれない市町村でウエートが一番大きいのはどこですか。那覇市では生活保護世帯が1万世帯を超えているということもわかるのですが、実態はどうなっているのですか。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 県全体では29.9%という貧困率です。市町村ごとでは把握、公表していないところです。ただ、一般論として、都市部に厳しい状況が出ているということは把握しております。

○新垣新委員 結びで申し上げますが、児童施設に預けられている子供たちを見てきて、貧困の子供たちと比較した場合、貧困の子供たちのほうがかわいそうだと思うのです。18歳、高校卒業まで児童施設に預けられる子供たちは、御飯も食べられるし、自分がやりたいこともできるのです。貧困の子供たちは御飯も食べられない、学校もこういう形でかわいそうだと思います。そこら辺をどういう形で頑張るのか、格差をなくすための答えはフィンランドのネウボラという施設にあるので、県知事は公約を掲げた以上、視察に行って、沖縄版をつくるためによい情報を持ち帰ると。専門家の意見を聞いて情報交換ではなくて、市町村も一緒に現場に行くという気持ちで改善に向かって頑張っていただきたいと激励をして質疑を終わります。頑張ってください。

○仲村未央委員長 ほかに質疑はありませんか。
 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 母子健康包括支援センターというのは、子育て世代包括支援センターと同じと見てよろしいですか。

○糸数公保健衛生統括監 一般的には子育て世代包括支援センターということになっておりますが、法律上は母子保健法の中に位置づけられておりますので、先ほど申し上げた母子健康包括支援センターは法律上の正式名称ということになります。

○比嘉京子委員 広めるときには、どちらかに統一したほうがいいのではないかということは提言しておきます。7月に那覇市が、ら・ら・らステーションという支援センターを開設していて、10月から沖縄市とうるま市が開設をするということもお聞きしています。今、新垣委員が話していたことはもっともなことで、現地を視察していただくことも皆さんにとって大きな―我々も、いろいろ読ませていただいているよりも拝見するということの必要性は非常に大きいものがあると思いますので、ぜひ行かれたほうがいいと思います。さて、質疑いたしたいと思いますが、やはりさまざまな問題で、もちろん就学時における自己肯定感の問題も含めて、それをどこで子供たちに会得をしてもらうか、また、植えつけていくかということを考えると、どこにウエートを置くかということが必要だと思うのです。こういう子供たちの現状を調査しているわけですが、どこにウエートを置いて対応することが一番有効な対策ですか。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 自己肯定感について、沖縄県が他県と比べて厳しいということは調査ではっきりとしております。その中で、施策として何が最も有効で、重要なのかという質疑だと受け取りました。正直、一つの施策をやれば解決するというものではないというのが子供の貧困対策で、そういう意味では、計画の中にあります総合的な対策を全てやり抜くという気持ちで取り組んでいくことが重要ということで、その重要な施策が今の129という事業になっておりますので、どれか一つという答えは難しいと思いますが、掲げた施策は全てやっていくということで考えているところです。

○比嘉京子委員 幼児期における母子間の信頼関係も含めて、そこには自己肯定感の形成ということが大きくあるので、やはり幼児期、乳幼児期にウエートを置いていくことと同時に、子供たちが小・中学校に行って手当てをするよりも、いかに子育て世代のところにどれだけのエネルギーとマンパワーを注いでいくかということだと思うのです。そこでお聞きしたいのですが、子育て世代包括支援センターの役割と、今、配置されている人材がどういう方々で、この中で、譲歩も含めて親世代に何をどう手当てしていくのか。つまり、就学前はここでやる、就学したらここでやるという連携と―全体を網羅することも大事なのですが、どこにどんなウエートを置いて、どんな情報を与えて、どんな支援をして、次にどうつなげていくかという連携とそれぞれのステージのウエートを聞きたいのです。まず今、包括支援センターでいいと思うのですが、そこでは何をどのようにどういう人々で支援をしていくのかということを教えてください。

○糸数公保健衛生統括監 最初にお断りしますが、子育て世代包括支援センターは建物ではなく機能的なものでございます。目的は、妊娠期から子育て期に焦点を当てて、その中で既にいろいろなサービスがあるのですが、そのサービスをつなぐようなコーディネーターを配置し、支援が必要な子供にあった支援をワンストップを行っていくような役割を果たすということでございます。専門的な視点でということなので、保健師や助産師など、ある程度専門的な資格を持った方を配置し、例えば、母子手帳をもらうとか、妊婦健診、乳幼児検診など、今既に行われているサービスの中で、この子は特に支援が必要だという場合は本人が対応して必要な支援につないでいくということで、たくさんの機関をつなぐということが一つのものだと思っております。現在のところ、1名などと限られた人数ですし、その人が全てのケースを対応するということは非常に無理がありますので、必要な福祉サービスにつなぐということをやっております。いろいろなところから情報が集まって支援が必要な人のリストがたくさん出てきますので、そのリストをもとに本人と地域の関係者でネットワークをつないで、効率的なサービスが行えるようにという役割を果たしていく機能も持っていると思っております。

○比嘉京子委員 国の法律の趣旨には、保健医療の部門と福祉部門を合体させる施設と書いてありますよね。そうすると、保育士は常駐していないのですか。

○糸数公保健衛生統括監 例えば、那覇市で開設された子育て世代包括支援センターにつきましては、母子保健型という保健医療に関するものは保健所の中に、そして、基本型が子ども未来政策課ということで、保育に関する専門家がいるというところで2カ所に拠点を置いていますので、委員がおっしゃったように保育の視点も備わった専門家がフォローしていると理解しています。

○比嘉京子委員 一つの場所にそろっていないと、今ここに保育の待機児童の問題で困っているということがありますが、そういうときに、例えば、発達の問題などで心配事があれば支援をするし、子育てのことで心配事があれば保育士が支援をするし、就労に復帰したいと言ってどこに預けようかという支援もするということだからワンストップで、言ってみれば保健医療と子育てという一連になるものがセンターだというのが法の趣旨だと私は理解しているのです。そうすると、やはりそこには保育士も常駐をする。ですから今、全県41市町村につくろうとするときに、マンパワーがどうなのか、その人たちの就労体系がどうなのかということが次の問題になると思うのです。先ほどの新垣委員の発言にあるように、フィンランドのネウボラの場合は就学前までの6年間、大きな変化がない限り必ず一人の人が両親からの相談事を受けるなど、一人の人でつないでいくということになっているのです。ですから、つくることも大事ですが、そこに置くマンパワーがどういう就労体系の人なのかということが次に大事になるということを含めて、ぜひ御検討をいただきたいと提案をしておきたいと思います。それから、子育ての相談ができなかったなどいろいろなことがありますが、むしろそこがあることによって相談する人がいるか、いないかということはカバーできると思うのです。妊娠、出産を通して相談できる人がいるか、いないかというのは、ここがしっかり信頼関係を持っていればカバーできるのです。もう一つは待機児童の問題なのですが、例えば、低所得層の人たちが早く復帰したいというときに特別な処遇といいますか、今、点数制で就労時間でやっていますよね。こういう人たちを特別にと言ったら変ですが、待機児童のカウントの中で何らかの対策があるのでしょうか。

○久貝仁子育て支援課長 保育所の入所については、児童福祉法に基づいて市町村において入所調整をします。その際、生活保護世帯、ひとり親世帯、多子世帯など、保育を真に必要とする子供たちを優先していきます。今回の調査結果でも保育所に入所を希望していて、すぐに通わせたいが所得の低い人ほど公営に入れない割合が高いということです。委員の御存じのとおり、市町村においては、就労時間の長さに応じて入所の点数の順位づけをしているところがございます。例えば、パート等非正規労働の場合、フルタイムで働いている世帯に比べると点数が低いということで、なかなか入所できないという現状がございます。今回、調査結果が出た後に、子育て支援課としても各市町村に結果を周知し、所得の低い方への配慮について通知をしております。さらに、部長、統括監ともに待機児童の多い市町村に直接訪問して、待機児童の解消とは別にこういった課題があるということについても資料を提供して、配慮を求めているところでございます。

○比嘉京子委員 これは、ある意味で見落とされているところだと思うのです。沖縄県未就学児調査結果概要の33ページの考察の4番目にも書いてありますが、今、就労の時間帯やさまざまな条件でいうとすごく不利な対象になっていると思うのです。例えば、パートでやりたい、何でやりたいと言っても、なかなか最寄りのところには受け入れられない状況があるのではないかということが推察されますので、おっしゃったようにぜひ一考に加えていただくということも含めて、改善をお願いしたいと思います。最後に、同じページの2番目に沖縄県では幼稚園が62%とあるのですが、今、こういう子供たちがきちんと受け入れられるような環境がどんどん狭まっているのではないかと私は推測をしています。ですから、ここにあるのは公立幼稚園だからという意味だろうと思いますが、今、公立では幼児教育・保育で認定こども園化が加速しているわけです。加速していることと、親のニーズがマッチするのかどうか、そこをぜひ検討いただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

○與那嶺善道教育指導統括監 委員がおっしゃるように、幼児期における教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものと考えております。従来から沖縄県が掲げております沖縄型幼児教育をどのように推進していくか―確かに認定保育園等がございますが、今後も沖縄型幼児教育の目的である幼児教育と小学校教育の学びの連続性を踏まえた円滑な接続という部分を推進していきたいと考えております。

○仲村未央委員長 ほかに質疑はありませんか。
 金城泰邦委員。

○金城泰邦委員 中間評価の5ページに中間評価及び計画見直しスケジュールがあります。それによりますと、今年度9月の時点で一度中間評価の意見聴取をして、有識者会議で第1回の取りまとめをしたと。恐らく、その結果として19ページ、20ページの新たな課題、重要性を増した課題が出ていて、それを受けて施策の展開を具体的にこうやっていきますという御説明だったと思います。今年度末3月には計画改定をし、公表ということでしたが、皆さんの取りまとめた部分と、一方で未就学児調査で出てきた関係者からの自由記述、意見、要望―9つの項目で3つずつ抜粋されておりますが、改定する計画は、当事者からアンケートをとった中で出てきた要望などとしっかりリンクした形での改定になることが望ましいと思っているのです。どんな施策を打つにしても、現場で困っている方々の要望にマッチした施策でないと評価そのものが厳しいと思っております。そのアンケートから出てきた要望は、どれが多くてどうこうという統計調査は済んでいるのでしょうか。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 未就学児調査につきまして、先ほど御説明したものはごく一部でございます。全てについては別途公表しておりますが、何百ほどの意見をいただいておりますので、多種多様な意見があります。その中で待機児童問題が何件というような集計はしておりませんが、一つ一つの声に困難をきわめている方の声があると思いますので、逆に言うと、一つ一つを見落とすことがないように見ながら、可能な限り拾うような気持ちで取り組んでおります。具体的に統計化して集計はしておりませんが、しっかり読み込んでいるつもりではあります。

○金城泰邦委員 今後、アンケートから出てきた要望でどういったものがどれぐらいあったというものが資料としていただきたいと思いますし、そういった現場からの声と皆様の施策がこのようにマッチして改定していくということが示されるといいと思っておりますので、よろしくお願いします。

○仲村未央委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 中間評価が出されて、パブリックコメントをとっていくということですが、子ども食堂や支援員など、実際に事業に携わっている皆さんは制度を継続するという立場からやってみてどうなのかと。例えば、財政的な支援についてどうなのかとか、地域との関係とか、携わっている人でなければ出せない声があると思いますので、パブリックコメントの前にそういう声も聞いてほしいと思うのですが、いかがでしょうか。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 携わっている方、支援者ということだと思いますが、有識者会議を9月に開催しました。今回、提供した資料よりももっと広く提供し、その中に今、委員が申し上げた子ども食堂の代表者など、幅広い15名の委員に意見をいただいているところです。1回の会議だけではなく、文書での意見ももらおうということをしていますので、その中で支援者の声をしっかり受けていくと。それだけではなくて、ここに書いてあるようにパブリックコメントもやっていきたいと考えているところです。

○西銘純恵委員 中間評価の6ページで、1施策が未着手という説明がありましたが、次年度からやっていくという事業についてお尋ねします。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 未着手の1施策につきましては、こういう計画の記載がございます。中学校の卒業後に、進学も就職もしていない少年―これを中卒無職少年と言います。及び高等学校の中途退学者について、在学中の児童生徒の保護者の了解を得て、学校とハローワークや子ども若者みらい相談プラザなどと情報を共有するなど、就学、就労などに必要な支援につなげるということで、中卒無職少年の支援策について個別の細かい事業はやっていますが、しっかりした柱の事業がないということで未着手という整理をさせていただいています。これについて次年度取り組む内容を御説明しますと、内閣府の緊急対策事業では支援員と居場所が2つの大きな柱ですが、その居場所の中に拠点型の居場所を新たに設置するということを今、内閣府と調整しております。まだ概算要求中で決定ということではないのですが、内閣府としましても、拠点型の中身はより支援が必要な子供たちを―委員の視察でいえば、一般社団法人Kukuruを視察いただきましたが、ああいった子供たちがまさに未着手の施策に非常に関係しておりまして、そのままいくと不登校になったり、進学ができないような子供たちを、拠点型の居場所の中でしっかりと長い時間で大人たちがかかわりながら自己肯定感を育み、就学や就労につなげていくという、いわゆる緩い見守り型ではなく、しっかりケアをしていくという事業を内閣府とやっていこうということで、県と市町村がやる事業に位置づけられていますが、そういった中で今の課題については対応していこうと考えております。

○西銘純恵委員 中間評価の17ページの改善が図られていない指標について、不登校関係が小・中学生、高校生で悪くなったということですが、実際に学校の教育現場の子供たちにとって教育がどうなっているかも含めて結構な分析がいる部分だと。悪くなった要因は、今の貧困対策の部分だけではなくもう少し教育の中身まで踏み込んだ部分になってくると思うのですが、それについてはどのように捉えていますか。

○與那嶺善道教育指導統括監 不登校については、本県だけではなく全国的な課題でございます。全国でも増加傾向にございます。不登校の要因は、要因と対策に書いてあるように貧困に限らず多様で複雑な要因が絡み合っております。例えば、親との関係、友人関係、家庭環境、進級時の新しい環境への不適応などさまざまな要因が絡んでいて、取り巻く環境によってどの児童生徒にも起こり得る、必ずしも子供の貧困に限定されるものではないと分析をしております。平成28年から平成29年に文部科学省から出された通知等では、さまざまな要因、背景により、結果として不登校状態にある生徒においては、その状態を問題行動とは捉えないということと、不登校児童生徒への支援は学校に登校するという結果のみを目標にするものではない。つまり、復帰率―沖縄県の復帰率は全国平均に比べて小・中・高とも高いのです。それから、ここも一つのポイントでございまして、当該児童生徒や保護者を追い詰めるようなことがないよう配慮が必要であると。そういう絶対的な指導のあり方が若干変化していて、そういう変化した状態で、今、指導を行っているということでございます。

○西銘純恵委員 これだけ見たら悪くなっていると感じるのですが、おっしゃるように復帰をされると。全国的な課題ということであれば、教育がどうなのかというところにもう少し視点を当てていくということも必要ではないかと思いますが、頑張っていらっしゃるということがありますので、確認できました。 次に、未就学児調査の件でお尋ねします。子供の貧困調査について、私は9年前から実態調査すべきではないかとずっと提案をしていたのですが、既存の資料でみんなわかるということでなかなかやらなかったのです。ただ、やはり小・中学生の調査に最初に入って、そこから実際の内容について可視化されたということで、自由記述欄もあわせて、高校生自身が思っていることや保護者が思っていることもわかるようになったし、今回の未就学児の調査についても、苦しさや大変さがよく見えるのです。今回、年齢的には1歳児、5歳児、小・中・高生と子供の調査はみんな終わったということになるのですが、教育庁と担当の3部に評価と感想を伺いたいと思います。

○大城玲子子ども生活福祉部長 全国的に子供の相対的貧困が高くなっていて、6人に1人ということが言われて以降、県の状態を把握すべきではないかという議論が県庁内でも行われるようになりまして、それを受けて沖縄県だけが行っている調査で29.9%ということが明らかになったところでございます。その後から小・中・高生、未就学児という段階に応じて調査を続けており、数字が出てくることによってインパクトは非常に大きくなりましたし、県民運動にも広がってきたと考えておりまして、やることはたくさんありますが、一つ一つ着実に進めていくことで改善していきたいという思いでございます。

○與那嶺善道教育指導統括監 中間評価と未就学児の調査結果を受けて、指標では後退している部分もありますが、そういう部分に関しては要因などをしっかり検証して改善が図られるような取り組みを推進していきたいと考えております。先ほども質疑がありましたが、乳幼児期、小中学生期、高校生期というライフステージごとに途切れない貧困対策を教育委員会、関係部局等で連携してやっていきたいと。教育委員会が子どもの貧困対策計画の3つの柱に置いている学校教育による学力の保障や、学校を窓口とした関連機関との連携、つなぎを―不登校にしてもそうなのですが、そういう発見をした場合には学校でやるべきもの、それから、福祉につないでいけるものにしっかり取り組んでいきたいと考えております。

○糸数公保健衛生統括監 保健医療部では、実際の事業としてこども医療費の助成事業や、母子健康包括支援センターということで展開をしているところです。こういう調査の結果を見ると、お金がないために受診を控えたという生の声や、妊娠中に相談相手がいなかったということが母子保健、子育て不安につながり、それが最終的には虐待等の実際の健康問題に影響してくるということを今あるシステムで未然に食いとめることが必要かと思いました。それから、私たちは健康格差と呼んでいますが、所得の問題と健康問題は密接に関連しているということが改めてわかりましたので、今後の対策を考える上で生かしていきたいと考えております。

○下地康斗雇用政策課長 商工労働部では、企業の取り組み支援の観点から子供の貧困関係に取り組んでおりますが、ワーク・ライフ・バランスや働き方改革ということもございますので、企業の経営者層も含めて、働きやすい職場環境づくりというものを労働者向けと経営者向け、ひいては子育て等の両立、あるいは介護などの両立も含めて、そういった観点で教育委員会や子ども生活福祉部、保健医療部などの関係部局と連携しながら取り組んでいきたいと考えております。

○西銘純恵委員 取り組みはまだ3年目ぐらいで浅いのですが、結構細かい施策をどんどんふやしていると思います。子供の医療費について、きのうの文教厚生委員会で国の制度として中学校卒業まで無料にしてほしいという意見書を可決したのですが、子供の医療費も教育費も高過ぎると自由記述欄で保護者が出しているし、保育所もないとか、働き方、学童クラブとか、そもそも今の国の制度として、就学援助もきちんと子供たちが当たり前に育つようなものになっていないという状況があって、沖縄県はその対策を立てないわけにはいかないということで、これまで基金もつくって頑張ってきていますので、そこはそこでみずから評価をして、県民にも沖縄が頑張っているということは出してほしいし、国に対しても言うべきことを要請したり、意見書を上げているということもありますが、これらをまとめて貧困対策について沖縄県から特別に何か意見を上げるということは考えていますか。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 今の質疑については、子どもの貧困対策計画に基づいて実施しております。内閣府が都道府県の取り組みなどを公表しているところですが、施策的には他県よりは多い施策を実施していると感じております。ただ、まだ2年しかやっていないということと、全国に訴えて、これがスタンダードなモデルだというところまではまだ確立していないという感じを持っております。早急に貧困対策のモデルだと全国に言えるような体制を整えた上で、遅くない時期に国にこういう沖縄のモデルをお伝えする機会があればと思いますが、まだまだやるべき課題が多いので、国への要望はまだ少し早いと思っております。

○西銘純恵委員 30億円の基金も県独自のものですよね。財源がないと―先ほど私が現場の支援員の皆さんに聞いてほしいと言ったのは、支援をするにしても、困難な子供たちを相手にするにはスキルもないといけないし、雇用として見た場合、支援をする皆さんが不安定で、ボランティア的なものではできないというところもあるので、そこら辺も含めて、制度としてきちんと財政的な基盤をつくっていくということもそろそろ出さないと難しくなるのではないかと思うので、提案をしておきます。最後に一点、貧困の連鎖について調査で少し出ていますが、どんな受けとめですか。今回の未就学児調査の中でも、15歳のときに親御さんがどうだったということが出されていて……。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 未就学児調査の資料の67ページ、人生経験という中にこういう質問がございます。未就学児のお母さん自身の15歳のころの家庭の暮らし向きを聞いたところ、一番下の低所得層Ⅰをごらんいただけるとわかりやすいのですが、大変苦しい11.5%、やや苦しい24.5%と赤い枠で囲っております。これは一般層と比べると非常に多いということで、見えてきたのは貧困が連鎖しているという実態です。お母さんが15歳のころに苦しい方が、やはり今も苦しいという状況が明らかになっているということなので、これについては貧困の連鎖をとめる施策、保護者への就労の支援も含めて強化していく必要があると考えております。

○仲村未央委員長 ほかに質疑はありませんか。
 又吉清義委員。

○又吉清義委員 まず1点目に、本当にいい資料をつくっていただいたと感謝を申し上げます。子供の貧困問題に取り組まなければならない我々の一つのデータとして、これを活用して職員を初め、議員の私たちも一致団結して取り組まないと―非常に重要なものなので、同じ認識で取り組めるということですばらしいと思いました。それで、こういった沖縄の課題がある中で、きょうは担当部がたくさんいらっしゃいますが、広く浅くではなく、この課題について皆さんの中でスタッフを組んだらどうでしょうか。ここにいる皆さんで、私は子供の貧困問題についてこの課題を専門分野にするとか―そうすると、より深く何が原因であるか組みやすいと思いますし、それを統括監なり、課長や班長なりがまとめてやるということになれば、私たちも自分の聞きたい問題をさらに深くできるかと思うのですが、その辺は検討していただけませんか。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 まさに総合的な対策で、各部局がばらばらで施策をやっていては効果が出ないということで、沖縄県では推進会議という知事を筆頭とした全ての部局長が入った会議があります。ただ、年1回、2回の会議なのでなかなか深まりません。その下に設けている課長級の幹事会でもまだまだということで、もう少し下の部会でまさにスタッフの班長たちを網羅した会議を、今回は1回程度開催していますが、そういった部会などで実質的な議論を深められればと思っております。あと1つ、特に子供の貧困は福祉と教育の連携が重要ということで、教育委員会の職員を子ども未来政策課に2名併任発令して配置しており、毎日、私のところで連携をしながら、学校と議論をしています。基本的に全国のモデルになるといえばここかと思っているところで、教育委員会とはしっかり連携ができていると考えているところです。

○又吉清義委員 できる範囲でいいので、そういったものがあればかなり中身が深くなると思います。ただ、この資料でもう少しバージョンアップしてもらいたいのが、施策のほとんどが経済支援だと。子供を健康で健全に育てる意味は何かというと、小さいころは貧困であってもいいのですが、社会に出たら社会人としてしっかり自立できる人材を育てるのが目的だと思っております。自立ができる、自分で独立できるしっかりした人間を育てるのが最終的な目的だと。要するに、小さいころは貧困でもいいのですが、いつまでも貧困でいること自体が間違いだと。そう考えた場合に、生きる力、自立できる力を教えるテーマもあっていいのではないかと。経済支援はありがたいのですが、ここまでできたからには、計画が終わるまでには子供たちが自立できる力も事業として取り入れるべきだと思いますが、今からでも間に合うようでしたらいかがでしょうか。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 福祉的な側面では、中間評価の1の2ページに計画が書いてあります。先ほど基本方向の(1)だけを読みましたが、(2)に重要な方向性がありまして、貧困の世代間連鎖を断ち切り、次世代の沖縄を担う人材育成策として取り組むということをしっかり掲げております。委員のおっしゃる視点はまさに重要で、貧困対策という視点ではなく、育てていくという視点を基本的な柱としておりますので、その視点は含んでいると思います。福祉の取り組みとしては、子供の居場所を130カ所展開しておりまして、そこでは単に食事を提供するだけではなく、子供たちの自立の力を高めるような大人とのかかわりもありますので、福祉の面ではそういったところをしっかり対応していきたいと思っております。

○與那嶺善道教育指導統括監 委員がおっしゃるように、家庭の経済状況にかかわらず、全ての子供たちが夢と希望を持って成長して、多くの分野で活躍していくことを学校教育は目指して取り組んでおります。先ほど自己肯定感ということもありましたが、貧困の連鎖によって自己肯定感が低く、将来の夢、目標が持てない子供たちがいるようであれば大変なことになりますので、みずからの進路を主体的に選択して、自立した社会人、職業人として豊かな人生を送ることができるように、学校教育の中でまずは確かな学力を身につけさせて、もう一方でキャリア教育の視点を入れて両輪で取り組みを行い、子供たちに今後も支援をしていきたいと考えております。

○又吉清義委員 そういった意識があるということで一安心しました。さらにこれを推し進めてもらいたいと。これは私の20歳のときの経験ですが、中国の北京大学で交流会をしたときに、北京大学の大学生に「日本人ばか」と、「今に見とけ」と言われたのです。今度はビジネスでタイに何回か行っていたときに、日本人のお母さんも女の子もみんなばかと言われたのです。私は意味がわかりませんでした。しかし、確実にそのとおりになっております。今はそれがよく理解できます。そこで日本の教育と世界の教育に何が起きていたか。今の子供たち、そして家庭、学校、社会環境で何が起きているかというと、まずは生きる力、自立する力が足りない。そして、子供たち自体の社会への適応能力がない。そして、自分の悩みを打ち明ける、お父さん、お母さんへ接する力がないと。今度は、お父さんとお母さんが親として子供に教育ができる能力があるかということです。今、ほとんどが核家族になって、経済的な負担もあって仕事に一生懸命な割合も多いので、これが大分欠けていると思うのです。ちなみに、統括監にお聞きしますが、親として子供を育てるときにお父さんの役目、お母さんの役目は何ですか。

○與那嶺善道教育指導統括監 教育委員会では、教育の原点は家庭教育にあるということを大前提にいろいろな施策を行っております。特にやーなれー事業においては、各地区で親御さんに来てもらって、子育ての悩みなど、そういう部分をしっかりお互いで高め合う事業もしております。実際に教育の原点である家庭教育をどう高めていくかということを今後も推進していきたいと考えております。

○又吉清義委員 今、答弁になっていないと思うのですが、ヤーナレーガフカナレーということはありますが、子供は家庭でしっかり芽を出して、教育で花を咲かせて、社会に出て実を結ぶわけです。ですから、家庭でお父さん、お母さんが芽を出させられない子供は、小学校へ行こうが、中学校へ行こうが、高校へ行こうが、挫折してしまうのです。そこでしっかり種をまく役割がお父さん、お母さんなのです。お父さん、お母さんというのは、肉体的にも生理的にも愛情的にも全部違います。それを両親がわきまえて子供を育てないと、子供はヒンマガヤーしてしまうのです。お母さんが教えられないところはお父さんが教えられる、お父さんが教えられないところはお母さんが教えられるわけです。人間はうまくできています。ですから、私が言いたいのは、親学習としてお父さんの立場、お母さんの立場、こういう事業もしたらいかがですか。経済的支援をする中で、いろいろな社会面からこういった親学習であり、自立を促進できるようなものも大いに取り入れてもらいたいということをぜひ提言したい。それから、先ほどの子供の居場所づくりについて、いつまで支援ができるかということなのですが、ここでもう一つ大事なのは、私たちも現場を見て携わっているのですが、維持経費が大分かかると。そこで私は行政を挙げて―商工労働部の担当の方は多分現場を見たことがないと思うのですが、量販店、スーパー関係から出される食品廃棄物の量はどれぐらいか、どのように処分されているか、御存じですか。

○下地康斗雇用政策課長 把握はしておりません。

○又吉清義委員 ぜひ食品廃棄物を処理する現場に行って、食べてください。私もそこでよく食べたりします。なぜかというと、スーパーや量販店からそこに出てくる廃棄物には信じられないものがあります。これを食品廃棄物で出すのかと。皆さんにあげても、おいしいと言います。これは腐ったから捨てるのではありません。余ったから捨てる。賞味期限が切れる前に捨てる。これをビジネスにしたら怒られます。廃棄物のところからこれをとってきてごみとして燃やすのですから―野菜もそうで、信じられない量です。ですから、食品廃棄物を処理している方々と提携をして、こういうものもしっかり調査研究して、各地域に逆に返すことは可能かということに県が取り組んでみる。食べ物を大切にするといった感謝、大事にする心を植えつける意味でも、こういうものにも取り組んでみたらどうかと。現場は助かると思います。そういった取り組みも発想を変えてやってみませんか。

○下地康斗雇用政策課長 食品衛生法からの観点もありますので、その辺は環境部とも意見交換をしながら、何ができるかも含めて検討していきたいと思います。

○又吉清義委員 食品衛生法ではないと、私はきっぱり言いました。賞味期限が切れる手前のものを捨てる。野菜なども信じられません。大量に買って余ってしまった。置き場がない。これを変えないといけません。衛生面に心配があるかどうか、私はないと見ていますので、そういうものも調査をして大事にしてください。そして、地域に返すということも検討してみてください。

○仲村未央委員長 休憩いたします。

   午前11時53分休憩
   午後1時18分再開

○仲村未央委員長 再開いたします。
 次呂久成崇委員。

○次呂久成崇委員 中間評価の概要から質疑させていただきたいと思います。まず、7ページのライフステージごとの取り組み状況について、乳児家庭全戸訪問事業と養育支援訪問事業は、それぞれ41市町村のうち33市町村、19市町村に補助を実施しているということですが、事業を実施をしていないところについて何かこれにかわる事業や取り組みというのは県で把握していますか。

○真栄城守青少年・子ども家庭課長 乳児家庭全戸訪問事業については41市町村全てで実施しておりますが、養育支援訪問事業につきましては未実施市町村がございます。未実施の部分につきましては、離島の1島1村という対象児童が少ないところや、いたとしても少ないので事業を実施しなくても見守りができているという状況があるようでございますが、その中には本来、この事業を活用すべき町村も含まれていて、この部分についてはまだそれにかわる取り組みをしているとは聞いておりませんので、私どもとしては、そういった必要性のある町村につきましては全て実施を求めていきたいと考えています。市分については、全て実施をしております。

○次呂久成崇委員 母子健康包括支援センターを市町村に努力義務で設置をしていただくというところは、妊娠期から就学前までの子供たちをどう見守っていくかということを含めて、未実施のところにはきちんと事業内容も含めて取り組みをお願いしたいと思っております。少し戻りますが、2ページの子どもの貧困対策計画の概要で私が一番気になっているのが、現状と課題の(3)で10代の婚姻率、そして、10代の出産割合が全国で一番高いというところです。今、小・中学校にスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを配置していて、9ページには、スクールソーシャルワーカーが県内6教育事務所に20名配置となっているのですが、これと、相談件数や実績などを見ると―スクールソーシャルワーカーとスクールカウンセラー合わせてそうなのですが、それぞれ配置人数と相談件数、実績が1人当たりどれぐらいのものになっているのか、把握されていますか。

○天願直光義務教育課班長 まず、スクールカウンセラーの配置人数ですが、スクールカウンセラー配置事業として平成29年度は小・中・高、特別支援学校を合わせて110人配置しております。平成30年度につきましては、108人という形で配置しております。スクールソーシャルワーカーにつきましては、小・中学校を合わせて県内で20名配置ということでございます。相談件数ですが、スクールカウンセラーにつきましては平成29年度は小・中・高合わせて2万3816件ございます。スクールソーシャルワーカーにつきましては、平成29年度は3919件ということでございます。

○次呂久成崇委員 1人当たりの件数はわからないですか。

○天願直光義務教育課班長 スクールカウンセラーですが、平成29年度の実績で1人当たり216件ということでございます。スクールソーシャルワーカーにつきましては、1人当たり196件ということでございます。

○次呂久成崇委員 これは延べ件数ですか。

○天願直光義務教育課班長 延べ件数でございます。

○次呂久成崇委員 スクールカウンセラーについては、全公立中学校に配置していくと。小学校に対しても配置拡充に努めるとあるのですが、現在の割合が小学校に関しては69.8%で約7割ですよね。あとどれぐらい小・中学校―中学校から先にやっていくということだと思うのですが、そうした場合に、これからどれだけの人員を確保しないといけないのですか。

○天願直光義務教育課班長 スクールカウンセラーにつきましては公立中学校全校配置が達成できておりまして、145校に配置がされている状況でございます。ただし、小学校につきましては、現在200校の配置となっておりまして、あと60校ほどがまだ配置できていないのですが、文部科学省は今後全校配置を目指すという方針を出しておりますので、本県においても、人数があとどれぐらい必要かということにつきましては十分算定できていないのですが、今いる現員の配置を考えながら、あるいは時間数をふやしながら、それをできるだけ早目に達成していきたいと考えているところでございます。

○次呂久成崇委員 カウンセラーに関しては、臨床心理士など、いろいろな資格等もあると思います。この配置、また、貧困対策を考えたときに、こういう人材育成も課題ではないかと思っています。といいますのも、10代の婚姻、妊娠がどうしても負の連鎖を起こす一つの大きな要因ではないかと思っていて、学校をプラットフォームとして考えたときに、そこを相談する受け皿としてもっと充実させていく必要があるのではないかと思うのですが、人材育成や人材確保の対策をどのように考えていらっしゃるのでしょうか。

○天願直光義務教育課班長 スクールカウンセラーの配置に当たっては、資格等もございまして、現在、配置しているカウンセラーの方々は臨床心理士の資格を持っていらっしゃる方や、大学の心理関係の先生など、そういった方々を主にスクールカウンセラーとして配置をしております。一方で、スクールカウンセラーに準ずるものという形で任用させていただいている方々もおりまして、こういった方々を含めて配置をしているところでございます。ただ、国の公認心理士法が施行されまして、その法律に基づいて公認心理士制度が推進されていくところでございますので、そういったことも含めて、今後、スクールカウンセラーの資質向上が図られていくのではないかと考えているところでございます。

○次呂久成崇委員 ぜひ人材確保、そして育成について、しっかり取り組みをお願いしたいと思います。次に、中間評価の9ページですが、基金を活用したもので新入学学用品費の入学前支給や就学援助制度を活用した実績等について説明をお願いします。

○佐次田薫教育支援課長 就学援助率についてお答えします。まず、平成26年度は20.16%、平成27年度が20.39%、平成28年度は速報値で21.52%、平成29年度も速報値ですが、23.59%となっております。

○次呂久成崇委員 この援助制度を活用した各市町村の取り組み状況はどのようになっていますか。市町村によって温度差といいますか、取り組み状況は違うと思うのですが、平成26年度から直近では23.59%ということで援助率はすごく伸びていて、やはり基金を活用した実績が出ているのではないかと思うのですが、各市町村の取り組みにはどういったものがあるのでしょうか。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 就学援助につきましては、学校教育法で各市町村の事業ですが、今の御質疑にあるとおり、沖縄県の子供の厳しい状況を踏まえ30億円の基金を就学援助などの制度に活用していただくというものが始まっております。具体的には、41市町村のうち平成29年度に就学援助でその基金を活用しているのは32市町村で、今年度は33市町村ということで、多くの市町村が活用しております。ただ、41市町村のうち33市町村ということなので、まだ未実施の市町村もあることから、これについては活用いただくような取り組みをしていく必要があると考えております。

○次呂久成崇委員 未実施の市町村があるということだったのですが、その市町村はそれにかわる事業をしているとか、別の制度があるということは把握していますか。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 今年度は33市町村が使う予定で、残りの市町村については、例えば、渡名喜村は就学援助制度を活用する全ての子供たちに援助をするという独自の制度をしていると。そういった就学援助を活用せずに独自制度で行っているところも幾つかあるということでございます。

○次呂久成崇委員 県としては、基金を活用した就学援助の成果をどのように捉えていらっしゃいますか。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 一言で言いますと、数字は伸びています。先ほど教育支援課長からありましたように、貧困対策を始める前の数字と比べて約3%ぐらい伸びております。おおよそですが、約4500人ぐらい増加しているということです。全国の結果は出ていないのですが、恐らく全国では少子化などの関係で横ばいか数字が下がるところで、沖縄県は就学援助率がどんどん伸びていると。これは市町村も頑張って必要とする世帯に届けられて活用が進んでいるということで、数字的なものですが、しっかり就学援助という制度が行き届いているところだと考えております。

○次呂久成崇委員 基金の活用、そして成果がしっかりとあらわれてきているのではないかと思っておりますので、まだ実施していない市町村に関してもさらなる周知と実施をお願いしたいと思います。今回、中間評価が出て、いろいろ見えてきた課題や今後の取り組みがあると思いますが、今後の施策についてお聞きして終わりたいと思います。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 中間評価の19ページ、20ページで課題などを記載させていただいております。どこにいてもということで、まさに小さい離島でも困った子供がいるということでは、今、支援員の配置などがないところもありますので、そこは県が広域的な支援員を派遣してつなげていくというような取り組みなどがあります。先ほど委員からありました人材育成に関して、福祉の点でいえば、19ページの④にありますが、琉球大学では15回のカリキュラムを通して子供貧困対策の支援員を養成する公開講座が始まっております。私も講師として参加しますが、50名を超える方々が講座を受けているということで、恐らく全国でも初めてに近いような取り組みが始まっています。やはり専門的な支援員が必要だということで、琉球大学もそこに力を入れているということです。まだまだいろいろな方面の施策が足りないところですが、一歩一歩しっかり取り組みを進めていきたいと思っております。

○仲村未央委員長 ほかに質疑はありませんか。
 仲田弘毅委員。

○仲田弘毅委員 中間評価の概要と平成29年度沖縄県未就学児調査について、又吉委員からもすばらしい調査ができてよかったと。私たちが各委員会で何かを論議しようというときの大きな根拠になるのではないかという評価のコメントもありましたが、私もそのように思います。午前中の審査の中で、教育指導統括監から教育の根幹は家庭教育だと。私も実際にそのようにやってきたつもりですし、家庭教育が全ての教育の根幹です。子供が生まれて一番最初に覚える言葉は母親から聞かされた言葉なので、そういったことを考えた場合の家庭教育の大事さを私たちは改めて考えてみる必要があると思います。その中で、私たちが子供たちの人材育成、あるいはPTA活動において学力向上、あるいは基本的生活習慣の徹底等を含めて考える場合に、どうしても考えるのは子供がメーンであるか、親がメーンであるかという話ですが、子供がメーンであることは間違いありません。ただ、問題提起されるときに、問題のある子供、あるいは貧困の子供と言われますが、今、我々が盛んに使っている貧困の子供という言葉は自分自身としては余り使いたくない。貧困の親、家庭はあっても、貧困の子供はいるはずがないと。ですから、そのことを考える場合に、その大人、社会をどうしていくかということにもっと注視をして、その対策も考えていく必要があると思います。やーなれー運動が教育委員会で実施されておりますが、問題のある親はいますが、問題のある子供はいないはずです。その問題のある子供を育てるのは誰かといえば、学校でもなければ、社会でもありませんし、おのおのの家庭にあると言わざるを得ません。ですから、そういったことを審議する中において、実際に公教育の中で子供たちを育成、指導する場合に、家庭というものに外国並みの責任を持たせるというか、子育てに対して親の責任をもっと考えていく体制づくりをする必要があると思うのです。その中でどうしてもできそうにないところを、行政あるいは社会がカバーすべきだと。今、実際にそういった方向性で私たちは頑張っているつもりではありますが、中にはそうでない家庭もあって、余り公表できないこともありますが、そういったところにも目を向けながら、社会全体の特に弱者と言われる困窮家庭の子供たちに、就学援助も含めて、やるべきことをしっかりやる必要があると思います。資料の中から何点か質疑させていただきますが、未就学児調査の51ページに健康に関するものがあります。その中で、子供たちが病院や歯科医院で受診ができなかった云々という資料がありますが、どの資料を見ても行けなかった理由の約6割近くが経済的要因があると言われているわけです。1歳児も5歳児も、データ的には大体一緒だと思うのですが、そのことを含めて、各市町村で子供たちの病院医療費に関する補助、助成は41市町村みんな違うと思います。病院医療にかかる受診料そのものの調整がばらばらになっている中で、今、市町村との調整はどうなっていますか。

○末吉美和子保健医療総務課班長 こども医療費事業については、各市町村で医療費助成の事業を実施しているところですが、対象経費の2分の1について県が補助事業を行っているところです。市町村の基準はそれぞればらばらですが、県の基準としては未就学児の通院の医療費については補助対象としています。入院については中学卒業までを補助対象としています。この10月から通院の医療費については現物給付も始めたところで、今後の課題として対象年齢の拡大がありますので、それについて今、市町村と協議を進めているところです。

○仲田弘毅委員 去る那覇市長選挙で気づかされたことなのですが、市では妊婦健診や2歳児検診など、従来無料で行われていたものが有料になったと。県として各市町村と情報交換をしっかりして、県都那覇市であっても、各離島地域であっても、どこに住んでいても同じような条件整備で子育てができるような体制づくりをしていただきたいという気持ちがあるのですが、そのことに関してはいかがでしょうか。

○糸数公保健衛生統括監 先ほど班長がお答えしたのはこども医療費の助成事業ということで、それも市町村と調整をしているところですが、委員が御指摘になったのは、妊婦あるいは子供の乳幼児検診でございまして、通常、国で示されているのは、妊婦健診、それから、生まれて1歳になるまでに2回の乳児検診、その後、1歳半検診、3歳検診がある程度決まったものですが、市町村によってはその間に2歳児の検診や歯科検診などを行って、そのチェックをしているところもありますので、保健所を通して市町村の情報を集めて、それを行っているところの効果なども確認しながら、主体は市町村なので市町村が最終的には決定するのですが、県としてはその情報を市町村にも提供して、検討を促すような形で見ているところです。

○仲田弘毅委員 今、33の市町村が実際に基金等を使ってしっかり頑張ってきているというのは評価しなくてはいけないことですし、それをしっかり伸ばして、もっと充実したものにしていかなくてはいけないと考えています。ただ、この質疑の裏づけは、結局、困って病院に行けない子供たちをどうしていくのか、困っている家庭の子育てをどのようにサポートしていくのかということがメーンなので、現金支払い云々ではなく、現物支給でできるような方向性で動いていることは間違いないわけですから、そこをしっかり県はサポートしていただきたいと思います。もう一点、30億円の基金がつくられて頑張っているわけですが、従来、就学児童援助に関しては各市町村おのおのでやっていたはずなのです。その各市町村がやっていた事業の中で、現在、33の市町村が基金を使って頑張っています。これが大きな評価につながることは間違いないのですが、基金は使えば減っていくわけです。その残額は今、幾らぐらいになるのでしょうか。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 沖縄県子どもの貧困対策推進基金でございますが、平成29年度末で24億円余りの残高がありますので、今のところまだまだ30億円の24億円なのでもっと活用していただくと。市町村においては計画的に執行しているということで、6年間でしっかり使っていくということで平準化をしているところです。

○仲田弘毅委員 残高が24億円ということですが、現在、その基金を利用している市町村が33市町村で、これを全体が使うということになると今よりももっと大金が出ていくということにつながるわけです。その補填を含めて、県の予算、あるいは国との方策も考えていらっしゃるのでしょうか。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 今、基金については市町村で就学援助に主に使っているということで、それ以外に学童クラブの補助などに使っている市町村もありますが、33の市町村が就学援助に活用しているということです。使っていない市町村は、いわゆる小規模で、なかなか活用されていないということで、そこについて先ほども答弁がありましたが、しっかり周知して活用していく必要があると考えています。また、国との関係ということですが、子供の貧困対策の大きな柱の一つに緊急対策事業―10億円の事業から始まりまして、現在では12億円、今回、内閣府の発表で次年度は13億円ということで、さらに1億円増額をしていただくという方向で概算要求をしております。国の予算もふえ、基金も活用がふえていくと思いますので、もっと施策を充実させていきたいと考えています。

○仲田弘毅委員 今の御意見は大変うれしく思います。10億円の子供助成に関しては、島尻安伊子元沖縄担当大臣がつくり、しかも、退職された後も担当補佐官として毎年1億円ずつ増額していただきました。子育て、あるいは沖縄県全体の人材育成を考えた場合は、主義主張を超えて国にお願いするところはしっかりお願いをして、47都道府県の中で唯一の離島県としてやるべきことはしっかりやると。資源のない沖縄県としては人材育成しかないということをしっかり訴えて頑張っていただきたいと思います。

○仲村未央委員長 ほかに質疑はありませんか。
 嘉陽宗儀委員。

○嘉陽宗儀委員 久しぶりに児童福祉法第24条を読んでみたら、さま変わりしていたのでびっくりしています。そこで、第24条について少しだけ質疑したいのですが、そもそも第24条の規定では何をうたっていますか。

○名渡山晶子子ども福祉統括監 少し正確ではないかもしれませんが、児童福祉法第24条において、保育を必要とする子供の保育を市町村において行うことというような規定だったと記憶しております。

○嘉陽宗儀委員 第24条では、全ての子供たちが適切な保育を受けられるようにするということがうたわれていますよね。その中で、保育所をつくって入所させるときに、保育に欠けるというのは何ですか。

○名渡山晶子子ども福祉統括監 児童福祉法が改定される前の規定には、保育に欠ける子供という規定がされておりました。現在、改正後の児童福祉法においては保育を必要とするという表現にされているのですが、その保育を必要とするという範囲が従前の欠ける―例えば、親が就労していたり、そういった欠けるという範囲から広がって、就職活動をしていたり、あるいはその他の保育を必要とするという少し概念が広がった形で改正がされたところでございます。

○嘉陽宗儀委員 保育を必要とする場合に、保育に欠けるという言い方をしていましたよね。その具体的な中身は何ですか。

○名渡山晶子子ども福祉統括監 親が就労していたり、障害者であったり、病気であったりして、その子を養育していく上で家庭以外に保育で預かる場所が必要な場合を一般的に言うと保育を必要とする、法的には保育に欠けるという形であると理解しております。

○嘉陽宗儀委員 ただ、保育に欠けるというのは、全ての児童という児童憲章ですよね。ところが、これを見てみたら、子供を応援しなければならないにもかかわらず、いろいろな理由をつけて保育に欠けるにしてきている。特に第36条では保育所をつくって市町村が入所させることになっていたのに、これもいつの間にかどこに消えたかわかりませんが、大分変わり始めている。ですから、児童憲章にうたわれているように、全ての児童を健全に育てられるような環境をつくるのが保育行政の責任ではないかと思うのです。最初、第24条は4項目ぐらいしかなかったのですが、これを見たらいろいろなものがくっつけられて40条ぐらいまでありますよね。要するに、皆さんの仕事は大変だと。先ほど親が悪いのかどうのこうのとありましたが、そんな議論ではなくて、やはり全ての子供は国の宝です。三つ子の魂百までもといいますが、そこに最高の環境を与えなければなりません。その最高の環境を与えるのが皆さん方の仕事だと私は思っているのです。ですから、どちらに責任をなすりつけるということではなく、そういう自覚に基づいて全ての子供たちを国の宝として育てられるように頑張る必要があるのではないかと思うので、一言聞いてみました。ありがとうございました。

○仲村未央委員長 ほかに質疑はありませんか。
 瑞慶覧功委員。

○瑞慶覧功委員 ハイサイ。お疲れさまです。皆様の精力的な取り組みに心から敬意を表します。初めに、貧困対策の窓口になるのは各市町村だと思うのですが、この報告書は各市町村には届いているのですか。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 未就学児調査については、たしかメール等の提供はしたと思います。中間評価の概要については、今はまだ過程ということなので、これからしっかり届けたいと思いますが、有識者会議の中には市町村の代表の方が入っておりますので、委員の皆さんが見ているものと全く同じものを課題として見ていただいて意見を言ってもらうということはやっているところです。

○瑞慶覧功委員 市町村との連携はとても大事だと思います。特に担当窓口といいますか、そこら辺との連携、意見交換の状況はどうなっていますか。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 今年度に入りまして、5月、6月、7月、10月と4回、その中には圏域ごとにやるものもありますので、特に内閣府の緊急対策事業を中心にして、国、県、市町村と一緒になって意見交換をしているところでございます。

○瑞慶覧功委員 ぜひ連携を図って進めていただきたいと思います。せっかくすばらしいものができているわけですから、やはり共有しないといけないと思います。次に、貧困対策の中間報告ですが、貧困対策支援員の配置の状況について伺います。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 資料の11ページ、⑦沖縄子供の貧困緊急対策事業で取り組みの成果を記載しております。平成29年度末時点で、子供の貧困対策支援員が27市町村に114名配置をされているところです。

○瑞慶覧功委員 先ほど西銘委員からありましたが、ボランティアでは続かないと思うのです。待遇といいますか、労働条件などはどうなっていますか。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 この緊急対策事業という名称にありますように、6年間をめどに国の支援を受けた事業です。モデル的、集中的に行うという位置づけなので、残念ながら、これにかかわる方は全て非常勤となっております。

○瑞慶覧功委員 週何日勤務で、給与などはどうなっていますか。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 各市町村で採用される支援員ということなので、市町村ごとで勤務内容も異なっておりますが、例えば、高いところでは時給1500円ぐらいをもらう方がいたり、小規模離島ではどうしてもそこの地域の時給ということで時給800円台と、さまざまになっております。

○瑞慶覧功委員 次に、未就学児調査の82ページ、保育・教育についての②、観光従事者で土日に預かるところがないということで、これはとても大事なところではないかと。これからも観光業は伸びていくわけですから、そういった面で課題や対策はありますか。

○久貝仁子育て支援課長 夜間保育もそうですが、土日の保育園の預かりについては、延長保育や一時預かりなどといった形で各市町村で実情に応じて対応しているところでございます。

○瑞慶覧功委員 今、延長保育の話がありましたが、土日など普段閉まっているときに、例えば、大きい企業や病院などではそういうところもあるのですが、やはり観光産業はこれからもっとふえてくるという観点から、新しいそういったものが必要ではないかと。

○久貝仁子育て支援課長 仕事のしやすい環境の中で子育てができるように、例えば、事業所内保育所の推進や、最近では国が一生懸命取り組んでいます企業主導型保育園など、こういったものも絡めながら対応していきたいと考えております。

○瑞慶覧功委員 大きい企業はいいのですが、沖縄は零細企業がたくさんあって、そういったところに預けられるような体制を整えていく必要があると思いますので、ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。

○仲村未央委員長 ほかに質疑はありませんか。
 上原正次委員。

○上原正次委員 30億円の基金について、先ほど残高24億円というお話がありましたが、先ほどホームページを見たら、平成28年度実績が31市町村で1億4380万円、平成29年度実績が33市町村で3億5188万3000円ということが出ていまして、期間は6年ということで、取り組みの成果についても市町村の手続の見直しや周知を強化するということがありますよね。こういった形で県が周知を強化することによって、申請者がふえて、いろいろな予算等もふえてくると思うのですが、基金は今の残高で残り4年は大丈夫なのですか。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 各市町村ごとに活用計画をつくっていただいていますので、しっかりその数字は把握しております。今、県全体の基金としてはまだ余裕があるようなお答えをしましたが、市町村ごとで見ると、配分としては市町村の子供の人口に応じて割り当てをしておりますが、平成32年度には予定を使い切る可能性が出てきますので、課題の一つとして、積極的に活用している市町村もありますので、6年間の基金ですが、後半になると課題としては出てくるかと思っております。

○上原正次委員 県民等から子供の貧困に対して協力的な支援等があると思います。以前、寄附の状況がマスコミ報道等にもあったのですが、今の寄附等の状況はどうなっていますか。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 今の御質疑は、沖縄子どもの未来県民会議という官民一体となった県民運動のことだと理解しました。そこでも基金ということで、主に企業、個人の方からの寄附で成り立っております。平成28年度にスタートしたところですが、総額約1億円の寄附をいただいております。

○上原正次委員 基金があっての支援事業になると思いますので、ぜひしっかり取り組んでもらいたいと思います。

○仲村未央委員長 ほかに質疑はありませんか。
 亀濱玲子委員。

○亀濱玲子委員 私も皆さんには中間評価の概要、あるいは就学前の子供たちの調査を詳しくしていただいたのに、よくまとめていただいたと感謝いたします。まず、中間評価の8ページから、乳児全戸訪問事業が直近の値で89.1%と。目標値が92.0%ということですが、どの子も取り残さないと考えると、最低でも全国平均の94.8%は乗り超えていくような目標値にしなければ、目標値が低いのではないかと思うのです。見直していくということもあろうかと思うのですが、しっかり基礎をつくっていくという意味では、これが100%に近づかなければいけないのではないかと思うので、これについてのお考えをお聞かせください。

○真栄城守青少年・子ども家庭課長 目標値につきましては、計画策定時の全国平均が90.5%ということを踏まえて92%という目標にしております。ただ、実際のところは全国でも伸びておりますので、御指摘の点については課題であると考えております。これにつきましては、今後の子どもの貧困対策計画が見直されるということでございますので、当然に目標設定を再検討することになると思います。

○亀濱玲子委員 ぜひ目標をもっと高いところに置いて、どの子も取りこぼさないという視点を入れていただきたいと思います。次に、先ほどから沖縄型ネウボラの話が出ておりますが、中間評価の7ページにある「妊娠期からのつながる仕組み調査検討事業」というのがこれから沖縄の貧困対策にも必要だと思いますが、ここに書かれている母子健康包括支援センターについては、平成27年度に今帰仁村、その後は宜野湾市や恩納村が設置したということで、一方で子育て世代包括支援センターの取り組みは那覇市、沖縄市、うるま市がやっていくということになっていますが、内容はきちんと整理をして、41市町村に設置するという同じ目的で同じようにつながる場所が安心してどこに行ってもあるということが目標にならなければいけないと思うのですが、この役割と名称、全市町村への設置は具体的にどのように捉えていますか。

○糸数公保健衛生統括監 先ほど比嘉委員の質疑に対して2つ申し上げましたが、基本的には同じ仕組みを持ったセンターだと認識しておりまして、それでいきますと平成27年の今帰仁村から始まって、その後、南風原町、ことしになって那覇市、沖縄市、うるま市ということで、現在5市町村に設置していると考えております。市町村の支援を行いながら今後の予定などを確認して、具体的には平成31年に2団体、平成32年に10団体ということで、目標としては平成32年度末までに全てということを考えておりますが、まだ時期が未定であったり、予定が立たない市町村も20以上ありますので、現在できていない理由を掘り下げて、どういう支援ができるかということで、さらに支援を強化していく姿勢でございます。

○亀濱玲子委員 具体的な目標で支援を強化していくというお答えなので期待したいと思いますが、那覇市でつくられたら・ら・らステーションもそうですが、妊娠期、出産前後、子育て期において、どちらかというと相談窓口のような役割になってしまいがちなのではないかと思っていて、1カ所に行くと全部つながるような沖縄型ネウボラという形を目指すと。県も研修か講習か何かをされたと思いますが、具体的に共通の課題で、窓口に行けば―今、那覇市には2カ所あって、行くと相談はできるのですが、そこに行くと最初から就学前までの相談がつながっていくような仕組みにするということが大事と思うので、強化をするとおっしゃった内容を充実させていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○糸数公保健衛生統括監 実施する市町村の人口規模や位置などによって適切な形がいろいろ違うと思いますが、なるべく細かく事情を確認して、委員がおっしゃったようにワンストップで関係機関につながるためにはどうしたらいいかということをやりとりしながら必要な支援について県で考えていくということで、引き続き支援を続けてまいります。

○亀濱玲子委員 ぜひよろしくお願いいたします。続いて、中間評価の16ページです。主な重点施策の中の一つですが、ひとり親世帯の数の目標値を800世帯と置いていますが、世帯だけではなくて地域、圏域にきちんと置くことが大事だと思っています。ですから、今、那覇市や県が持っているところ、糸満市などにできていますが、石垣市あるいは宮古島市では市がやることだというところでとまっているのです。ですから、真剣にここにのせるのであれば、県も積極的にどの圏域までは最低でも置きましょうということを目標に持って、積極的に働きかけていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○真栄城守青少年・子ども家庭課長 母子家庭の支援につきましては、県の母子寡婦福祉連合会に委託をしてセンターを設置している取り組みでございます。そういう点もあり、市は市部でという形を原則としているところでございますが、宮古、八重山の町村部の課題も確かにございますので、そこは離島の福祉事務所や市と連携をとりながら取り組んでいく必要があると思っています。具体的にどのような形で取り組みを強化していくかということにつきましては、検討させていただきたいと思います。

○亀濱玲子委員 実は前の部長も、何度も市を訪ねて説得といいますか、啓発を一生懸命やってくださった経緯はよく知っています。ですから、引き続き呼びかけ、取り組みを強化していくこともよろしくお願いしたいと思います。続いて、17ページをお願いします。改善が図られていない指標について、不登校の小・中・高生のことをこれまでもずっと質疑させていただきましたが、先ほど教室に復帰することを目標とするものではないという方向が文部科学省から示されているということを話されました。それを踏まえて、効果的な支援に向けて指標の見直しをするということですが、私も教室に復帰することだけが目標ではないと思っています。ですが、その子の居場所、あるいは学ぶ保障、そして、自立に向けての支援がしっかりと組み立てられなければなかなか改善は図られていかない。ですから、この指標の文言を変える。目標は変えていいわけですが、どういう支援をするかという内容が大事だと思うのです。その指標をきちんと明文化して、共通認識を持って―今、市でも適応指導教室を持っています。支援員制の学校に行けない子供たちの居場所づくり、学びの場所があります。それも絶対に教室に戻すということではないのです。基本、戻すのですが、ここで学んで高校も受験すると。ただ、高校に受験した後はどうかといえば、あとは支援がないのです。ですから、一つ一つ切れ目のない支援をここでつくっていくということを、不登校の数値だけではなく、中身について検討するというか、見直すというか、支援の内容をきちんと重ねていくことが必要なのではないかと思いますので、これについてお考えをお聞かせいただきたいと思います。

○與那嶺善道教育指導統括監 委員とは少しニュアンスが違うかもしれませんが、不登校の改善の最終的な目標としては登校復帰、学校に来られるようにすることがベターでございます。ただ、午前中答弁させていただいたのは、学校復帰のみにこだわらない、新しい不登校の対策が必要になっているのではないかということで、文部科学省からも通知なり指針なりが来ているところなのです。不登校の時期が、ある意味、許容や自分を見つめ直す時期になっている場合もありますし、登校復帰だけを強いて、それが児童生徒、保護者を追い詰めることがないような配慮をすることも必要だということが文部科学省の通知でございます。そして、いろいろな働きかけの中で児童生徒がみずからの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指すような指導のあり方を教育委員会として目指していく。その中で、もちろん学校が魅力ある学校づくりに取り組むとか、不登校の指導の中で個々に寄り添った支援も大切であるということを狙いにして、今、指導をしているところです。この指針の今後の検討については、先ほど委員がおっしゃったように、個々の生徒に対してどういった支援が必要なのか、学校だけではできない部分もありますので、学校から外部の機関など、どういったつなぎをしたかというのも一つの指針の視点ではないかということで検討している最中でございます。

○亀濱玲子委員 これはずっと改善が図られていない指標の中に課題として挙げられてきているものなので、具体的に何かが動く、どうすれば動くのかということを考えていかなければいけないと思っています。それから、19ページ、小規模離島の課題です。この支援は、どの市町村にもどういう形であれきちんと支援をするという仕組みを構築することがないと、どこかが取りこぼされる、誰かが取りこぼされると思うのです。ですから、小規模離島に対して具体的にどういう取り組みをしていくのかということを教えていただけたらと思います。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 今、課題として挙げられた小規模離島への貧困対策の充実につきましては、先行して都市部で始まっている内閣府の緊急対策事業を活用した支援員の配置―都市部では人材の確保が容易ということもありまして、配置が進んでおります。今の課題としては、困っている子供に対して学校と連携して必要な支援につなぐ支援員の存在であると考えておりまして、緊急対策事業を活用して、県の事業として県が小規模離島の役場や学校と連携しながら、児童生徒に寄り添うような支援員を定期的に派遣していくという事業を考えているところです。

○亀濱玲子委員 もうアプローチをしていて、何か具体的にできそうな感触はありますか。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 具体的に小規模離島に支援員を配置して活用する予定がありますかという質疑については、複数の村からぜひ活用したいという意見をいただいていますので、全部というよりも、まず役場から活用したいと声が上がっている2つ程度の村については、来年度ぜひ実施していきたいと。そして、ほかの市町村にもそういった事例をお伝えしながら活用していただきたいと考えています。

○亀濱玲子委員 皆さんにまとめていただいた自由記述の意見、やはりこの声に応えられることが目標ですから、都市部だからできる、あるいは小さな離島だからできなかったということが、この苦しい声に応えられないことになっていくと思うので、ここを読ませていただいて、まとめてくださってありがたいと思っています。ぜひ小規模離島もよろしくお願いいたします。

○仲村未央委員長 ほかに質疑がありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○仲村未央委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、沖縄県子どもの貧困対策に関する中間評価の概要について、平成29年度沖縄県未就学児童調査についての質疑を終結いたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、説明員入れかえ)

○仲村未央委員長 次に、子ども生活福祉部、商工労働部及び教育委員会関係の陳情平成28年第140号、教育委員会関係の陳情第44号の6の審査を行います。
 ただいまの陳情について、子ども生活福祉部長の説明を求めます。
 なお、継続の陳情については、前定例会以降の新しい事実についてのみ説明をお願いいたします。
 大城玲子子ども生活福祉部長。

○大城玲子子ども生活福祉部長 それでは、陳情の処理方針について、お手元に配付しています陳情に関する説明資料で御説明申し上げます。
 表紙をめくりまして、陳情一覧をごらんください。
 本委員会に付託されている陳情については、継続が2件となっております。
 子ども生活福祉部所管に係る1件につきましては、処理方針に変更がありませんので、説明を省略させていただきます。
 以上で、陳情の処理方針についての説明を終わります。

○仲村未央委員長 子ども生活福祉部長の説明は終わりました。
 次に、商工労働部産業雇用統括監の説明を求めます。
 伊集直哉産業雇用統括監。

○伊集直哉産業雇用統括監 続きまして、商工労働部所管に係る陳情処理方針について、御説明申し上げます。
 継続審議となっております陳情1件につきましては、処理方針に変更がありませんので、説明を省略させていただきます。
 以上で、陳情の処理方針についての説明を終わります。

○仲村未央委員長 商工労働部産業雇用統括監の説明は終わりました。
 次に、教育庁教育指導統括監の説明を求めます。
 與那嶺善道教育指導統括監。

○與那嶺善道教育指導統括監 続きまして、陳情の処理方針について、お手元に配付しています陳情に関する説明資料で御説明申し上げます。
 継続となっている陳情第44号の6平成30年度「離島・過疎地域振興に関する要望事項」に関する陳情につきましては、処理方針に変更がありますので、御説明させていただきます。
 資料の5ページをお願いします。
 下線部分は変更した箇所でございます。
 記の1の9行目でございますが、「なお、文部科学省において、全国の市町村における学校給食費無償化等の実態を把握するための調査が行われ、その結果が公表されたところであります。児童生徒への給食費無償化については、今後の国の動向を注視していきたいと考えております。」に変更しております。
 以上で、教育委員会に係る陳情の処理方針について、説明を終わります。

○仲村未央委員長 教育庁教育指導統括監の説明は終わりました。
 これより、各陳情に対する質疑を行います。
 質疑に当たっては、陳情番号を申し述べてから重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行うようお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 新垣新委員。

○新垣新委員 陳情第44号の6について、きのうも文教厚生委員会で学校給食費無償化について質疑したのですが、財源的に小・中学校全てを沖縄県が助成した場合、約68億円の予算がかかるということで、改めて聞きますが、文部科学省はただ調査しているだけで終わりなのです。ですから、国の動向を注視したいということではなくて、沖縄県はどうあるべきかという考え方から検討してほしいのです。これが1点目。そして、財源をどうつくるかという中で、きのう提案したのですが、観光客税、いわゆるホテル宿泊税を貧困対策事業の中で学校給食費に充てたらどうかと。あるいは、内閣府にお願いをして2分の1は国からいただく、2分の1は沖縄県が助成するとか、いろいろな方法、テクニックを学ぶべきなのです。この説明の仕方では期待を膨らませてしまうのです。市町村だって国の動向を見ようと。これは沖縄県が主体で市町村と一体となって動くべきだと思うのです。ですから、国の動向を待つ必要はないのです。貧困対策の一つの事業として、私たち沖縄がどうあるべきかというところから考えるべきなのです。改めて、子ども生活福祉部長に伺います。これは内閣府に行くべきです。自分たち沖縄がどうあるべきか、どういう補助メニューを国にお願いするかというところから始めないと、予算が68億円かかるということなので、そういう考え方から考えるべきではないですか。

○仲村未央委員長 休憩いたします。

   (休憩中に、子ども生活福祉部長から給食費無償化については所管の範疇を超えており、沖縄県子ども貧困対策推進会議でも給食費無償化についての検討はしていない旨の説明があった。)

○仲村未央委員長 再開いたします。
 新垣新委員。

○新垣新委員 きのうも質疑していますが、この件は貧困対策の一環だという教育委員会の理解もありました。そして、玉城デニー知事の公約の目玉は貧困対策をしっかり行っていくと。これは合致しているのです。私も子を持つ親として、小・中学校の学校給食費無償化をしてほしいという立場です。しかしながら、文部科学省の予算はつかない。この補助のメニューをいただくには、沖縄は特別です、貧しいのですと、国に頼るところは頼るという形で内閣府を相手にしてほしいということなのです。貧困対策の資料もいただいているのですが、これも全庁体制の中で―私はきのう教育長に、知事に提案して一日も早く観光客税、ホテル宿泊税を取って、小・中学校の給食費に充ててくれと。そして、全額もらうことは厳しいかもしれませんが、2分の1は観光客税で充て、2分の1は国からもらうと。私が言いたいことは、部長も知事に提案して、この獲得のために国に補助のメニューを新しくつくるように交渉してほしいということなのです。ですから、そこら辺は範疇ではないではなくて、貧困家庭の子供たちを助ける一環として頑張ってほしいということで、質疑を終わらせていただきます。

○仲村未央委員長 ほかに質疑はありませんか。
 比嘉京子委員。

○比嘉京子委員 陳情第44号の6について教育委員会にお聞きしたいのですが、処理概要に文部科学省が全国の市町村の実態調査をしていると書いてありますよね。その先の方向性や考え方のようなもので、何か把握できていることはないでしょうか。

○島袋勝範保健体育課副参事 平成30年7月公表の学校給食費の無償化等の実施状況の調査結果を受けて、県教育委員会として10月11日に文部科学省に給食費の無償化等に関する今後の国の動向について問い合わせを行ったところです。現在、国として無償化に取り組む予定はないとのことでございました。

○與那嶺善道教育指導統括監 新垣委員が言っているように、無償化する際の多額の財源68億円については、継続的な財源の確保が大きな課題でございます。従来の委員会でも他府県の動向、文部科学省の動向等を注視していきたいということですが、何もやっていないわけではなくて、平成30年7月に行われた全国都道府県教育委員会連合会の意見交換の場でも給食費の件について意見交換をさせていただきました。その際に出てきたのは―調査もしているのですが、平成27年と本年の7月、県が実際に市町村と調整を行っている他府県はございません。さらに、全国都道府県教育委員会連合会の意見交換会の場では、他府県も同じような御意見でございました。そして、本県もそうなのですが、教育委員会が貧困対策で一番大切なことだと思っているのが、経済的に真に支援を要する生徒にしっかり支援が届いているかどうか。そういう部分が実際に就学援助や生活保護の支援で行われているということ、また、基金を活用して就学援助の拡充もされているということが、他府県からも意見交換の場でありました。今後もそういう意見交換や情報交換等をやっていきたいと考えております。

○比嘉京子委員 県内の教育庁の保健体育課から出された資料なのですが、全額助成をしているところ、それぞれありますよね。計算上、非課税家庭や幾ら以下の所得の家庭などについて、シミュレーション的な数字は出されているでしょうか。例えば、所得が幾ら以下の家庭を対象にした場合は幾ら必要なのかというような計算はありますか。

○與那嶺善道教育指導統括監 委員がおっしゃるように、自治体によっては180万円以下の世帯にというものはありますが、県でそういうシミュレーションをした資料はございません。

○比嘉京子委員 例えば、就学援助をしている家庭とか、何かこの対象だったら幾らになるとか、そういうものもぜひ出しておいたらどうかと思うのです。本当に困っているところに支援の手がどうしたら行くのかということは、金額が出て初めて対策が講じられるのではないかと思うので、そこは今後やっておかれたらどうでしょうか。

○仲村未央委員長
 島尻勝範保健体育課副参事。

○島袋勝範保健体育課副参事 平成29年度の給食費総額から要保護、準要保護児童生徒への給食費助成額を差し引いた金額についてですが、給食費助成額は要保護児童生徒が約1億円、準要保護児童生徒が約13億6000万円で、合計約14億6000万円となっております。給食費総額67億6000万円から差し引きますと、約53億円になっております。

○仲村未央委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘純恵委員。

○西銘純恵委員 雇用について、未就学児調査の自由記述でもとりわけ観光業の方は就労の環境が厳しいと。仕事で夜勤があったり、労働環境も悪いという状況があって、休日もとれないとか、土日保育が欲しいという声もありましたが、とりわけ観光客が1000万人という本県においては、そういう観光関連業種の労働者の皆さんの待遇改善も含めてどう引き上げていくかということもとても大きな課題になると思うのですが、現在の労働者の皆さんの雇用状況を労働政策の立場で調査されたことはありますか。

○伊集直哉産業雇用統括監 3年前に労働環境実態調査を行って、昨年度も行っております。3年間でどのような変化が生じたかという部分を含めて、時系列で比較ができるような内容にして、質問も経営者、従業員の双方に聞き、それぞれの言い分をきちんと反映させるような形で取りまとめるという調査を行っております。その中で、人手不足業界の部分でいろいろな課題が浮き彫りになってきております。そういうこともありまして、人手不足連絡会議として庁内の関係する部局に集まっていただいて、さまざまな課題の洗い出しと、その課題の解決に向けてどうしていくのかというところを検討しているところです。観光業ではイメージアップも必要だろうと思っておりまして、給与の部分や、労働時間が長いという問題もあると思います。そこで、それぞれの業界を所管する部局でさまざまなことが検討されていると認識しておりまして、観光もマルチタスクという形で複数の仕事をすることによってキャリアアップにもつながり、給与のアップにもつながるということもしております。ただ、多岐にわたりますし、かなりの人手が必要ということと、時間との兼ね合いでベッドメイキングや清掃などの部分も含めて、なかなかフルタイムで働けないような仕事も多々あるということがありますので、そこはしっかりと観光部局で検討していただいて、業界を巻き込んだ議論を促しています。それで連絡会議でもやっているのですが、今後、それを取りまとめて県全体で議論するという会議もやっていこうと考えているところです。

○西銘純恵委員 人手不足という話ですが、雇用条件がよければそこに就労すると思うのです。今、業界それぞれにということで、人手不足業界として観光の件をおっしゃいましたが、もっと簡単に言えば、給与が労働に応じて上がって、残業も法定内の範囲でやるとか、そういう雇用環境をつくらないと希望されないという問題があると思うのです。ほかの職種もそうですが、例えば、介護の現場もきつい、厳しい割には賃金が低いと。ですから、そこら辺をどのようにして引き上げていくかという観点で、業界が一つになって議論されている最中とおっしゃいましたが、そういう賃金引き上げの立場で業界に―金がかかる話ですし、経営的な問題でどうかというところもありますが、そこをやらないと子供を育てる皆さんの環境がなかなか改善されないということがあるのであれば、そういう観点でもって、何らかの形で行政に対する支援がほしいという話が出れば中小業者の支援など、いろいろ政策的にもっていけると思うのですが、今、業界を巻き込んだ議論中とおっしゃったので、議論がまとまるのはいつごろの予定で、施策として動き出す時期的なものも想定をしているのですか。

○伊集直哉産業雇用統括監 毎年度、組織は違っていたのですが、グッジョブ運動のときの全県的な組織を、もう一つある組織の中に吸収しまして、その中で議論をするという形にしております。それとは別に、沖縄総合事務局や労働局、国、県、経済団体、労働団体、20団体が連携をする働き方改革・生産性向上推進運動を進めているところです。その中でさまざまな取り組みをしておりまして、生産性向上のための働き方改革や、そのための施策、ガイドブックを作成したり、各地で説明会などを行っているところです。そして、国、県それぞれが持っている施策を総動員してやっていこうと。先般、働き方改革の法案が成立したところですが、その中で生産性の向上を国も全面的に押し出していますので、さまざまなメニューを用意しているという部分があります。先ほど委員から御指摘がありました金額の問題や、どのような道筋でやるのかというのは、みずからの強みをどう生かしていくかという経営計画をきちんとつくってもらって、さらに必要な設備投資なり、ITを導入するなり、さまざまな生産性を上げるための方法があろうかと思います。そこで強味を生かすためにコストをどう削減するか、人を切るという意味ではなく、無駄な業務は何なのかといった徹底的な見直しも含めてやるということなのですが、それを具体的に進めるために商工会や商工会議所の専門指導員を総動員するということと、金融機関の方々にも参加していただく。あとは産業振興公社における産業支援センターやよろず支援拠点なども含めて、今後、全てを動員して当たっていくという形になると考えているところです。

○西銘純恵委員 正規雇用化の促進と労働者の処遇改善に取り組むということにしていますが、目標についてお尋ねします。

○伊集直哉産業雇用統括監 正規雇用の比率に関しては、沖縄21世紀ビジョンの中間見直しの際に数値目標として62.5%に引き上げると明記しております。やはり処遇の改善も行わないと人が来ないという部分を含めて、企業側も努力しておりますし、そういう意味合いで失業率の低減も図られているという部分も一定程度はあります。そういったところがありますので、各企業が正規雇用化に向けた取り組みを始めているということが功を奏している部分が数値としてもあらわれています。それを目標に持っていこうと考えているところです。

○西銘純恵委員 目標は62.5%ということですが、現状は幾らですか。

○伊集直哉産業雇用統括監 平成29年度で56.9%になっております。やはり取り組みが功を奏していると認識しております。

○西銘純恵委員 もう一点、就学援助の入学準備金ですが、小・中学校で、これまでは入学前の支給がなかったのでお金をどう工面するかで困っていたということですが、今年度、入学準備金を導入した市町村があるわけですよね。次年度、全市町村でできるのかどうかを含めてお尋ねします。

○佐次田薫教育支援課長 平成29年度までは入学前支給を実施している市町村はなかったのですが、今年度入学からは16市町村にふえております。また、市町村の担当者会議等で確認したところによると、次年度入学者分から、あと9市町村が入学前支給を実施していきたいということを聞いております。

○西銘純恵委員 小学校、中学校は同じですか。

○佐次田薫教育支援課長 次年度予定している9市町村の中で、宜野湾市については中学校のみ、残りの8市町村については小・中学校ともに実施する予定でございます。

○西銘純恵委員 現年度の16市町村は小・中学校でしたか。

○佐次田薫教育支援課長 現年度については、小学校が7市町村、中学校が16市町村ということでございます。

○仲村未央委員長 ほかに質疑はありませんか。
 嘉陽宗儀委員。

○嘉陽宗儀委員 陳情処理方針も含めて、子供の未来の話なのですが、子供の未来にはいろいろな書き方がありますよね。「子ども」になっているものと、漢字で子供になっているものと、どちらが正しいのですか。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 国では子供は漢字を使用すると統一されております。一方、冒頭に御説明しました子どもの貧困対策の推進に関する法律に関しましては、議員立法ということもあり、「ども」は平仮名ということで、沖縄県も特に漢字ではなく平仮名の「子ども」を使用しているという状況です。

○嘉陽宗儀委員 私が最初にこの委員会に参加したときに、子供の未来というのであれば、仏壇のお供えものではなくて、きちんとした人格を持った人間として扱うために平仮名にして「子ども」と。NHKでさえ「子ども」になっているので、今、漢字を使うところはほとんどありません。ですから、皆さん方も御検討ください。

○仲村未央委員長 ほかに質疑はありませんか。
 金城泰邦委員。

○金城泰邦委員 今回の方針の見直しの中に、学校給食費は国の動向を見てということがあるのですが、午前中いただいた非常に貴重な調査の中にも現在の暮らしについてアンケートがとられていまして、食料が買えなかった経験のある人が1歳児の低所得層では38%、5歳児の低所得層では42%を超えております。そういった数値が今回出ていて、自由記述、要望の中には、保育料や給食費などの無償化を実現してほしいという声もピックアップされております。こういった状況もある中で、給食費の完全無償化については68億円の予算で厳しいという答弁をこれまで聞いておりますが、調査から出てきた食料を買えなかった経験を持つ方が、仮に就学援助などを受けられないぎりぎりの方であったりする場合は、そういった方の給食費の負担を少し減らせば、食料が買えなかった経験は減っていくのではないかという気もするのです。ですから、全部が全部ではなくても、就学援助にはかからないが、所得でまだ裕福とは言えない状況の世帯も多いと思っております。子供の貧困と言われる対象が、全国の場合、約30%ということを考えると、その中には就学援助にかかって支援が得られる人もいれば、ぎりぎりそれを超えてしまって就学援助等がいただけない。しかし、家計的には少し厳しくて食料が買えなかった経験がある。そういった人もいるのではないかということに思いをめぐらせると、完全無償化100%は厳しいにしても、そういったところの救済は検討する必要が出てくるのではないかと思うのですが、どうでしょうか。

○大城玲子子ども生活福祉部長 今、子どもの貧困対策推進基金は主に就学援助に活用しておりますが、中には低所得世帯に給食費を減免して、これに基金を充てていらっしゃる市町村もあります。ですから、ある程度、低所得世帯であるとか、貧困対策に資するような形で基金を使っていただけるのであれば、市町村からの要望を受けて基金を活用することは可能だと考えております。ですから、そういう意味での拡充の検討は可能だと思っております。

○金城泰邦委員 既存の就学援助等の制度があるのは知っています。ただ、その制度は、所得を見たりとか、生活保護の方、あるいは生活保護の準要保護の方で、そこにも引っかからないで厳しい家計の方がいるのです。実際、私がかかわった中で、生活保護もだめで、社会福祉協議会がやる生活福祉資金も基準の所得を少しだけ超えていたので借りられなかった。でも、家計は苦しいという方がいたのです。何の援助もいただけていなかったのです。そういった方もいるので、皆さんがもう少しそこを切実に受けとめていただいて、そういったところまで拾い上げて初めて沖縄の貧困対策は効果が出てくると思っていますが、どうでしょうか。今の基準では拾えない人がいるということを言いたいのです。

○名渡山晶子子ども福祉統括監 先ほど部長からのお話の補足的な説明なのですが、就学援助の幅については、市町村によって委員がおっしゃるような所得の基準が定まっております。ただ、子どもの貧困対策推進基金を活用して準要保護の認定基準を広げるような取り組みもかなりされておりまして、今までだめだった世帯も、広がることによって就学援助の対象となるような形で大分見直されてきているところでございます。それから、先ほどありましたが、市町村が取り組む独自事業に対しても基金を活用していいということになっておりまして、例えば、浦添市では所得180万円以下の世帯で申請があれば助成するというような新たな制度がありまして、それについても県の子どもの貧困対策推進基金を財源として活用していただいておりますので、こういう基金を活用して市町村の取り組みを促すという形で少しでも支援が進むようにしているところでございます。

○金城泰邦委員 そのように就学援助の対象の枠を緩和しているということで、少し確認ですが、今回の調査で低所得層Ⅰ、Ⅱがありますが、Ⅰの方もⅡの方も就学援助は利用できる対象の方なのでしょうか。

○喜舎場健太子ども未来政策課長 資料にも記載していますが、今回、国の貧困線といいますか、国の基準に従った困窮世帯の割合を示しております。これは4人世帯の場合、年収が244万円未満ということで整理をしております。一方、就学援助は市町村ごとに異なっておりまして、恐らくほぼ対象になるかと思いますが、具体的に突合しないと一概に言えないので、市町村によっては入るところと入らないところがあるかもしれません。

○金城泰邦委員 そうであれば、今後のステップとして、せめて今調査している低所得層Ⅰ、Ⅱの方はどの市町村にいようが子供の貧困対策としての支援が享受できるようなものにしていただきたいし、就学援助の基準が市町村で違うのであれば、そこを県がしっかり見てあげて、県の基金で緩和して適用するようになったのであれば、県としてここまで引き上げましょうという一つの統一した基準までやっていくべきではないかと思いますが、どう思いますか。

○與那嶺善道教育指導統括監 先ほど子ども福祉統括監からもありましたように、学校給食費に係る子どもの貧困対策推進基金、交付金活用を通じて就学援助の準要保護の充実を図る事業として、例えば、給食費一部援助から全額援助に変わったところや、給食費増額に充当したところ、それから、先ほどありましたように要保護認定の緩和、その部分を少し広げることが可能というもの、さらに、独自事業において所得制限以下でも補助ができる、援助ができるという部分を基金を通じてやっています。そういう優良事例を毎年、就学援助担当者会議を通して周知をして、こういう活用の方法もあるということで各市町村にお願いしているところでございます。

○金城泰邦委員 具体的な例を1つ挙げてお願いしますが、ある家庭は、一人親方をしていたお父さんがけがをして現場に行けなくなった。その場合、普通は失業したということで失業手当を受けたり、生活保護を受けたり、生活福祉資金を受けたりできるはずなのですが、できなかった理由の一つは労災保険を受けていなかった。普通、労災は雇った側の会社が出していますが、一人親方なのでそういったこともしていなかった。沖縄県はそういった方が結構多いです。一人親方でけがをして仕事ができなくなったが、労災を受けていなかったので保護を受けられない。そして、社会福祉協議会の生活福祉資金も受けられないということが具体的にあって、何の支援もできなくて非常に悔しい思いをしました。そういった人こそ救済してほしいと思うのです。アバウトにざっくりとではなくて、具体的にできなかった人の事例もぜひピックアップしていただいて、より救済できるような取り組みまで進めてほしいと思っておりますが、いかがですか。

○大城玲子子ども生活福祉部長 子ども生活福祉部としましては、もちろん子供の貧困対策に最重要政策として取り組んでいる中で、従来、子ども生活福祉部の中で取り組んでいる生活保護や、先ほど委員のおっしゃった制度も使えなかったという事例なども相談の中で上がってきたりしますので、そういうところをきちんとやるということも大切ですし、制度の拡充についても全庁的な取り組みの中で話ができればと考えております。今、生活保護から生活困窮者という制度もございますので、あらゆる手段を使って子供の貧困対策に通ずるようなことには積極的に取り組んでいきたいと考えております。

○仲村未央委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○仲村未央委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、子ども生活福祉部、商工労働部及び教育委員会関係の陳情に対する質疑を終結いたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、執行部退席)

○仲村未央委員長 再開いたします。
 陳情の質疑については全て終結し、採決を残すのみとなっております。
 これより、陳情の採決を行います。
 陳情の採決に入ります前に、その取り扱いについて御協議をお願いいたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、議案等採決区分表により協議)

○仲村未央委員長 再開いたします。
 お諮りいたします。
 陳情については、休憩中に御協議いたしました議案等採決区分表のとおり決することに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○仲村未央委員長 御異議なしと認めます。 
 よって、さよう決定いたしました。
 次に、閉会中継続審査・調査事件の申し出の件についてお諮りいたします。
 先ほど、閉会中継続審査・調査すべきものとして決定した陳情2件とお手元に配付してあります本委員会付議事件を閉会中継続審査及び調査事件として、議長に申し出たいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○仲村未央委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 以上で、本委員会に付託された陳情の処理は全て終了いたしました。
 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。







沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

   委 員 長  仲 村 未 央