委員会記録・調査報告等

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子どもの未来応援特別委員会記録
 
令和5年 第 1定例会

2
 



開会の日時

年月日令和5年3月27日 曜日
開会午前 10 時 30
閉会午後 0 時 10

場所


第2委員会室


議題



出席委員

委 員 長  西 銘 純 恵 さん
委  員  新 垣 淑 豊 君
委  員  新 垣   新 君
委  員  石 原 朝 子 さん
委  員  西 銘 啓史郎 君
委  員  仲 田 弘 毅 君
委  員  玉 城 健一郎 君
委  員  山 内 末 子 さん
委  員  玉 城 武 光 君
委  員  喜友名 智 子 さん
委  員  次呂久 成 崇 君
委  員  上 原 快 佐 君


欠席委員

当 山 勝 利 君


説明のため出席した者の職・氏名

(参考人)
 沖縄大学教授       島 村   聡 君

子ども生活福祉部長     宮 平 道 子 さん
 青少年・子ども家庭課長  宮 城 和一郎 君
 教育庁教育指導統括監   玉 城   学 君



○西銘純恵委員長 ただいまから、子どもの未来応援特別委員会を開会いたします。
 まず初めに、子供の貧困問題及び教育無償化並びにこれらに関連する諸問題の調査及び対策の樹立に係る参考人からの意見聴取についてを議題といたします。
 本日の参考人として、沖縄大学教授島村聡氏の出席をお願いしております。
 この後、参考人からの意見聴取を行いますが、おおむね1時間30分をめどに終了できるよう各委員の御協力をよろしくお願いいたします。
 参考人におかれましては、本日は御多忙のところ御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 参考人から説明を求める前に、委員会の審査の進め方について御説明申し上げます。
 まず、参考人から御説明をいただいた後、委員から参考人に対し質疑を行うことにしております。
 なお、参考人が発言しようとするときは、あらかじめ委員長の許可を得なければならず、発言は、沖縄の子供の状況と特徴及び今後の展望等の趣旨の範囲内で行うこととなっております。
 また、本日は委員会が参考人の説明を聞く場でありますので、参考人が委員に対して質疑することはできませんので、御承知おきください。
 それでは、参考人から、沖縄の子供の状況と特徴及び今後の展望等について、20分程度で簡潔に御説明をお願いいたします。
 島村聡参考人。

○島村聡参考人 それでは私のほうから、今の現状といいますか、政策的な課題を中心に今日は述べていきたいと思っております。
 よろしくお願いいたします。
 本日のお話というところで2ページ目のところにその概要を書いております。今回は総論的に言うと子供の権利の視点で今の施策の運用を見直していったほうがいいんじゃないかという御提案でございます。この表現を変えますと子供が子供であることを今は奪われているという状況について、お話をしていこうと思っています。これは剝奪というふうに僕らは―専門家は表現しております。この視点において、5つの点を述べていきます。住まいの確保、就労支援、給付のシステム、教育と福祉、それから地域の相談体制という点についてですので、次に移って行きます。
 3ページ目のほうで今進めている県の子供の貧困対策計画は今2期目に入っておりますけれども、それについて説明するわけではなく、これは先ほど申し上げたとおり、子供の権利の視点というのは子供を中心とした支援となっているのかどうか、さらに子供の参加や意見に配慮されているのかどうか。そして、身近な地域や家庭ごとに支援がちゃんと届いているのかどうかということについて、踏まえた議論をする必要があるし、それに伴った施策の運用の見直し、これをやっていく必要があるのではないかと思います。
 続いて、ページが打たれてませんが4ページ目です。
 これまで子供の貧困の構造というのがこのような形で、保護者の困り事があるとその子も追随して困り事になると。この見方は別に間違ってはいません。ただし、これだから親を直さないといけないんじゃないかという議論になりがちなんですが、でもそれをやっていると子供はなかなか浮かばれない状態なんですね。そこで子供の困り事にダイレクトに支援を延ばしていく。つまり剝奪ということで今言ったんですが、例えば物質的に物が買えないということがありますが、実は私たちの調査でも物質よりも環境とか、あるいは機会、つまり経験の剝奪というんですけれども、そういったものが非常に重要だということが分かっています。例えば環境で言えば家の広さの問題、自分の部屋が持てないとかというところとかありますし、さらに経験的に言うと家族旅行とか普通に行っている人が行けないというような状況があったり、塾に普通に行っているけど行けないとかという経験的な問題。こういったことが大きいと。ですから、そこに対する支援をダイレクトに行う必要があるということです。
 それを5ページ目、先ほど言ったように私が実はこういう絵で説明をいつもしておりますけれども、住宅、職場、あるいは給付、学校という全体的な生活について支援をしていかなければ、なかなか問題は解決しないぞということを言っております。それについて、それぞれちょっと述べていこうと思うのでここは飛ばしまして、次、ページが打たれてませんが6ページ目です。
 まず住宅の話をしますと、現在これは全国の不動産の関係団体へのアンケートのデータなんですけれども、赤で多分囲んである絵になっていると思いますが、そこに低所得世帯、ひとり親、子育て世帯の特徴が出ております。その中で家賃債務の保証について、これは賃貸人が拒否感を持つ要素です。ですから、例えば家賃債務保証がこの人たちはできないんじゃないかということで、この人を入居させないという方向に行くという意味ですね。そういった点で赤になっている点、低所得やひとり親は当然家賃債務保証が大きいんですが、それ以外に注目すべき子育て世帯もそうなんですが、入居トラブルの相談対応というところに大きな数字がいっているということが見えます。つまり面倒くさい存在だということで、入ってくるとトラブルが起こるというふうに見立てられているという実態があります。つまり、それを防ぐ必要があるんだけれども、手を打っていく必要があるということですね。それで、もう一つはひとり親に関しても見守りや生活支援というところの数字が上がっています。こういったことを対処しておかないと、なかなか入居先が見つからないということなんですよね。やっぱり安いところを探したいんだけれども、そういう条件をつけられてなかなか入れない。
 そこで7ページ目にちょっと提案をしておりますけれども、居住サポートということを考えています、住宅確保要配慮者という。これ国土交通省が法律の中でも使っている言葉ですけど、その人たちを支えるために今居住支援法人というのがつくられています。この居住支援法人を中心として、今言った3つ、例えば債務保証を解決する、それから企業のネットワークで物件探しをする、安心親子相談というのを入れて相談体制をつくる。これを受皿にすればできるのではないか。これを障害者では既に実現しています。居住サポート事業としてやっているので、それをただ横展開するだけの話なので十分可能だと思っています。
 続きます。8ページ目、今度は就労の問題です。
 就労で課題になっているのは、1歳児の母親の―これは沖縄県子ども調査の結果ですけれども、子育てに専念したいから働かないという理由はもちろん高いわけですが、引き続いて子供の預け先がないということから働けない。そしてまた、条件に合う雇用先がないなんていう要素も高いですね。さらに小5の保護者調査をやった場合に、ここで問題なのは子育てを優先したいという数字を見ていただければ一般数は63.2%とそう言っていますけど、低所得者層Ⅰ、つまりより貧困度の高い人は33%しかない。余裕がなくて子育て優先と言っているどころじゃないという、そういう状況が見て取れます。こういった問題をどう解決するかということなんですけれども、就労支援のイメージを9ページのほうにちょっと出しておりますが、これも実はモデルとしてはもう実現しつつあるんですけれども、就業時間の中で、働く中でスキルアップという。例えばIT系の企業なんか分かりやすいですけれども、働きながら学んで、そしてそのときちゃんとした正職員で雇用していただける保証がついている。そして訓練後の就職先も受入れ予定企業と連携していて、そこに入れる。そして、子供の保育所の問題にも相談ができる。やっぱり相談というのは必ずついているんですね。そういった3点セットで子育て支援認証企業というのを県独自にやっぱり発出してつくっていけばどうだろうと。例えば県では職業訓練企業もやっておられます。その間、無償で給料も払われますが、そういった形のものはセットで受けやすいし、右側にちょっとケアーマネージャーとか相談支援専門員とか書いてある、いわゆるヤングケアラーですね、そういった人たちにとっても、こういった形のシステムがあると非常に有効ではないかと考えています。実際の実践例としては、MOM FoR STARシステム、これはマムフォースターといいます。実際にIT系企業と東京の企業も含むですね、そこに就職をして、実際に給料も取って、スキルアップもできているというのもありますし、県の母子会も今チャレンジしています。
 続きまして、次は学校の話ですね。10ページ、11ページ辺りになります。
 まず10ページの絵は、これは文科省の絵です。チーム学校といいます。学校の教員が今個別の子供たちの問題に非常にエネルギーを割かれているということで、今は教員不足が著しい、一つの一端にこれもあるんじゃないかと言われています。そこをどう修正をかけていくかということで、チーム学校という構想はあるんですけれども、11ページ目の絵を見ていただきますと、教員と、それから右側のほうに教員が書いてあって、下にスクールカウンセラーやソーシャルワーカー、まあ外部から入ってくる相談者がいるわけですね。そこと連携を取っていけば、確かにうまくいくんですが、教員側はもう既にかなり忙しい状況。さらに外部の人たちは皆さん非常勤の方でして、そんなに頻繁に学校に行けない状態になっています。だから組合せがうまくいかないんですね。日程調整がうまくいかない。これじゃなかなか問題の解決につながらないということですね。そこでちょっと次の12ページ目を見ていただければと思いますが、どっかいいモデルはないかと思って、当時これは2022年に仲西中学校に出向きまして、神谷校長先生に話を聞いてきたんですが、ここでやっておられるのはすごくすばらしいシステムで、教育相談員が―これ教員なんですけれども、保護課ですね、生活保護ですね。家庭児童相談員、スクールソーシャルワーカー、小中アシスト、生徒サポーター、これは警察のOBさんで非行系の問題に関わっています。ゆめサポという―これは向こうのシステムですけど、学年主任などから参加者をセレクトして、司会と進行を学校のほうがやると。これは毎週火曜日の4校時に不登校、毎週水曜日の4校時に非行系という形で会議をしっかり組んで、外部の人を入れて見事に問題解決をやっておられました。ですから、やればできる、校長の判断、ここまでできるということが一つ証明できていると。
 もう一つはゆめサポートセンターというところがありまして、学校の中に居場所をつくっておられて、学校の居場所の中で問題を拾い上げるということができるということと、家庭との関係性をしっかりつくっておられるということをここで見ることができました。学校長としては本当は地域の福祉人材をもっと掘り起こしたいんだということをおっしゃっていて、非常に前向きな姿勢が見て取れました。やはり校長先生の姿勢一つでやれることはかなりあるんだろうというふうに考えたわけです。
 13ページ目の問題です。
 13ページは所得制限の話でして、これはもう皆さんも御存じかもしれませんが、大体ですね、制度の利用制限が非課税、あるいはひとり親じゃないといけないといったことが条件づけられております。これに対して実はまだ分析中で、まだ公開はしておりませんけれども、昨年行った高校生調査ですね、子供調査を分析していると、今回の特徴で自由記述欄に高校生自身がやっぱりこの所得制限の仕組みはおかしいんじゃないかということを言ってきているんですね。これはある意味ですばらしいというか、その気づきはいいなと思って見ていました。なぜならば、多子世帯、子供の多い世帯でも結局これはヤングケアラー状態なんですけど、1人が働いてアルバイトしたら所得税がかかっちゃったということがあって、それだけでもう貧困世帯ではないということで制度が受けられないという問題が起きています。それから、私も今うるま市さんのほうの子供調査をやったんですけど、そしたらこういう結果が出てきました。剝奪という指標をはめてみました。これは先ほど言った環境とか、あるいは持ち物の問題とかでもいいんですけど、そういったものが複数件見つかっている人とそれからクロス表をかけたのと、それからもう一個は普通どおり所得で見て、クロスをかけるということをやってみたら、もう剝奪が2点以上ある人は割と所得がある人でもたくさんいて、そういう人はかなり深刻な状況に陥っているというのが見て取れたんですね。これ非常に大きなデータじゃないかなと思っていて、これはやっぱり制度の利用制限をやっていますけれども、これは親の事情で所得が低いということだけなんですけど、実際子供のニーズというのはそれ以外のところにたくさんあって、そこにやっぱりさっきも私も言いましたけど、環境や、それから本人の経験にいくべき制度、もし適応できないとしたら問題だなというふうにちょっと思っています。だから運用改善がやっぱり必要ではないかと思っています。
 最後の項目ですけれども、14ページ目。
 地域の相談支援の体制のことなんですけれども、この1番目は要対協と言われている要保護児童対策地域協議会ですけれども、これは全県にもちろんあります。これは法定事項で児童福祉法に書かれています。そうすると、私も幾つかの要対協さんのお話をお伺いしましたが、そこはほぼ情報共有のみで終わっていて、問題解決のための議論はほとんどできない状況になっています。これは数が多いのと専門職が、さっき言った非常勤でしかないということもあって、なかなか機会が少ないんだろうということもありますが、やっぱりちょっと改善ができないかというふうに思っています。それで今私のほうが那覇市さんのほうに参りまして、那覇市のほうの改善を少しやっているところです。かなり、やっぱり1年半ぐらいかかっていますけど、雰囲気が変わってくるものです。特に個別の支援会議というシステムがあるんですけど、そこの中の回し方、それだけを少しいじるだけでも目標設定がはっきりしてくる。それからシートを変えるだけでも―つまりペーパーですね。そこにどんなことを書くかということを変えていくだけでも変わっていくということが分かってきているんですね。ですから、これはぜひ全県でもいろんな取組の中に広げていきたいと思っております。
 2番目、5の2と書いてあるところ。母子生活支援施設の広域利用の問題です。実は私今うるま市に入っていると言いました。うるま市のほうで入ってみても驚くほど若年母子の数が多い。そうすると若年母子の方々が中部病院から紹介をされてくるんですね。それで紹介された人を妊産婦の居場所というところで受皿として受け止めるんですが、パイが少ないものですから、すぐにいっぱいになってしまって問題の解決に至れないまま、どうしようどうしようとなっている実態が分かっています。ここはやっぱり専門性の高い、収容もできる、入所もできるようなタイプの施設がないとこれはまずいなというふうに思いました。つまり、母子生活支援施設はやっぱり必要なんですが、これを造るのを待っていると数年かかるので広域利用をできないかというふうに思っています。3市しか今ないですね、御存じのとおり沖縄市と那覇市と浦添市の3か所しかありません。それだとちょっと弱いですが、広域で利用したいというのは実は3市とも言っているんですね。お互いにやりましょうと言っているんですけど、なかなか県との調整もあってうまくいっていない。この辺りはなんとかしたいと思っています。
 それから、3つ目は子どもの重層的支援体制の整備と書いています。
 ちょっと言い飛ばしちゃいましたけど、15ページがその要対協の問題解決型のモデルですね。住宅関係とか、雇用の関係も入れて話合いを持ってはどうかという提案でございます。
 それから、5の3と書いてある―ページがちょっと飛んでしまって申し訳ございません。16ページ目ですね。重層的という言葉を使いましたけれども、実は皆さんもちょっと耳に挟んだことがあるかもしれませんが、今社会福祉法という法律が改正されて地域の中で重層的体制をつくるというのが法的な努力義務に入りました。それは何を言っているかというと地域の住民と、それから専門家という存在が連携をして地域課題の解決に当たる仕組みづくりを全ての市町村においてつくっていこうという流れです。これは今の、御存じのとおり、制度だけでは高齢者や障害者の問題は解決しないというところから端を発しているんですが、実はここの視点に子供が抜け落ちるという―その理由は社会福祉協議会さんが中心になってこの問題に対応するせいなんです。全国の社協に今調査をしているんですけど、子供の貧困に直接何らかの関わりを持っている社協というのは数が非常に少ないということが分かっています。ですからそういった問題、つまり重層を敷こうとしても子供が抜け落ちるということが起きているわけです。そこで沖縄は幸いにして内閣府の予算が入ったおかげで、今はこの16枚目の絵に示しているとおり、居場所の数がすばらしく多いです。これは全国で断トツにトップの数です。それも小学校区のまだ率で53.1%でしたけど、もうちょっと伸びていると思います。それから支援員の数ですね。市町村の貧困対策支援員も今75.6%の市町村に整備されている。こういったシステムを持っているのは沖縄しかない。これを生かすということが絶対重要だろうと思っていて、そのために最後のシートのほうにこういった形のシステムを全市町村に広げるための圏域コーディネーターというのが子ども未来政策課の予算でつけているところです。このコーディネーターさんの活動をどう支援していくかということ。あるいは、しっかり予算をつけて継続的に体制の支援をさせていくことによって、さっき言った要対協の活性化も可能になっていき、隅々まで施策が届く仕掛けになるのではないかというふうに思っています。
 以上、概略で20分ちょうどですね。
 以上で終わります。

○西銘純恵委員長 参考人の説明は終わりました。
 これより、参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 石原朝子委員。

○石原朝子委員 ちょっと教えてほしいんですけど、最後のページのこの17ページ。貧困状況にある子どもの重層的支援体制、圏域コーディネーターが中心にありますけれども、これをもう一度詳しく教えていただきますか。

○島村聡参考人 それでは説明いたします。
 17ページのこの絵ですけれども、さっきの16ページの絵が基本になっていて、16ページの絵にあるように市町村の体制がまずありきです。市町村に今貧困対策支援員を置いている。ただ率としてはまだ75.6%ですから、全市町村にいるわけじゃありませんが、その人がどういう役を果たしているかと言いますと、先ほど述べた、例えば要保護のような児童がいるとか、学校に行かない不登校の子供さんがいるとかということの連絡を受けて、貧困対策支援員はこの子供に寄り添います。大体そういった家庭は親も弱っている状態で、病気であったりとか、あるいは障害があるとかという人が多いんですが、やっぱり多子世帯で貧困だという人もいらっしゃいます。そういった家庭に入っていく役としてこの貧困対策支援員がいて、問題をそこから拾い出していただいて、その問題を解決する場所として今言った要対協であるとか、あるいはこの貧困対策支援員同士の集まり。その中でいろんな議論をしていて、このケースにはこう対応していこうとかという話合いをしているということですね。その際に今地域の力も借りていて、地域の民生委員さんであったり、自治会の方とかと連携していくとか、そのときに非常にクッションになっているのが居場所。居場所があって、居場所に行こうかということで居場所につないであげることで、その関わりがちゃんと居場所の中に自治会長も入ってきたりとか、住民が入ってきたりしてつながりができるというね。孤立感から、そっから逃れることができる。あるいは学習支援が受けられる。給食が、つまり食事支援が受けられるということがあって、ここで支援が得られるというね。この支援員と居場所って非常に対になって動いているというのが実態で、このシステムが沖縄にしかないと言っているのです。つまりこれを充実させていくこと、これがもう沖縄県にとっては一番重要なことであって、それから17枚目の絵でそれを裏支えする圏域コーディネーターという存在。これはどういうことかというと、市町村格差が激しい。はっきり言いますと町村、特に村とか町レベルになるとなかなかお金を投じることも難しいとか、人もいない。専門職はやっぱり町村でいないので、そこを専門職である圏域コーディネーターが行って、圏域で問題解決をしましょうということで圏域ごとに集まりを持っていこうということです。
 今子ども未来政策課にもその旨を強く申し上げているところですが、障害者の世界では既にそれはもう完成しているんです。簡単に言うと県の福祉事務所がございますが、そこを事務局にしてそこで集まりを持っていくという流れを20年来続けておりまして、それをモデルにしてということもやってみたらどうですかという話を私はしているけれども、やっぱりなかなかそこに足が届かない実態があって、圏域コーディネーターは非常に優秀なスタッフなんですけど、非常に苦労されているということもあってここを何とかしたいというのがこのイメージ図です。

○石原朝子委員 先生がおっしゃったこの構想というのは本当に理にかなっているし、必要だと思います。これ小さいバージョンでどこか市町村でやっているところはありますか、今この県……。

○島村聡参考人 市町村で、活発な市町村ももちろん出てきています。今南部のエリアで言えば、子供の貧困対策支援が徐々に活性化してきたかなというのが―那覇はもちろんやっていますけど。だから私今研修をしていますけれども、豊見城さんとか、あと糸満が最近研修を受けに来るようになって頑張ってきています。それから南城はスクールソーシャルワーカーのように支援員が動いていて、非常に優秀な人たちが活発にやってくれていますね。今言ったところは目立つところですね。

○石原朝子委員 今スクールソーシャルワーカーとか、各学校のほうで市町村
配置されていると思うんですけれども、いつも教育現場と福祉行政のところとの連携がなかなか他府県においても沖縄県においても協力体制が取れそうで取れないようなこの状況を、どのように改善していったらいいのかなと思うんですけれども、先生のお考えをお聞かせ願えますか。

○島村聡参考人 先ほど申し上げた点で言うと、このスクールソーシャルワーカーが非常勤で、しかも文科省の予算を3分の1補助事業ですけど、それを取って県が後押しをして各教育事務所に配置しているタイプの人と、それから市町村が自ら配置している人もいる。両方いるんですね。それを合わせ技で何とか今学校のカバーをしているという実態です。
 ただ、この方々皆さん非常勤職ですから、常勤的ではないので1人で担当している学校数が結構多いもんですから、毎日学校に行くわけにはいかない。そこで擦れ違います。学校の教員が来てほしいなというタイミングと合わない。すると学校の教員も自分も忙しいですから、もういいやという気持ちにもやっぱりなりやすいですね。一言で言うと頼りにならないと思われちゃうんです。これではやっぱりまずいなと思っていて、やっぱり配置をもっとしっかりする。スクールソーシャルワーカーはやっぱり県外でもすごく活躍している人なので、県内でも具体的な名前を言うわけにはいかないんですけど、中部のある市のスクールソーシャルワーカーはすごい活動をしていて、おかげで助かった生徒もたくさんいるんですよ。ですからこの人は本当に私から見てもちょっと大丈夫かなと思うような勤務形態です。そこはちょっと考えないといけないなと思っていますが、要はちゃんとやればうまくいくというのは分かっています。しかもすばらしい経歴を持った人が配属されていますから、やはりこれをちゃんと常勤化する、数ももうちょっと増やしてあげるということがやはり必要かなというふうに思います。

○石原朝子委員 先生としては県の教育委員会に対しては、このスクールソーシャルワーカーの正職化を推進してほしいということですよね。

○島村聡参考人 正職化ないし、もうちょっと常勤的な人を増やすということだと思います。

○石原朝子委員 やはり各市町村、教育委員会との連携がなかなか取れないために対象となる家庭、お子さんを本当に対応がなかなか、情報共有もできない、連携されていないまま、また学校を卒業した後の受入先となる行政が大変困っているような現状であるので、やはり福祉行政と学校現場としっかりと横の連携が取れるように仕組みづくりをするためには、やっぱりスクールソーシャルワーカーの働きは重要だということですよね、先生。

○島村聡参考人 おっしゃるとおり、1つ怖いのが中学校を出た後ですね。高校に行きますと情報がいきなりなくなってしまうんです。大阪の箕面市なんかでも見に行ってみたんですけど、その問題が大阪府と市の間で協議をしようということで始めておられました。やっぱりデータが全部高校に行っちゃうと市として把握できていませんので、行ったデータを箕面市に返してくださいという調整をされていました。実現がなかなか難しいと言っていましたけれども、そういった動きもやっている市があるというふうに聞いたことがありますので、沖縄の中においても情報の一元化とか、そういったことができないかという議論は必要かもしれないですね。

○石原朝子委員 分かりました。
 ありがとうございました。

○西銘純恵委員長 ほかに質疑はありませんか。
 新垣新委員。

○新垣新委員 今日は忙しい中、ありがとうございます。
 島村先生、質疑したいんですけど、自分自身は子供の貧困はないという定義で考えているもんですから、大人の貧困だから子供の貧困になってしまうというのが自分の率直な見解で、また教育者との意見交換でも同感だという形で質疑をしたいと思います。
 まず一番大事なことですね、僕は糸満市なんですけど、糸満市の歴代の関係各位との意見交換の中で無気力で働かない親をいかに働かすことが大事じゃないかが1点目。2点目にシングルマザーの就職支援。例えば今在宅でもITができる、何ができる。やはり周知とか、そういった活動等も大事じゃないかという形ですね。やはり母子支援、母子家庭のこういった支援も受けるのは受けて、働いて、子供たちに対するそういった支援等も行っていくのが大事じゃないかというこの地元の関係各位との意見交換の下で、それが負の連鎖を断ち切っていく一つの過程にならないかということで質疑をしたいんですけど、いかがでしょうか先生。

○島村聡参考人 今おっしゃった点2つは全く一緒の問題だと僕は思っております。無気力というふうに周りから見えるんですけれども、本人の中では頑張ろうとしている、しかしその頑張り方がよく分からないという。

○新垣新委員 空回り。

○島村聡参考人 はい。頑張り方が分からない人というのがやはりいらしゃって。どういうことかというと、例えば精神的な疾患を持っている人が頑張ろうとするとすごくしんどくなる。残念なんですけど、そうなると頑張ろうという気はある、けれども頑張ってしまうと自分がへたってしまうということがある。怖い。そういうタイプの方は最近ちょっと増えている傾向があって、それをどうするかということになると、じゃ頑張りましょうという言い方はほぼ無理、通らないですね。ゆっくりやりましょうと、ゆっくり時間をかけていきましょうよという言い方が一番正しいかなと思います。その場合にどういうふうなアプローチ、まあ時間のかけ方ですけれども、どうやるかということが問題になる。それはさすがに個別によって全然違うものですから、そのために支援をする人というのはやっぱり必要なんだということですね。現在では、例えば労福協さん、沖縄県労働者福祉基金協会のほうなんかに就労支援サポーターさんがいらっしゃいますよね。ああいった形の事業はやはりかなり重要になる。寄り添い型で本人と向き合ってじっくりじっくりやっていくという、そういう人がいて、いずれは働いていくということについて本人は意識がありますのでやってくれると思うんですけど、それまでの立ち上げというかそこに付き合う時間も結構必要になるということで、粘り強さが必要かなと私は感じています。

○新垣新委員 先生、ちょっと1点お聞きしたいんですけど、居場所と支援員の機能というのをちょっと逆さまに考えて、自分の考えですけど。やはり家庭、学校、地域、自治体の連携の下で先ほど言ったゆっくりゆっくり時間をかけて恥ずかしがらないで、人見知りしないで、お家に引き籠もらないでという形で、どうにか本土でいい事例がある―親をまず自立させていこうというゆっくりとしたプログラム的な自治体の取組とか、都道府県でもいいんですけどありますか。

○島村聡参考人 親のほうですかね。

○新垣新委員 そうです。

○島村聡参考人 親については割方沖縄のやっている支援の仕方はいいほうに入っています。はっきり言うと労福協のやっているような取組とかはなかなか全国的にもない。子供に関して言えばひきこもり支援については岡山県の総社市がやはり先駆的にやっておられて、そのときについでに親の支援もというのはあるというのは分かっています。片岡市長さんがやっているところです。

○新垣新委員 今先生がおっしゃるとおり、全く状況も理解できるという部分と一番ひきこもりの親が大変なんですよ。僕が今肌で感じている現場で多い意見があって、だから恥ずかしがらないで、引き籠もらないでゆっくりゆっくりしましょうという、少しでもいいから、バイトでもいいからこういう形で。800円の時給もあるよと。ゆっくりゆっくりいけば、1日1万円儲かるよとそういう形で子供にすてきな物を買ってあげようとか、そういう励ましながら、この支援員の大切さ。市町村、全国取り組んでいるというのは理解していますが、そこが今親のひきこもりというのが子供への負の連鎖があって、この負の連鎖がおかしくなって、ねじが止まらないというのが今の沖縄の全国一悪いという状況なもんですから、大体似たような形が恐らく見ているんじゃないかなと、沖縄の場合は独特であるんじゃないかなと理解していたんですが。
 先生、もう一度私から個人的な希望ですが、市町村にもう一度出向いていただいて―先生の講座を聞いてやはり学校が、家庭が、地域が、自治体がと。そういった連携もやはり居場所と支援員の機能と。また親の支援も両方パッケージで、先生頑張ってほしいということを要望して質疑を終わります。頑張ってください。
 ありがとうございます。

○西銘純恵委員長 ほかに質疑はありませんか。
 山内末子委員。

○山内末子委員 先生、ありがとうございます。
 今日のこの議論の中で、今の子供の貧困の対策についてはやっぱり子供の視点ということは、とっても重要だと思いますし、おっしゃっております、この5項目の中での具体的な政策の展開、これができるとかなり進んでいくのかなというふうにすごい納得をしているところなんですけれども、例えば一つ一つを見てみますと居住支援法人であったり、そういうことって今あるものに新たな展開というのがとても大きくて、これを一つ一つ、先生が5項目の具体的な提案をしていることの課題と壁、そういうものがとても大きいと思うんですよ。できれば本当にこれがすぐにできればいいんですけど、見ていますとやっぱり課題はすごい多いなと、山は高いなというように思いますので、そういった観点から、それでは私たち議会としてもどういうふうに行政、あるいは市町村、そして民間の皆さんで関係者も一緒になってこの具体的な提案について実行できるのか。この辺の課題と、そして提案、もう少し具体的にお聞かせ願いたいと思いますので、よろしくお願いします。

○島村聡参考人 1つ取り上げていきましょうか。例えばさっきの居住サポートですね。先ほど障害者では既にやっていますよという話をしました。これはどうしてできているかということですけど、一つは市町村に自立支援協議会、障害者の場合は自立支援協議会というんですけど、協議体がしっかりあるんですね。その協議体の中での議論としてこれが生み出されたという経緯があって、実は当時私は那覇市の担当課長になっていて、そこで自立支援協議会を立ち上げてこの議論を出しました。これはどっからヒントを得たかと言いますと、実は先駆的に取り組むということをやっているところを探したんですよ私。なかったです。残念ながらなくて、それで協議会を開いて実は障害者がさっきの6ページ目にある絵みたいに、障害者は避けられちゃうという実態は昔と変わっておりません。じゃそれはどうするかということで不動産関連の方、債務保証の会社の方もお呼びしました。精神障害者の入居している病院のスタッフも呼びました。そうしますとこういうことですね、精神障害者のスタッフの方々はこう言いました。うちの病院を退院してお家に住む、何か事を起こすとうちの病院のドクターが訴えられるんだよねと言いました。要はこの感覚なんだということですね。こちらに座っている不動産、つまり家主さんはどう言ったかというと、そういうこと言うけどうちのほうでそういうことはもう日々起こっている問題なんですよと。当然ですよね。だからそれを解決するために集まっているんじゃないですかという激論になりまして。これは多分子供であっても同じことが起きるんだろうなと思いますが、そしたらどういうふうに仲裁をしていったかというと債務保証の会社の方がいらっしゃって、その方がうちは顧客が不動産の方々、つまり家主さんになっていますと。だから家主さんを守るためにも何らかのシステムを提案したいですということをおっしゃってできたのがこのシステムなんですよ。債務保証はうちが面倒を見られると、企業だからできますよと。一方で24時間見守りをする体制もコールセンターがあるのでそれを使ってやりましょうという提案をしてくださった。それで一気に事が進んで、じゃ那覇市がその後の費用の一部を負担しますのでそういう形はできませんかねという議論がまとまって、このシステムが平成18年度に始まりました。これは子供の議論をやったらもっとみんなも分かる話だし、できないはずはないと思うし、受皿になる居住支援法人は先ほど言った債務保証の会社が既に取得していて、現に県内で活動していますし、そこは公営住宅の指定管理ももう4か所受けているという会社ですから、実現可能性はそんなに難しくないと。それをただ応用すれば済むということ。子供の居場所もやっておられるので非常に分かりやすいということですね。沖縄はそういう意味でそういう法人があるというだけでも非常にもう既に恵まれているなというふうに思います。

○山内末子委員 今のお話を聞いていると1つの壁にぶつかったら、ほかの周りの壁をみんなで考えていけば、今回先生が出されていることって割とハードルが高いように見えるんですけれども、そういった観点からは、例えば所得制限の課題であったり、今ありました学校と地域との課題であったり、そういうところもぶち当たってしまうと、なかなかここでもどん詰まりになるようなイメージがあるんですけど、今おっしゃっていたことを考えるとどん詰まりになったところは横からとか、後ろからとか、そういったことを考えていけばそんなに私もこれは難しいことではないんですけど、なかなかやっていないのが現状だと思うんですよね。これをさせていくということがとても大事だと思うんですけど、その辺は現状的にはどうでしょうか。

○島村聡参考人 これを言うとまた県に愚痴を言っているみたいな感じになっちゃうかもしれないけど、協働という言葉があるじゃないですか。市民と協働するという。その協働感というのと、やっぱり縦割りをどう超えるかという。横でどう解決するかという感覚がちょっと県庁さんに今乏しくなっている。これちょっと申し訳ないんですけれども、私は県庁の協働の体制づくりについて研修の講師も過去にやったことがありまして、もう10年以上前ですけど。その時の感覚からすれば前よりもちょっと悪くなっているというふうに個人的に感じていて、だからそういった感覚さえ捨てれば、捨てればというか前に向けばすごくうまく前に進むような話です。例えば県営住宅がございますよね。県営住宅の中に1つだけでも、1室だけでもそういう居場所、あるいは高齢者向けで言えば訪問看護ステーションでも、ケアマネのステーションでもいいんですけど、入れてあげるだけでそこは非常に相談がしやすい環境が生まれるんですね。この提案もずっとやっています。県のプランづくりの中でもやっていますけど、なかなか引き受けてもらえないという。やっぱり既存の規則とか、そういったものに非常にこだわっておられるかもしれないし。でも那覇市では既に市営住宅の中に障害者のグループホームを入れています。新築ごとに入れるというシステム、僕昔つくったんですけど、その制度はできているわけですね。これは法令上問題ないです。だからこういう柔軟にやればすぐできることをまだやっていないだけというふうに私は受け止めています。

○山内末子委員 もう時間ですよね。
 ぜひ先生のほうでもう一度、協働の講演を職員にもやっていただいて―とても大きな問題だと思いますけど、今言う沖縄の昔からのユイマールであったり、そういった精神とかシステムをとにかくつくり上げるというのは沖縄はとても上手ではあると思いますので、やる気と方法を少しみんなで共有していくというのがとても大事かなと思いますので、ぜひそういった観点からもこれからもまたいろんなアドバイスをよろしくお願いいたします。
 ありがとうございます。

○西銘純恵委員長 ほかに質疑はありませんか。
 新垣淑豊委員。

○新垣淑豊委員 今日はどうもありがとうございます。
 まず所得制限の課題というところなんですけど、実は私も委員会でも何度も所得制限はぜひ撤廃するというところをしっかりやっていただきたいということは言っているんですけれども、特にこの13ページにもあるように多子世帯ですよね。所得はそれなりにあるんだけれども、例えば年が近い子供がいると一気にお金が出ていくという状況があるんですけれども、県内でやはりこういったところで困り感が見える世帯というのはやはりかなりあるもんなんでしょうか。

○島村聡参考人 かなりという数が把握できているかというと、まだできていないですね。子供調査において出たデータを再分析すれば出ると思います。多子世帯を、例えば4人以上の子供というように定義して、そのデータだけを抜き取れば見えると思います。まだちょっと私はそこまでやっていないです。

○新垣淑豊委員 本当に先生が先ほどおっしゃっていたように親ではなくて、しっかり子供にフォローをするというところも大事だと思っています。実は過去の文教厚生委員会でもお話したんですけれども、我々もそれなりに所得はいただいているんですけれども、やはり親の財布の具合というのはそれぞれやっぱり違いますので、例えば所得はいっぱいもらっていても実はそこから借入の返済があるとか、そういった流れがあるので割と所得制限をかけるにしても、もっともっと実際の実情というものをしっかりと調査していただきたい。むしろもうないほうがいいですね。そこは我々もしっかりと提案をしていくんですけれども、やっぱり民間のほうからももっとその辺の声はぜひ上げていただきたいなというふうに思っていますので、これはぜひお願いをしたいと思います。
 あと14ページなんですけれども、地域の相談支援体制のところで先ほど要対協の件でシートを変えるというお話をされていたかと思うんですけれども、例えばそれぞれの地域で指標が異なっているのか、例えば欄が異なっているとかですね。例えばそれを共有するという場というのは県として今あるのかどうかというのをちょっと教えていただけませんか。

○島村聡参考人 ありがとうございます。
 県としてはないですね。要は児童相談所は事務局的に関わってくる―オブザーバーで市町村の要対協に入ってくるという仕掛けになっていて、児童相談所がどこがどんな体制になっているかということは把握はされています。しかしそれをどうするという議論をする場はないという状況です。

○新垣淑豊委員 ということは、仮に糸満市がすごいいい動きをしていますと、そのことについてどういった指標で動いているかというのを、ほかの地域がそれを知るということにはなかなか今難しいという状況という理解でよろしいですか。

○島村聡参考人 沖縄県で言えば、子ども未来政策課が課長会議があると思うんですよね。全市町村にこういった事例がありますよという事例紹介としては出したことがあります。その程度だと思います。

○新垣淑豊委員 先ほどもおっしゃっていましたけど、そのシートを変えるだけでやはり内容というのは大きく変わるよという話だったと思うんですけれども、これはぜひ委員会を、例えば県で設置したほうがよいという認識でよろしいですか。

○島村聡参考人 私が先ほど申し上げた中で言うと、圏域ごとにそういった会議を持つ必要性があるんじゃないかと。やっぱり弱い町村をどう支えるかという意味で言いましたが、その上にやっぱり全県の協議体を設けるという形ができれば一番いいというふうに思います。

○新垣淑豊委員 ありがとうございます。
 ちなみにその圏域ごと、また全県というふうになりますけれども、参加する対象というのはどういった方々が好ましいとお考えですか。

○島村聡参考人 圏域の場合であれば、圏域にいる市町村の先ほど言った家庭児童相談員さんであったり、担当の課長さんもそうですけど、そういった人たちが圏域会議には大体参加、障害者の場合は主査クラスとか、そういう人がよく出てこられて問題を解決したいなという課題をお持ちになってくるという形ですね。その中に部会もできていて、就労支援の部会があったり、居住支援の部会があるとか、あと障害児童―子供の場合はちょっと難しい支援が必要なので児童の部会があったりというふうに、そういうふうに圏域の中に構成されている。ここまでしっかりやっているのは全国で沖縄だけなんですよ。圏域会議が非常に有効に動いているというのは全国的に評価が高い。それをまた取りまとめている県の自立支援協議会というのがあって、そこはさすがに代表者クラスというか、私も学識経験者で入っていますけど、県にも部会が構築されていて就労支援部会、同じように居住の部会、子供の部会という。部会が―ちょっと数ははっきり覚えていませんけど、8から10ぐらいの間の部会がもう構築されていて、そこの部会長さんで構成されているような形で、あとは学識みたいな人間が入ってくるんですね。関係機関の代表者、精神保健センター長とかそんな人が入ってくるような構成ですね。

○新垣淑豊委員 ということは今もう既に圏域の分は動いている。

○島村聡参考人 障害者も。

○新垣淑豊委員 障害児の分は。なるほど。
 じゃ子供の貧困に対しても、ぜひそういった形での会議体の設立、細かなところまで含めてしっかりと設立するようにということで陳情審査のときに申し伝えたいと思います。
 ありがとうございました。以上です。

○西銘純恵委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘啓史郎委員。

○西銘啓史郎委員 14ページですか、よろしくお願いします。
 要保護児童対策地域協議会ですけれども、41市町村に設置されているとありますが、この中では要保護児童の認定と情報共有に終始しているとございます。課題解決へと導ける会議に改善すべきとあって、次の15ページ、これが理想のモデルという理解でよろしいですか。

○島村聡参考人 これはあくまでも理想というか、その市町村によってはこういう形にはならないかもしれません。小さいところは1人で2役、3役やっている職員もいますから、もっとコンパクトにできると思うんですけど、那覇市くらいになるとこんな形になります。

○西銘啓史郎委員 恐らく市町村によって人員体制や予算もまちまちでしょうし、今先生がおっしゃったようにこの取組の重さ、本来ある目的が達成できていないとか、今先生が言っているように課題解決すべき組織なのにそれができていないということは大きいと思うんですよね。
 今15ページ、さっきに戻りますけれども、先ほど県でも縦割りとおっしゃいました。私たちもいろいろ見ていると行政、予算もそれについてるんで、横断的な予算といってもなかなかおのおの、例えば予算があり、その予算をどう使うかを、またいろいろ課の中で議論するでしょうから非常に大事なことはやはりこういったものを先生が言うように課題を解決する、設置が目的ではなくて、協議会も要対協議会のほうもそう。本来は課題を解決すべきだと僕はずっと思っているんです。そのために常に言われるのが、人がいません、予算がありませんということがありますよね。それで一番最初のページに戻るんですけど、先生が上げた5つの項目の中で、例えば予算が必要なもの、または条令や法律を変えなければならないもの、要はもう市町村でできること、県でできること、国を動かさないとできないことがあると思うんですよね。その一つ一つを優先順位をつけて、じゃこれからやっていこう、我々県議会ですから県としてできることをどのように項目を超短期と中期、長期に分けて課題解決していかないと、恐らくごちゃ混ぜになると急ぐべきものが後回しになったりという気がするんですよ。私も全部不勉強で大変恐縮ですけど、この1から5のものについても恐らく先生が考えている頭の中にあるイメージが予算、人、それから条例、法律という3つでくくったときに何を先にどうしたほうがいいのかというのは、どのようなイメージをお持ちですか。よければ教えてください。

○島村聡参考人 優先順位はなかなか難しいなと思っていますけれども、予算という点で言うと、例えば1番の住まいのシステムというのはあんまり予算はかかりません。見方を変えるだけで済むということで、例えば先ほど言った居住支援法人というのは既にある。そこはそういう姿勢を持って法人格を取っています。つまりこういった言葉で言いますと、先ほど私が申し上げたんですけど、住宅確保要配慮者という言葉。これをなくすためと言ったら残念ですが、この人たちを支援するためにつくった法人が居住支援法人となります。ですからこれが県内にも数か所もうできてきた。であればそこに話を持っていく。こういうことを県としてやっていきたいんだけどどうでしょうかという話をしたときに、じゃどういう条件が必要なのかという議論はすぐにでも始められるんではないかと思っていて、その莫大な予算がないとこの仕事しませんよという話にはならないんじゃないかと思います。那覇市の現予算を私はまだ把握していませんけど、今は。見ていただいて、この程度でできるのかということを見ていただければ、納得していただけるのではないかと。同じことが住宅以外にも言えていて、学校なんかはもうぜんぜん予算の問題じゃなくて姿勢の問題という感じになりますよね。ですから、それと就労のほうも企業はもともと今人材不足の状況ですので、人を育ててその人が二重にというか、1つは貧困から脱することができるということと、企業のイメージアップにもつながるような話ですし、県としてもそういった企業を認証するということで、そんなに莫大な予算がかかるとは思えないので。ともかくやってみたらできるものが、とんとんとんとあるというふうにイメージしていただいたほうが近いと私は思います。

○西銘啓史郎委員 最後に1点。
 これ十何ページかな。仲西中学校の取組がありますね。やはりこういった校長先生の思い一つでこんなに変わっていくという事例ですけど、やはりこういったものを教育委員会もどんどんほかの学校にもいい事例がありますよという話とか、それから心配なのが校長が替わるとまたこれができなくなるとかですね。だから、人に頼るところではなくて、この辺はもちろん行政も含めて、教育委員会等も含めて成功事例はどんどんPRして共有したほうがいいと思うんですけど、この辺の動きというのは、先生から今どのように見えますか。

○島村聡参考人 ありがとうございます。
 浦添市教育委員会はこの仕組みをどう捉えているかということになると、あんまり前向きに捉えていないように―私の感覚ですよ、これ。直接担当者にヒアリングしているわけではありませんが。というのは、横展開する動きが全くないんです、今のところ。神谷校長が今度浦西中学校に赴任されています。昨年異動されて、その結果浦西中学校でもやはり動きを徐々にしているようなんですが、やはり仲西に残した仕組みがそのまましっかりと残って、根づいていくということがあれば、次に来る校長もどんどんそれを引き継いでいくので、必然的に横に広がっていくはずなので。これがもし仲西がやめてしまったとなれば消えてしまう。ここをやはりなくさないように支えるということをちょっとやっていきたいんですが、県教育庁はあまり多分ここには口を出してくれそうにもない。管轄が違うという話ですね。小中の権限は市町村にありますので。そこで終わってしまいそうな感じがするんですよ。

○西銘啓史郎委員 今はもう、仲西中学校ではこの制度はないんですか。

○島村聡参考人 まだ行っています。
 
○西銘啓史郎委員 分かりました。
 以上です。

○西銘純恵委員長 ほかに質疑はありませんか。
 喜友名智子委員。

○喜友名智子委員 お忙しいところ、お話ありがとうございます。
 幾つか質問をさせてください。
 まず住宅確保の仕組みですね。これはやっぱり私はひとり親の視点からちょっと申し上げたいんですけれども、やっぱり保証人を探したり、その保証会社に払うお金というのも所得が二人親の世帯に比べるとやっぱり半分というなかでは非常に金銭的負担も重いし、沖縄だと個人で保証人も探さないといけない。かつ保証会社にお金も払わないといけないという、なかなかハードルの高い家探しになる状況はやはりあると思っています。ただ一方で貸主さん側、家主側の相談も幾つか受けたことがあって、特に私が相談を受けたのは障害のある方、耳の聞こえない方に家を貸したときに、やっぱり退居されたときの家の使い方が非常になっていなくて、清掃代にすごい時間がかかったからちょっともう貸したくないんだよねとか。これは別の家主さんから、多子世帯のお子さんがいるひとり親に部屋を貸すともう途端にほかの住民からクレームがくるようになったと。うるさい、駐車場でしょっちゅう遊び回っていて事故を起こしそうになると。これがひとり親だからというわけでは必ずしもないんじゃないかなと思いますけど、やっぱりそこはどうしても色眼鏡で見られてしまうところはあると思うんですよね。そのときに、例えばこういう住宅支援が必要な方、住宅確保要配慮者の入居に関して今沖縄で求められている物件のパターンというか、そういうのは何かあるんでしょうか。例えば今沖縄だと不動産の投資がやっぱり民間市場では活発なので、銀行が割合と融資しやすいワンルームマンションって比較的に新規で建つなという印象があるんですね。まとまった土地が多少出るとマンションもすぐできたりすると。こういう不動産の供給はすごく活発なのに、本当に人が生きるための需要に対してどうしてこんなに物件があんまり出てこないんだろうというギャップを埋めるのがこの法人だと思うんですけど、この中で住宅確保要配慮者の方たちが求める物件のパターンってやっぱりあるんじゃないかなと思っているんです。普通に見ると生活に困っていたり、支援が必要だったら公営住宅に入ればいいじゃないかという方が多分多いであろうと思います。ただ公営住宅もやっぱり行政の予算の都合でどうしても新築が限られていたり、那覇市内だとやっぱり200人ぐらい待つ公営住宅もあるわけですよね。だからそういう中で民間の地域の中で住宅を探すというときに、どういうエリア、どういう物件が求められているのか、こういうことについて何か現状がありましたら教えてください。

○島村聡参考人 現状といいますか、県外での話が参考になるかもしれませんが、やはり空き家です。ターゲットになっているのは空き家で、空き家をどうやってリノベーションをかけていくかということによって活用していこうという動き。それから、コーポレート型住宅という複数の世帯で借りるという形に誘導していく施策とか。あるいは、障害があったり、そういったハンディーがあって周りがちょっと迷惑がるようなタイプの人。そのために特化した形で相談をしながら入れていくという、そういう法人をつくっている。そういった会社もある。県外ではかなり実践例がもう既にたくさんあって、沖縄はやっぱりさっきおっしゃったように新築需要というか、どんどん新しいマンションに投資をしている実態はあるけれども、そことはちょっと違うゾーン。そこにやっぱりターゲットを当てるのが僕は一番大事だと思っていて、空き家は相当数ありまして、那覇市内でもピーク時1万戸ぐらい空いていると言われたこともあるわけで、だからそれをどう活用するか。家主さんも面倒が起きるぐらいだったら貸さないという姿勢のほうになっちゃいますね。それは沖縄が個人家主が多いというそういう背景もあると思うんですよね。ですから、ここをどう突破するかというか、やっぱり間に人が入って、この人を信用して私は貸しますよという、それが居住支援法人の一つの大きな役割になっていて、貸してもらえる可能性はぐっと広がるというふうに考えています。

○喜友名智子委員 この居住支援法人というのはあんまり沖縄でもまだまだ認知度は低いかなと思うんですが、一般的な不動産、賃貸する不動産会社に比べての事業的な特徴の違いはどういったところにあるんでしょうか。

○島村聡参考人 これは企業的な発想ではなくて、先ほど言った住宅確保要配慮者をいかに住宅につなげるかということをやる、そういったことを使命として法人として指定を受けている団体です。ですから、基本的に特化していて、そういった住宅確保―例えば1つの企業があって、その企業が別に法人格としてこの居住支援法人を取っているというのが大体実態です。この居住支援法人としての活動はあくまでも要配慮者のみに特化しているという形を取っています。

○喜友名智子委員 ありがとうございました。
 あともう一つ、おっしゃっていたのは那覇市の要対協の会議の進め方の改善支援に入っているというお話を少し詳しくお聞かせいただきたいんですけれども、1年半で課題解決型に何とかなってきたと。そのときに会議の中でどういう点に工夫をして、単なる情報共有型から課題解決型へと導いてきたのか。そのプロセスというか、詳しいお話をお聞かせいただけますか。

○島村聡参考人 時間がないのでそんなには話せないんですけど、一端を話せば当初の会議は、前回の会議からこの会議の間の動き、混乱ケースしか出てこないんですけれども、その人たちの動きをつぶさに説明をしておられました。これだけで時間が2時間かかりました。だからそれはもう止めようと、この際。それは毎回聞いても同じだから。特にこのケースだけは言わないといけないケース、例えば5つぐらいに絞ってそれだけを説明する。そうしたらこれで大体10分で終わっちゃうんで、残りの時間を新しい課題の解決の仕組みづくりをどうするかという議論をしましょうというふうに変えたんです。そうしたらやっぱりどんどん意見が出たという。それまで多分御不満があったのだなと、ここに来てどうやって時間を潰そうかぐらいの感覚だったものが、ここで意見を言えば通る雰囲気が出てきたなという、やっぱり人が変わったというか、雰囲気が変わりましたね。これ実務者会議というレベルです。そこでやってみました。それを今度個別の支援会議等に、皆さんが出ていって現場でやっている会議の組立て方というのをどうしようかという議論に少し話を持っていったときに、いやいや今使っているシート、これがちょっと複雑すぎると。これを書き込むだけで労力が大変で会議から逃げたがる人が多いんだよという話が出てきて、じゃシートを思いっきり簡単にしようという話になって、本当に簡素化したんですよ。それがようやく個別支援会議をこれでやろうねということを約束して、全員に通達したのが前回の会議です。ここから多分雰囲気が劇的に変わっていくと思います。

○喜友名智子委員 ありがとうございます。
 
○西銘純恵委員長 ほかに質疑はありませんか。
 玉城健一郎委員。

○玉城健一郎委員 ありがとうございます。
 私のほうも住宅のほうなんですけど、住宅確保要配慮者のところで子供に対する配慮というのができていないという話をされています。もともとこの制度自体が沖縄県居住支援協議会の中でしっかり議論されて、例えば高齢者だったりとか、障害者だったりとか、外国人とか、それぞれで配慮者に対してしっかりやらないといけないんだと思うんですけれども、そこで子供に対する議論―子育て世代に対する支援の議論というのができてなかったというのが今こういった事態になっているのかなと思うんですけれども、先生から見て沖縄県の協議会って機能しているように見えますか。

○島村聡参考人 すごい難しい質問ですけど、やはり視点としては弱いと思います。子供の部分よりは高齢者の議論になっているなという印象があって、高齢者の場合でも議論したとして、じゃそのために、つまりこの方が入居しやすい物件を今リストアップして実はネットに載せているんです。ただ、これを調べて見るとほとんどがもう済みって書いてある、もう予約済みみたいな感じになってすぐになくなってしまう。これじゃ機能していないじゃないという話になるけれども、じゃそれをどう変えるかという議論が十分に行われていない実態がありますから、やはり機能という意味ではまだ不十分だというふうに思いますし、先ほど言っている、私も言った県営住宅の中にそういったものを入れていく、障害者の施設、高齢者のね、機関的なものを入れてみるとか、子供の居場所を1つ入れてみようとかという議論にはなっていないということもありますから、実践的な話がなかなかできていないのかなというふうにちょっと思います。

○玉城健一郎委員 私地元が宜野湾なんですけれども、協議会での議論とかはよくされているんですけど、実際に担当者レベルになってくるともともとこういったところ、すごい受け入れてくれる不動産屋さんに連絡して、そこで住宅を探すという話をよく聞くんですよ。だからなかなか協議会自体もあまり機能していないし、那覇市みたいに居住法人、支援法人がしっかりしているところがいるんだったらそれでできると思うんですけど、そういったのがないところはやっぱり個人レベルで行政だったり、個人のつてでやっているところがあって、なかなかあんまりちょっと体制が弱いのかなというのを常に感じているんですね。これを強化して協議会自体を活性化させるためにどのようなことが必要だと思いますか、先生。

○島村聡参考人 今のは自立支援協議会の話になっていると思うんですけれども、それは私は今沖縄市、浦添市、那覇市はちょっとだけ関わっていますけど、ずっと入っていて、やはり最初は同じでした。協議会の運営の仕方がやっぱりちょっと、さっき言ったみたいに報告会になっているという、あるいは事例検討会になっているだけで課題解決型にやっぱりなっていないというのはありました。それを一気に変えようとしても急には変えられないので、沖縄市の場合でも2年がかりぐらいで今の状況になったんですけど、やっぱり部会の中で議論をされて、居住支援のこと。それを私報告をいただいて、逐一どんな議論をしたんですかという議論をいただいて、その議論の仕方ですね。課題の方向じゃなくて愚痴のこぼし合いになってしまうとか、もう駄目、できないよね議論になってるというのがやはり多くなっていたんですね。そこをじゃヒントを1つ、2つ挙げて、さっき言った先駆例がありますよね、那覇みたいな。先駆例があるので、先駆例のときはこういうふうにやったんですよと話をしてあげるだけで少しずつ方向性を変えて―そんな形が浦添なんかもう一からやりました。立ち上げの段階からやって。今はもう浦添の協議会なんかぜひ参考にしてもらえればいいと思うんですけど、ようやく議論がまともにできているという感じを私は受けます。

○玉城健一郎委員 ありがとうございます。
 別なんですけど、こういった子供の支援とかそういったところに関わっている方って非常勤が非常に多いじゃないですか、先生も指摘されているんですけど。非常勤でこの人たちの生活も大変なんですが、結局支援をずっと関係性を親御さんも含めてつくったところで、また異動になったりとか、この人が雇い止めに遭ったりとかして、結局そこでぱつんと切れて、またゼロから関係性をつくるという事例をよく聞くんですけれども、そういったものに対して先生はどのようにお考えかなという。

○島村聡参考人 ありていに言えば常勤化すべきだというふうに思いますし、私も相談支援歴はかなり長いほうで、社会福祉士という資格を持っていてもう三十数年やっていますけど、やはりノウハウが詰まっていかないとやっぱり相談に乗れないんですよ。それが3年ぐらいで今切られちゃう。それはその人自身もノウハウが積めないまま、次の異動先でもやっぱり一からになっちゃうだろうし。どうやっても10年かかるんですよ、人づくりって。この相談支援の世界。それを前提にやっぱり考えた制度設計をしてほしいというふうには思います。

○玉城健一郎委員 以上です。
 ありがとうございます。

○西銘純恵委員長 ほかに質疑はありませんか。
 仲田弘毅委員。

○仲田弘毅委員 どうもお疲れさまです。
 14ページ、地域の相談支援体制で5の1から5の3までいろいろ御説明ありましたけど、2番目の母子生活支援施設の広域利用というところで残念ながら11市のうち3市しか受皿である施設ができていないということですが、この那覇、浦添、沖縄市以外でできていないという理由は何でしょうかね。

○島村聡参考人 難しいんですけど、昔はこれを母子寮と呼んでおりました。母子寮時代からあるのが沖縄市、浦添市ですね。那覇市は新しい母子生活支援施設という名前になったときにちょうど私が企画してつくったという経緯が過去にありまして、それはやっぱり土地の問題が一番大きかったんですけれども、それをクリアできたので一気に話をしました。それ以外のところがなぜやらないのかというところを言うと、言葉的に合っているかどうか分かりませんが、母子というものに対しての認識があんまりないなと。母子問題がこんなに大変なんだということについての認識があまりない。だから、それまで必要性感じずに造ってこなかったんだろうなと思うんですが、さっき言ったようにうるま市のような状況になってくると、もうとんでもなくやらなきゃいけない状態に多分なります。受皿がないんで、はいさよならというのはとてもできるような雰囲気の親子じゃないもんですから。そういうことを考えたときにどんな形でもいいから専門職と泊まるところをセットで持つという仕組みはつくったほうがいいと思います。

○仲田弘毅委員 残念ながら、私はうるま市の出身なんですが、これからその件を含めながら中村市長ともいろいろお話をしていかなくちゃいけないなと。
 先ほど先生の御説明の中で内閣府のサポートがありましたというお話ですが、これは県と国と、この3か所の市とはどういうふうな連携でなされておりますか。

○島村聡参考人 これは内閣府の交付金です。交付金になっておりまして、県分の交付金と市町村分の交付金に分かれていて、市町村分はさっき言った貧困対策支援員や居場所の設置についての予算ですね。県はそれ以外の広域的な居場所をつくったりとか、さっき言った妊産婦の居場所をつくったりとか、やや広域的な役割を果たすところについては交付金が県に入ってます。

○仲田弘毅委員 幸いにもある国会議員が大臣を退任するときに沖縄県の子供貧困、あるいは子ども・子育て基金として毎年1億ずつ―これが大きな力になっていると思いますが、ぜひそれぞれの専門家的な立場からも県に国のそういった施策をしっかりと対応できるような提言をしていただきたい。
 これを要望して終わります。

○西銘純恵委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○西銘純恵委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、参考人に対する質疑を終結いたします。
 この際、委員会を代表して、参考人に一言お礼を申し上げます。
 本日はお忙しい中にもかかわらず、貴重な御説明をいただき心から感謝いたします。
 本日拝聴いたしました内容等につきましては、今後の委員会審査に十分生かしてまいりたいと思います。
 大変ありがとうございました。
 休憩いたします。

   (休憩中に、参考人と説明員の入替え)

○西銘純恵委員長 再開いたします。
 次に、子ども生活福祉部等関係の陳情令和2年第79号を議題といたします。
 また、本日の説明員として、子ども生活福祉部長及び教育長の出席を求めております。
 ただいまの陳情について、子ども生活福祉部長等の説明を求めます。
 なお、継続の陳情については、前定例会以降の新しい事実についてのみ説明をお願いいたします。
 宮平道子子ども生活福祉部長。

○宮平道子子ども生活福祉部長 ただいまお手元のタブレットに通知しました陳情に関する説明資料の陳情一覧を御覧ください。
 子ども生活福祉部関係の陳情については、継続が1件となっております。
 継続の陳情につきましては、処理方針に変更はありませんので、説明を省略させていただきます。
 以上で、陳情の処理方針についての説明を終わります。

○玉城学教育指導統括監 ただいまお手元のタブレットに通知しました陳情に関する説明資料の陳情一覧を御覧ください。
 継続審議となっております陳情1件につきましては、処理方針に変更がありますので説明させていただきます。
 資料4ページの下線部を御覧ください。
 陳情第79号「子供の教育環境の充実」を求める陳情処理方針項目1に係る処理方針を変更しておりますので、御説明いたします。
 学校給食費の無償化については、令和5年度には学校給食費支援事業において保護者や市町村にアンケートを行い、学校給食費の支援の在り方について市町村と協議を行ってまいります。
 以上で、陳情の処理方針についての説明を終わります。

○西銘純恵委員長 子ども生活福祉部長等の説明は終わりました。
 これより、陳情に対する質疑を行います。
 質疑に当たっては、委員自らタブレットの発表者となり、陳情番号を申し述べてから、説明資料の該当ページを表示し、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行うようお願いいたします。
 また、この際、執行部の皆様に申し上げます。
 答弁に際しては要点をまとめ、要領よく行い、円滑な委員会運営が図られるよう御協力をお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 新垣淑豊委員。

○新垣淑豊委員 ありがとうございます。
 すみません、先ほど参考人招致をいたしまして、その中で出てきたお話の中で要保護児童対策地域協議会、こちらの運用改善ということが上げられておりました。その際に、それぞれの市町村のほうの要対協があると思うんですけれども、そこの連携をするための組織というものが少し薄いんじゃないかというような御指摘がありまして、例えば圏域ごと、南部であったり、中部であったり、北部であったりとかですね。こういった形ですね、ぜひその圏域ごとの連携を取る仕組みをつくっていただきたいというようなお話がありましたけれども、これについて改善、今後の方針等々がございましたら教えていただけますでしょうか。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 要対協は41市町村全てに設置されているところです。
 委員御案内のとおり、要対協は例えば、就学前でしたらメンバーとしては児相、保育園、保健所等が介してその子についてのケース検討会議や情報共有等を行うんですけれども、その場合は当然市町村主催の会議ではありますけれども、児相が広域的専門的な立場から助言をしたり、例えば児相はこのケースについてはこういうケースワークを行うので、保育園でもし児童がこういう状況で登園してきたらすぐに児相に報告して、必要によっては保護を行うとか、そういったような議論が行われておりますので、市町村が中心になって開催しつつ、児相が専門的な助言を行うというような仕組みと理解しております。

○新垣淑豊委員 なので、それぞれの市町村と児相との関係はいいんですけれども、横の連携をつくっていただくような仕組みがほしいということをお話をされておりましたので、我々もそれは非常にいいことだなということで、ぜひこの横の連携をつなぐための圏域的な会議、要は情報共有会ですね。こういったものと県全体、例えばこういった指標でいろんな調査をしているとか、この指標の違いで様々に変わってきますよというお話がございましたので、ぜひそこをつくっていただきたいなということを要望させていただきいんですけれども、これはいかがでしょうか。

○宮平道子子ども生活福祉部長 先ほど要対協ではなく子供の貧困に対しても圏域別にできないかというお話があったというふうに受け止めております。それについては今圏域別にアドバイザーを配置しまして、そこを核として取り組んでいく、ここを充実することによって取り組んでいくことができるのではないかというふうに思っております。要対協につきましては、まずは個々のケースについての情報共有、その対策について検討していくという場になるかと思います。なので、そこで取り扱われる情報についてはどこまで共有ができるのかというところはあると思います。ただ先ほど先生がおっしゃられていたような、例えばシートの見直しをすれば劇的に変わったというようなアドバイスもございましたので、まずはそういったところから横に広げていくことができないかというところについて検討していきたいというふうに考えております。

○新垣淑豊委員 やはりどこかを介してよりも、実際に直接いろいろな意見を聞く場が、お互いに話す場があったほうが僕は早いんじゃないかなと思っておりますし、どうしても誰かの介在を入れるとそこに対するバイアスがかかるんですよ。なので、直接やっぱりそこで一次的に話を聞くということは非常に大事だと思いますので、ぜひ御検討をいただきたいなということを要望したいと思います。
 もう一点ですけれども、これも母子生活支援施設の広域利用というところですが、なかなか3市にあるところ―こちらはぜひやりたいという話があるけれども、なかなか県としての調整ができていませんというお話がありましたので、ぜひですね、ここもゆいはぁと事業があるということも存じておりますけれども、ぜひこの広域の利用ということについても御検討をいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

○宮城和一郎青少年・子ども家庭課長 委員おっしゃるとおり、母子生活支援施設は3市です。郡部についてはゆいはぁと事業でそれに代替するようなサービスを県が今やっているところですけれども、市においても石垣市、うるま市、糸満市さんは今ゆいはぁと事業をやっていただいて、来年度から宮古島市さんにゆいはぁとをやっていただきます。
 ただ、それだけでは十分ではないと思われますので、母子生活支援施設の広域利用についても他県の例などをちょっと県のほうで情報収集して、那覇市さん、浦添市さん、沖縄市さんと連携して広域利用の在り方について検討していきたいと考えています。

○新垣淑豊委員 ありがとうございます。
 ぜひそれぞれの市町村に丸投げして終わるというわけではなくて、そこに対しての予算的な措置も必要になってくるかと思いますので、そこをしっかりと充実させていただきたいということを要望して終わります。

○西銘純恵委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○西銘純恵委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、子ども生活福祉部等関係の陳情に対する質疑を終結いたします。
 説明員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 休憩いたします。

   (休憩中に、執行部退席)

○西銘純恵委員長 再開いたします。
 次に、陳情の採決を議題といたします。
 陳情に対する質疑については全て終結し、採決を残すのみとなっております。
 陳情の採決に入ります前に、その取扱いについて御協議をお願いいたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、議案等採決区分表により協議)

○西銘純恵委員長 再開いたします。
 お諮りいたします。
 陳情令和2年第79号については休憩中に御協議いたしましたとおり継続することに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○西銘純恵委員長 御異議なしと認めます。 
 よって、さよう決定いたしました。
 次に、閉会中継続審査・調査事件についてを議題といたします。
 先ほど、閉会中継続審査・調査すべきものとして決定した陳情1件と、本委員会付議事件を閉会中継続審査及び調査事件として、議長に申し出たいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○西銘純恵委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 以上で、本委員会に付託された陳情等の処理は全て終了いたしました。
 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。






沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

 委員長  西 銘 純 恵