委員会記録・調査報告等

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公共交通ネットワーク特別委員会記録
 
平成30年 第 3定例会

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開会の日時

年月日平成30年3月23日 曜日
開会午前 10 時 41
散会午後 0 時 19

場所


第5委員会室


議題


1 鉄軌道を含む公共交通ネットワークの整備拡充並びにこれらに関連する諸 問題の調査及び対策の樹立(鉄軌道の計画案づくりについて)
2 陳情平成28年第45号の5、同第60号、同第90号、同第128号、陳情平成29年第3号の5、同第7号の2、同第46号の5、同第87号、同第94号の5、同第125号、同第126号の4及び同第133号
3 閉会中継続審査・調査について


出席委員

委 員 長  玉 城   満 君
副委員長  当 山 勝 利 君
委  員  西 銘 啓史郎 君
委  員  座 波   一 君
委  員  座喜味 一 幸 君
委  員  翁 長 政 俊 君
委  員  狩 俣 信 子 さん
委  員  大 城 一 馬 君
委  員  平 良 昭 一 君
委  員  玉 城 武 光 君
委  員  比 嘉 瑞 己 君
委  員  上 原   章 君
委  員  大 城 憲 幸 君


欠席委員

なし


説明のため出席した者の職・氏名

 知事公室基地対策課副参事 伊 田 幸 司 君
企画部長  川 満 誠 一 君
企画振興統括監 嘉 数   登 君
交通政策課長 座 安   治 君
 交通政策課公共交通推進室長  宮 城   優 君
土木建築部建築都市統括監 嘉 川 陽 一 君




○玉城満委員長 ただいまから、公共交通ネットワーク特別委員会を開会いたします。
 本委員会付議事件鉄軌道を含む公共交通ネットワークの整備拡充並びにこれらに関連する諸問題の調査及び対策の樹立に係る鉄軌道の計画案づくりについて、陳情平成28年第45号の5外11件及び閉会中継続審査・調査についてを一括して議題といたします。
 本日の説明員として、企画部長、知事公室長及び土木建築部長の出席を求めております。
 まず初めに、鉄軌道の計画案づくりについて審査を行います。
 ただいまの議題について、企画部長の説明を求めます。
 川満誠一企画部長。

○川満誠一企画部長 これより、沖縄鉄軌道計画案づくりにおける取り組みにつきまして、お手元に配付させていただきましたおきなわ鉄軌道ニュース第7号に沿って御説明申し上げます。
 まず、2ページの上段をごらんください。
 こちらでは、沖縄鉄軌道計画案づくりの検討の流れをお示ししております。鉄軌道の計画案づくりは、平成26年10月から、5つのステップで段階的に検討を進めており、平成29年12月からはステップ5として推奨ルート案の選定と、それに基づく概略計画案などの取りまとめの段階に入っているところでございます。
 構想段階の検討に当たりましては、各段階での検討状況につきまして、県民の皆様に情報提供を行い、御意見をいただきながら、また、専門家の皆様にはさまざまな観点から御審議いただき、慎重かつ丁寧に検討を進めてまいりました。
 現在は、1月18日の第8回沖縄鉄軌道計画検討委員会で、C派生案が推奨ルート案として選定されたことから、選定の理由や推奨ルート案に基づく概略計画案などについて、県民の皆様へ情報を提供し、意見募集を行うパブリックコメントを、去る2月6日から3月7日までの約1カ月間実施したところでございます。
 3月30日に予定している第9回沖縄鉄軌道計画検討委員会では、パブリックコメントでいただいた意見を踏まえ、検討開始から推奨ルート案選定までの経緯を取りまとめた計画書案について確認することとしております。まもなく構想段階としての、沖縄鉄軌道計画案づくりを完了する予定として進めているところでございます。
 続きまして、下段で、構想段階から開業までの大まかな取り組みの流れをお示ししております。
 先ほど御説明申し上げましたとおり、沖縄鉄軌道計画案づくりは、構想段階ということでございまして、この図の検討の流れの中の、青色白抜きで示しておりますところで、おおむねのルート案などの概略計画について検討を進めてきたところでございます。構想段階の次の段階、すなわち計画段階では、どこを通るのか、どの場所に駅を設置するのかといった具体的な整備計画の検討とあわせて、同計画に基づく費用便益分析などの詳細検討により、事業実施の可否などが判断されることとなります。また、施設の整備や保有から運航までを運航事業者が行う上下一体方式では黒字化は困難との試算結果が得られていることから、県といたしましては公設民営型の上下分離方式となる、全国新幹線鉄道整備法を参考とした特例制度が必要であると考えており、構想段階における計画案策定後も、引き続き特例制度の創設等、早期の事業化を国に働きかけてまいりたいと考えております。計画段階の後は、概略設計や環境アセスメントなどの工事着手に必要な法手続を行った上で、工事着手へと進むことになります。
 次に、3ページをお開きください。
 ここでは推奨ルート案の選定における考え方についてお示ししております。推奨ルート案の選定に当たりましては、沖縄21世紀ビジョンで描く将来の姿の実現に向けた県土の均衡ある発展や、県民や観光客の移動利便性の向上など6つの視点のほか、県民の皆様から求められた効果・ニーズ、配慮・留意事項などの視点を踏まえ、4つの視点を整理いたしました。
 まず、効果が高く、より多くの地域や県民、観光客が利便性を享受することが可能かを確認する視点として、事業効果。2つ目に、持続的な運営が可能かを確認する視点として、持続性。3つ目に、建設にかかる経費及び効果を比較する視点として、事業費・工期。最後に、工事の実施が可能で、環境などについて重大な影響を及ぼすおそれがないかを確認する視点として、事業実施上の留意点など、これら4つの視点に基づいて、総合的な観点から推奨ルート案の選定を行ったところであります。
 次に、4ページから5ページの見開きをごらんください。
 4つの視点に基づく推奨ルート案の選定結果についてお示ししております。計画検討委員会では、7つの案のうち、C派生案が推奨ルート案として選定されたところでございますが、上の段には先ほど御説明申し上げました、4つの視点のそれぞれについて、C派生案が選定された理由をお示ししております。
 まず事業効果の視点では、人口及び宿泊施設が集積する地域を経由し、かつ中部の東西いずれの地域からのアクセスもよいため、鉄軌道及び公共交通利用者数、自動車から公共交通への利用転換量が特に多く、便益は最も高いことに加え、時間短縮効果も一定程度期待でき、通勤・通学圏域の拡大効果も最も高く、ほかの案に比べてより高い効果が期待できること。
 次に、持続性の観点から、上下分離方式を適用した場合の累積黒字転換年は、那覇-宜野湾間で国道330号ケースと国道58号ケースを想定しており、330号ケースの場合は1年、58号ケースの場合は30年と、事業実施の目安となる開業後30年から40年以内での累積資金収支の黒字転換が可能であること。
 次に、事業費・工期の観点からは、事業費は6000億円から6100億円とやや高くなり、工期は15年と比較的長くはなりますが、極端に高額ということではなく、最新工法の採用などによっては事業費の縮減も期待できるなど、縮減に向けた検討の余地があること。
 次に、事業実施上の留意点などの視点では、事業実施に当たっては、施工中の自動車交通への影響や、自然、生活環境への配慮などが必要ではあるものの、計画段階以降、設計・施工において、何らかの対策を講じることにより、重大な影響の回避・低減などが可能であること。
 以上、これら4つの視点に基づく総合的観点からの検討の結果、C派生案が推奨ルート案として選定されたものであります。
 さらに下段には4つの検討の視点で、それぞれに関連する評価項目とその結果について整理し、表にして示しております。表の左上の凡例でお示ししてありますとおり、採算性以外の各評価結果について、トップとの差が5%以内となっているものは、特に効果が高い項目として、オレンジ色で整理しております。また、トップとの差が20%以上開いているものについては、比較的効果が低い項目として、グレーで色分けしております。採算性につきましては、事業実施の目安となっている30年から40年以内での黒字転換が可能であるものをオレンジ色で、黒字転換しないものをグレーで表示しております。また、項目ごとにそれぞれのルート案の特徴については、メリットを丸で、デメリットを三角で示しております。
 次に、6ページをごらんください。
 ここでは、推奨ルート案に基づく概略計画案についてお示ししております。沖縄県では、公共交通軸の構築や、公共交通の有機的連携による移動利便性の向上、交通の円滑化などを図るため、骨格軸とフィーダー交通が連携する利便性の高い、公共交通ネットワークを図ることが必要であると考えております。
このため、概略計画案は推奨ルート案に基づく骨格軸と、フィーダー交通ネットワークで構成しており、そのイメージ図を左側にお示ししております。右側には、推奨ルート案に基づく骨格軸について、起・終点、経由地、想定するシステム、駅位置の考え方についてそれぞれお示ししております。なお、起・終点につきましては、那覇市及び名護市としているところですが、公共交通の利用環境改善などによる公共交通の需要増加も考えられることから、将来的には鉄軌道の延伸などについて、公共交通の利用状況や地域のニーズなども踏まえて検討していく旨を記載してるところでございます。
 下段には、フィーダー交通ネットワークのあり方等についてお示ししております。一番下の米印でお示ししてありますとおり、鉄軌道と接続した具体的な路線につきましては、計画段階以降、駅位置の検討を踏まえて行うこととなりますが、各地域における交通の現状と課題を踏まえた交通の充実につきましては、構想段階終了後、市町村や既存公共交通事業者等との共同により、検討を行っていくこととしております。
 次に、7ページの上段をごらんください。
 今後必要な検討事項などとして、計画段階以降に検討が必要な事項と取り組みをお示ししております。2ページでも御説明申し上げましたが、構想段階としての沖縄鉄軌道案づくりとしては、おおむねのルートや駅位置の考え方等の概略的な検討を行ってまいりました。次の計画段階においては、詳細な分析が行われた上で、事業実施の判断がなされることとなりますが、鉄軌道の導入に当たり、必要な検討事項におきましては、システム・ルート・構造のほか、環境・景観への影響の低減等、その詳細な検討がなされるべき事項として提示されております。
 また、沖縄21世紀ビジョンで示された将来の姿の実現のためには、鉄軌道導入に向けた検討とあわせて、にぎわいのある街づくりや、公共交通の利用環境改善など、市町村や交通事業者などと連携して取り組んでいく必要があるほか、各地域のさらなる魅力の向上に向けた取り組みを進めていく必要があり、鉄軌道導入とあわせて必要な取り組みとして整理していくところであります。
 7ページの下段には、本取り組みにおける検討プロセスについて整理しております。沖縄鉄軌道計画案づくりにおきましては、技術及び計画検討委員会を設置して、客観的データ等に基づき検討を進めるとともに、県民の皆様との情報共有や、寄せられた意見への対応が適切であったかどうかをプロセス検討委員会において確認しながら取り組みを進めてまいりました。本取り組みでは、沖縄21世紀ビジョンで示された目指すべき将来の姿や、陸上交通の現状と課題を踏まえ、その対策として骨格軸と連携するフィーダー交通ネットワークの構築など必要な取り組みについて検討を進めるとともに、県民の皆様から寄せられた意見につきましては、各種視点から検討の上、評価項目やルート案の追加を行うなどして、必要に応じて取り入れながら幅広い視点で検討を進めてまいったところであります。また、取り組みの進捗に応じて、おきなわ鉄軌道ニュースやパネル展示により、県民の皆様に情報提供を行い、御意見をいただきながら検討を進めてきた結果、右にお示ししているとおり、延べ6万1000人を超える皆様からの御意見をいただくことができました。
 最後のページをごらんください。
 去る2月6日から3月7日までの間、6ページから7ページに記載した概略計画案などにつきまして、パブリックコメントを実施したところでございます。これに合わせて、ごらんのスケジュールで公共施設や商業施設等、合計55カ所においてパネル展示を実施し、このうち41カ所で県職員を配置したオープンハウスを実施することで、これまで同様県民の皆様に対して丁寧な情報提供に努めてきたところでございます。この期間中に826人の県民の皆様から意見が寄せられました。これらの概要と対応につきましては、現在取りまとめて、整理中でございますが、3月30日に予定している第9回沖縄鉄軌道計画検討委員会で御報告させていただく予定といたしております。

○玉城満委員長 企画部長の説明は終わりました。
 これより、鉄軌道の計画案づくりについて質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 座波一委員。

○座波一委員 平成30年度の取り組みの説明において、早期の計画案の決定をして、次の段階に移るという話がありますが、このC派生案が決定したということについて、後で行われるこれに関する陳情もありますし、ルート案から外れたところの市町村からの意見等々も出てきているわけですが、その辺の調整はできているのですか。

○宮城優交通政策課公共交通推進室長 各圏域の市町村の方々にも市町村会議等で御説明をさせていただきました。今後、その会議の中でも構想段階終了後は、各地域の皆様と共同で地域の公共交通のあり方等について協議を行っていきたいという御説明をしたところでございます。

○座波一委員 その辺の調整は、これからいろいろ出てくるかと思いますが、事業は最終段階のステップ5で計画は決定したという考え方でいいわけですか。その説明というのは、市町村への説明もこのようにしますと、経済団体も含めて説明をして、本格的に事業化に向けるという意味合いでの説明なのですか。

○宮城優交通政策課公共交通推進室長 3月2日に市町村会議を実施いたしまして、その中で本日と同様に推奨ルート案を選定するに至った経緯等の御説明と、今後の概略計画決定後の市町村との話し合いのことも含めまして、御説明したところでございます。

○座波一委員 事業化に向けた動きとなるわけですが、どうしても国との調整の中で、ビー・バイ・シーの問題がどうやらクリアされていないという、説明が足りていないのではないか。県民も含めて、ビー・バイ・シーというのは今の時点でどの位置にあるのですか。

○宮城優交通政策課公共交通推進室長 我々の行ってまいりました構想段階における鉄軌道の計画案づくりにおきましては、ステップ4の段階で便益について各ルート案の比較を行う際に活用させていただいたところであります。内閣府の調査におきましても、確かにビー・バイ・シー等の課題が示されている状況でございますので、今後ともそのあたりにつきましては調査・検討を引き続き行っていきたいと考えているところでございます。

○座波一委員 事業化と言うが、ビー・バイ・シーがクリアされない限りは次に進めるのですか。これはそのほかの事業においても、県の説明から言っても、ビー・バイ・シーがクリアされなければ、公費投入は難しいのだという説明は県からも受けていたと思います。それは見通しとしてはクリアできるのですか。

○宮城優交通政策課公共交通推進室長 内閣府におきましても、鉄軌道の調査・検討が行われているわけですが、あちらのルート案の採算性が―ビー・バイ・シーにつきましては、基本的に鉄道の通常の整備方針である上下一体方式を前提にした検討がなされているところでございます。そのため、我々の構想段階における検討におきましても、やはり上下一体方式では採算性が非常に厳しいということで、全国新幹線鉄道整備法を参考にした特例制度の創設が必要であるということで、それを踏まえて国に働きかけようというところでございます。

○座波一委員 上下一体方式では無理だと、当初から言っているとおりだと思います。分離方式にすれば、30年で採算がクリアするという説明なのですね。ただ、この採算性とビー・バイ・シーの問題は別問題なのです。ビー・バイ・シーというのは入り口なのですから。この採算性というのは、あくまでも上下分離方式でしか成り立たないわけです。ですから、その上下分離方式を採用してもらうためにも、ビー・バイ・シーの説得ができるかということですよ。これはクリアできますか。

○宮城優交通政策課公共交通推進室長 ステップ4の検討におきましては、便益の部分につきましても参考までにビー・バイ・シーの算出というものも行いました。その中で、やはり現在、社会的割引率が4%ということになっているわけですが、仮に近年の国債の利回りをもとに約1.5%で設定した場合には、ビー・バイ・シーは1を超える可能性もあるということが見えてきましたので、それらも踏まえまして、今後ビー・バイ・シーのビーに当たる便益の検討については引き続き調査を行っていきたいと考えているところでございます。

○座波一委員 利回りの問題が出ましたが、これとビー・バイ・シーのビーとはどういう関係ですか。もう一度説明してください。

○宮城優交通政策課公共交通推進室長 国におきましては、事業費等を計算する際に、鉄道の場合は過去の国債の利回りの20年から30年を見て、利回りを参考に社会的割引率というものを設定しているわけです。その社会的割引率をもとに将来の費用について割り戻しを行うという試算を行っているわけですが、その率が4%に設定されているところでございます。ただ、国債の利回り等も近年の景気の動向によって、現在は大体1.5%程度で推移しているということで、仮にそのような形で計算を行った場合はどうなるのかということの試算を行ったところでありまして、その場合は、ビー・バイ・シーが1を超える可能性があるということでございます。

○座波一委員 ビーの部分は収益性を高めるという部分なのです。それが今の説明では少しわかりにくい―この国債の利回りがどうの、割引率がどうのという話なのですが、それは当然内閣府から指摘されている需要の喚起という点では、そういう説明はできないのですか。この需要をもっと高めると、ビーというのはその部分ですね。そういう説明はないのですか。県民にとっては、全く説得力がないと思います。

○川満誠一企画部長 若干補足します。ビー・バイ・シーの社会的割引率等々につきましては、調達コスト―シーの部分を小さくするという努力でございますが、御指摘のようなビーのベネフィットは、県民の皆様の公共交通の利用の転換量を大きくする、あるいは観光客の利便性を高める等々でふやしていきたいということがベースにございます。

○座波一委員 このシーの部分のコストなのですが、地下トンネルの部分が多いという説明が前回の委員会ではありましたが、トンネル方式になるとそのコストがかかると。これは工期的には用地買収の手間暇がかからないから早いとしても、このコストの部分での検討というのは、今やっているのですか。トンネルありきなのですか。いろんな委員の皆さんからも、トンネルよりもやはり観光地としての部分を強調した、観光に資するようなものがいいのではないかという意見もありましたが、トンネルからのいろいろな見直しとかも検討されているのですか。これはシーの部分にも影響すると思うのですが。

○宮城優交通政策課公共交通推進室長 我々の検討におきましては、基本的に市街地につきましては用地の確保及びコストも含めて、やはり期間も含めてかなり時間等を要することが予想されたものですから、基本的には、まず道路空間を利用するということを考えております。特に市街地については通常は高架橋のほうが安く事業費は済むのですが、国道58号や330号に高架橋を設置した場合には、中央分離帯付近に片側2メートルずつ、トータル4メートルほどの専用空間を要するわけでございます。その場合、片側1車線ずつを潰すことになるものですから、それはなかなか交通渋滞を引き起こしかねないということで、やはり道路の拡幅が必要になってくると。そうした場合には、結局数千億円ほど事業費がかさむということで、それを比較した結果、地下のほうが安いという結論に至っているところでございます。

○座波一委員 これは、いろいろ工夫してシーを―経費を抑えたとして、事業が最終的には成り立つという説明ではありますが、どうしてもこの入り口部分での経費というのは当然かかってくるわけですから、ビー・バイ・シーという意味では、これでは難しいのではないかという見方があると思うのです。先ほどから言っているこのビーをふやしてシーを減らすという工夫ですね。それが努力として見えてこないのではないかという指摘があると思いますが、いかがですか。

○宮城優交通政策課公共交通推進室長 先ほど、企画部長からも御説明させていただいたとおり、現在トンネルの工法も新しい工法ができている状況でございますので、それを踏まえて計画段階以降はしっかりとコストの縮減、シーの部分についての調査・検討も引き続きしっかりと行っていきたいと考えております。

○座波一委員 いわゆる新幹線整備法の中で、全国的な動きを見ると、鉄道計画もそれでやられていると思いますが、これも上下分離方式ですか。

○宮城優交通政策課公共交通推進室長 そのとおりでございます。

○座波一委員 その上下分離方式を、今回沖縄もそうするということの中で、当然、全国的なものは最初のビー・バイ・シーの部分はクリアしていたと思いますが、どうでしょうか。

○宮城優交通政策課公共交通推進室長 我々が行ってきた構想段階における検討につきましては、あくまで概略的な計画になっておりまして、次の計画段階以降、現地の地形等も詳細に調査しながら、ビー・バイ・シーについてもしっかりとクリアして、事業採択に向けて動いていきたいと考えているところでございます。

○座波一委員 特例制度の創設という意味は、どういうことを想定していますか。

○宮城優交通政策課公共交通推進室長 全国新幹線鉄道整備法に基づく整備新幹線の場合は、国が事業費の3分の2、地方公共団体が3分の1、さらにそこに交付税措置もされるということで、地方公共団体の負担は最終的に20%を切るような形の仕組みになっております。それらの制度を参考にしたような、沖縄ならではの制度をつくっていただきたいというところでございます。

○座波一委員 フィーダー系統の整備というのですか、全体的な需要喚起を高める意味でも、フィーダー系統の調整というものはとても重要だと思うのです。これまで鉄軌道であり、バスでもあり、それを県民に示した中でルート案を説得する材料にもなるし、さらに声の多かった南部地域への延伸も、そういった要望があったにもかかわらず、その答えがなかなか納得できるものでもないということがあるものですから、そういうことも総合的に取り組んでこそビー・バイ・シーの改善になるのではないかと思うのですが、そこが全く今の段階では見えないと。あるいはMICEの問題も同様なのですが、必ずやMICEの施設は集客力があると県は言っているわけです。集客力があるにもかかわらず、そこに鉄軌道、あるいはLRTを導入しても採算性をとれないというような企画部としての考え方があるようですが、どうして採算性がとれないのですか。そこはどうなのですか。

○宮城優交通政策課公共交通推進室長 那覇市から与那原町方面への延伸についての検討につきましては、鉄軌道はやはり大量輸送が可能なシステムということで、その分事業費も非常にかさむという状況でございます。そのため、同じ設定条件のもとで延伸を与那原町方面にした場合は、毎年度8億円程度の赤字という試算結果になったものですから、現時点において延伸は行わないと。あくまで起点、終点は那覇市-名護市ということになっております。ただし、お配りしているニューズレターの概略計画の中に、終点の下に米印の形でなお書きで記載しておりますが、公共交通の利用環境改善などによる利用促進が図られ、公共交通の需要が増加することも考えられることから、将来的には鉄軌道の延伸などについて、公共交通の利用状況や地域のニーズなども踏まえ検討していくことになりました、という形で計画の中にも盛り込んでいくと。さらに、企画部長からも説明があったとおり、フィーダー交通も含めた各地域の公共交通のあり方、充実につきましては、しっかり―少しエリア分け等々については、まだこれから考えていきますが、市町村の職員、バス事業者等々の皆様と共同で検討を行ってまいりたいと考えております。

○座波一委員 やはり全体的な収益性を高めるためには、フィーダー系の整備構想まで打ち立てないと改善しないと思います。今、時期的に見ても南部の人口もふえている。糸満市や与那原町もふえているし、さらにMICE構想がある与那原地域に向けても広げる構想を立てて、さらにこの鉄軌道と結ぶということを言わない、やらない限り、全体のビー・バイ・シーのバランスはとれないと思います。収益性については事業者の問題ですから、そこはそこで余りそればかり言うと県民はどうせできるものだと。国がお金さえ入れればできるものだと思いますから、そうではなくて基本的な部分で立ち行かないのはそこにあるのだということを我々は議論しないといけないと思うのです。基本的な部分で、もう少しそういう便益生を高める工夫がないのかということです。

○宮城優交通政策課公共交通推進室長 我々の検討におきましては、骨格軸とフィーダー交通が連携する利便性の高い公共交通ネットワークのあり方というところを検討してきたところでございますので、以前から御質疑いただいているとおり、フィーダー交通につきましては、しっかりと今後話し合っていきたいと考えているところでございます。

○玉城満委員長 ほかに質疑はありませんか。
 大城憲幸委員。

○大城憲幸委員 2ページについて質疑します。
 まず1点、確認いたしますが、今ステップ5ということで、考え方としては、もう今年度までにこの構想段階の最終のステップ5を終えるということで、この概略計画の策定については、平成30年度にやるということになるのか、その辺の説明をお願いします。

○宮城優交通政策課公共交通推進室長 最終の計画検討委員会を来週3月30日の金曜日に開催することを予定しております。その中で取りまとめを行った上で、知事に対してその計画案を手交していただいて、恐らく日程的にも年度明けになってしまうかもしれませんが、年度当初には県の計画案を決定していきたいと考えております。

○大城憲幸委員 今の話からすると、ステップ5と並行してというか、それを整理しながら今パブリックコメントをたくさんいただいているわけですが、この下の概略計画の策定を並行してやっていますので、基本的には平成29年度いっぱいで、ここまで終わらせるという認識でいいですか。

○宮城優交通政策課公共交通推進室長 そのとおりでございます。

○大城憲幸委員 先ほどもありました、最終案を見てみるとトンネルばかりで観光に資するという意味でもどうなのかとか、また最近は路面電車がコスト的にどうなのとかあるのですが、このステップを分けてこれまで議論を積み重ねてきたというのは、当然さまざまな意見がある。そういう中で1つの案に絞らなければ前に進めない。そういうことでステップを分けてやってきたという認識なのです。ですからそういう意味では、今、根本的に路面電車はどうなのかとか、トンネルが多すぎるからそれを根本的に変えたらどうなのかという部分については、県としてはもう手続的には過去で議論をしてきたものという認識なのですか。その辺の認識をお答えください。

○宮城優交通政策課公共交通推進室長 構想段階における計画案の検討におきまして、ルートにおける構造については、地形図などから把握できる範囲で市街地部と郊外部に分けて想定を行ったところであります。具体的な整備計画を策定する次の計画段階におきましては、現場の状況を詳細に把握―地形とか地質もそうですが、それらを把握した上で経済性、環境面などのさまざまな観点から具体的なルートや構造について検討し、決定していくということになります。

○大城憲幸委員 我々も、どこまで議論していいのかというところは迷うところで、さまざまな意見も出るものですから。とりあえず、今の認識としては、もうここまで―基本的には、この構想段階で県の構想はステップ5で一回閉じますと。そしてこの下の、構想段階の後について、事業化判断における計画段階においてはもう国の仕事というイメージだったのですが、今の話からすると国に事業化に向けた理解を求めながら、県としてもこの計画段階についても平成30年度も取り組んでいくという話に聞こえるのですが、具体的にこの国と県のすみ分けというものはどうなっているのですか。

○宮城優交通政策課公共交通推進室長 計画段階におきまして、この整備計画等を策定した後も、事業化に向けての判断、法的な手続等が実施されるものですから、整備計画については、もちろん事業主体において策定されるということでありまして、事業主体は特例制度の創設など国との調整において決定されることになります。

○大城憲幸委員 その辺は、多分並行して進めるという話になると思うのです。事業化するのは国の判断がないとできない。そういう中で、平成30年度はそういう計画段階の部分というのは全て国がやるものではないという認識―その辺がわかりにくいのですが、もう一度、答弁をお願いします。

○宮城優交通政策課公共交通推進室長 例えばの話になってしまうのですが、国が整備計画をつくる整備主体になるという場合におきましても、やはり県もその中にかかわるという形も当然あるわけでございます。そのあたりの詳細につきましては、今後、調整しながら決定していくということでございます。

○大城憲幸委員 答弁がわかりにくくて、もう少し後で整理しますが、やはり危惧するところとしては、まずは構想段階のもので何がしかのたたき台というか、県民の思いを一つにまとめなければいけないというのはそのとおりだと思うのです。ただ、そういうのを皆さんが頑張って丁寧にやってきたつもりなのでしょうが、なかなか県民の思いを一つに絞り切れていないと思っているものですから、そのような印象があります。ただ、それを平成30年度こういうものを含めて県民の思いを一つにしていきますと。そういう努力をしていきますということなのでしょうが、非常にきついなという印象を持っているものですから、頑張っていただきたいというのが1つあります。もう一つは、県も平成30年度に約1億円くらいまた予算を組んで鉄軌道についての調査研究を進めるということですが、やはり県とこの案のすり合わせというものが、大分温度差があるように感じるわけです。だから、平成30年度の取り組みとしては、先ほど言った県民の思いを一つにするという努力を、具体的にどうやっていくのかというのがなかなか見えない部分と、国とのすり合わせについて、現時点でどのくらいまで議論が進んでいるのか。平成30年度は具体的にどのように県としてやっていくのか。簡潔でいいですから、考え方をお答えください。

○宮城優交通政策課公共交通推進室長 先ほど座波委員からの質疑にもお答えしましたとおり、市町村会議、県民会議等の場において説明してきた流れの中で、やはり基幹軸としての考え方は理解できると。フィーダー交通をしっかりと検討してほしいという御意見が大勢を占めている状況でございます。そのあたりも、次年度以降しっかりと調整をしながら進めていきたいということ。また、次年度以降、我々もシンポジウム等を開催しながら、県民の機運の醸成も図ると。さらに担当部署としましては、先ほどのビー・バイ・シーの部分について、ぜひ調査・研究の深掘りをしていきたいと考えているところでございます。

○玉城満委員長 ほかに質疑はありませんか。
 比嘉瑞己委員。

○比嘉瑞己委員 7ページを中心に質疑します。
 今回、県の構想段階が終わって、いよいよ次の段階―計画段階に移るということです。7ページに必要な検討事項等が書かれているのですが、その点について少し聞きたいのですが、今回の県の構想段階では、あくまでおおむねのルートが決まったということだと理解しています。今、県民の関心の大きなものの一つに、そのルートの上を何が走るのか。このシステムの問題について明確な提示はありませんが、この上を走るシステムについては、次の段階の計画段階で決定していくという理解でいいですか。

○宮城優交通政策課公共交通推進室長 路線延長が60キロメートルから70キロメートルある那覇市と名護市を1時間で結ぶためには、最高速度が100キロメートル以上出すことが可能なシステムが求められたことから、構想段階における計画案検討におきましては、システムとして―ニューズレターでも図面の横の想定するシステムの下に例示がございますが、専用軌道を有するシステムということで、鉄道、モノレール、LRTを想定しているところでございます。次の計画段階におきましては、システムとして速達性、気象とか災害への対応、コスト縮減など、さまざまな観点から検討を行い、決定していくということになります。

○比嘉瑞己委員 この中でLRTも書かれていて、今後の議論によっては、私は十分可能性がある選択肢になるのかと思います。
 もう一つの検討の中で、先ほどから質疑があります、ルートですが、地下トンネル、高架、山岳トンネルといった構造になっていますが、この構造部分についても、あくまでも、今は構想段階であって、次の計画段階のときにいろいろな検討がされて、最終的な決定がされるという理解でいいですか。

○宮城優交通政策課公共交通推進室長 構想段階における計画案検討の中で、ルート案における構造というのは、地形図等から把握できる範囲で市街地部と郊外部を分けて想定をしたところでございます。具体的な整備計画を策定する次の計画段階におきましては、現場の状況について詳細に調査を行いながら、経済性、環境面など、さまざまな観点から具体的なルートや構造などを決定していくというところでございます。

○比嘉瑞己委員 次の計画段階の中にも、また細かな計画があります。事業の効果や影響の確認等もやるし、整備計画というものをつくっていくのだとレターでも書かれています。この整備計画の中でいろいろな構造物やシステムとかも議論されると思うのですが、この整備計画の主体はどこになりますか。

○宮城優交通政策課公共交通推進室長 事業実施の主体につきましては、特例制度の創設など国との調整の中で、具体的に検討されるということになります。

○比嘉瑞己委員 先ほど大城委員に対する答弁でもあったように、調整の中で決まっていくということなのですが、一方で政府は内閣府がこの間―平成22年度から平成28年度まで、継続的に鉄軌道を初めとする新たな公共交通システム導入課題詳細調査というものを実施しています。同時に、沖縄県としてもこの構想段階を進めてきたということで、2つの調査や研究が進んでいるわけです。この内閣府の調査の目的は何なのか、県の構想段階の計画との関連はどういった位置づけになるのですか。

○宮城優交通政策課公共交通推進室長 内閣府におきましては、平成22年度から、沖振興特別措置法―沖振法で鉄軌道についての調査検討を行う。それから沖縄振興基本方針の中で、その結果を取りまとめた上で所要の措置を講ずるというような法的整備がされた後、国においては調査検討を続けてきているところでございます。内閣府におきましては、複数のモデルルートを設定いたしまして、鉄軌道導入に当たりどのような課題があるのかという観点から、コストの縮減など段階的に調査を継続している状況にあります。県におきましては、平成24年の沖振法の規定に基づいて、沖縄21世紀ビジョンで示された沖縄の将来の姿の実現などの観点から、県土の均衡ある発展、中南部都市圏の交通渋滞緩和、県民及び観光客の移動利便性の向上等、6つの視点をもとに、総合交通体系基本計画の中でうたわれておりますが、広域交流拠点である那覇市と沖縄本島北部、宮古、石垣を結ぶ―各拠点都市である名護市、宮古島市、石垣市を1時間で結ぶ圏域構想の構築ということをもとに、調査・検討を進めているところでございます。国と我々の中でも、検討の各段階におきまして、情報も提供させていただきながら、必要な場合は直接伺って御説明も行い、また内閣府における調査の各種データ等につきましても、我々の検討の中でも採用させていただきながら進めてきたというところでございます。

○比嘉瑞己委員 国の収益の関係とかの調査もあるし、県としては沖縄21世紀ビジョンの視点でということで、両方のいいところがしっかりと合わされば、本当にいい計画になると思います。少し政府の資料を―大変膨大なのですが、平成23年度の内閣府調査で、上を走るシステムについても研究されています。政府の調査では骨格軸―南北は鉄道とトラムトレインを想定していると。支線軸ではLRTを想定しているということで調査がされています。この概要の説明を求めたいと思います。

○宮城優交通政策課公共交通推進室長 内閣府の調査におきましては、骨格軸については鉄道とトラムトレインの2つを想定しておりまして、それ以外にも那覇市―八重瀬町、那覇市―南城市区間の支線については、道路面を走行するLRTを想定して検討を行っております。ただ、この調査の中におきましても、トラムトレインにつきましては一部区間において道路面を走行するということで、建設費は鉄道に比べて安価ではありますが、自動車との走行区間につきましては、時速40キロメートル以下という速度制限がございますので、やはり速達性が低いということが示されているところでございます。

○比嘉瑞己委員 この平成23年の調査の中で、速達性の問題は県も指摘をしています。今はもう平成30年で、技術も日進月歩で進んでいます。LRTについても、スピードが出るものがあるというのは皆さんも御存じだと思うので、国の調査や今の状況も確認しながら、次の計画段階では議論をしっかりとやっていただきたいと思います。
 企画部長にお聞きします。やはりこの政府の調査研究は大いに参考になると思います。那覇市などの都心部ではLRTと自動車が道路を共有する併用道路、併用軌道で走る。郊外に出ればスピードが出せるトラムトレイン―車両は一緒なのですね。そうした構想というものは外国でもあるし、国内においてもいろいろなところで検討がなされているようです。これは県の次の計画段階でも有力なシステムの案となると思うのですが、企画部長の見解はいかがですか。

○川満誠一企画部長 御指摘のように、利便性を最大化したいと考えております。技術の進歩も今後もあり得るとは思いますが、目下のところは、先ほどから申し上げておりますとおり、那覇市と名護市を1時間ということをもって、それに近づけるような形で―都市部については都市交通ということはまた非常に渋滞が相当きついところでございますので、これとの整合を図りながら、幅広く検討してまいりたいと考えます。

○比嘉瑞己委員 そのための構想であり、計画段階での議論になると思います。ぜひ議論していただきたいと思います。必ずしも速達性も、いろんな技術を応用すれば1時間にすることは可能だと思います。よく本土で電車を見ると、特別快走列車や特急とかですね。そういった駅を飛ばすことによって、ある便ではきちんと1時間でいける。またある便では丁寧に回れるとか、いろんな工夫ができると思いますので、そこは皆さんも検討していただきたいと思います。
 政府も調査しているこのフィーダー交通ですが、那覇市―与那原町間のフィーダー交通として、ぜひLRTをという機運が高まっています。先ほども議論があったかと思うのですが、この当初の県の南北の鉄軌道が終わった後に、フィーダー交通という話ではなくて、同時並行的に進めていくという考えでいいのですか。改めて確認させてください。

○宮城優交通政策課公共交通推進室長 構想段階における計画案づくりにつきましては、骨格軸とフィーダー交通が連携する利便性の高い公共交通ネットワークの構築という視点で検討を行ってきたところでございます。構想段階終了後は、ぜひ地域の課題なども踏まえながら、各地域における公共交通の充実について、市町村等と共同で検討を行っていきたいと考えているところでございます。

○比嘉瑞己委員 レターの中でも、フィーダーでも、主線―南北の主幹軸ですか。フィーダーの連携ということが強調されています。やはりこれも連携がスムーズなほうが、利便性が高まって利用者もふえるというものですが、この南北がトラムトレインであれば、支線軸はLRTのほうが連結が大変スムーズになると思うのです。その点の評価はいかがでしょうか。

○宮城優交通政策課公共交通推進室長 総合交通体系基本計画に基づきまして、那覇市と名護市を1時間で結ぶ鉄軌道の導入に向けて検討を進めていることから、当該目的に資するシステムを選定することがまず重要であると。那覇市―名護市間は、平均60キロメートルから70キロメートルで移動する必要がありますので、その間は専用軌道のシステムを導入する必要があると考えておりまして、専用軌道を有するLRT、鉄道、モノレールなどということで、今回概略計画に盛り込む予定にしております。計画段階以降では、フィーダー交通との連携も考慮の上、さまざまな観点からシステムについて検討を行っていく必要があると考えているところでございます。

○比嘉瑞己委員 そのいろんな選択肢の中でも、LRTが―もしトラムトレインになるとしたら、連携はスムーズにいくということいいですか。

○宮城優交通政策課公共交通推進室長 さまざまな観点からその連携の充実については、しっかりと考えていきたいと考えております。

○玉城満委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○玉城満委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、鉄軌道の計画案づくりについて質疑を終結いたします。
 次に、陳情平成28年第45号の5外11件の審査を行います。
 ただいまの陳情について、企画部長、知事公室基地対策課副参事及び土木建築部建築都市統括監の説明を求めます。
 なお、継続の陳情については、前定例会以降の新しい事実についてのみ説明をお願いいたします。
 川満誠一企画部長。

○川満誠一企画部長 それでは、企画部に関する陳情案件につきまして、お手元の公共交通ネットワーク特別委員会陳情に対する説明資料により、処理概要を御説明申し上げます。
 表紙をめくっていただきまして、陳情説明資料の一覧表がございます。
 企画部関係の陳情は、継続が11件となっております。 
 前回の処理方針に変更のない陳情につきましては説明を省略し、変更のある陳情について御説明いたします。
初めに、陳情平成28年第45号の5平成28年度離島・過疎地域振興に関する要望事項に関する陳情につきまして、処理方針の一部について、変更を行っております。
 まず、3ページをお開きください。
 6の那覇-久米島間の球美の島交流促進事業における割引率を小規模離島並みに拡充することについて変更を行っており、変更部分を下線で表示しておりますので、読み上げて御説明申し上げます。
 県では、久米島の航空路線について、平成27年度から29年度までの間、同地域の活性化を図るため、観光客等の交流人口を対象に約1.5割の運賃低減を図る実証事業を行っております。実証を行った結果、旅客数増加などの効果が認められたことから、平成30年度より、この事業を本格実施することとしております。また、久米島町においても 0.5割の運賃低減を行う予定とされており、合わせて2割の運賃低減が実現する見込みとなっております。県としては、久米島町と連携し、引き続き離島の交通コストの低減に努めてまいります。
 次に、4ページをお開きください。
 8の粟国-那覇間の航空路線について定期路線化し、安定運航を図ることについて、変更部分を読み上げて御説明申し上げます。
 粟国―那覇の航空路線については、第一航空株式会社において平成30年1月15日に運航が再開され、3月末まで1日2往復の運航が予定されておりますが、4月以降の運航は未定となっております。県としては、粟国村と連携して航空路線の確保に取り組んでまいります。
 続いて、6ページをお開きください。
 陳情平成28年第60号鉄軌道の導入ルートに関する陳情につきまして、上から16行目以降の処理方針の変更を行っておりますので、読み上げて御説明申し上げます。
 現在は、最終のステップ5の段階であり、上記の6つの視点のほか、県民の皆様から求められた効果・ニーズや配慮・留意事項などを踏まえて整理した事業効果、持続性、事業費・工期、事業実施上の留意点などの4つの視点をもとに、1月18日の計画検討委員会において、北谷町、沖縄市、恩納村等を経由するC派生案が推奨ルート案として選定されたところであります。現在、取りまとめを行っている構想段階における計画案策定後は、鉄軌道導入に向けた機運醸成を図り、早期に次の計画段階に移行できるよう国に働きかけるとともに、骨格軸とフィーダー交通が連携する利便性の高い公共交通ネットワークの構築に向け、各地域における交通の現状と課題を踏まえた交通の充実について、市町村や既存交通事業者等との共同により取り組みを進めてまいります。
 続いて、11ページをお開きください。
 陳情平成29年第46号の5平成29年度離島・過疎地域振興に関する要望事項に関する陳情についても、一部処理方針の変更がございます。
 2の粟国―那覇間の航空路線について、信頼のおける透明性の高い会社により早急に運航を再開することにつきましては、処理方針は陳情平成28年第45号の5の8と同じであります、と変更しております。
 続いて、12ページをお開きください。
 同じく、陳情平成29年第46号の5についてですが、3の波照間空港の再開及び航空機の一日も早い就航を実現することにつきましては、石垣―波照間の航空路線については、現在、就航の意思がある航空会社があることから、当該航空会社が関係機関と就航に向けた協議を行っていくこととなります。県としましては、同路線の運航に向け、関係機関と連携して取り組んでまいります、と変更しております。
 13ページをお開きください。
陳情平成29年第87号多良間-石垣間航空路線の早期運航に関する陳情につきましては、石垣-多良間の航空路線については、現在、就航の意思がある航空会社があることから、当該航空会社が関係機関と就航に向けた協議を行っていくこととなります。県としましては、同路線の運航に向け、関係機関と連携して取り組んでまいります、と変更しております。
 以上で、企画部に関する陳情案件の処理方針等の説明を終わります。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○玉城満委員長 企画部長の説明は終わりました。
 次に、陳情平成29年第126号の4の記1について、知事公室基地対策課副参事の説明を求めます。
 伊田幸司知事公室基地対策課副参事。

○伊田幸司知事公室基地対策課副参事 知事公室所管に係る陳情につきまして御説明いたします。
 継続審査となっております陳情1件につきましては、前回の処理概要から変更はございませんので、説明は省略させていただきます。   
 以上、知事公室関連の陳情について、御説明いたしました。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○玉城満委員長 知事公室基地対策課副参事の説明は終わりました。
 次に、陳情平成29年第126号の4の記2について、土木建築部建築都市統括監の説明を求めます。
 嘉川洋一土木建築部建築都市統括監。

○嘉川洋一土木建築部建築都市統括監 土木建築部所管の陳情につきまして、処理概要を御説明いたします。
 土木建築部関連の陳情は、継続1件となっております。
 当該陳情につきましては、処理概要に変更はございませんので、説明は省略させていただきます。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○玉城満委員長 土木建築部建築都市統括監の説明は終わりました。
 これより、各陳情に対する質疑を行います。
 質疑に当たっては、陳情番号を申し述べてから重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行うようお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 大城憲幸委員。

○大城憲幸委員 陳情に対する説明資料4ページの陳情平成28年第45号の5について質疑します。
 粟国-那覇間の航空路線です。1月に再開するというときには、私の思いとしては4月以降―赤字の補塡が2億円ですか。県や粟国村としても、到底持てるような額ではないからというような話はありました。ただし、やはり4月以降に何がしかの落としどころというか、光が見えて1月15日、この年度末の2カ月半の運航再開だと考えていたのですが、陳情処理方針にもあるとおり、全く見えないような方針になっているものですから、まず4月以降の状況について説明をお願いします。

○座安治交通政策課長 4月以降の運航につきましては、現在、第一航空株式会社においては、当面4月から運航を休止するという話が出ていまして、現在航空便の予約ができないということになっております。路線の廃止ではなく運休という状況です。

○大城憲幸委員 先ほど言ったとおり、平成29年度の赤字補塡でも小さな額ではなかったと思うのです。そういう意味で、やはり、平成30年度に何がしかの光を見出して運航再開したと思うのですが、そのような歩み寄りの議論というものは、その間どういう努力をしてきたのですか。

○座安治交通政策課長 第一航空株式会社とは、何回か意見交換、やりとりをさせていただいています。ただし、具体的な再開の条件とかというものについては先方からお話がありません。そこについては、休止の問題も最近決まったものですから、今後どうされるのかということをいろいろとお尋ねして、何回か協議したところなのですが、先方からどうしてほしいという具体的な提案はまだない状況でございます。ただし、補助はいただきたいと。そうであれば運航できますという話は確かにいただいておりますが、前回の金額以上―金額の話は出ませんので、県としてはあの金額は、県も困難だという結論は出ているというところを含めて、先方から、新たな金額の提示などはない状況でございます。

○大城憲幸委員 今、数字は持ち合わせていないものですから、確認させてください。平成29年度の県と村、平成30年度の県と村に対して、向こうが求めている赤字補填額をお願いします。概略の数字でもいいのですが。

○座安治交通政策課長 平成29年度につきましては、1億700万円。平成30年度の見込み額として提示された額につきましては、約2億6000万円というところです。

○大城憲幸委員 これは県のみですか。

○座安治交通政策課長 総額でございます。

○大城憲幸委員 平成29年度でも、結局これは2カ月半運航するために、県と村で1億円以上の赤字補塡をしたわけです。だから、現時点で4月1日以降は見通せないという話になったら、この判断もどうだったのかというのを問いたいわけです。平成30年度の2億6000万円を何とか県としては事故後の研修費も入れているとかなんやかんやという議論もあったかと思うのですが、こういうものは除いてくれとか、これくらいだったら県と村で何とかするから頑張ってくれとかいうような協議なり、話し合いを持つなどの取り組みについて頑張ったのですか。その辺が見えないのですが。

○座安治交通政策課長 話し合いについて当然ながら行ってきました。額についても、半年くらいにわたって県及び粟国村も交えて何回も協議を行ったところでございます。第一航空株式会社から、これくらいないと運航できないという数字が出てきたところでございまして、それを負担できるのか、できないのか。平成29年度につきましては、県は7000万円余りを補助したわけですが、村の負担分については900万円くらいの負担で頭打ちということで、平成29年度は第一航空が了解したということで、その補助額で落ちついたというところです。

○大城憲幸委員 村が頭打ち900万円ということは、この1億700万円出した分から900万円を引いた額が、県が負担した金額という認識でよろしいですか。

○座安治交通政策課長 本来であれば村の負担分は県の約半分ということで、3500万円程度になるわけですが、900万円で頭打ちして残りの分は事業者の負担ということにしたわけです。

○大城憲幸委員 この件については、非常にこれまでたくさんの議論をしてきたし、何十億円もかけて一括交付金で、国民の税金で飛行機を買ってあげて、事故を起こして2年間休止して、2カ月半再開したと思ったら4月以降はまた見通しが立たないと。非常にお粗末な対応と言われても仕方がないと思うのですが、どれくらい検討してきたのか。法的な部分も含めて、さまざまな―あるいはほかの会社にやらせる。あるいはほかの路線と組み合わせる。そういうようなものは十二分に検討してきたが、もう打つ手がないという状況なのですか。答弁をお願いします。

○座安治交通政策課長 ほかの航空会社については、当然休止している間も、県と村で一緒になって探していたところであります。引き続き、第一航空とも協議をしながら、運行できる着地点をぎりぎり見つけたいということで半年間ずっと協議していましたが、結局最後はまとまらなかったというところがございます。それと県は、代替手段として村が一括交付金を活用して行っているヘリの事業に関しましても、県も補助すると。協調して補助するということで、そこら辺もサポートしていくというところでございます。現在、第一航空の就航の可能性、また運航できるところがないのかどうかということを含めて、改めて運行できる会社を探していくことになるということです。

○大城憲幸委員 ずっとそういう議論をしてきたのに、今ここにきて改めてというのはどうも説得力がないのです。それでは、平成29年度の赤字補塡の判断というのは、2カ月半で赤字補塡を1億円もやるということの判断というのは正しかったのですか。何を見据えてこういう判断をしたのですか。

○座安治交通政策課長 平成29年度の運航につきましては、前年の離島航空路線確保維持協議会の中で、平成29年度に第一航空が就航するという予定で、1年前に協議して決めておりました。ただ、そのときは見込み額で7000万円程度の赤字だということで、運行再開について県も村もオーケーしたというところでございますが、実際はかなり大幅に経費が変更になって、再度また協議会を開いたときに、1億円以上になったと。それと期間についても、半年から1カ月半でそれくらいになるということで、平成29年度、協議会で決まった分ですので、期間に応じた分ということで、県は出すということになったのですが、粟国村としてはもう一部しか負担できないというところで、平成29年度は補助しましたが、平成30年については、協議会の場で来年はどうするのかという話し合いのときに、もうこれ以上負担はできないということから、そうなったというところでございます。

○大城憲幸委員 今の話からすると、村ができないと。2億6000万円の赤字負担について、村の3500万円はできないが、県としては残りの2億円以上を払ってもやるべきだという判断をしていたのですか。

○座安治交通政策課長 今、県の補助制度上は、国も地元も応分の負担をしていくということで、三者協議が一致した場合には、県も出すということになっています。もちろん国は支出していただきましたが、村がその一部を負担すると、県は応分の負担ということで、みずから負担すべき経費を平成29年度は支払ったのですが、平成30年度につきましては、粟国村は負担はできないということでございまして、県としても残りの2億円近い補助金を支出するのは、1路線には余りに過大だと認識しており、そこは村と県も一致して負担できないという結論に達したところです。

○玉城満委員長 休憩いたします。

○玉城満委員長 再開いたします。

○座安治交通政策課長 平成29年度につきましては、約1億円です。そのうち県が約7000万円負担したのですが、これは県の規定の負担―補助額については、赤字額から国の補助金分を差し引いた残りの分です。これについて県は3分の2の7000万円。残りの3分の1が粟国村の負担となっていますが、粟国村は、900万円しか出せなかったということでございます。

○大城憲幸委員 考えてみると、2カ月半後の4月以降の見通しも立たない。2カ月半の運行だったら、我々としてはもう再開しなくていいと。逆に言えばこの部分は負担しなくてもよかった金額なのですか。

○座安治交通政策課長 平成29年度につきましては、先ほど御説明しましたとおり、平成28年度の年度末に、平成29年度についても赤字補塡をして運航していくと。支えていくので飛んでくださいというような話がまとまっておりましたので、平成29年度においても、県は規定どおりに負担したと。粟国村もやはり平成30年度に飛ばないのであれば出さないということ、そこはできないということで、ある程度負担したということです。

○大城憲幸委員 規定に基づいてやっているのでしょうが、どうもこの間のやりとりがすっきりしないし、この平成29年度の2カ月半の再開についても、どうも納得できない部分があります。それも含めて、企画部長、今後の方針も含めてどうですか。粟国村に対しても、ヘリを応援しますと言うだけではどうもすっきりしないのですが、答弁をお願いします。

○嘉数登企画振興統括監 大城委員から那覇-粟国路線についていろいろ御質疑がありましたが、まず赤字補塡をするのは離島航空路確保維持協議会という、関係市町村、県、国、航空会社が入って、まず次年度に運航するかどうか、運航に伴って赤字が出た場合はどうするかという協議会を開いて、その中で計画をつくります。そこで承認された場合に、初めて、次年度運航して赤字が出た場合には県並びに市町村、あるいは国から補助金が出るという仕組みになっています。平成29年度1月から再開して、この2カ月、3カ月間の運航という話なのですが、この計画は平成28年度12月に、関係者などで集まって協議し、計画を策定しております。ですから、運航再開した場合においては、県や市町村も相応の負担をする必要があるし、一応計画にかかわった航空会社も時期は少しずれましても、運航する責務はあったということで、そこはやむなくということで我々としても承認したところであります。ただし、平成30年度からの運航につきましては、先ほど1年間で2億6000万円くらいの赤字が出ますということで、これは国の補助を除いた場合に、県と―特に粟国村の負担が非常に大きくなるというところで、そういうところは非常に気にされておりました。そこから平成30年度だけではなくて、この計画の中で、向こう5カ年間の計画を立てるようになっていまして、平成31年以降はどのくらいの赤字が出てくるのかというところを見てみますと、1年度当たり3億8000万円くらいの赤字が出てまいります。これが恒常的に続いてまいります。この那覇―粟国路線において、1航空路線において毎年3億8000万円の赤字が発生して、なおかつ粟国村がその負担に耐え得るのかと。それから、県としてもこの負担に耐え得るのかというところがございまして、協議会では最終的な結論がまとまらず、これは少し厳しいとなったところでございます。ただし、そうは言っても船以外に航空路はどうかということがございますので、先ほど交通政策課長からもありましたように、今、航空機が飛んでいない状況で、ヘリが運航しておりますが、そこは代替手段として対応しながら、別の航空会社も含めて、村と協力しながら航空会社の確保に向けて取り組んでいこうということになっています。

○大城憲幸委員 税金で何十億円もかけて飛行機を買ってあげて、毎年3億円も赤字が出るような路線に、何十億円もかけたという、そもそもこの事業がどうだったのかというものも含めて―皆さんは手続に沿って頑張っているのでしょうが、今回の2カ月半の再開がどうだったのか。そもそも事業自体がどうだったのかということも含めて、少しこれは非常に問題であると感じているところです。

○嘉数登企画振興統括監 赤字がこれだけ大きくなったというところもありますが、赤字の大きな要因というのは、やはり事故を起こしてしまったがために、2年近く運休して、その間に訓練とか―要するに、運行していないのにいろいろな費用がかかったという、費用が大きくかさんできているのかと思っています。そこが補助金で見るべきところかどうかというところについては、そこは納税者にしても、飛んでいないそのものを含めて補助金で出さなければいけないのかというところはあると思いますが、そこは御理解いただきたいと思っております。我々は規定に沿って、どこまで出せるかというところでぎりぎり、先方にもどこまで圧縮できるのかというところは、いろいろ協議してまいりましたが、なかなか厳しいというところがございましたので、平成30年度の運行に向けては、協議会で欠航ということになり、取りまとめに至らなかったということでございます。

○大城憲幸委員 理解できませんが、質疑を終わります。

○玉城満委員長 ほかに質疑はありませんか。
 座喜味一幸委員。

○座喜味一幸委員 今の第一航空について、簡単に質疑します。飛行機は何機で、幾らかかっていますか。

○座安治交通政策課長 粟国路線につきましては、第一航空へ2機、総額で21億7300万円かかっておりまして、国からの補助が14億7500万円、県の補助が4億9167万円となっております。

○座喜味一幸委員 宮古、多良間、八重山、波照間の分はどうなっていますか。

○座安治交通政策課長 現在の2機のうち、多良間と波照間の石垣拠点の路線には、その2機のうちから1機を振り向けるということでございました。

○座喜味一幸委員 現在、この事故を起こした飛行機の状況、残りの1機はどういう保管状況になっていますか。

○座安治交通政策課長 事故を起こした航空機は、カナダで修理が済んで、対空検査も完了して飛べる状態になっています。現在、粟国路線については、事故機以外の機を運用して行っているところであると聞いております。
 残りの1機につきましては、訓練などに使っていて、現在、沖縄本島にありますが、改めて石垣拠点になったときには―あと、旧正月のときに増便しましたが、その際に活用したと聞いております。

○座喜味一幸委員 今回の赤字は、この修理費やいろいろな訓練費等々で赤字が出たというような説明なのですが、簡単に言うと、当初計画の2機が多良間―石垣間、石垣―波照間、それから粟国を通ったときの年間の収支というものの見通しはどうだったのですか。

○座安治交通政策課長 今、正確な数字は持ち合わせておりませんが、粟国路線については引き続き赤字が見込まれていたのですが、石垣拠点―当時石垣拠点で、石垣―波照間については収支がとんとんくらい。多良間については若干赤字が出るというぐらいで、さほど大きな赤字は見込んでいなくて、石垣路線を介すれば収支は改善するものと見込まれておりました。

○座喜味一幸委員 第一航空は、本土、内地を含めてどういう運航状況の会社ですか。

○座安治交通政策課長 第一航空につきましては、旅客を運ぶというものは粟国路線だけでした。通常は、大阪で4空港を拠点としている会社でございまして、航空写真、航空地図、報道の写真を撮るなどの、小型機を運航している会社でございます。

○座喜味一幸委員 いよいよこれはけじめを、きちんと県の対応をはっきりさせないといけないものと思っているのですが、この飛行機の2機という―財産はどういう扱いになっていますか。

○座安治交通政策課長 所有者は第一航空株式会社で、国と県はその購入費に補助をしました。金銭による補助を行ったということです。

○座喜味一幸委員 所有というのはもう完全に譲渡ということで、第一航空の財産になったという理解なのですか。

○座安治交通政策課長 航空機については、第一航空が購入したものでありまして、その購入費の補助を行ったということです。

○座喜味一幸委員 この第一航空というのは、パイロットを含めた人材についても問題がある。それから経営力にも問題があるというような感じに見えるのですが、これは、陳情処理方針の中で、ほかの航空会社との協議を行っていくというようなことが書いてあるのですが、これについて詳細に説明していただけますか。

○座安治交通政策課長 ほかの航空会社を探していくということも一つの方策として取り組んでいかないといけないところでございます。あと第一航空との協議についても、必ずしもゼロということではございませんので、引き続き話し合っていきたいというところでございます。

○座喜味一幸委員 基本的には、いかにして離島の交通の便を、当初の目的を達成するかということにおいては、極めて抜本的な考え方でやらないといけないのですが、その辺に関して、少し詰めが甘いのではないですか。1つは、なぜ飛行機の所有権の話を聞いたのかというと、場合によっては、実績がある航空会社に暫定的にでもこの機材を提供して、しっかりと効果を出していくという段階的な方法があります。もう一つは、第一航空と詰めていった結果として、第一航空がおやりになるのであれば、そこがやるということでもいいのですが、この抜本的な解決をしなければならないと思っています。このいろいろな話を進めようとしたときに、この財産が第一航空のものになっているという判断に立つと、今、言ったような機材の弾力的な運用ということができなくなる。これについて、どういう理解をしていますか。

○座安治交通政策課長 補助をした航空機につきましては、先ほど答弁したとおり、第一航空の所有物であり、財産でございます。ですから、第一航空が運航していくことが一番望ましい形ではあるのですが、仮にほかの航空会社に飛んでもらうというところになれば、この機材につきましては、粟国以外に石垣拠点で飛ぶという可能性もございますが、補助路線で使用しなければ、補助した金額は返還してもらうということになるという考え方です。

○座喜味一幸委員 余り時間がないので簡単に言いますが、この辺は国や県が投資しているわけなので―補助金を出しても、この購入した飛行機は第一航空のものになっているとはいえ、これに関しては、抜本的な対策を講じなければおかしいのです。新規の飛行機を買って、それを遊ばせている。事故を起こして修理をカナダで行ったと、しかも動かせたと思ったら運営管理でけりがつかなくて、また2機ともに遊んでしまうという。この補助金の当初の目的が達成されていない。こういうものを速やかに解決しなければいけない。これは必ずしも第一航空の所有物ではない。場合によると、当初の計画どおり事業をしないのであれば、補助金を交付したということにおいても、この機材をほかの運用に使っていくというような抜本的な対応をしないと。今の形であれば第一航空の思いのままに、向こうの経営の流れの中で、この問題は解決しない。これはもう少しきちんと対応していかないと。これによって迷惑をこうむっているのは宮古、波照間、多良間で、これをマチカンティーしているのです。これをトータルで見たときに、20億円余りの金を出して、この機材を遊ばせていること自体がおかしいと思わないといけないのです。ぜひとも企画部長、この辺について、いよいよけじめをつけましょう。

○川満誠一企画部長 離島の航空路線の安定運行ということが一番大事であります。御指摘の点も踏まえまして、県としての対応について、国とも相談しながら適切に進めてまいりたいと考えているところでございます。

○座喜味一幸委員 特に新しい会社を、速やかに対応できる会社を探すのも一つの方法です。第一航空を口説くようにして暫定的な使用のあり方―それと一番大事なのは、この機材を第一航空が買ったとしても、ほとんどが補助金ですね。第一航空に多額の補助金を出したと。この機材の取り扱いについて、しっかりと国と協議をして、所期の目的どおりに活用されるように取り組んでいただきたいと思います。

○川満誠一企画部長 丁寧かつ適切に対応してまいりたいと考えております。

○玉城満委員長 ほかに質疑はありませんか。
 西銘啓史郎委員。

○西銘啓史郎委員 第一航空に関しての確認ですが、修理の費用とかは、全部第一航空の丸々の負担ということで理解していいですか。

○座安治交通政策課長 修理費については、全額が保険からおりたと聞いています。

○西銘啓史郎委員 ということは、県は一切負担していないですね。この件は何度も質疑しているので、今さら余り申し上げたくはないのですが、第一航空の選定が正しかったかどうかについては、もうさかのぼれませんが、機体の問題ではなくて、やはりパイロットの問題であったことが一番気になっています。ですから、内部に問題がある会社を選定したことも問題であるのかという気がしていますが、今後どうするのかが一番大事です。離島の方々に負担をかけないようにということで、今いろいろあった意見と同じ意見です。
 それと、3ページについて少し質疑します。
 久米島における球美の島交流促進事業について少し確認したいのですが、この中にある観光客等の交流人口を対象に―交流人口の定義についてもう少し明確に説明をお願いします。

○座安治交通政策課長 この交通コスト負担軽減事業で定義しておりますので、離島住民の方以外です。つまり島を訪れる方でございます。

○西銘啓史郎委員 これも一度議論したことがあるのですが、私はいろいろな離島を回っていて、離島の声を聞く限り、離島の要望はここではないのです。いろいろな観光の―島あっちぃ事業や小学生の交流事業もやっていますが、離島の方々の声は、島の出身者で沖縄本島にいる方が、里帰りするとき―正月や旧盆に帰省するときに、久米島でいえば1万円、2万円かかって、往復で2万円かかって、5人だったら10万円かかると。これをどうにかしてくれと言われています。ある意味、球美の島交流促進事業で解消されるにしても、この負担をどうにか解消するということが、1番の、多くの離島の方々の声だと思っています。競合路線がある、例えば石垣島などは格安運賃もあるし、その負担は少ないですが、逆に競合がない路線に対して、この負担額の割合が多すぎるということが問題だと思っています。それを何らかの形で解消しないと、離島の交流、観光客のために割引する必要が全くないとは言いませんが、それ以上に一番大きな声は、沖縄本島にいる島出身の方々―南・北大東島や久米島でも、全ての方々がそういう声を求めていると思うのです。それが法律的にできるのか、できないのかは別にしても、そういったことをもう少し県としてしっかりと取り組まないと。例えば、企画部で持っている予算で、日用品の輸送コストの負担とかありますね。平成28年度の主要施策の報告の中では、那覇を100としたら離島の日用生活品は130くらいだと―単価がです。ですから、そういうコストを負担しても、離島の方々は1.3倍くらいの負担をしているわけです。本来は、島に住む方々は沖縄本島と同じ値段で、そのために県が負担しているということであれば、ガソリンもそうです。ですから、負担するのであれば、沖縄本島と同じになるというような仕組みをつくらないと、離島に住んでいる方々のハンデは解消されませんし、これからどんどん離島から出てくる。この間、久米島町長、商工会議所会長、町議会議長や町議会議員の皆さんと一緒になって、県議会議長や副知事にも要請しました。企画部長も同席されたので、話は聞いていると思います。どんどん島から出て行く人たちが多くなってくると。それをどうにかするための方法について、きちんと議論していただきたい。もう一度、企画部とも話をしたいと思います。今の予算が全て適正に使われているとは思わないし、さらに言うと、これよりはここにかけたほうがいいのではないのかというものもあります。特に質疑はございませんが、これは意見として、そういうことをしっかりやっていただきたいと思います。

○玉城満委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○玉城満委員長 質疑なしと認めます。
 以上で企画部等関係の陳情に対する質疑を終結いたします。
 説明員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 休憩いたします。

○玉城満委員長 再開いたします。
 陳情の質疑については全て終結し、採決を残すのみとなっております。
 休憩いたします。

   (休憩中に、陳情の取り扱いについて議案等採決区分表により協議)

○玉城満委員長 再開いたします。
 お諮りいたします。
 陳情については、休憩中に御協議いたしました議案等採決区分表のとおり決することに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○玉城満委員長 御異議なしと認めます。 
 よって、さよう決定いたしました。
 次に、閉会中継続審査・調査事件の申し出の件についてお諮りいたします。
 先ほど、閉会中継続審査・調査すべきものとして決定した陳情12件と、お手元に配付してあります本委員会付議事件を閉会中継続審査及び調査事件として、議長に申し出たいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○玉城満委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 以上で、本委員会に付託された陳情の処理は全て終了いたしました。
 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。












沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

  委 員 長  玉 城   満