委員会記録・調査報告等
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公共交通ネットワーク特別委員会記録
平成30年 第 8 回 定例会
第 2 号
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開会の日時
年月日 | 平成30年12月17日 月曜日 |
開会 | 午前 10 時 0 分 |
散会 | 午後 0 時 5 分 |
場所
第5委員会室
議題
1 陳情平成28年第45号の5、同第60号、同第90号、同第128号、陳情平成29年第3号の5、同第7号の2、同第46号の5、同第87号、同第94号の5、同第126号の4、同第133号、陳情第44号の5、同第48号の4、同第98号、同第102号の5及び同第117号
2 閉会中継続審査・調査について
出席委員
委 員 長 玉 城 満 君
副委員長 当 山 勝 利 君
委 員 大 浜 一 郎 君
委 員 座 波 一 君
委 員 中 川 京 貴 君
委 員 座喜味 一 幸 君
委 員 大 城 一 馬 君
委 員 平 良 昭 一 君
委 員 玉 城 武 光 君
委 員 比 嘉 瑞 己 君
委 員 上 原 章 君
委 員 大 城 憲 幸 君
欠席委員
狩 俣 信 子 さん
説明のため出席した者の職・氏名
知事公室基地対策課副参事 上 原 宏 明 君
企画部長 川 満 誠 一 君
企画振興統括監 嘉 数 登 君
交通政策課長 長 濱 為 一 君
交通政策課公共交通推進室長 宮 城 優 君
土木建築部建築都市統括監 嘉 川 陽 一 君
○玉城満委員長 ただいまから、公共交通ネットワーク特別委員会を開会い たします。
陳情平成28年第45号の5外15件及び閉会中継続審査・調査についてを一括して議題といたします。
本日の説明員として、知事公室長、企画部長及び土木建築部長の出席を求めております。
陳情平成28年第45号の5外15件の審査を行います。
ただいまの陳情について、企画部長、知事公室基地対策課副参事及び土木建築部建築都市統括監の説明を求めます。
なお、継続の陳情については、前定例会以降の新しい事実についてのみ説明をお願いいたします。
初めに、企画部長の説明を求めます。
川満誠一企画部長。
○川満誠一企画部長 それでは、企画部に関する陳情案件につきまして、お手元の公共交通ネットワーク特別委員会陳情に対する説明資料により、処理方針を御説明申し上げます。
表紙をめくっていただきまして、陳情説明資料の一覧表がございます。
企画部関係の陳情は、継続が12件、新規が3件となっております。
継続の陳情につきましては、前回の処理方針から変更はありませんので、説明を省略させていただきまして、新規の陳情について処理方針を御説明いたします。
19ページをお開きください。
陳情第98号大型MICE施設誘致に伴うモノレールの延伸及び宿泊施設の確保に関する陳情の記の1につきまして、処理方針を読み上げて御説明申し上げます。
てだこ浦西駅から大型MICE施設の建設が予定される東海岸方面へのモノレール延伸については輸送力や速達性、日常的な交通需要を踏まえた事業の採算性、沿線市町村の財政負担など、さまざまな観点から十分な検討が必要であると考えております。
県は、平成29年度に大型MICE施設整備に伴う交通需要増に関して公共交通が分担すべき需要に対する路線バスの対応能力や新たな公共交通システム導入に当たっての課題等について調査を行いました。
この結果、路線バスが分担すべき交通需要についてはおおむね現況の路線バスの供給量で対応が可能であるが、大規模イベント終了時間帯等は需要量が供給量を上回るため、バスの増便等の対策が必要となることが確認されたところです。
また、モノレールの延伸については、高架橋を設置する場合、中央帯が4メートル未満の道路については道路拡幅が必要となること、導入区間を運行している路線バスとの競合が考えられることなどが課題として確認されました。これらの課題を整理しつつ、今年度はモノレール延伸等による自動車交通への影響などについて調査を行っております。
続きまして、21ページをお開きください。
陳情第102の5号美ぎ島美しゃ(宮古・八重山)圏域の振興発展に関する陳情につきましては、陳情平成29年第87号と同趣旨であります。
このため、処理方針につきましても同陳情と同じでございます。
続きまして、22ページをお開きください。
陳情第117号「ゆいレール」の東海岸への延伸に関する陳情につきまして、処理方針は先ほど御説明申し上げました、陳情第98号の記の1と同じでございます。
以上で、企画部に関する陳情案件の処理方針等の説明を終わります。
御審査のほど、よろしくお願いいたします。
○玉城満委員長 企画部長の説明は終わりました。
次に、陳情平成29年第126号の4の記の1について、知事公室基地対策課副参事の説明を求めます。
上原宏明知事公室基地対策課副参事。
○上原宏明知事公室基地対策課副参事 知事公室所管に係る陳情につきまして御説明いたします。
継続審査となっております陳情1件につきましては、前回の処理概要から変更はございませんので説明は省略させていただきます。
以上、知事公室所管陳情について御説明いたしました。
御審査のほど、よろしくお願いいたします。
○玉城満委員長 知事公室基地対策課副参事の説明は終わりました。
次に、陳情平成29年第126号の4の記の2及び陳情第98号の記の2について、土木建築部建築都市統括監の説明を求めます。
嘉川陽一土木建築部建築都市統括監。
○嘉川陽一土木建築部建築都市統括監 土木建築部所管の陳情につきまして、処理概要を御説明いたします。
土木建築部関連の陳情は、継続1件、新規1件となっております。
まず、継続審査につきましては、処理概要に変更はございませんので説明は省略させていただきます。
次に、新規に付託された陳情1件について御説明いたします。
19ページをごらんください。
陳情第98号の記の2、沖縄県自治会連合会からの大型MICE施設誘致に伴うモノレールの延伸及び宿泊施設の確保に関する陳情について御説明いたします。
20ページをごらんください。
交通施設等の基盤整備に伴い周辺の土地利用を図る場合は、一般的に用途地域や地区計画などの都市計画を定める必要があります。これら都市計画は、市町村が将来のまちづくりを見据え、計画的に取り組むことが重要となります。
県としては、引き続き、まちづくりの主体である市町村の取り組みを支援するとともに、市町村の要望や相談に対して適切に対応していきたいと考えております。
以上で、土木建築部に係る陳情の処理方針について説明を終わります。
御審査のほど、よろしくお願いいたします。
○玉城満委員長 土木建築部建築都市統括監の説明は終わりました。
これより、各陳情に対する質疑を行います。
質疑に当たっては、陳情番号を申し述べてから重複することがないよう簡潔にお願いいたします。
なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行うようお願いいたします。
質疑はありませんか。
比嘉瑞己委員。
○比嘉瑞己委員 陳情に対する説明資料19ページ、新規の陳情第98号について伺います。
モノレールの延伸について、当局の処理方針の結論としては課題を整理しつつ、今年度はモノレール延伸等における自動車交通への影響などについて調査を行っておりますということです。これは引き続き調査を行って、慎重に検討していきたいというように理解するのですが、これまでの説明の中で平成29年度にMICEの整備に伴う需要予測の調査を行ったと言っていました。調査の結果、現在の路線バスで十分対応できると。大型イベントがあるときはバスの増便などの対応で大丈夫ではないのかというようなことになっていますが、その点がなかなか理解しがたいところです。MICEを成功させるためにはそれなりの集客を確保しないといけないし、これに対応する公共交通を整備しないといけない。だけどバスの増便等で対応できるという結論に納得がいかないのです。この交通需要調査の中で、現在建設中のバイパスとかまだ開通していない道路とかといった交通予測については検討されたのでしょうか。
○宮城優交通政策課公共交通推進室長 現況の路線バスの対応につきましては、前年度、文化観光スポーツ部から我々に示された公共交通の分担率の5%というものをベースにして、現況の路線バスで対応が可能かどうかというものを調査したところです。MICE施設で500人規模の小規模イベントが2つ同時に開催されている状況においては特に問題はないと。ただし、2万人規模のコンサート等、大規模イベントの開催時における行き帰りの時間帯、特に帰りの時間帯である午後10時から11時あたりとバスの供給量が減ってくる時間帯とが合致することから、その対応について真剣に考えないといけないことが見えてきたところです。ただし、今後の需要予測については当然新たな道路の整備等々が進んでいきますので、そのあたりも含めた調査をどんどんやっていくことになるものと考えているところでございます。
○比嘉瑞己委員 前回も指摘しましたが、今建設中の新たな道路というものが勘案されていないのです。ですからこれは何のための調査だったのかというところで大変疑問が残ります。これから大きな計画をつくるに当たっては基礎的な資料になると思うので、本当に実態に合った需要予測をしっかりと詰めるべきだと思います。そういった意味で、このモノレールの延伸というものをちゃんと考慮すべきだと思うのです。やがて浦添市への延伸が終わって、これからは東海岸の需要というものがあると思いますので、しっかりとこのモノレールの役割を評価して慎重な検討をしていただきたいと思います。
さらにモノレールについて伺わせていただきます。今年度の利用実績は順調に伸びていますか。その実態をお聞かせください。
○嘉川陽一土木建築部建築都市統括監 モノレールの利用実績については、平成28年度が1日当たり4万7463人で、平成29年度が4万9716人です。平成30年度については11月末の実績で5万1646人となっており、順調に伸びているところでございます。
○比嘉瑞己委員 それは喜ばしいことです。その利用者の内訳を確認させてください。当然県民も利用しますが、観光客やその中で外国人の方もふえておりますが、その内訳はどうなっていますか。
○嘉川陽一土木建築部建築都市統括監 沖縄都市モノレール株式会社―モノレール株式会社では、昨年11月16日に全乗客を対象とした利用実態調査を行っております。この利用実態調査によりますと、県内の利用者数の比率が70.5%、県外の方が16.4%、外国人の方が5.6%となっております。
○比嘉瑞己委員 今のは全体の内訳なのですが、リーディング産業である観光産業の視点から見ると、本県の玄関口である那覇空港駅における利用者の内訳はどうなっていますか。
○嘉川陽一土木建築部建築都市統括監 この利用実態調査では那覇空港駅につての利用者の内訳についても調べております。その中で県外の方が約41%。那覇市内の方が約29%、外国の方が約5%ということです。県外の方と外国の方を合わせると約46%ということで、全体の利用客数に占める割合はかなり多い比率になっていることが見てとれます。
○比嘉瑞己委員 それだけ多くの観光客が那覇空港駅を利用すると思うのです。那覇空港駅を利用するたびに、皆さんも感じていると思うのですが、入り口がかなり混んでいます。廊下まで並んでいる状況についてモノレール株式会社に伺いますと、この間切符の券売機もふやしてきているが、なかなかその対応が追いつかないという現状があるとのことです。県はこれまでOKICAの導入を進めてきました。県民への普及は広まってきているのですが、一方観光客がOKICAを買うということはなかなかないのではないかと思うのです。そこで那覇空港駅ではOKICAを使う人が多いのか。あるいは切符で購入される方が多いのか、その辺を教えてください。
○嘉川陽一土木建築部建築都市統括監 那覇空港駅におけるOKICAの利用状況については、この調査によると通勤・通学定期券とOKICAを利用している方が約20.1%。それから普通乗車券を購入されている方が約69.3%。そのほか1日乗車券や2日乗車券の方が約10.6%という内訳となっております。
○比嘉瑞己委員 今説明があった1日乗車券や2日乗車券というものを加えると8割程度が切符を購入していて、その大部分が観光客であると思われます。ですからこれが混雑を生んでいます。これまでも本委員会の中で質疑されてきましたが、このOKICAは県内限定の使用になっていて、我々県民にとっては県内だけのものでもいいのですが、本土に行くとこれが使えないのです。観光客がこれだけふえていく中で、県外の方から見れば本土で使っている共通のICカードが沖縄県では使えないという弊害が出ています。ですから本当はバスにもこれを導入していただきたいのですが、まずはモノレールから全国共通のICカードの導入を始めてみるべきだと思います。その点についての見解はいかがですか。
○嘉川陽一土木建築部建築都市統括監 御指摘のとおり、那覇空港駅では特に観光客の利用が集中する時期にはかなりの混雑が見られます。全国共通のICカードについては、乗客の利便性の向上に資するものであり、那覇空港駅における券売機周辺の混雑解消に有効であるものと考えております。
○比嘉瑞己委員 もしこれを導入する場合には、どれくらいの事業費になりますか。
○嘉川陽一土木建築部建築都市統括監 モノレール株式会社からの説明では、約6億円かかるということでございます。
○比嘉瑞己委員 この間モノレール株式会社の経営は順調にきていると思うのですが、これまでの累積赤字がまだまだあると思います。そんなに潤沢ではないと思います。一方でこれは公共交通でもありますので、やはり沖縄県としても全国共通のICカードの導入に向けてしっかりと連携して支援をするべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○嘉川陽一土木建築部建築都市統括監 モノレール株式会社につきましては、平成28年度に決算が単年度黒字化に転じております。しかし現在133億円という累積赤字を抱えているということもあって、経営の健全化に向けてはまだ厳しい状況が続いておりますので、モノレール株式会社が全国共通のICカードを導入する際には、連携しながらしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
○比嘉瑞己委員 ちなみに全国共通のICカードというものは各都道府県で導入されていると思います。この導入に当たっては、東京オリンピックも開催されることから、国の補助があると聞いています。実際にそれはあるのですか。
○嘉川陽一土木建築部建築都市統括監 国土交通省所管の補助メニューとして、鉄軌道事業者に対して訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業というものがあります。これは3分の1補助となっております。
○比嘉瑞己委員 6億円の3分の1補助だとする2億円です。これを国が持つ。残りの3分の1ずつを沖縄県とモノレール株式会社が持つのか、あるいはモノレールが通っている那覇市や浦添市にも負担してもらうというような考え方などがあると思います。ぜひ実現に向けて積極的な姿勢を示してもらいたいと思います。
答弁を聞いていて、やはり全国共通のICカードというものは、この公共交通のみならず沖縄県の観光産業の発展のためにどうしても必須のものであると思いますが、企画部長の考えをお聞かせください。
○川満誠一企画部長 全国共通のICカードの導入につきましては、御指摘のように観光客の利便性の向上や交通渋滞の緩和等、よりよい影響が考えられますので、企画部としても関係部局と連携して進めてまいりたいと考えているところでございます。
○玉城満委員長 ほかに質疑はありませんか。
大城憲幸委員。
○大城憲幸委員 陳情に対する説明資料の19ページ、新規の陳情第98号に関して質疑します。先ほどから質疑があるように、1日当たりの利用者が平均5万人を超えていると。これが順調に伸びているのはいいことなのですが、券売機前の混雑に加えてモノレール自体の混雑もあるわけですね。同陳情は西原町を経由してMICEまで延伸するというものです。現時点で執行部の皆さんが課題として挙げているものは道路の拡幅が必要であるということ。またバスとの競合が考えられるという2点なのです。現在1日当たり5万1000人が利用しているとのことですが、皆さんの計画で浦西まで延伸された場合には、来年や再来年における1日当たりの利用者数はどれくらいふえるものと見ていますか。
○嘉川陽一土木建築部建築都市統括監 モノレールの延伸後は8000人から1万人程度ふえるものと考えております。
○大城憲幸委員 そうなると車両も今の2両編成では限界ではないかという話もちょこちょこ聞くのです。さらにMICEまで延長してほしいというような要望やその必要性の議論がある中で、車両の編成数の増についてはどういう議論になっていますか。
○嘉川陽一土木建築部建築都市統括監 現在、モノレールについては19編成で運行しておりますが、将来の需要の伸びを見込んで、さらに2編成の追加を予定しており、将来的には21編成での運行が可能になるものと考えております。
○大城憲幸委員 今のは編成数についての答弁になっています。私は現在の編成車両である2両について、3両や4両にふやすという部分はどうなのかということを聞いているのです。
○嘉川陽一土木建築部建築都市統括監 モノレールについては、現在の2両1編成から3両1編成あるいは4両1編成というように車両を改造するということも含めて将来的には考えていきたいと。ただし、その場合には非常に多額の投資が必要になってきますので、そのあたりについてもしっかりとモノレール株式会社と連携しながら対応したいと考えております。
○大城憲幸委員 先ほどの券売機の話もそうですが、やはり少し議論のペースが遅いと思います。那覇空港駅ではこれだけの混雑が発生している。さらに、ピーク時には混雑が頻発していく中で、てだこ浦西駅のオープンが目前まで来ましたと。そしてMICEまで延伸するというような議論がどんどん進んでいくし、入域観光客は1200万人を目指しているということも明確に出ているわけです。ですから文化観光スポーツ部でやるのか、土木建築部でやるのか、あるいは公共交通を担当している企画部としてやるのか。いろいろな視点があると思いますが、やはり連携と共通認識、危機感やスピード感を持った取り組みというものを強化する必要があるのではないかと思います。その辺はどうですか。
○嘉川陽一土木建築部建築都市統括監 我々の対応が後手に回らないように、しっかりと需要予測を立てながらきちんと取り組んでいきたいと考えております。
○大城憲幸委員 先ほど質疑があったOKICA、電子決済の話を確認させてください。前回の委員会の中では、その導入についてバスはなかなか難しいので、モノレールだけでも先行して考えていると。たしか国土交通省の事業による取り組みを検討しているというような答弁があったと思うのですが、その話は進んでいるのですか。
○川満誠一企画部長 現在、モノレール株式会社においてSuicaを含めた全国系のICカードについて導入の検討が具体的に進められていると聞いております。導入するメリットについては先ほども申し上げたとおりでございますが、企画部としても後手に回らないように取り組んでまいりたいと考えているところです。
○大城憲幸委員 最近の新聞報道等で知ったのですが、沖縄総合事務局でバスにiPadを持ち込んでQRコードで決済をするとかという実証実験を始めたということを聞きました。その辺についてバスとモノレールが一緒になって始められれば理想的なわけです。ただし、一緒に始められないのであればモノレールだけでも先にという議論があってもいいと思います。そういう中でそのような実証実験を沖縄総合事務局がやっていると。その実証実験についてはどのように認識していますか。
○川満誠一企画部長 御指摘の路線バスを含めた公共交通へのQRコード等による決済については、非常によい効果があると思います。ただし、バス会社の新たなソフト開発とかいろいろなコストの負担等があるものですから、具体的にバス会社やモノレール株式会社も含めた意見交換などを進めていきたいと考えているところでございます。
○大城憲幸委員 これは要望ですが、先ほども言ったように、観光的、土木的、公共交通的な部分でさまざまな事業があると思います。一括交付金を使うのか、それとも先ほど説明があった国の補助事業を使うのかも含めて、これについては税金を使わせてもらうわけですから、費用対効果の視点からどうなのかという議論はどうしても出てくると思うのです。一方で言われているのは、観光客がどんどんふえていく中で、沖縄県の玄関口である那覇空港であのような大混雑を起こしてしまうと、そこはやはり観光客の満足度や観光地としてのネームバリューについて非常に悪い影響を与えてしまうという観点も大事にするべきではないのかと思います。やはり先ほど言ったように、県庁内の三者が連携して、より早く事業に取り組めるという意味で、調整役となるリーダーシップが必要だと思います。先ほど答弁にありましたように、ぜひ企画部長が頑張っていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○玉城満委員長 ほかに質疑はありませんか。
大城一馬委員。
○大城一馬委員 関連しますが、陳情に対する説明資料19ページ、陳情第98号のモノレール延伸の件なのです。これは西原町が町民大会を開いて、11月22日に県に要請しています。先ほどからお話があるように、道路の拡幅等々も含めた課題はあると思いますが、やはり地元としては交通渋滞の緩和、そして生活環境の整備のためにも、ぜひモノレールをMICE施設まで延伸してもらいたいという強い要望であるものと理解しています。地元もコンサルタントに委託したと思いますが、非常に細かく試算をしています。利用者の数値とか建設費の数値とか出しています。これ以上余り多くは申しませんが、やはり県としては、この延伸についての必要性は十分に持っているものと理解していいですか。
○宮城優交通政策課公共交通推進室長 先ほども申し上げましたが、現在の路線バスに関する課題は見えておりますので、将来的には、特にMICE施設へのアクセスのルートにおいて特に需要の多そうなところに関しては、新たな公共交通システムの導入について検討する必要があるものと考えているところです。
○大城一馬委員 県への要請の際には富川副知事が対応しているわけですね。たしか企画部長も同席していましたかね。これは報道の範囲ですが、富川副知事は東海岸への延伸は非常に大事であると。またMICE施設の整備についてプラス材料として追い風になるといったようなことを西原町からの要請のときにお話しされているわけです。公共交通推進室長からお話がありましたように、やはり今後の調査になるのかと思います。バスとの連携とかですね。そういったことでいろいろなことを想定しながら、この事業が行われるものと理解しております。
そこでもう一つ質疑させていたきます。陳情に対する説明資料6ページ、陳情平成28年第60号等の陳情に、フィーダー交通の問題があります。南部地域から路面電車やLRTを主体としたフィーダー交通の早期の導入を求める声があります。せんだって那覇市議会でもその件が取り上げられておりますが、モノレールを大型MICE施設まで延伸することになると、このフィーダー交通であるLRTとの結節の必要性が出てくると思うのです。そういったことに関して、皆さん方は何か構想のようなものを持っているのですか。
○宮城優交通政策課公共交通推進室長 構想段階における鉄軌道の計画の中で、フィーダー交通に関しては将来のフィーダー交通ネットワークの構築を見据えて沖縄本島の各圏域で市町村を中心に共同して検討を行っていきたいという説明をさせていただいたところです。このような各地からの御提案などについては、今後のフィーダー交通の検討作業の中で、まさにみんなで連携できるネットワークになるように議論を深めていきたいと考えております。
○大城一馬委員 前回の委員会でも話が出ていましたが、フィーダー交通ネットワークに関する各圏域における協議の進捗はどういう状況になっていますか。
○宮城優交通政策課公共交通推進室長 まず7月に市町村にアンケート調査を実施いたしました。その後、各市町村を回ってヒアリング等も行ったところです。北部地域、中部地域、南部地域のそれぞれが近隣市町村との連携の必要性については認識しているという考えをお持ちでした。ただし、組織体制とかさまざまな状況もありますので、この会議の持ち方というものを、今関係機関と一緒に調整しているところです。一方南部地域に関しましては、先んじて地元の市町村での検討が動き始めておりますので、恐らくまずスタートするのは南部地域や中部地域あたりなのかというのが現時点での感触でございます。
○大城一馬委員 先ほども申し上げましたように、この喫緊の課題について、きょうも西原町、与那原町、北中城村及び中城村で構成される東海岸地域サンライズ推進協議会―サンライズ推進協議会が知事に要請を行うということで、大型MICE施設の早期の建設と新たな公共交通の導入ということで動いています。やはりMICE周辺の近隣市町村は、このような新たな公共交通、フィーダー交通の早期の実行、着手を求めていますので、ぜひそれに応えられるようにしっかりと頑張っていただくことを要望します。
○玉城満委員長 ほかに質疑はありませんか。
座波一委員。
○座波一委員 同じく陳情第98号について質疑します。モノレールも含めて、西原町まちづくり推進協議会以外からも、モノレールの延伸案あるいはMICEに絡めた鉄軌道の整備計画の要請等について、我々県議会議員が知らないところで直接執行部に来ているのもあるのですか。
○宮城優交通政策課公共交通推進室長 平成28年度にサンライズ推進協議会から、那覇-与那原間のLRTの敷設についての要請をいただいているところでございます。
○座波一委員 現在、大型MICE施設の建設の予定がかなり厳しくなっている、苦しくなっているという状況は御存じのとおりであります。その条件として周辺環境の整備などもあるわけですが、道路の整備も含めた公共交通機関とMICEとの関係―MICE建設の一環として位置づけるという。これについては再三、各委員からも意見が出ていると思いますが、そういう中で政府の要望に応えられる周辺環境の整備にはならないのか。それはどうですか。このモノレールをMICEまで延伸するという案がその解決の一つになるという考え方は持っていないのですか。
○宮城優交通政策課公共交通推進室長 MICE施設の担当である文化観光スポーツ部とも連携して、そのようなことができるのかという検討を行ってみたいと考えております。
○座波一委員 MICEは集客力があるからそういう大型MICE施設としてつくるべきだと。今後も沖縄県の観光の重要な施設になり得るということで、これは集客力があることを前提にやっているわけですから、これを公共交通と絡めてやってください。その辺が決まれば国が指摘している周辺環境の整備、ホテルとか宿泊施設というものがどんどん入ってくるわけです。公共交通がないから次の整備ができないということもあるので、モノレールをここまでつなぐことができれば、これはもう起爆剤になりますよ。そういうものが周辺環境整備の最たるものではないかと考えているのです。執行部の皆さんはそういう考えにはならないのかということなのです。与那原町から国道329号の要望が出ていることも全く一緒なのです。むしろ浦西からのルートは時間的にも相当かかる。空港から一本で来るという国道329号のほうがMICEも含めた考え方としては有効ではないのかと思っています。もう一度聞きますが、周辺環境の整備というものは、そういう意味からも言えるのではないかということです。
いかがですか。
○嘉数登企画振興統括監 国道329号とか浦西から延伸してはどうかとかという議論が各方面からあることは承知しております。いずれにしても新たな公共交通という観点から、需要がどうなるのかという点が非常に大事だと思いますし、将来的な採算性もあわせて検討しなければならないと思っております。
平成29年度に文化観光スポーツ部から示された公共交通の分担率は5%を想定していて、現在の公共交通で対応できるのか。それができなければどういう対策が必要かということについての検討の依頼が企画部にありました。それを踏まえて検討した結果が、これまでにいろいろと答弁させていただいた内容です。今後公共交通の分担率が5%ではなく、それを上回るような分担率となった場合にどうするかということについても平成30年度に検討しておりましたので、そういう地元からの要望も踏まえつつ、需要の動向というようなものも十分に検討していきたいと考えております。
○座波一委員 今、地方との分担率の問題を指摘していますが、地方のまちづくりにおいて今やはり大事なことは土地利用ですよ。ここにも書かれていますが、そういうことで土地利用を考えていった場合、用途や地区計画などが公的にも整備される必要があると指摘していますからね。これまでも再三言っているように、与那原町や西原町も用途地域の問題で法的に交通機関を整備することも非常におくれているのではないかと思っているのです。それが足かせの一つになっていませんか。まさに広域都市計画の中での用途、線引きなどについてもそのようにここに書かれています。
○玉城満委員長 休憩いたします。
(休憩中に、執行部より質疑の内容についての確認があった。)
○玉城満委員長 再開いたします。
嘉川陽一土木建築部建築都市統括監。
○嘉川陽一土木建築部建築都市統括監 モノレールが延伸した後に、駅周辺の開発をどのように進めるのかということについては、やはり都市計画法に定める用途地域を指定する必要がございます。このため例えば調整区域のエリアについては区画整理事業等の導入を含めて市町村がしっかりとしたまちづくりの方向性を出していただくということが必要であると思われます。
○座波一委員 そこがまだまだ本格的にかみ合った議論になっていないなと思うのですが、やはり市町村、特にあの辺の市町村はこの調整区域を見直してほしいという声が非常に多いのです。見直しの声が多い中で、県議会では抑制する地域がまだまだ必要だというような答弁ばかりで、その問題で全く解決の糸口が見えない中で、またこのような需要の問題も含めたMICEに関連する周辺整備に都市計画上の問題もあるというようなことになってくると、これは県の中でこういう議論がなされていないのかということになりますよ。いかがですか。
○嘉川陽一土木建築部建築都市統括監 少し既存区間のお話をさせていただきます。現在モノレール延長事業を進めている浦添市の経塚駅、浦添前田駅、てだこ浦西駅の周辺では、それぞれ浦添市あるいは土地区画整理組合が施行者となって土地区画整理事業を進めております。これはモノレールの延長があって、将来の駅の利用やまちづくりをどうするかということを市町村が中心となって取り組んできた結果だと思っております。さらに、てだこ浦西駅周辺にすぐ隣接した西原町においても西原西地区の土地区画整理事業が実施されているというところですので、将来のモノレール延伸といった計画が具体化した段階では、やはりしっかりとしたまちづくりについて議論を深めていくことが必要でありますので、我々もその市町村と連携しながら進めていきたいと考えております。
○座波一委員 そういう県庁内の枠組みを超えた横断的な取り組みについて、我々は当初から主張しているのですが、那覇広域都市計画の中でも大型プロジェクトがあるわけです。一体的に土地利用の面から整備していかないと需要喚起に全くつながらないと私は思っています。やはりそういった都市計画にのっとって考えていく場合には、今は都市計画がモノレールの延伸等のさまざまな課題において足かせになっているということが現実だと思います。ぜひそこは企画部も含めて那覇広域都市計画などの事業において、都市計画が足かせにならないように配慮すべきだと思っています。これについてはいかがでしょうか。
○嘉川陽一土木建築部建築都市統括監 西原町では都市計画マスタープランを作成しておりますが、平成29年12月に大型MICE施設への周辺土地利用の構想を位置づけるために、この一部改定を行っております。このため県も将来の西原町のまちづくりの構想についてしっかりと意見交換を行っているところであり、将来の西原町のまちづくりには連携して取り組んでいきたいと考えております。
○座波一委員 次に、南北を縦貫する鉄軌道の件です。陳情に対する説明資料6ページから8ページの陳情平成28年第60号、同第90号及び同第128号です。今、MICEの問題も契約は締結した。でも一括交付金のめどが立たないということで、停止条件にはまってしまいそうな状況で、初めて今県議会でMICEもおくれるということ、2020年には間に合わないことがはっきりしました。そういう話も含めてですが、我々も内閣府のいろいろな勉強会に行くわけです。その中でMICE以上に南北鉄道の問題は難しいと言うのですよ。これはビー・バイ・シーの問題がまず第一に来るのです。しかし、そのような状況の中で、ビー・バイ・シーをクリアするために県はどのような計画の見直しをしてきたのか。具体的にどういったことをしてきたのかを明らかにしてもらえませんか。
○宮城優交通政策課公共交通推進室長 構想段階におきましては、県の検討ではビー・バイ・シーの前提条件となる駅の位置とか交通システムそのものがまだ決まっておりませんので参考値として取り扱ったところでございます。これまでも内閣府の調査の中で、さまざまなコスト縮減策等々を検討した結果、ビー・バイ・シーは厳しいということが見えているところです。県としては、ビー・バイ・シーのビーの部分に該当する便益、特に利用者便益のあたりを事業化に向けて事業を実施できるように、より高められないかというところを調査するということで今年度から取り組んでいるところでございます。
○座波一委員 そうは言っても、なかなか改善される見込みが見えないということが現実ですよね。そのような中でルート案も決まっているのですが、そのルート案について該当する地域が非常に期待していて、土地利用も含めて動き始めていく可能性があります。そこは慎重にできるできないという現実的な部分から手順を踏まえていかないと、後で混乱を招くことにもなりかねないのではと思っています。
自分なりに考えたことは、まず一気に南北、那覇-名護間を1時間で結ぶということは理想ではありますが、それに固執してしまうと速度の問題が出てくるわけです。速度の問題になると特定された鉄軌道になってくるわけです。それよりも現実的にビー・バイ・シーを高めるためには、必要な区間で順次的にまずはやってみると。極端に言うと那覇-普天間間です。普天間基地の返還跡地にそれを持っていくということになれば、その区間には人口も集中していますので大きな需要が発生すると思うのです。そこの収益状況を見て次の延長にというように段階的に延長していくことが、本土における鉄道整備のやり方だと思うのです。一気に南北間を結ぼうとすることがビー・バイ・シーの問題が解消されない一番の理由ではないかという気がしています。どうですか。
○川満誠一企画部長 全体としての目標は、名護と那覇を1時間で結んで、その間の沿線の人たちが円滑に移動できる、観光客も多数利用できるというものを目指しているわけです。これが実際に事業着手される場合には、御指摘のように最も輸送密度の高いところからとかいろいろなことが考えられますので、それについては御指摘のとおりではないかと思います。先ほど申し上げた事業着手に向けた場合のビー・バイ・シーにつきましては、やはり人口密集地のほうが圧倒的に上回ってくると思いますので、そのアプローチは非常に重要かなと思っております。
○座波一委員 やはりそのように考えたほうがいいと思います。現実的に一気に那覇-名護間よりも可能性が出てくると思いますし、逆に普天間基地の返還跡地に大規模なパーク・アンド・ライドの構想を実現させて、中部地域や北部地域から車でここまで来て、それから電車に乗るということもあれだけの土地があれば可能です。ですからそのように順次的に収支がとれるといった方法を示さないと国は動いてくれないのではないかという気がいたしますので、ぜひそこは現実的に進めるようにしないといけません。MICEや鉄軌道もこの収支という点ではもう決め手がない状況にはまってしまっているということが大変心配なのです。そういうことで企画部におかれても、ぜひともそういう打開策を一ひねりしていただく時期に入ったのではないかと思っています。
○川満誠一企画部長 貴重な御提案であると受けとめさせていただきます。参考にさせていただきたいと考えます。
○玉城満委員長 ほかに質疑はありませんか。
上原章委員。
○上原章委員 引き続き、鉄軌道の件について質疑します。国と県がお互いで調査を進めながら今日まで来ていますが、ビー・バイ・シーの問題があります。特に国が言っている上下一体方式と県が求めている上下分離方式は全く大きな違いがあるのです。ここに一つの着地点を見出さなければ、鉄軌道の実現そのものが本当に見えないなということがこれまでの議論でもずっとありました。この辺の申し合わせというか、国と県との考え方の整理というものはどうなっていますか。
○宮城優交通政策課公共交通推進室長 確かに内閣府の調査におきましては、通常の鉄道の整備スキームである上下一体方式を前提に調査が行われております。我々の検討の中でも上下一体方式で整備を行った場合は、採算性にかなり悪い影響が出て、その実現は厳しいというところが見えているところでございます。ですから事業化に向けては、沖縄県ならではの特例制度による上下分離方式をぜひともつくっていただくことを今後とも国に対して求めてまいりたいと考えているところでございます。
内閣府と調整を行っている中で、我々としてはやはりビー・バイ・シーの部分についてしっかりと取り組まなければならないのかという感触を得ているところです。今年度はそのあたりをしっかりと調査していきたいと考えております。
○上原章委員 法整備も含めて、皆さんがさまざまなビー・バイ・シーについて、国をしっかりと説得できるように頑張ってほしいのです。国は県の希望や思いをある程度はしっかり受けとめて、この方向で行こうかなというところまで来ているものと認識していいのですか。いかがですか。
○宮城優交通政策課公共交通推進室長 内閣府の調査におきましても、これまでたくさんのルートを設定し、検討を行っています。その中で鉄道の場合とトラムトレインの場合の2つに分けて、十幾つかのルートで検討を行ってきたと。それで平成29年度の調査では鉄道の場合はケース2、トラムトレインの場合はケース7ということで、いよいよ一つずつに絞り込んで、コスト縮減策を中心に、実現に向けて国も一歩一歩進んでいただいているという感触は持っておりますし、我々はコスト縮減策ではなく便益を上げる方法について、より実現に向けて検討していきたいと。これは国と県が意見交換をする中で、協力してやっていけるものと考えております。
○上原章委員 この作業を進めていく中で構想段階も終えて、いよいよ皆さんが言われる計画段階に入るということなのですが、スケジュール的には予定どおりでいくということで大丈夫ですか。
○宮城優交通政策課公共交通推進室長 先ほども御答弁させていただいたとおり、内閣府の調査において費用便益と採算性の部分が課題であるということが示されておりますので、まずはそのビー・バイ・シー、費用便益の部分について、しっかりと調査を行って実現の可能性が出てくるように国に働きかけていきたいと考えております。
○上原章委員 あと1点教えてください。陳情に対する説明資料1ページ、陳情平成28年第45号の5なのですが、沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業です。航空路について新幹線並みの運賃を実現することで、それが地元では大変喜ばれているのですが、現在年間大体幾らの予算でこの事業は実施されていますか。
○長濱為一交通政策課長 平成30年度の沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業は、飛行機と船を合わせて約20億円で実施しております。
○上原章委員 この20億円は一括交付金を充てていると思いますが、一括交付金は平成24年度からスタートして、いよいよ残りあと3年ということになりました。振興予算もそうですが、処理方針で皆さんは新たな法制度の整備を国に要望しています。この辺の見通しについて教えてください。
○長濱為一交通政策課長 離島住民の航空路の運賃の軽減につきましては、平成24年から実施しておりますが、引き続き安定的かつ継続的に実施してまいりたいと考えております。
御質疑の法制度の整備につきましては、離島空路整備法(仮称)というものが陳情内容に上がっております。これは毎年、沖縄県を含めた6道県で国に対して要請しているところであります。本県で行っている交通コストの低減とか、小規模離島で欠損が出るような路線についての運航費補助であるとかといったものを含めて法制度の整備によってしっかりとした確実なものにしていきたいという要請を、引き続き関係する道県と連携して行っていきたいと考えております。
○上原章委員 全国的に離島を抱えている県もあると思うのですが、今本県のこの事業は一括交付金という形で手当てしているのです。今後、もしまた割高な運賃としてもとに戻るということになると、今の離島の安定した生活とか、定住とかといったところにも大きく影響してくると思うのです。ですから今後この事業を後退させないということが、県の大きな使命となります。これについて沖縄県独自で国に要請するということは考えていないのですか。
○川満誠一企画部長 沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業については非常に重要な事業の一つとして、現在の基本計画をスタートするときから沖縄振興特別措置法―沖振法を改正していただいて、財政上の特例による一括交付金によって実現しているものです。施策的に非常に重要であることは認識しております。今、沖縄21世紀ビジョン基本計画の総点検に着手したところですが、次の振興計画に向けて重要な施策であるということを補強した上で、次の沖振法の改正にも財政上の特例が継続されて、この事業を含めてさまざまな施策が継続できるように取り組んでまいりたいと考えているところです。
○上原章委員 モノレールしかない本県の中で、ましてや離島が多いわけです。海上交通しかない離島もありますし、それぞれの安定した生活環境をつくるためにも絶対になくてはならないものだと思いますので、ぜひ企画部長を先頭にしっかりと頑張っていただきたい。また我々県議会議員も後押ししたいと思っています。よろしくお願いします。
○玉城満委員長 ほかに質疑はありませんか。
平良昭一委員。
○平良昭一委員 引き続き、鉄軌道の件について質疑します。これはステップ5まで来ている中で、県民の熱が上がっていないなという感じがしてなりません。県企画部からのチラシが入っていました。これは全戸配布だと思いますが、こういう周知の仕方も非常にいいことであります。地域の方々は鉄軌道が敷設されたときにどういう影響が出るのかということについて以前よりも関心がなくなっているような感じがしてなりません。特に北部地域からそういう話が出てきた割にはいまいち気運が高まっていない。それどころかトーンダウンしているような感じがしてならないのです。執行部の皆さんから見ていてそういう感じはありませんか。
○宮城優交通政策課公共交通推進室長 お手元のニューズレターにありますとおりステップ5が完了し、5月には計画が策定されております。その中でフィーダー交通のネットワーク構築を見据えて、地域の皆さんと共同で各圏域で検討を行っていきたいということでうたっております。これをベースにして今各圏域の皆さんとヒアリング等も行いながら、その検討会をスタートさせるところまでこぎつけているところです。今後その中でさまざまな御提案を聞いたり、課題が見えてきたりなど、いろいろとあるのかと思うのですが、やはり近隣の市町村同士で連携して検討を行いながら課題を解決していく作業、それこそが今後の鉄軌道整備に向けた気運の醸成にもつながっていくものと考えているところでございます。
○平良昭一委員 QアンドAを見ると、大変よい意見のやりとりだと思います。こういうやりとりを大いにやっていかないと、鉄軌道が敷設された中で生活がどのように変わっていくのかということを県民はまだまだ理解していないようなところがありますので、このフィーダー交通等も生活にかかわる問題にもなるわけですから、こういうQアンドA方式をやっていくことが大きな課題の解決につながっていくことになると思います。
特に、都市部だけではなく北部地域、名護市まで敷設するということであれば、純粋な意見を頂戴しながら名護市近辺の方々にどのような状況であるかということも説明できるようにしていかないと、これより前に進まないのではないかという心配もあります。特に国の予算を得るために大分頑張っている、いけるというお話をしておりますが、県民の方々はまだ理解できていないようなところもあります。ですから今後こういう地域の中でのネットワークづくりを大事にしていけたらと思っております。その辺いかがでしょうか。
○宮城優交通政策課公共交通推進室長 構想段階における鉄軌道計画案づくりの作業の中でも、パブリックインボルブメント―PIを毎回実施してパネル展示も行いながら、その中で県民の皆様からかなり具体的な意見―私は今までこのようなことを知らずに今回初めて知ったという意見や、こんなことが心配だとかという意見はこれまでもたくさんいただいているところです。今後のフィーダー交通の議論の中で、場合によってはその圏域だけの広報啓発とかも必要ではないかとか、いろいろな話が出てくると思っておりますので、しっかりとそのあたりも取り組んでいければと思っております。
○平良昭一委員 今後は特に気運が高まっていかなければならないわけです。トーンダウンしてはいけないわけです。そういう大事な状況をつくっていただきたいと思います。
比嘉委員と大城委員からの質疑にもありましたとおり、全国共通のICカードは当然必要になってくる状況です。モノレールの利用者の中でも46%が観光客になっているわけです。となると当然バスについても観光客が占める割合はそれくらいになってくると思います。特に高速バスやリムジンバス、中でもやんばる急行バスあたりはかなり好調に伸びています。しかし利用者の方々からは全国共通のICカード―Suica等を導入していただきたいというような要望もかなりあるわけです。皆さんも陳情に対する説明資料の17ページの処理方針の中で、多様な利用者ニーズを踏まえた公共交通の利用環境のあり方について、関係者と連携をすると記載しているわけですし、実際にはバス会社が全国共通のSuicaの導入を考えていると聞いています。その辺の情報交換とかありますか。
○川満誠一企画部長 バス事業者もIC乗車券を利用することが望ましいという要望があるということは承知しており、その議論は行っていると聞いています。ただし、やはりコストについての懸念が払拭できていないのかと思います。
先ほども申し上げましたとおり、今後はモノレールについては全国系のICカードが使えるように努力してまいりたいということ。それから時間はかかるのかもしれませんが、このICカードの利便性は非常に高いと思いますので、バスについても導入されるように努力を続けていきたいと考えております。
○平良昭一委員 沖縄県の観光は好調で特に外国人が多くなってきている。これは全国的な傾向なのです。となると外国人の方が共通のICカードを使えない地域であるということは、沖縄県にとっては非常にマイナスです。彼らは沖縄県だけに来るわけではないのです。日本全国を旅しているわけですから。そういうことを考えたときに沖縄県だけがこれを使えないとなると、これは外国人からのイメージがダウンします。こういう負のイメージはどんどん広がっていきますので、観光に対する県の姿勢や考え方が問われてきます。本土の観光客も当然ですが、インバウンドの方々への対応を考えていくのであれば、沖縄県だけでしか使えないということは問題です。観光業界やバス会社の関係者の方々の話を聞いておりますが、やはり共通で使えるものを導入せざるを得ないような状況になるだろうと言っていますので、これからも関係者といろいろ詰めながら、ぜひそのような問題解決に前進していただきたいと思います。いかがでしょうか。
○川満誠一企画部長 御指摘の点は重要な点だと承知をしております。文化観光スポーツ部とも連携してコツコツと前に進めてまいりたいと考えます。
○玉城満委員長 ほかに質疑はありませんか。
中川京貴委員。
○中川京貴委員 陳情に対する説明資料19ページ、陳情第98号の大型MICE施設誘致に伴うモノレール延伸及び宿泊施設確保に関する陳情について、質疑します。この趣旨は大型MICE施設整備に伴う採算性の問題や周辺整備計画が乏しいことを理由に国が県に対して事業見直しの苦言を呈し、一括交付金の予算承認を見送ったことに対して憤りを感じていると。これに対する皆さんの処理方針がきちんと出されていない感じがしています。先ほど各委員からこの問題についての質疑が出ておりますが、この処理方針を見るとさまざまな観点から十分な検討が必要であると考えておりますと、書かれています。こういった処理方針でいいのか。これでは国との協議がうまくいくはずもないと考えますが、いかがですか。
○川満誠一企画部長 御質疑の趣旨については、陳情者の要旨についての記述がないという御指摘だと思いますが、MICE全体の推進についての権限といいますか、企画部はこれについて所掌していないものですから。したがって企画部としては公共交通に関するところに絞ってこの処理方針を記載しているところです。我々としては大型MICEについてお答えするのは少し難しいものと考えます。
○中川京貴委員 この要旨の記の1の部分にもあるとおり、やはりMICEが建設されることについては西原町や与那原町だけではなく、この東海岸の一帯が誘致に向けて一生懸命努力してきました。企画部長も御承知のとおり、大城一馬委員や我々もその場所が決定したときには西原町で祝賀会も行っています。多くの方々が喜んで、そういった発表もされました。一方では地元はこれに伴う交通渋滞や宿泊施設の整備など、この陳情に書かれているような不安もあって、県と国との協議はどういう状況なのかという疑義がありました。だからこそ今のMICEが少し足踏み状態でうまくいっていないことが予測される中での質疑なのです。
○川満誠一企画部長 これは大型MICEまでのモノレールの延伸が必要不可欠なので、県道38号線バイパス沿いの延伸計画を促進してほしいという陳情でありますので、延伸に当たってはこのような課題がわかったところですと。それで今後も調査を行って、このような課題解決に向けて取り組むという趣旨を申し上げたということでございます。
○中川京貴委員 企画部長、先ほどの答弁の中でも、現在のところバスの増便等の対策が必要であり、それで十分だということがありましたが、この三、四年前からバスだけではなくモノレールはもちろんのこととして、いろいろな交通渋滞の緩和策を講じなければ、これだけの大型MICE施設の整備は厳しいと、我々は何度も代表質問や一般質問でも取り上げてきました。それにもかかわらず、今になってやはりその必要性がありますというようことでは国は納得しないのではないですか。
○川満誠一企画部長 国から大型MICE施設についていろいろな宿題を受けてその対応に努力しているのは文化観光スポーツ部でございます。交通についての周辺環境はどうかという話もあるとは思いますが、具体的に我々でこのようにせねばというものがないものですから、企画部の立場では答弁が難しいものと考えます。
○中川京貴委員 それでは土木建築部の立場で聞きますが、この要旨の部分で、モノレールの延伸はMICE施設には不可欠であると。しかし県としてはバスの増便で十分だという答弁も先ほどしていましたが、これは当初から西原・与那原地区は交通渋滞が厳しいところであり、その解消について地元からの要望があったにもかかわらずそれが解決されていないということです。それが解決しなければMICE施設の整備は難しいのではないですかということについて質疑します。
○宮城優交通政策課公共交通推進室長 この大型MICEのまちづくりビジョンで予定されているホテル等々の計画があって、まずはその数値をもとに需要予測等々を行いました。短期的には現況の路線バスでの対応について課題がないのかということで小規模イベントと大規模イベントをそれぞれ見たところ、小規模イベントに関しては現状の供給量で問題はないと。ただし、大型イベント、例えば2万人規模のコンサート等々を開催したとき、その帰りの時間帯はバスの供給量が減ってくる時間帯と重なるということで、そこには明白な課題がありそうだということで、そこは増便等の対応策をいろいろと検討しなければならないということが短期的に見えております。また中・長期的には、特に需要が大きくなりそうなルートである那覇-与那原間、さらにてだこ浦西駅から国道329号におりてきてMICEにつながるルートに関しては、新たな公共交通システムを入れた場合の課題はどうなるのかというところを検討しております。ただ同時進行で道路整備の計画等々もございますので、今後その需要予測などを行っていく場合にはいろいろな変化が出てくるのかという気がしております。
○中川京貴委員 ですから私が質疑しているのは、このモノレールを西原町や与那原町まで延伸するとかといった課題を解決しないと、国としてはMICE事業に対する課題は解決していないのではないかということなのです。
○嘉数登企画振興統括監 国道329号それから浦西ルートなど、いろいろな御意見がございます。もちろんモノレールを延伸するにしても採算性や需要がどうかということは慎重に検討しなければいけません。当然、検討するに当たってはバスを排除して議論するわけではなく、需要に応じてバスがいいのか、BRTがいいのか、さらにはモノレールやLRTがいいのかというような、システムについても検証する必要があります。いずれにしてもこれについては慎重に検討していきたいと考えております。
○中川京貴委員 文化観光スポーツ部とは部署が違うと思いますが、はっきりと言えることは、そういった課題を解決しないままに県は土地を購入してMICEの整備を進めると。我々は何度もこの問題について代表質問や一般質問で見切り発車してはいけないとただしてきました。国と協議を整えて、テーブルにのせてきちんと課題を解決しなければ、ボタンのかけ違いではこの事業はうまくいきませんと。やっとここまで来たのに、国と県との協議が整わないままで見切り発車したおかげでこれが一歩も前に進まないと。あと3年、4年もこの状態で塩漬けになった場合の責任はどうするのかということを一般質問や代表質問で質問してきたと思います。今質疑しているのは今後どうするのかということなのです。課題解決に向けて県はどうしますか。
○川満誠一企画部長 MICEは企画部が中心ということではないのですが、県庁全体としては推進するということについて変わりはございませんので、担当部局である文化観光スポーツ部との意見交換は行っております。さらに詳細な理論武装などが必要であるということであれば、これまでもやってきているつもりですが、文化観光スポーツ部と協力をして、交通政策が補強できるということであれば前向きに対応します。具体的なボリューム、定量的なものを把握した上でないと説明が難しいところがあるものですから、今このように申し上げているわけですが、MICEを推進することは県政の重要施策という位置づけでございますので、継続して文化観光スポーツ部に協力してまいりたいと考えております。
○中川京貴委員 次に、陳情に対する説明資料6ページから8ページ、陳情平成28年第60号、同第90号及び同第128号です。これは鉄軌道にかかわることですので一括して質疑します。先ほどからこの鉄軌道の質疑が出ております。これまでの答弁の中でもうステップ5の段階まで進んでいるということでしたが、これはあくまでも県のステップ5の話であって、国との協議はそんなには進んでいないと。我々自民党会派としてこの鉄軌道について要請をしてきました。国からは県は国の課題には対して何一つ答えていませんというような説明がありましたが、その相違点について答えてください。
○宮城優交通政策課公共交通推進室長 委員がおっしゃるとおり、構想段階のステップ5までの検討というものは県独自のものでございます。県民の皆様への情報提供をしっかりと行って、その御意見をいただきながら検討を進めるということが国との一番の違いだと思っております。ただし、内閣府では以前からさまざまなルート設定をし、その検討が行われております。その中でも特にビー・バイ・シーの部分について課題があるということが示されている状況でございます。我々としても国と連携しながらしっかりと検討していきたいと考えております。
○中川京貴委員 要するに普通こういった事業というものは計画性を持って―先ほど座波委員からの質疑にもあったように、どこからどこまでをということをきちんと持って、1工区、2工区、3工区と決めて、駅もきちんと決めて、そして国に対する予算要求という手順を踏むべきです。以前に那覇市の始発駅はどこですかという質疑に対して、それはまだ決まっていないとの答弁がありました。将来的には那覇空港につなげたいとかですね。それでは宜野湾市の駅はどの辺ですかと聞いたら、宜野湾市についてもどこかわかりませんと答えました。浦添市の駅はどこですかということにも答えられない状況の中で、果たして国との協議を整えていけるのでしょうか。
○宮城優交通政策課公共交通推進室長 具体的な駅の位置、それから第1工区、第2工区ということ―要するに段階的整備のことをおっしゃっているのかと思いますが、まさにそういう議論については次の計画段階の中で決定していくということでございます。我々としましては整備主体についてはやはり国を中心に行っていただきたいと考えておりますので、内閣府の調査の中でも駅の位置を仮設定しながら試算を行っている状況ですので、それでビー・バイ・シー等々の課題が解決できるめどがつき次第、次の計画段階に移っていき、その中ではそのような詳細な議論が交わされることになるものと考えております。
○中川京貴委員 現在この鉄軌道について国との協議を整えつつあると。国から出されている課題について半分以上はクリアしているのか。まだまだ3分の1くらいなのか。それとも既に8割はクリアして、答弁されたとおり次のステップで駅の設定をしていくという状況までき来ているのか。現在はどの位置ですか。
○宮城優交通政策課公共交通推進室長 我々は国から示されている採算性と費用便益分析という2つの課題があるということで、内閣府が前年度の調査内容を8月に出されたわけです。採算性につきましては、先ほどから答弁させていただいているとおり、上下分離方式を可能とする特例制度が必要であるということです。もう一点の費用便益については今年度から事業実施に向けて、特に利用者への便益等を中心にしっかりと検討を行っています。場合によっては次年度までその検討作業がかかるのかもしれませんが、しっかりとそこは課題解決に向けて取り組んでいきたいと思います。その先で、ある程度のめどがつき次第、計画段階に移行するというイメージで取り組んでいるところでございます。半分の段階とかというお示しはできないのですが、まずは課題に向けて取り組んでいるということです。
○玉城満委員長 ほかに質疑はありませんか。
大浜一郎委員。
○大浜一郎委員 陳情に対する説明資料21ページ、陳情第102号の5について質疑します。これについては前回も質疑いたしましたが、RACとの協議についてはそれ以降どうなっていますか。
○長濱為一交通政策課長 小規模離島における航空路線につきましては、離島航空路線維持確保協議会というものを関係する市町村、航空会社、県で構成しており、11月22日に同協議会を開催いたしました。8月以降、同協議会のもとに設置した4回の検討部会の中間報告という形で事業計画案であるとか効率的な運航体制、あるいは公的支援のあり方について御報告したところでございます。その協議会の中にはRACの方もおりましたし、多良間村長、石垣市長、竹富町長もいらっしゃって、現在の離島における航空路線の状況についてしっかりと話し合いをしたところでございます。
○大浜一郎委員 その話し合いの内容はどういうものですか。RACの回答の内容についてお答えください。
○長濱為一交通政策課長 具体的な石垣-多良間の路線についての御質疑であると思います。多良間空港には1500メートルの滑走路がありますが、今実際にRACがすぐに就航できないのかということについては、RACとしては現在持っている機材でできる範囲の路線があると。したがって例えば石垣-多良間間に新しく路線をつくるということになると、別のところに飛んでいる路線についての見直しを行わなければならないとかといったところもあって、すぐには難しいというような話だったかと思います。
○大浜一郎委員 すぐには難しいとなってくると、それはやらないということですか。
○長濱為一交通政策課長 当然、その航空路線を開設するためには、定期路線となりますので年間を通じた安定的な需要であるとかといったことで航空事業者が判断されることになると思います。
○大浜一郎委員 平成18年3月までの需要の経過について把握していますか。要するに廃止されたのは平成18年3月なのです。それまでに搭乗率とかそういうものが著しくだめだったのか、それとも他の路線に持っていくためにここは打ち切ってしまえということになったのですか。
○長濱為一交通政策課長 今手元にある資料では、平成17年度の搭乗率は32%であったと。これはRACが就航していたころです。そういう実績があります。
○大浜一郎委員 その当時は今の50人乗りではないですね。小さな航空機だったのですか。それで搭乗率は32%ですか。
○長濱為一交通政策課長 当時は9席の航空機で運航していたということでございます。
○大浜一郎委員 9席の32%であればもうほとんどいない。そんなことが続いていた。それともこの航空機の小ささが基本的にだめになった原因なのか。その辺のところはどうなのですか。
○長濱為一交通政策課長 それ以前は、平成12年度までは19席の機材を使っていたということです。そのころの数字をざっと見ると、搭乗率が30%かあるいは30%を切っている状況であったということを聞いております。
○大浜一郎委員 そのときの状況と今の状況とでは少し違うところもありますが、再度このような要望が出てきたということは、多分いろいろな事情もあるのかと思います。以前にも申し上げましたが、基本的には離島の交通を担うということがRACの非常に大事なミッションであると私は思っています。これまでの経過の中でいろいろな矛盾があるのかと思いますが、トライすることが彼らにとっての大事な使命だと思っていますので、その辺のところを県でもバックアップしていただけませんか。
○長濱為一交通政策課長 シビアな形での需要予測とかといった形で事業者は考えられるのかと思いますが、例えばある程度の需要が見込まれるタイミングでのチャーター便などは、当然RACも受け入れられる余地はあるのかと思います。まずはそういったところも含めて関係者で協議してまいりたいと考えております。
○大浜一郎委員 次に、陳情に対する説明資料12ページ、陳情平成29年第46号の5の記の3です。同様に波照間航路についてです。実はきょうかあすに石垣で遊覧のための搭乗フライトがあるのです。今の第一航空にはまるで期待できないので、今機材はあるわけですから、このようなものを使って遊覧の合間を縫ってスケジューリングして、石垣島から波照間島に飛ばすといったような使い方をした場合には、運航上で何か大きな問題がありますか。
○長濱為一交通政策課長 先週八重山の地元紙で報道があった件であると承知しております。まずはデモフライトでスタートして、次にチャーターを考えているところまでは我々も聞いております。実際にこれを路線としてやっていくことについては、当然国の認可という手続も必要ですし、赤字が見込まれるということであれば国、県、町も一緒になって、その運航費を補填するということもあり得ることかと思います。しかしそういったベースには路線として国による認可といった手続が必要になってくると思います。そういったところに向けて、まずはデモフライト、それからチャーターというステップを踏んでいくことは大変有効であると思いますので、我々としても注視してまいりたいと考えております。
○大浜一郎委員 多分当面これが一番早い方法ではないかと思っています。手続論とかということは今後やるにしても、現在飛行機があるということをどうにか利用できないのかと思っていましたので、ぜひその辺のチャーターフライトやデモフライトがスケジューリングに乗るかどうかという―例えば告知ができるのかどうかというところはもう少し先の話なのかもしれませんが、その辺の取り組みをしないとこれは当面の課題の克服にはならないのでないのかと思っています。私も地元に帰っていろいろな人と話をして、その情報をまた共有させていただきたいと思っています。
それともう一点。ICカード、Suicaの利用に関する件です。私もこの陳情者から直接お話を聞く機会がありました。我々県民にとってSuicaというものは必要ないのです。でも私は持っています。PASMOやSuicaも持っています。でも県内で使えるところはほとんどありません。これからは多分ApplePayとか―石垣市ではおじいちゃんやおばあちゃんから子供までみんなEdyを使うのです。そういうICカードや携帯電話で決済することは日常なのです。ですので外国人観光客をふやしていくとなると果たしてSuicaで対応するのがいいのか。それではSuicaを導入するときにはJRが費用を負担するのかどうか。そんなこともいろいろとあるのではないでしょうか。今後は端末決済の時代になってくると思うので、ApplePayとかPayPalができるのかはわかりませんが、世界の人たちが使っているモバイル決済の端末の整備に力を入れていったほうがより広がるのではないのかと思います。Suicaなどは沖縄県以外の人は必要なのかもしれませんが、我々は使うところもありませんから。それに6億円もの多額のお金をかけるということはいかがなものかと思っております。端末決済をどんどん広げていくほうがはるかに広がりとしてはあると思います。その辺の検討もなされてはいかがでしょうか。
○長濱為一交通政策課長 先ほど質疑の中でも話題に出たと思いますが、国の実証事業でスマートフォンのQRコード決済というものに、大浜委員の地元である石垣市と北部のやんばる急行バスが手を挙げたと聞いております。こういった新たなシステム導入にはいろいろなコスト等が発生する面もありますが、Suicaの利用も含めて、関係する事業者とどういった形で今後進めるべきなのか。あるいは観光客という視点で見たときにはどうなのかといった、公共交通を担っている企画部と文化観光スポーツ部がしっかりと連携しながら議論してまいりたいと考えております。
○大浜一郎委員 今のシステムだと第一交通のシステムになりますね。ですからどうしてもバスとの連携が重視されてくると思います。ただし、これを広げていくには少し視野を広げて考えたほうがいいのかと思います。
○玉城満委員長 ほかに質疑はありませんか。
座喜味一幸委員。
○座喜味一幸委員 まず先ほども質疑があった航空運賃の低減化についてです。陳情に対する説明資料の9ページ、陳情平成29年第3号の5です。6道県で連携して法制化に向けて動いていることについては頑張っていただきたいと思います。これから沖振法の改正の中でこの課題を取り組んでいくほうがより具体的、より現実的ではないかというようなことがあります。現在ほかの事業も全て高率補助があるわけですが、国土交通省との連携の中で、この離島航空運賃の低減化というものを工夫すれば沖振法の中に押し込められるのではないかと思っています。企画部長、その辺の取り組みについてはどうでしょうか。
○川満誠一企画部長 離島航空法とか、6道県でやっているものはこの予算事業の担保を強めたいという趣旨でやっているわけであります。ですから御提案は、沖振法の中に本県においては離島交通が重要な政策課題であるという趣旨を具体的に記す必要があるのではないかという趣旨であると思います。私もその方向で沖縄21世紀ビジョン基本計画の総点検を行っています。沖振法のたてつけとして、実際にはいろいろな施策の課題を書くわけですが、沖振法の本体で書いているものの中で財政の特例を第105条とかその辺に書いているものが一番威力を発揮している感じがあります。本文の中に書いているものは税制上の特例や規制緩和も書いてありますが、この辺については経済活動を支援するという趣旨の記載が強くなっております。離島における運賃の低減につきましては社会施策の面が非常に強いので、財政措置があれば実現できるということではありますが、この政策の重要性をどのように書き込めるのかということについては総点検を行った上で、沖縄振興審議会とか地域の皆さんの御意見も伺って進めてまいりたいと思います。これは大変貴重な御意見であると思います。
○座喜味一幸委員 工夫の仕方で何とか押し込めるのではないかと。やり方次第であると思っています。離島振興においては、投資する側からすると航空運賃等々というものが極めて重要なファクターになっていて、時が過ぎて航空運賃の低減化がなくなってしまうと観光産業が影響を受け、物流が影響を受けてみたいな不安要素というものを常に抱えているので、その辺はぜひとも取り組んでもらうことをお願いいたします。
これに関連して、下地島空港のことを念頭に航空運賃の低減化について確認をします。今回おくればせながら航空燃料税の低減化に少し見通しがついたということで大変喜んでおります。航空燃料税の低減化は外国航路には間違いなく適用になるかという確認です。いかがでしょうか。
○川満誠一企画部長 航空機燃料税の低減は外国の路線には適用されておりません。
○座喜味一幸委員 ANAハブの貨物は対象になっていますよね。
○川満誠一企画部長 この貨物便も対象になるのは国内路線です。
○座喜味一幸委員 下地島空港がこれから動くので自家用機とか訓練機が頭にあるのですが、それらについては航空燃料税の低減の対象にはなりますか。
○川満誠一企画部長 認可において定期路線であるということが原則であると思いますから、それは対象に入ってこないと思います。
○座喜味一幸委員 かつてパイロット訓練機については低減の対象となっていたと思っているのですが、これはどうですか。これについては調べてください。いずれにしても、ぜひともその制度については、もう一度総点検しなければならないという話は別にして、せっかく適応されるのであればより広い適用の仕方があればありがたいと思っております。
もう一点、先ほどから出ておりますフィーダー交通についてです。西原町を中心としたMICEの話ともかかわることですが、国における鉄軌道導入の調査と県の調査が別々に走っている。ちなみに今年度の予算について、県は幾らで国は幾らですか。
○宮城優交通政策課公共交通推進室長 当初予算ベースで言いますと両方とも約1億円であります。
○座喜味一幸委員 私も内閣府で勉強してみて、彼らとの意見交換の中で感じていることは、国と県との考え方に相当の隔たりがあるということです。その中でビー・バイ・シーの話や上下分離方式の話は特に大して問題ではないような気がいたします。いよいよ計画が終了するわけでしょう。いろいろなルート案や上下分離方式もこれまで検討してきたわけだから、県としてはそれなりのノウハウを蓄積した。ですから国にしっかりと相談しながら逆に国に任せるべきところを任せて、実現に向けてもちろん一生懸命やる。だけどその辺のお互いの調査の仕方というものを、それぞれきれいに分けないとお互いに同じことを一生懸命やっているような気がします。その辺の調査の内容の整理をして、課題を共有する。その課題について沖縄県としてしっかりとこのための調査を行っていくという時期に来ているのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○宮城優交通政策課公共交通推進室長 まさに国が発注されたばかりの今年度の調査です。今から国も詳細な作業に入っていくわけですが、その中でやはりルートはこれとこれという形で設定されているところでビー・バイ・シーの部分が一番課題だなというところがございます。国は当然かなりいろいろなシステムのことを研究しながら、このようにコスト縮減策を講じたらどうだろうかというようなさまざまなケースを検討していると思います。ただし、ビー・バイ・シーの部分においてのコスト縮減策については国が具体的に駅の位置等々を設定し、検討しておりますので、我々はやはり便益についての事業化に向けた検討をしっかりとやりたい。それを内閣府とも意見交換の中でお伝えしておりまして、今後ともそういう形で連携しながら検討を行っていかなければならないものと考えております。
○座喜味一幸委員 そのとおりです。実務レベルでのいろいろな議論については大体集約しようと思えばできる段階にあります。ビー・バイ・シーの話とかになってくると、今度これはある意味で正式な判断というものが必要な時期になって来ていると思っていて、企画部長や三役がこれをある程度さばいて方向性を見つけていかないと、大型MICE施設の二の舞になりかねないところがあって、これについては実務の整理プラス正式な判断というものが極めて必要になっている。企画部長、その辺はもうタイミングとしてはいよいよです。どうなのでしょうか。
○川満誠一企画部長 県としては御提案のように、可能な限り国と協調していきたいと考えております。公共交通推進室長が答弁したとおり、便益、ベネフィットを大きくできるように丁寧に積み上げていって、説得できるものにした上で―要するに鉄軌道は投資であって、沖縄県の生産力を高めるという非常にリターンが大きいものであり、重要な社会基盤であることをかねてから申し上げておりますが、これを定量的に説明できるようにして、知事や副知事とも相談をして国に対する要請を継続してまいりたいと考えております。
○座喜味一幸委員 少し関連しますが、フィーダー交通の話の中で、西原町とかから今上がってきているような件について―きのうたまたま与那原町に行きましたが、向こうの交差点の混みようは大変です。特に上り線です。たまたま佐敷から来たのですが、あの状況はもう大変です。
それで文化観光スポーツ部と企画部と土木建築部で連携してその辺の課題は整理されていますという趣旨の答弁を幾つもいただきましたが、東京で聞いてみると環境も含めた整備というものが、特に交通網を含めて極めて不備であると。全く熟度が上がっていないというような思いを感じてきたのです。したがって地元からのモノレールの延伸の要望にしても、県庁の3つの部が当面急ぐべき大型MICEを中心とするこのフィーダー交通について土木建築部に重点的に予算を配分すべきではないのかと質疑しても、今の事業予算の範囲でできるというような答弁をされています。実際にこのMICEが動いたときにそこに来る人たちの動き等々を含めると、本当に浦添から西原におりていくトンネルだけでクリアされるのか。これには本気で取り組まないといけない。このフィーダー交通の中でも特にこの周辺に関して県が重点的に取り組もうとしていることは、その条件が甘いと言われるようでは話にならない。その辺に関しては少し仕事がオーバーワークになると思うのですが、その辺の課題の解決に向けて文化観光スポーツ部と連携をとったことはありますか。
○嘉数登企画振興統括監 MICEは文化観光スポーツ部が担当しておりまして、当然国から出されたいろいろな課題に関しては文化観光スポーツ部だけでは対応できないということで関係部局を集めていろいろと検討をしております。その中に企画部が担当している交通があります。企画部で検討する交通分野、特に公共交通については前提となる公共交通の分担率はどうなのかというところから議論はスタートしております。そこをしっかりと踏まえつつ調整していきたいと思っております。
○座喜味一幸委員 多分地元も大型MICEが動いたらその周辺の活性化につていも大変期待するだろうし、交通の利便性とか交通渋滞がなくなるというようなことを期待するでしょう。その辺に関しては特にこのMICEを含む重点地域として整備を急ぐべきである地域として、改めてフィーダー交通の部分についてはしっかりと整理する必要があるのではないですか。
○嘉数登企画振興統括監 これまでも我々はしっかりと調査してきたつもりです。先ほどから申し上げている公共交通の分担率に関しましても、文化観光スポーツ部から求められている5%だけではなく、それが上振れした場合にはどうなるかということなども含めてしっかりと調査していきたいと思っております。
○座喜味一幸委員 イメージだけではなくて、具体的に人の流れを予測した、将来の予測交通量の流れの模式をしっかりとつくっていただいて、これを説明していただければ、我々も心配せずにすんなりいくと思います。よろしくお願いします。
○玉城満委員長 ほかに質疑はありませんか。
(「質疑なし」と呼ぶ者あり)
○玉城満委員長 質疑なしと認めます。
以上で、企画部、知事公室及び土木建築部関係の陳情に対する質疑を終結いたします。
説明員の皆さん、大変御苦労さまでした。
休憩いたします。
(休憩中に、執行部退席)
○玉城満委員長 再開いたします。
陳情の質疑については全て終結し、採決を残すのみとなっております。
これより、陳情の採決を行います。
陳情の採決に入ります前に、その取り扱いについて御協議願います。
休憩いたします。
(休憩中に、陳情等の取り扱いについて議案等採決区分表により協議)
○玉城満委員長 再開いたします。
お諮りいたします。
陳情については、休憩中に御協議いたしました議案等採決区分表のとおり決することに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○玉城満委員長 御異議なしと認めます。
よって、さよう決定いたしました。
次に、閉会中継続審査・調査事件の申し出の件についてお諮りいたします。
先ほど、閉会中継続審査・調査すべきものとして決定した陳情16件と、お手元に配付してあります本委員会付議事件を閉会中継続審査及び調査事件として、議長に申し出たいと思いますが、これに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○玉城満委員長 御異議なしと認めます。
よって、さよう決定いたしました。
以上で、予定の議題は全て終了いたしました。
委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
本日の委員会は、これをもって散会いたします。
沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。
委 員 長 玉 城 満