委員会記録・調査報告等

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公共交通ネットワーク特別委員会記録
 
平成26年 第 3

2
 



開会の日時

年月日平成26年7月11日 曜日
開会午前 10 時 3
散会午前 11 時 45

場所


第6委員会室


議題


1 鉄軌道を含む公共交通ネットワークの整備拡充並びにこれらに関連する諸問題の調査及び対策の樹立(鉄軌道等に関する平成25年度内閣府調査の結果について)
2 陳情平成24年第116号、同第140号の5、同第141号、同第142号、同第197号、陳情平成25年第9号、同第10号、同第29号、同第38号、同第50号の5、同第86号、同第89号、同第91号、同第93号、同第94号及び同第104号の5
3 閉会中継続審査・調査について


出席委員

委 員 長  金 城   勉 君
副委員長 新 田 宜 明 君
委   員  砂 川 利 勝 君
委   員 具志堅   透 君
委   員 島 袋   大 君
委   員  新 垣 哲 司 君
委   員 髙 嶺 善 伸 君
委   員 玉 城   満 君
委   員  渡久地   修 君
委   員  儀 間 光 秀 君
委   員 大 城 一 馬 君


欠席委員

なし


説明のため出席した者の職・氏名

企画部長  謝 花 喜一郎 君
交通政策課長 嘉 数   登 君
 交通政策課公共交通推進室長  真栄里 嘉 孝 君



○金城勉委員長 ただいまから、公共交通ネットワーク特別委員会を開会いたします。
 陳情平成24年第116号外15件、鉄軌道等に関する平成25年度内閣府調査の結果について及び閉会中継続審査・調査についてを一括して議題といたします。
 本日の説明員として、企画部長の出席を求めております。
 まず、審査日程の変更を議題といたします。
 7月7日の委員会において決定した本日の審査日程では、企画部関係陳情、鉄軌道等に関する平成25年度内閣府調査の結果についての順に審査を行うこととしておりましたが、陳情の処理方針内容と密接な関係があるため、先に鉄軌道等に関する平成25年度内閣府調査の結果についての審査を行い、その後に陳情審査を行うこととしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

(「異議なし」と呼ぶ者あり)

○金城勉委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 次に、本委員会付議事件鉄軌道を含む公共交通ネットワークの整備拡充並びにこれらに関連する諸問題の調査及び対策の樹立に係る鉄軌道等に関する平成25年度内閣府調査の結果について審査を行います。
 ただいまの議題について、企画部長の説明を求めます。
 謝花喜一郎企画部長。

○謝花喜一郎企画部長 これより内閣府が平成25年度に実施し、6月に公表された沖縄における鉄軌道等に関する調査の概要について御説明いたします。
 お手元に資料を用意しておりますが、説明は前方のスクリーンにて行わさせていただきます。説明時間は約15分を予定しています。
 初めに、調査の構成です。
 これまでの調査において、厳しい事業採算性や費用対効果の改善が課題となっていたことから、内閣府の調査におきましてはコスト縮減方策、需要喚起方策などについて検討を行っております。
 それでは、コスト縮減方策の検討について御説明いたします。
 検討項目として、5つございます。1、地下トンネルにおける最新技術の採用。2、単線区間の拡大及び全線単線化。3、駅数の削減。4、現在開発中の小型システムの採用。5、導入空間の構造変更。この5つのコスト縮減方策の検討を行っております。
 まず、第1の項目として、地下トンネル工事のコスト縮減についてです。
 地下トンネル工事は、一般的にはシールド工法と呼ばれる工場で製造したブロックを組み立てる工法が採用されております。一方、最新技術であるSENS工法では、現場でコンクリートを打設することで、工場製品の運搬費が削減されるため、シールド工法に比べ約26%の施工単価の縮減効果があり、コスト縮減に有効な工法と評価されております。この工法については、県の計画案策定においても参考にしていきたいと考えております。
 第2の項目として、単線化の検討でございます。
 初めに、単線と複線の違いについて御説明いたします。左側が単線、右側が複線でございますが、上下列車がそれぞれ別の線路で走るものを複線、同じ一つの線路を共用して走るものを単線といいます。単線では、複線に比べ、線路の初期工事費が縮減される一方、車両同士が衝突しないように運行時間を調整する必要があることや、上り線及び下り線のすれ違いによる駅での待ち時間が発生するという特徴があります。
 それでは、次に、調査結果について御説明いたします。
 内閣府調査では、需要の比較的少ない区間を単線化する検討を行っており、延長77キロメートルのうち約55%、82%を単線化した場合と、100%、つまり全線単線化した場合について検討を行っております。その結果、 単線化は、所要時間が増加するなどサービス水準の低下はあるものの、コスト縮減効果が一定程度あり、費用対効果、BバイCの改善にも有効とされております。しかし、一方で単線化区間では快速運行の設定が困難であることや、上下線のすれ違い待ちによる所要時間の増加など速達性が低下することとなります。また、将来的に需要がふえるなどして複線化が必要となった場合には、コストが大幅に増加する等の課題があるとされております。
 次に、第3の項目として、駅の削減についてでございます。
 駅数を30駅から21駅に削減することにより、概算事業費で約13%の縮減となっておりますが、利用者にとっては、駅までの距離が長くなるため、駅へのアクセスの利便性が低下する結果となり、需要は23%の大幅減となることが示されております。そのため、費用対効果は低下することとなり、駅の削減については慎重な検討が必要とされております。
 第4の項目として、車両の小型システム化についてです。
 内閣府は、今年度調査で、急勾配・急曲線対応であるスマート・リニア・メトロの採用について検討を行っております。スマート・リニア・メトロは、普通鉄道に対して車両長が5分の3、断面積が10分の7程度となることから、駅やトンネル断面が縮小され、約20%のコスト縮減が図られることから、コスト縮減効果には有効との結果が得られております。この図は、システム別の標準断面です。スマート・リニア・メトロのトンネル断面積は、普通鉄道の10分の7程度となっております。このスマート・リニア・メトロは、県が平成24年度の調査において想定した小型鉄道の改良型となっており、平成25年度の県調査においても検討の対象としております。
 第5の項目として、地下から高架構造への導入空間の構造変更についてです。
 内閣府調査では、国道58号の2車線を占用して、鉄軌道を導入する検討を行っております。その結果、概算事業費の縮減や費用対効果の改善が図られております。このように地下から高架構造への変更は、コスト縮減や費用対効果の改善には有効でありますが、一方で、道路空間に高架構造で導入する場合には、片側1車線ずつ減少することによる道路混雑の発生や、騒音・振動、日照障害などの影響についても留意する必要があるとされております。この図は、4車線道路へ高架構造で導入した場合のイメージ図です。道路が4車線の場合、高架構造にすると道路車線が2車線に減少することになります。道路が6車線の場合、高架構造で導入すると、この図のように道路車線が4車線に減少することになります。
 これまで説明してきたコスト縮減方策のうち、有効とされた方策を組み合わせた結果を次の表に示しております。
 複数のコスト縮減方策を組み合わせた場合、鉄道については、うるま-パイプライン経由の概算事業費は6000億円と、平成23年度に比べ9%の削減、費用対効果は0.39から0.58で0.19の増加と改善しております。うるま-国道58号ルートについては、地下区間が多いパイプラインルートから、地上区間が多い国道58号へルートを変更することにより、概算事業費は5100億円と40%の大幅縮減となっております。これは、うるま-パイプラインに比べ900億円安価となっております。また、事業採算性については、一般的な整備手法である施設の整備、保有から運行までを運行会社が行う、上下一体方式を前提とした検討を行っております。そのため、開業40年後の累積損益は、うるま-パイプラインの場合、3900億円となっており、平成23年度調査に比べ2600億円の減となったものの、事業採算性は依然厳しいものとなっております。県としましては、鉄軌道の導入実現に向けては、持続的な運営を可能とする新たな特例制度の創設が不可欠であると考えております。
 この図は、全国新幹線鉄道整備法による整備スキームを示したものです。整備新幹線では、車両以外の駅やレール等のインフラについては、鉄道運輸機構が整備、保有し、JRは車両を購入し、使用料のみを支払って運行を行っております。また、整備に係る費用については、国が3分の2、地方公共団体は3分の1の負担となりますが、地方交付税措置により実質国庫負担は最大で88%となっております。県としましては、新たな制度創設に向けては、地方公共団体の負担を限りなく小さくするよう求めていくこととしております。
 次に、トラムトレインについて御説明いたします。
 内閣府では、鉄道以外にトラムトレインについても、同様にコスト縮減方策について検討を行っております。その結果、トラムトレインについては、概算事業費が2600億円の減、47%減の2900億円となり、費用対効果も0.53から0.83と0.3増加し、大幅に改善しております。ただし、国道58号への導入については、高架構造ではなく地平構造を想定しているため、自動車交通への影響が懸念されるとともに、信号による停車が必要となることや、法定速度が時速40キロメートルに制限されること等により、所要時間が鉄道の66分から79分に比べて、122分から127分の約2倍となっております。そのため、沖縄県総合交通体系基本計画において掲げている那覇と名護を1時間で結ぶとする目標の達成は極めて困難となります。
 それでは、内閣府の平成26年度予定しております調査について御説明いたします。
 内閣府では、これまでの調査結果を踏まえ、さらなる費用対効果の改善に向け、コスト縮減方策として、導入空間の見直しや、ランニングコストの縮減について検討を行うこととしております。また、需要分析の深度化として、観光需要予測の見直し、需要喚起方策の検討を行うこととしております。さらに、沖縄県が安倍内閣総理大臣及び菅官房長官、太田国土交通大臣、山本沖縄担当大臣に要請いたしました持続的な運営を可能とする特例制度の創設についても、全国新幹線鉄道整備法も含めたさまざまな制度について研究、検討を行うこととしており、調査に当たっては、沖縄県と連携を図ることが示されております。県としては、鉄軌道の早期導入実現に向け、引き続き国と連携して取り組んでまいります。内閣府調査についての説明は以上です。
 それでは引き続き、今後の県の取り組みについて簡単に説明させていただきます。
 県では、県の計画案策定に向けて取り組むこととしております。計画案策定に当たっては、県民及び市町村など関係者等の理解と協力が不可欠であることから、透明性の高い計画策定プロセスが求められております。また、計画案策定に当たっては、導入ルートのみに議論が偏ることなく、沖縄の将来を見据えた大局的な観点から検討が実施されるよう留意する必要があると考えております。そのため、計画案策定に当たっては、3つの段階に分けて検討を行っていきたいと考えております。
 まず、第1段階では、ことしの8月から11月にかけて、学識経験者等で構成する鉄軌道・合意形成あり方検討委員会(仮称)を設置し、パブリックインボルブメントによる県民意見なども踏まえ、検討プロセス及び検討体制について決定してまいりたいと考えております。
 次に、第2段階として、12月から来年3月にかけて、第1段階で策定した検討プロセスに基づき、仮称ではありますが、プロセス運営委員会―これは、先ほどの鉄軌道・合意形成あり方検討委員会がそのまま移行する形になります。それから、沖縄鉄軌道検討委員会―これは、計画案の実質を策定する委員会であります。それから、沖縄鉄軌道検討委員会に対して技術的側面からサポートする技術検討委員会の3つの委員会を設置し、パブリックインボルブメントによる県民意見や技術検討委員会の助言等も踏まえつつ、複数案を選定するために必要な比較評価項目について検討を行ってまいりたいと考えております。
 第3段階では、来年度、第2段階で検討した比較評価項目を踏まえ、複数ルートについて比較評価を行い、パブリックインボルブメントによる県民意見や技術検討委員会の助言等を踏まえ、推奨ルート案を選定してまいりたいと考えております。
 これら検討結果を踏まえ、県の計画案を策定し、平成28年度には、策定した県の計画案をもとに、国と事業化に向けた調整を行ってまいりたいと考えております。
 なお、本日お示ししました計画案策定に係るスケジュールは、あくまでも現時点における想定であり、今後、第1段階で実施する委員会の検討等を踏まえ決定されることになります。以上で説明を終わります。

○金城勉委員長 企画部長の説明は終わりました。
 これより、鉄軌道等に関する平成25年度内閣府調査の結果について質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないように簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 新垣哲司委員。

○新垣哲司委員 内閣府のコスト削減ですが、ただ沖縄県は戦後一貫して鉄軌道の恩恵を受けていないのですよね。そういう意味からもやはり政府としても、この沖縄県に対する定速走行の鉄軌道というものを、県民はもちろんですが、沖縄県の発展のために大変大事なことではないかと。国としては採算性の問題を取り上げているところですが、採算性も一番大事なことであるのですが、県が要望する、国とこれからの作業として一致できる点、あるいは県からの要望を国にどういうふうに取り入れていくかということについて所見を聞きたい。

○謝花喜一郎企画部長 先ほども説明させていただきましたが、県は6月18日に菅官房長官、太田国土交通大臣、それから山本沖縄担当大臣、また23日には安倍内閣総理大臣にも、鉄軌道の早期導入決定及び早期着工に向けた要望を行っております。その中で、太田国土交通大臣の御発言が私どもとしては大変印象深かったわけですが、今委員からも御指摘がありましたように、沖縄県は全国で唯一そういった鉄道がない県です。他県では、戦後復興としてまず直ちに鉄道が再設されたにもかかわらず、沖縄県は敷設されないまま現在に至っているというところについて、やはり国においてもしっかり受けとめなければならない。最終的にいろいろ課題はあるにしても、政治で決定しなければならないだろうという御発言が太田大臣からありました。知事もそのことにいたく感心しまして、安倍総理に太田大臣がそういった発言もしておりましたということを23日にお伝えしているところです。内閣府の平成26年度の調査において、沖縄県が求めておりました特例制度についても、いよいよ内閣府も本格的に検討を行うということがあります。また、県が求めていた小型鉄道についても、内閣府も検討に入っているということです。そういったこれまで県がずっと求め続けてきたものについて、内閣府もいよいよ具体的な調査に入ってきている、また今後もやっていくということになっていますので、いよいよ国も耳を傾けていただき始めたのかということを、作業している身―担当部長として感じているところです。

○新垣哲司委員 今、部長からのお話を受けて大変いいことだなと、真剣に―沖縄の交通体系もしっかりやりたいと政府も内閣も一緒になってやるという、これは大事なことだと思っています。そこで、これからだと思うのですが、本県は東と西の位置があります。やはり本県が発展するためには、均衡ある発展が一番大事なのです。駅が30から21ですか、こういう説明を受けたのですが、これはかえって沖縄県からしっかり―駅があって初めて利便性ができるわけですから、その辺が一番大事なポイントではないかと思っています。ルートについても南は糸満から名護ということですが、鉄道が通ることと通らないこと、駅があることとないことで地域の発展というものは物すごく違うのです。ですから、東海岸も西海岸も同じように、作業レベルといいますか、その辺の対策、対応、あるいは国にお願いする点について、今、説明を受けたことにもっと―県がコスト面で、それ以上に駅ということも大事ですが、その辺のことを少し、県の考え方があればお聞かせください。

○謝花喜一郎企画部長 皆様のお手元に資料としてお配りさせていただいた18ページをお開きいただければと思います。
 これはあくまでも現時点での想定でありますが、やはり鉄軌道は県民の悲願でもありますけれども、一方で県民の方々はそれぞれ地域において、ぜひ我が町に駅を鉄道をという思いはあると思います。これは県民が一つにならなければならない、実現が難しい困難な事業だと思いますが、ルートのみに議論が偏り、県民がルートを我が町にという形でそれぞれが主張だけをするとなかなか進まないだろうということを我々は危惧しております。そこで、大変手間暇がかかるのですが、第1段階、第2段階、第3段階と県民の意見―パブリックインボルブメントを丁寧にやりながら、そのあり方について議論していく必要があるだろうと。第2段階で下のほうに評価項目の決定というものがありますが、これはどういったものかと申しますと、このプロセス運営委員会で計画案は策定して、最終的に機関を担っていただこうと今の時点では考えているわけですが、その中で十分議論いただくのは、どういった観点からそのルートを決定するか、その評価を―例えば、まちづくりを中心にするのか、観光客を中心にするのか、いろいろなことが考えられると思います。この評価項目について、プロセス運営委員会でしっかり議論していただこうと思っております。そして、この評価委員会で議論していただいた評価項目を点数化して―これには専門の方々、関係機関などに入っていただこうと思っておりますが、その中で客観的指標に基づいて採点化したもので最終的にルートを決定したいと。それを県民の総意としてしっかり説明いたしまして、当然パブリックインボルブメント―県民からの意見もいろいろいただきながら、最終的に沖縄県は、こういった観点からこのルートが現時点で最善だと考えましたという形で、県の計画案をつくってまいりたいと考えております。ですから、複数ルート案の検討というものを第3段階、一番後ろのほうに持っていっていますのは、そういった理由です。我々は公平、客観的に、沖縄の将来を見据えたルートを検討してまいりたいと思いますので、この辺のところは議員各位、そして県民の皆様にも御理解をいただければと思っております。

○新垣哲司委員 第一段階として委員会も開くわけですから、ルートについても、第2、第3段階でいろいろな協議が出てくるでしょうが、この委員会の中で、少なくともコストの面だけを考えて国の言うとおりになってはいけない。やはり県民の視野に立って、県民の望むもの―どういうようなルートであるべきかという基本的なことを、しっかりやらないといけないと思うのです。ですから、今説明を受けたのですが、ある意味で国の言うとおりにはならないようにやっていただきたいと思っております。これは一番大事なポイントだと思いますので、その辺はこうあるべきだということを、しっかりもう一度短くお願いします。

○謝花喜一郎企画部長 全く新垣委員の御指摘のとおりだと思います。単に費用のみ、またBバイCのみではなくして、やはり県民にとって何が一番いいのかというものを検討する必要があろうと思っています。そして、その他の評価項目についてしっかりと議論を行って、県民の将来につながるルート案について決めてまいりたいと考えています。

○新垣哲司委員 これは冒頭でも申し上げたのですが、戦後69年間、一貫してその恩恵を受けていないわけですから、それだけの年数をかけた沖縄県に還元するのだという気持ちを、政府は持たないといけないと思っております。しっかりその辺も組み入れて、やっていただきたいと思っております。それともう一点ですが、南部は糸満市から北部は名護市ということですが、ある意味では、今帰仁村を通って、本部町を通って、辺土名までというような―これは案ですから、最初からこう決まったら延長は難しいです。これだけ1時間20分、30分で行くような距離ですから、最初から取り入れて、田舎と町の差が余りないように、また通勤できるということが大事ですから。これは全く考えていないのですか。

○謝花喜一郎企画部長 県の構想は那覇から名護までということですが、委員から以前にも御質問があったと記憶しておりますが、糸満市とか本部町、海洋博公園までと、いろいろ御意見、要望があることも承知しております。これらのことについて、どういった形でやるかということにつきましては、今後、立ち上げています委員会において十分な御議論をいただく。当然、県民の方々から御意見もいただいた上で、この部分についてはしっかり時間をかけて議論を行って、最終的には平成28年度の県の計画案を決定していきたいと考えています。

○新垣哲司委員 ぜひ前向きに検討して取り組んでいただければと思っています。開業が平成40年目標ということですが、もう僕は65歳になるから生きているかわかりませんが、鉄軌道は県民生活の上で非常に大事ですから、沖縄の将来のために早目に、県民が求めるような交通網の政策をしっかりやっていただきたいということをお願いして終わります。

○金城勉委員長 ほかに質疑はありませんか。
 玉城満委員。

○玉城満委員 これは大きく分けて普通鉄道、そして少しミニのもの、それとトラム。これはいわゆる、どちらか一方に決めるということではないですよね。例えば、併用して、この町にはこれがいいでしょうとか、そういうものも含めてということですよね。

○謝花喜一郎企画部長 本会議等で一貫して説明させていただいておりますのは、まず基幹軸として、那覇市から名護市まで1時間と想定しています。それは鉄道でなければならないだろうと思っています。一方で、まちづくりの観点から、フィーダーとして支線を駅からその地域までどういう形で結ぶか、これはLRT、それから路線バス、いろいろなものが考えられると思いますが、LRTについては、フィーダーとしての役割、まちづくりにも資する仕組みだと思っておりますので、LRTはフィーダーとして検討していきたいと考えております。

○玉城満委員 前々から思っているのですが、先ほどお話も出ていましたが、そういう意味では、地域の皆さんとのまちづくりも含めた、そして公共交通関係者のそれぞれが、バスであり、タクシーであり、いろいろなものがあるので、そういう人たちを早目に巻き込んだ形で、そのフィーダーのつくり方を検討していくということも、この調査の中には入っているのですか。

○謝花喜一郎企画部長 まだ検討段階ではあるのですが、県民の参画を促進するような組織も必要ではないかと考えておりまして、その中で幅広くいろいろな方々が参画でき、意見が反映できるような組織体をつくってまいりたいと考えています。

○玉城満委員 それともう一つ。やはりこれだけの事業ですから、今まで地元の業者はこういう体験はしていないと思うのです。ところが、前々から言っているように、やがてつくるわけですから、県内でもこれが一手に引き受けられるような企業育成というものも絶対必要になってくると思います。今、ヤマトのほうでは、そういう工事が結構行われたりしているところがあるわけで、例えば、そこに派遣するとか―沖縄出身で鉄道工事をされている方も、この前見えていました。そういうところに研修をさせるような、企業を育成することも視野に入れていただきたいと思っているのですが、その辺はどうでしょうか。

○謝花喜一郎企画部長 委員御指摘のように、なるべく県内企業に多く参画していただきたいという気持ちは一緒です。一方で、鉄軌道の敷設について経験がないということについては、やはり何らかの方策を考えなければならないということも、全く御指摘のとおりだと思いますので、今後、鉄軌道のあり方の方向性が見える段階で、そういったことも視野に入れた検討を行ってまいりたいと考えております。

○金城勉委員長 ほかに質疑はありませんか。
 大城一馬委員。

○大城一馬委員 本会議の一般質問でも質問をさせてもらいましたが、県案と国案はこれまで結構な乖離があって、なかなか国の案では事業の採算性が前面に出てしまって、本当にできるのかという県民の捉え方もあったと思っておりますが、ここに来てようやく国のほうも県と共同歩調をとり連携しながらやっていこうということで、それなりの努力で調整がなされていると理解しております。ただ、コスト縮減方策の検討という形で今5項目あるのですが、この5項目をいろいろと検討して、やはりまだ費用対効果、BバイCは公共工事の基準の1に届かないということになっています。これは可能性として、十分に費用対効果、BバイCは1に届くという考え方ですか。

○謝花喜一郎企画部長 内閣府におきましては、平成26年度の調査として、さらにコスト縮減方策も検討する、ランニングコストの縮減についても検討を行うということを言っております。それから、観光客関係を中心に需要予測の見直しも行い、また需要喚起方策も検討したいということで、BバイCについても引き上げる方策をさらに検討したいということも考えていただいているようですので、我々としては何とか1に近づけるようないい数字が出ることを期待しております。ただ一方で、県が考えております上下分離方式であれば、当然に運営会社は数年で黒字が可能だと我々は試算しておりますが、内閣府においてもそれについて検討を行うということになっておりますので、今後は、県と内閣府が歩調を合わせて、連携して取り組むことが重要であろうと考えているところです。

○大城一馬委員 まずはしっかりコスト削減を調整してやっていってください。そして、この中で1番から5番まで、地下トンネルにおける最新技術の採用、あるいは導入空間、いわゆる国道58号の構造変更などがありますけれども、1番の地下トンネルにおける問題は―今までは7つのトンネルを掘って大変だという話があったのですが、これはある程度、非常にいい意味でクリアできると理解をしています。そして、単線化の問題にも若干懸念されることがあるという話があります。課題としては、快速運行の設定が困難とか、すれ違い待ちによる時間の問題、将来はやはり単線ではなくて複線だったかということに向けてなど、そういった課題があります。そして、駅も31から21に減らす。これは地域との、市町村自治体とのしっかりした調整が必要だろうと思います。こういったいろいろな懸念、特に最後の国道のところで、ここを通すと2車線になり、交通渋滞がこれ以上ふえるということもありますけれども、やはりこういったことも、鉄道を通せば国道の渋滞もそこまで深刻な状況にならないのではないかと。そして、支線を結ぶいろいろな―各自治体がどんどんLRTとかを導入すれば、国道の2車線云々については解消できるのではないかと思っております。そういったことに関して、やはり県として今後、課題に対してどう臨むのか、少しまとめて答弁していただきたい。

○謝花喜一郎企画部長 大変ありがたい御質疑です。いろいろ議論をさせていただいていますが、県は那覇市から沖縄市までを定時定速、そして多頻度の基幹バス構想というものを考えております。それをするために、やはり車線を1車線専用レーンにしなければならないということを将来的に考えておりますが、実は過度な自動車依存から公共交通、バスへ移管するということは、鉄軌道導入に当たっても大変重要な起点だと考えております。これからどんどん高齢社会になり、運転ができるお年寄りが少なくなってきます。CO削減等いろいろと問題もあります。観光客にとっても、今のバスはなかなかわかりづらい。それは、やはり定時速達性のある基幹バスができれば、将来の県にとっても大変いいことであろうということで我々は進めさせていただいていますが、この基幹バスのさらに延長上にあるのが鉄軌道構想です。今、図を見ていただきまして、2車線それぞれ減るというものについてやりましたが、委員御指摘のとおり、それが公共交通へ移管すれば自動車量も減りますので、一時期は渋滞という議論があるにしても、やはり自動車の数を減らして公共交通のほうに移行するといった社会をつくってまいりたいというのが我々の考えです。

○大城一馬委員 前もストラスブールのお話を申し上げましたが、まさにこの町がそうなのです。ずっと交通渋滞でなかなかまちづくりもできないということがあって、当時の市長は女性市長なのですが、この人の決断で徹底的に車を排除したわけです。そして、どんどんバスとトラム、あるいは路面電車を入れたら、この町は今や世界中のモデル地域になっているわけです。世界中から毎年、まちづくりの観点から、あるいは鉄道導入の観点から、調査、視察のために、本当にすごい数の来訪者です。ですから、沖縄も日本版モデル地域として位置づけて、沖縄らしい鉄軌道の導入―何も普通にある大きな鉄道を走らせるのではなくて、観光立県である沖縄のための特徴あるトラムトレインとか、いろいろな導入の仕方があると思うのです。ですから、先ほど申し上げましたように、私は全国一の鉄道の町、路面電車の町、トラムの町と位置づけて、導入に向けてやるべきではないかと思うのですが、ストラスブールに続けという、その辺の考え方はどうですか。

○謝花喜一郎企画部長 ストラスブールも大変すばらしい町でした。ある意味理想型だと思います。この鉄軌道も何もない沖縄県だからこそ、逆にいろいろなことがもしかしたら可能になるかもしれません。目指すべき方向性を、委員からの御指摘のものを踏まえて、しっかり対応させていただきたいと考えております。

○大城一馬委員 平成26年度の主な項目ということで、削減方策の検討や需要分析の深度化、整備法の制度創出とありますが、1つだけ。コスト削減方策の検討の中にモデルルート等の精査となっておりますけれども、この件についてはどういう構想なのですか。

○謝花喜一郎企画部長 これについては、私もまだ内閣府から―これからやる話ですので、具体的なものは内閣府もこれから考えられると思いますが、先ほど新垣委員からの御質疑とも関連するのですが、ありきではなく、評価項目を客観的につくって、当然モデルルートも参考にさせていただきますが、どういう視点で沖縄の将来をつくるのだ、まちづくりをやるのだということも視野に入れながら、さまざまな方々の意見を聞いて客観、公平な評価項目、評価点を配置してルートを決めていきたいというものが、現時点での県の考えです。

○大城一馬委員 私の地元は軽便第1号、そして前の駅舎を8000万円をかけて一括交付金で復元しています。そして今度は、大型MICEが与那原町も有力だと、豊見城市もいろいろと言いますけれども、やはり大型MICEはマリンタウンが有力ではないかと、東海岸の経済発展のためにも。そういったこともあって、非常に地元自治体はこの2つの政策について真剣に考えているわけです。MICEの話は別にして、モデルルートをまずは与那原町、那覇市、ここからだということでぜひよろしくお願いします。

○金城勉委員長 ほかに質疑はありませんか。
 渡久地修委員。

○渡久地修委員 18ページの今後のスケジュールで、平成28年3月に県計画案の決定とありますが、これは前からありましたか。

○謝花喜一郎企画部長 このスケジュールについては、一昨年ぐらいから答弁させていただいております。

○渡久地修委員 そうすると、平成28年3月と具体的に出てきているのですが、議会との関係は、ここではどのようになりますか。

○謝花喜一郎企画部長 議会との関係ですが、当然、第一段階、第二段階、第三段階のそれぞれの地点において御説明させていただければと思っております。

○渡久地修委員 先ほどからあったルートなどのいろいろな問題というのは、相当将来にかかわる問題で、今もありましたが、それぞれ県民の地域の事情もかかわってきます。そういう意味で、ルートの選定なども検討委員会で決めましたということでやるのか、あるいは議会の議決事項になるのか、その辺まではまだ検討されていませんか。

○謝花喜一郎企画部長 ここまでは検討しておりませんが、今の時点での私の個人的な見解ですが、何度も申し上げましたように、ルートについてはそれぞれ県民の思いがあると思います。そして地域の代表であります議員の皆さま方にとっても重要な関心事だとも思っております。これは多数決で決めるとかそういったものではなくして、やはり客観的に評価する。その項目に従って、専門の方々に―一切のかかわりがないような方々に、客観的に決めていただくことが大事ではないかと考えております。

○渡久地修委員 鉄道の議論というのは、復帰後、議論としてずっとあったけれども、具体化という点で、今回議員に選出された11期の中で決着をつけよう、大まかな方向性をつけようではないかということで、今回の特別委員会の設置になっているのです。平成28年3月決定ということも我々の任期の最後になるのですが、そういう意味では、特別委員会を設置した目的も本当にここでできればいいのですが、これは実際上、スケジュール的にはかなりきついですよね。実際にはどうですか。

○謝花喜一郎企画部長 相当ハードだと思っております。ただ、この鉄軌道については、ただ時間をかければいいということではなく、短期集中で最適なあり方の議論ができる仕組みをつくることがまず大事だろうと思っております。第一段階での検討プロセスと検討体制の検討というものを、8月から11月ということで相当時間をかけてやるということは、その辺のところです。まず基礎固め―何をどうするのだということをしっかり有識者の方々に議論していただいて、全体的なスケジュール管理も、ここで徹底して議論していただく。そういったことをやって、あとは客観指標、評価項目がしっかりできれば、何とか県民が願う早期決定、着工につながることになればという思いで、現時点ではあらあらですが、我々事務方でつくったスケジュール案でございます。

○渡久地修委員 この特別委員会が設置されたのですが、こういう大まかな第2、第3段階まで出されているのですが、特にこの特別委員会に望むことというのは何ですか。

○謝花喜一郎企画部長 それぞれ第1段階、第2段階、第3段階での経過については、しっかり議員の皆様にも御説明をさせていただきます。ただ、地域の代表の議員の皆様に対して、もし失礼であればお許しいただければと思うのですが、ルートありきではなく、県が考えたこういった評価項目等が本当に適切かどうか、そういった客観的な立場からいろいろ御意見をいただければというのが事務方として、企画部長としての臨む姿勢です。

○渡久地修委員 企画部として、いろいろな予算の問題などがありますけれども、やはり一番困難なものになってくるのはルート。ルートというものが県民全体の合意を得る、あるいは決まったとしたら通らないところからのいろいろな意見など、そういう意味で、これが一番大きなハードルだということですか。

○謝花喜一郎企画部長 おっしゃるとおりだと思います。やはり県民の方々は、あちら立てればこちら立たずの議論になります。そういったものをいかに理解いただくかということに、我々はきめ細かな対応をやらなければならないだろうと考えております。ですから、ここの横軸には書いておりませんが、PIもしっかり入れる、これは第1段階から第3段階を通してやる。そういった中で合意形成を―県民が分断されていたのでは、国に対してこれだけのビッグプロジェクトを要求できませんので、ぜひ県民が一つになる形での県案をつくっていきたいと、それが大事だろうと考えております。

○渡久地修委員 わかりました。それから少し細かいのですが、9ページ。従来のルート案で出されているものがありましたよね。あのトンネルは何%でしたか。

○謝花喜一郎企画部長 これは県の調査ですが、地下は51%、山岳トンネルまで入れると70%近くが地下構造になります。

○渡久地修委員 70%がトンネルという点で、僕は少し疑問符を持っているのですが、今回高架というのが出てきたのですが、それをするとトンネルが何%、高架が何%ですか。

○謝花喜一郎企画部長 内閣府の調査では、この%の数字は示されていないようです。

○渡久地修委員 いずれにしてもトンネルは大幅に減るのですか。

○謝花喜一郎企画部長 国のほうですが、国道58号ルートにした場合、50%ぐらいのものが43%まで下がるというものが出ております。それから県の考えなのですが、当初中南部は都市化しているので新たな用地の確保が困難であるということで、地下構造でなければならないだろうと考えたわけですが、昨年度ずっと県民の方々からいろいろ御意見をいただきました。やはり地下については、せっかく観光客の方々がいらしたときに沖縄の美しい空や海、風景が何も見えないということはいかがなものかという御指摘がありました。我々も一定程度、国道58号等も含めた地上の高架のルートについても検討しなければならないだろうということで、平成25年度の調査では、そういったことについても検討しています。詳細は現時点ではお示しできませんが、一定程度の高架の構造は、やはり車両の減少等いろいろ課題はありますが、費用削減にもつながりますし、観光地域としての沖縄にとっても魅力を増すこともあると。また、いろいろな意見がありましたが、やはり鉄道が通っているということが県民の目に見えることが重要との専門家の御意見もありましたので、そういった高架のことについてもしっかり意見を踏まえて、導入について検討したいと考えているところです。

○渡久地修委員 そういう意見を踏まえて検討ということなのですが、要するに皆さん方―部長を含めた部内での検討は、大体方向性として、地下から表に出つつあるということでいいのですか。

○謝花喜一郎企画部長 地下から表に出ることも視野に入れて検討しなければならないだろうと考えております。

○渡久地修委員 それから、9ページにある都市モノレールは柱1本ですよね。この鉄道の場合、技術的に―1本でやるというものは実際上、構造的に不可能なのですか。

○真栄里嘉孝交通政策課室長 絵では1本支柱になっていまして、これが鉄道になった場合のイメージですが、例えば、道路において2車線道路を鉄道に置きかえたものとして考えていいと理解しますと、2車線の道路においては1本の支柱もあります。大きさが大きくなったりするかもしれませんが、技術的には可能だと考えております。ただ、コスト等も考えるといろいろな検討が必要になると思います。

○渡久地修委員 それでは1本も可能と。それと、11ページになった場合、これは2本の支柱がありますよね。真ん中は空間になっています。この絵で見ると、真ん中は1車線分の幅はあるわけです。ここに車を通すことは可能なのですか。

○真栄里嘉孝交通政策課室長 絵はイメージ図になっておりまして、実際的には通すのは厳しいかと。もっと鉄やコンクリートの塊が大きくて、2車線は潰すぐらいの幅になると思います。これについては詳細な検討が必要になるということです。

○渡久地修委員 ただ12ページであれば、片側3車線の場合に、1車線ずつやって車道は2車線ずつとありますよね。これが固定化されているみたいですが、先ほどあったように、例えば、支柱を1本にすればあと1車線ふやせるのではないかという率直な疑問があるわけです。この前、熊本と広島に視察に行ったときに、2車線の道路の真ん中を電車が、そばを車道が走っていて、別にこれでもいいのではないかと話したりしたのですが、そういう意味では、このイメージ図も含めて支柱の一本化、あるいはもっと構造的なものを考えて、車線もあと1本ふやせるのではないかなども含め、それは技術的に検討は可能ですよね。

○真栄里嘉孝交通政策課室長 今回は、大型の車両から小型の車両にかえているということで、検討は可能でありますが……。ただ、この絵にもありますように、真ん中に中央分離帯がありますので、実際的には、この現場の道路がどのような構造―中央分離帯があるか、停車線があるかなど、いろいろ総合的に考えないといけないことではありますが、技術的に検討する余地はあると思っております。

○渡久地修委員 最後になりますけれども、5ページに、仙台空港鉄道に単線高架橋があるのですが、これは単線ですよね。先ほどの報告から聞くと、単線というものはかなり厳しいのではないかという点で、僕らも単線か複線かという議論ではなくて、もう複線ということで議論したほうがいいのではないかと思うのですが、複線にした場合、この高架橋は現実に―国内で、僕らが見に行くとしたらどこがありますか。

○謝花喜一郎企画部長 県も参考にしているものですが、筑波エクスプレスがあります。

○渡久地修委員 ぜひ特別委員会でも、平成28年3月に決定ということができればいいのですが、そうできるように我々も頑張っていきたいと思います。

○金城勉委員長 ほかに質疑はありませんか。
 具志堅透委員。

○具志堅透委員 コストの縮減方策の検討ということが出てまいりまして、これを見ると、鉄軌道というものは本当に魅力あるものになるのかと非常に心配になります。地下トンネル云々の最新技術によってコストの縮減を図る、トンネルが70%ほどになるということになると、例えば、駅で上ってきて、あとはほとんど潜って、この利用対象は出ているとおり県民の足あるいは観光客だろうという―先ほどから答えてはいるのですが、果たしてそれで観光客が利用するかというと、かなり疑問です。そしてもう一つ、単線化という部分。6ページに課題も書いてあるのですが、まさにそのとおりで、先ほど部長が名護市から那覇市まで1時間圏内ということを言っておりますが、実は今、高速道路で1時間かからないのです。それよりも遅くなる、それで県民の足として誰が利用するのかという疑問もあります。スタート時点ではそれでいいかもしれませんが、将来的には、快速電車や急行電車を走らせられるような設備をしておかなくてはいけないだろうと。例えば、名護市から那覇市まで30分。私がいつも言っているのは、辺土名から那覇市までが1時間圏内ということがベストだと。それによって、先ほど新垣委員がおっしゃったように、均衡ある発展、あるいは県民の足として利用度も上がるでしょう。BバイCを意識する余り、非常に魅力がない、つくることが目的で、その後の利用が全く考えられていないような気がしてならないのです。当然課題で、すれ違いに時間がかかる、将来複線化のコスト増大などいろいろ出ていますので、皆さんも十分承知をしていると思うのですが、BバイCはつくるときで、つくった後の利用度を上げることを考えないと、できたらできたで利用者がいなかった、そうしたら運営が云々ということになりかねないという非常に懸念があります。そのことを強くここで申し上げておきたいと思っております。駅の削減にしても、これも同じことなのですが、町によっては我が町でとまる駅ということをメーンにしてまちづくりということもどんどん広がってくるだろうと思いますので、そこも果たして―今、少しがっかりしているのですが、そのことに関してコメントをいただきたいと思います。

○謝花喜一郎企画部長 まず申し上げたいのは、内閣府のものは、コストを削減するためにあらゆる方策を考えるということであり、これに絞るということでは決してありません。最終的に県がそれをどうするかということは、県民の多くの方々の意見を聞いて、評価項目に基づいて決めるということです。ただ一方で、委員からございました、那覇市から名護市まで1時間。これは県の基本的なスタンスですが、今、県が考えております高速小型鉄道と申しますのは、時速100キロメートルを想定しております。那覇市から名護市まで60キロメートルですので、時速100キロメートルでノンストップで行けば当然1時間は切るわけです。快速を導入することによって30分になるかどうかは少し困難かもしれませんが、40分とか、そういった時間帯では可能だろうと考えおります。快速を入れるという場合に、今度は単線でいいのかという議論は出てくると思います。今後、評価項目を設定するに当たって、いろいろなことを検討していきたいと考えております。

○具志堅透委員 ぜひそのようにお願いしたいと思います。先ほど我々議員のほうには、余りルートに関しては物を言ってほしくないということがありましたが、ただ、私は国頭郡区選出として、名護市でとまるということに非常に懸念を持っています。それ以北、あるいは本部半島の部分。鉄道で名護市が便利になると、また名護市の一極集中が始まる。そうすると国頭3村、あるいは本部町、今帰仁村が衰退をしていって、今でも過疎化であるのに集落そのものがなくなってしまうのではないかという懸念がある。沖縄県土の均衡ある発展ということをうたうのであれば、ぜひ辺土名から糸満市までの一本線を通して、南部一周、本部半島一周線、そのほうがベストだと思っていますので、その辺土名から那覇市までの1時間圏内をつくるということをぜひとも達成していただきたい。そのことによって、那覇市から必ずヤンバルに越してくる方々もいると思います。そこで初めて、均衡ある発展が人口的なものも含めてできると思いますので、そのことを強く要望しますが、そのことに関して第2期あるいは第3期かわかりませんが、その案を持ち合わせているのかもあわせて伺いたいと思います。

○謝花喜一郎企画部長 県民の強い要望を踏まえて、県土の均衡ある発展ということが我々が目指すべき方向性だと思っております。当然、そのことを視野に入れた議論がなされるべきであろうと私自身も考えております。

○金城勉委員長 ほかに質疑はありませんか。
 新田宜明委員。

○新田宜明委員 私はまだ県議になって2年にしかなりませんので、先輩議員の皆さんが一定程度の議論を尽くしてここまで来たと思います。基本的に鉄軌道の敷設については賛成の立場です。ただ、私は基本的なところから少し話をさせていただきたいと思います。もう既に50年近く前から、本土においても東京一極集中から、あらゆる行政も含めた都市機能の分散、何らかの災害やさまざまなことが想定されるという前提で、都市機能の分散という問題が出ていますけれども、一向に進まないのです。最後に、沖縄県は米軍基地が結構面積を占めているという県土の土地利用の関係からすると、将来機能分散が可能ではないかと思います。そこで、県土の均衡発展の問題が出ております。これは非常に大事だと思うのですが、鉄軌道の敷設で、場合によってはさらに過疎化が進行する可能性もあるのではないかという懸念を一つ持っております。なぜ那覇市から1時間という定時定速性が大きな柱にならないといけないのかということが私の疑問です。宜野湾市や沖縄市から30分ないし40分。これが軸だと、ほとんどヤンバルの辺土名は40分から1時間という定時性の確保もできるのではないか。ただ、その軸足がなぜ那覇市でなければいけないのかという疑問点があります。沖縄は南北に非常に長いので、都市機能あるいは産業構造の一定程度の分業化といいますか、地域分散、ゾーンニングを考えてもいいのではないかと思います。いつまでも那覇市を中心に考える必要はないのではないかと。例えば、行政は那覇市を中心とする、浦添市から中部一帯は商工業の中心とする、ヤンバルは観光と6次産業化を中心とした地域の特色を生かした産業ゾーンとして位置づける。こういう形にすると、例えば、東日本大震災のような事態が沖縄でも起こり得るかもしれない、そういったときに都市機能なり産業の分散をすることによって、将来的に生き残るための手法として、そういう発想があってもいいのではないかと思っています。ですから、軸足―なぜ宜野湾市や沖縄市が基点でなければいけないのかという疑問点に答えてほしい。

○謝花喜一郎企画部長 まずゾーンニングという言葉が出ましたが、基本的には新田委員がおっしゃっているようなイメージは、私も同様に―これは私の個人的なものというよりも県の沖縄振興基本計画の中においても、各圏域ごとの振興発展のあり方は書いてありますので、そういったイメージだと理解いただければと思います。那覇市の一極集中の議論があり、また宜野湾市や沖縄市ということについては、現時点において確かに一極集中という懸念はありますが、人口がここに集中しているという実態もあります。ただ一方で、国土のグランドデザインという日本創成会議等でいろいろ議論があるわけですが、首都に一極集中している、沖縄県は那覇市に集中しているという御指摘だと思いますが、それをいかに解決するかという議論の中で、今、国において検討されているのが、地方都市と地方都市を結ぶラインをつくる、鉄道なり道路等をつくることによって、コンパクトシティーをつくろうという議論がなされております。この鉄軌道についても、それぞれルート案はこれから議論があると思います。跡地の返還の議論も当然踏まえなければいけないだろうと思いますが、そういったものを一つ一つ、どこに駅をつくるかというのも含めて、ある程度、県土の均衡ある発展に資するような視点というものも重要であろうと考えております。先ほど来、具志堅委員からもありました、さらに名護市以北、また那覇市以南についても、まちづくりをどうするかということは当然視野に入れた議論を行わなければいけないだろうということで、集中にならないよう、また過疎化にならないような交通体系のあり方を、企画部としては視野に入れた議論を行っていかなければならないだろうと考えております。これからどんどん議論も進化してまいりますが、ぜひそういった御意見をこれからもいただければと思っております。

○新田宜明委員 要望ですけれども、やはり70%近くもトンネルを通るというのは、沖縄の空や海、この自然が生かされないという、将来に悔いを残すような事業になるのではないかという心配を非常に持っています。その辺はよく考えていただきたいということを要望として申し上げておきます。

○金城勉委員長 ほかに質疑はありませんか。
 儀間光秀委員。

○儀間光秀委員 1点だけなのですが、今ルートを幹線骨格軸ということで、うるま-パイプライン、あるいはうるま-国道58号という中で、いろいろ試算しているようですけれども、今、モノレールの最終駅が浦西、西原インターチェンジのところに延伸していく。そして、この鉄軌道も高速道路を活用してやるという検討はなされていないのか。

○謝花喜一郎企画部長 平成25年度調査ではありませんが、内閣府においても過去に自動車道の上を通すという検討もなされたようです。ただ、御承知のことと思いますが、やはり市街地と離れたところにあるものですから、相当事業採算性、集客の観点から課題があり、集客力が極端に落ちてしまったということで、内閣府においては、その検討ルートの対象から今回は外していたということがあるようです。

○儀間光秀委員 事業期間やコストを考えたら、大分安くついたり、あるいは事業期間も短縮できると思うのです。モノレールとの整合性もとれて。それから、今でも自動車社会の中で骨格になっている―北部や豊見城市、南部のほうは交通環境を見ると骨格になっているというイメージをするのですが、インターごとに今度はフィーダーといいますか、町の中に行くバスやLRT、そういったものを検討したほうが、ずっと事業費用もおさまるというイメージがあるのです。集客もモノレールとリンクさせる、あるいはインターチェンジに大規模な駐車場を整備して、それを利用していく。僕の個人的なイメージなのですが、そういうイメージを持つ中で、やはりコスト、事業期間が大分短縮されると思うのです。今、集客が見込めないという話があったのですが、先ほど来話が出ている70%トンネルよりもずっと、高速を走らせたほうがまだいいのかなと思うのですが、もう一度答弁をお願いします。

○謝花喜一郎企画部長 まずトンネルについては、先ほど渡久地委員の御質疑にも答えましたが、我々も地下からやはり地上に出たほうがいいだろうという発想になっております。今の委員からの御指摘は、自動車道の活用のほうが工期、それからコストについてもはるかに有益ではないか、集客等についてはやはりそのフィーダーをうまく活用する、あるいはパーク・アンド・ライドを活用すればよろしいのではないかという御意見だと思います。そういった御意見も視野に入れながら、今後さまざまな評価項目を入れて、ルート等について検討していきたいと考えています。

○儀間光秀委員 国が平成25年度に検討したということで、県は自動車道を活用しての検討はまだやっていないということですか。

○謝花喜一郎企画部長 県の調査においては、国との調査をある程度踏まえながらやっているということがありまして、県として独自に自動車道を活用したルートについては調査をしたことはありません。ただ、既に国において調査がなされていますので、全く判断材料がないということではありません。

○儀間光秀委員 この各ルートも国は国、県は県でやっていると思うのですが、ぜひ県も自動車道の活用を検討していただきたいと要望して終わります。

○金城勉委員長 ほかに質疑はありませんか。
 砂川利勝委員。

○砂川利勝委員 14ページの、新幹線鉄道整備法の事業でやっていくことが一番コストが安いということなのですか。

○謝花喜一郎企画部長 コストは総体では同じなのですが、問題は、これまで国が考えていた上下一体方式というものは、運行を担当する―例えば、JRのような会社が全てフルセットで整備するという、これは当然5000億円、6000億円のお金を使ってやるというと、それは大変なことです。ですから、30年、40年たっても、まだ借金が2000億円、3000億円あるというような結果が出るわけです。それが整備新幹線方式ですと、機構が上物、いわゆるインフラをつくる。そして、これをJR会社が借り受けて、自分たちは車両のみを保有して運行するということで、初期投資がほとんどないわけですので、県の試算では早い段階で黒字化が可能だということです。県がこれだけの事業をやるに当たって持続的な運営を可能にするためには、整備新幹線方式を参考にした特例制度、これしか沖縄に鉄軌道を導入する道はないと県は考えております。

○砂川利勝委員 ちなみに、JRがこの事業に興味を示しているのか、それとも私鉄がこの事業に興味を示しているのか、そういう情報はありますか。

○謝花喜一郎企画部長 これから具体的にやるわけですが、当然我々、内々ではいろいろ意見交換をするわけですが、民間、JRも含めて、まだ海のものとも山のものともまだ知れないような状況です。どういった形になるかということが見えないような段階では、まだ何とも言えないというのが今の状況です。

○金城勉委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○金城勉委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、鉄軌道等に関する平成25年度内閣府調査の結果について質疑を終結いたします。
 次に、陳情平成24年第116号外15件の審査を行います。
 ただいまの陳情について、企画部長の説明を求めます。
 なお、継続の陳情については、前定例会以降の新しい事実についてのみ説明をお願いいたします。
 謝花喜一郎企画部長。

○謝花喜一郎企画部長 公共交通ネットワーク特別委員会陳情案件につきまして、お手元の陳情に対する説明資料により処理方針を御説明申し上げます。
 表紙をめくっていただきまして、陳情説明資料の目次がございます。1ページから2ページにかけて陳情は16件となっており、全て継続の陳情であります。前回の処理方針に変更のない陳情につきましては、説明を省略し、変更のある陳情について御説明いたします。
 3ページをお開きください。
 美ぎ島美しゃ(先島)圏域の振興発展に関する陳情で、処理方針を変更しております。変更した箇所を見え消しで表示し、変更された内容は下線で表示しております。
 まず、2の多良間-石垣間、波照間-石垣間の早期再開について、読み上げて御説明いたします。
 2の4行目に、「事業採算性については、継続的な運航を可能とする需要喚起策や運航コスト縮減に向け、石垣拠点航空路開設検討協議会において協議を重ねているところです。航空機の確保については、国が実施する航空機等購入費補助金と協調した補助により、第一航空株式会社の機材購入を支援し、平成27年3月までに納機される予定であります。」を追加し、「しかしながら」以下、「立ち上げたところです。」まで、また、「県としましては、本協議会において」以下の「運航条件や」から、「路線の再開を目指し」までを削除し、「地元町村及び第一航空株式会社と連携し」の次に、「各主体の役割やスケジュールを明確化した石垣拠点航空路就航基本計画(仮称)を策定し、平成27年度下半期の路線再開に」を追加しております。
 続きまして、14ページをお開きください。
 都市モノレールの整備に関する陳情で、処理方針を一部変更しております。
 1の3段落目の末尾、「検討を行っていくこととしております。」を「検討を行いました。」と変更し、「これらの検討結果を踏まえ、平成26年度からパブリック・インボルブメントを実施し、県民をはじめ関係機関等と情報共有を図りながら平成27年度には県の計画案を策定していくこととしております。」を追加しております。また、「なお」から「行っております。」までを削除しております。
 2の「今年度の検討結果を踏まえ」を「今年度から実施するパブリック・インボルブメントで寄せられた意見等を踏まえ」に表現を一部変更しております。
 15ページをお開きください。
 3の末尾、「検討を深めていくこととしております。」を「検討を行いました。」と変更し、「これらの検討結果については、平成26年度から実施するパブリック・インボルブメントにおいて、県民をはじめ関係機関等と情報共有を図ってまいります。」を追加しております。
 16ページをお開きください。
 超低床路面電車(トラム)導入の早期実現を求める陳情で、処理方針を一部変更しております。
 3段落目の末尾、「幅広く検討を行い、導入に向けた県としての考えをまとめていくこととしております。」を「幅広く検討を行いました。」と変更し、「これらの検討結果を踏まえ、平成26年度から27年度にかけては、鉄軌道計画案策定に向けて、パブリック・インボルブメントを実施することとしており、併せて、鉄軌道と連携するLRT等の公共交通ネットワークのあり方や整備の方向性等についても、情報提供していくこととしております。」を追加しております。
 19ページをお開きください。
 沖縄県離島振興協議会による平成25年度離島・過疎地域振興に関する要望事項に関する陳情のうち、8の粟国-那覇間の離島航空路線に関する陳情で、処理方針を一部変更しております。
 8の3段落目の末尾を、「国が実施する航空機等購入費補助金と協調した補助により」の後を「第一航空株式会社の航空機購入を支援し、旅客及び貨物需要に対応可能な19名乗り機材が、平成27年8月頃就航予定であります。」と表現を変更しております。
 21ページをお開きください。
 離島航空運賃の低減を求める陳情で、処理方針を一部変更しております。
 下から2行目、「平成25年12月12日に与党の」及び「大綱」を削除しております。
 以上、公共交通ネットワーク特別委員会、陳情案件につきまして御説明いたしました。御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○金城勉委員長 企画部長の説明は終わりました。
 これより各陳情に対する質疑を行います。
 質疑に当たっては、陳情番号を申し述べてから重複することがないように簡潔にお願いいたします。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行うようお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 髙嶺善伸委員。

○髙嶺善伸委員 陳情第140号の5と陳情第50号の5は関連しますので、お願いします。まず今回、多良間、粟国、波照間間の航空機購入費補助金が調って、年度内には購入できるということであります。実際に、補助を受けた航空機を継続して航路を維持していくためにどうすればいいのか。これは需要の問題もありますが、第一航空は純然たる民間会社であるわけです。琉球エアコミューターは県も出資しており、県民の翼との関連もあるのですが、この3路線を継続して維持していくために、当然出てくるであろう赤字など、運営の見通しについてはどのように把握していますか。

○謝花喜一郎企画部長 やはり、赤字をなるべく出さないような方策を今の時点で検討していただくというのが、まず第一前提です。そのために需要喚起策ですとか、航空会社においても運行コストの低減を十分に議論していただく。ただ、それにいたしましても、委員御指摘のように、赤字が出る場合があり得るだろうと。その場合にどうするんだというお話ですが、これについては、赤字が発生した場合の県の支援の仕方、これは県と町村でしっかり議論を行って、その支援の仕方についてもあわせて検討していく。転ばぬ先のつえとは申しませんが、そういうことも十分検討した上で運行再開に向けて取り組んでいきたいと考えております。

○髙嶺善伸委員 せっかく航空機も国75%、県25%で購入して運営してもらうのですが、赤字が出た場合の路線の維持のための支援のスキームについても、並行して就航に合わせた対策を考えていかないと、事業者に負担が及ぶようなスキームになってしまうと、今後継続ができるかどうかということも不安になってくるわけです。その辺の離島の赤字路線―最初から赤字路線と言って申しわけないのですが、想定し得る赤字に対してどういうスキームをするかについて、国、県、またその所在市町村や事業者を含めて、きちんとしたスキームを打ち出すのはいつごろですか。

○謝花喜一郎企画部長 再開の前までには出さないといけないだろうと考えております。これまでの県単補助の場合は、事業者の負担が3分の1ほどありました。これが事業者にとって、特に第一航空等は小さな会社ですので、数百万円でも大きくなるわけです。それについて、いかに事業者負担を少なくして、その分を行政が負担するかということを議論しなければならないと思いますが、何度も申し上げますけれども、その前提として航空会社に徹底したコスト縮減策の案をまずは出していただく。これを見させていただいた上で、今後地元とも意見交換をしながら、負担の割合については検討していきたい。ただ、少なくとも、繰り返しになりますが、再開までにはそういったスキームは当然示さなければならないだろうと考えております。

○髙嶺善伸委員 それはもちろん事業者の努力ということも前提になりますが、所在市町村の負担というものも、これまでの県単の3分の1というものは大きいのです。ですから、逆に、交通航空コストの低減事業もやっていますので、むしろ運航費全体の赤字については一括交付金で支援スキームをつくって、事業者や離島町村の負担をなくしてあげる、そういうところまで踏み込んだスキームを考えてはどうかと思うのですが、どうですか。

○謝花喜一郎企画部長 いろいろな考えはあるだろうと思っていますが、やはり地域からの強い要望、委員からの強い御指摘を受けて、県もそういう取り組みを行っております。先ほど来申し上げていますように、需要喚起策を地元のほうでしっかりやっていただくということが重要だろうと思っております。まだまだ案の段階ですが、需要喚起策をどれだけ地元町村が取り組むか、これを一つの補塡の考えとして、例えば、需要が伸びれば伸びるほど地元の負担が少なくなる、そういったスキーム。地元が頑張れば当然赤字も全体として減るわけですが、負担割合が減っていく、そういったことも今後の補助のあり方として考えていく必要もあるのではないかと考えております。

○髙嶺善伸委員 例えば、粟国にしても、波照間もそうですが、今のアイランダーで3便ぐらい飛んでいるのですが、19名乗りのツインオッターになると1日1往復になるということになれば、需要の喚起という可能性にもいろいろ課題が出てくるのです。ですから、最低2便、できるだけ3便ということで、需要を喚起していくことも想定しないといけないが、事業者としては1往復飛ぶだけでも赤字なのにどうするのかという問題もあるので、やはり就航に間に合わせるということよりも、もっと前倒しして早目に支援のスキームを考えて、何便飛ばすかというところまで県がしっかり関与していくことが必要ではないかと思うのですが、その辺はどうですか。

○謝花喜一郎企画部長 これもまさしくいろいろ考えがあると思いますが、航空会社にとっては、飛行機を遊ばせるよりも飛んだほうがいいわけです。就航したほうが収入はふえる。ただ、これはお客さんがあっての話ですので、やはり需要喚起策と連携する。一方で、コストの縮減策というのは航空会社でやっていただくということがありまして、我々は今の時点で、1往復では多分足りないだろうと考えております。と申しますのも、地元竹富町などいろいろ意見を聞きますと、石垣空港の開設もありますが、大分観光客も周辺離島への需要が高まっているという話もあります。一生懸命頑張るという話もそれぞれ両村からいただいておりますので、こういったところを踏まえて、就航の採算性が一番高まる便数はどういったものか、これはやはり事業者の第一航空のほうに、しっかりとシミュレーションをしていただくことが大事ではないかと考えております。

○髙嶺善伸委員 要望しておきますが、先日、粟国村にアイランダーで行ってきたのですが、ツインオッターになるのを大変歓迎しておりました。ただ、1日1往復に減るということは重大な問題があるので、必ず複数就航便数が確保できるように、機材も提供したのなら後の運営のほうも検討し、支援してほしいという要望がありましたので、ぜひその辺も念頭に置いて、早目に運行補助の支援スキームを仕上げて―エージェント関係も、どのような商品をつくるかということでは、午前と午後に2便飛ぶのか、1日1便しか飛ばないのかという情報が早ければ早いほどいろいろな商品開発ができるわけです。そういうものも考えて、所在町村の意見も聞き、事業者とも相談できるような、きちんとした協議会を立ち上げて、運行と同時に支援のスキームがスタートして、これが離島活性化の大きなステップになる画期的な事業につながるようにお願いしたいと思います。

○金城勉委員長 ほかに質疑はありませんか。
 砂川利勝委員。

○砂川利勝委員 企画部には波照間、多良間、今の粟国に大変な尽力をいただいて、就航再開ということで本当に感謝を申し上げます。それと石垣、竹富町の離島の運賃も補助が出て、離島住民から大変喜ばれております。本当にありがとうございました。それで、波照間のフェリーの進状況はどうですか。

○嘉数登交通政策課長 安栄観光のフェリーの検討の件だと承知しておりますが、離島航路運行安定化支援事業の中で対象とできないかということがありまして、事業の対象が赤字航路となっておりますので、現在は対象となっておりませんが、将来フェリーをつくった際に赤字になるであろうということで、計画には位置づけております。年次的には平成26年、27年にかけて建造いたしまして、それの買い取りを支援するというスキームを想定しております。

○砂川利勝委員 平成26年、平成27年で建造ということは、ことしからですよね。スタートしているのですか。

○嘉数登交通政策課長 計画では、平成26年、27年ということになっていますが、今現在、まだ検討中であるということです。

○砂川利勝委員 少し後退しているのではないですか。

○嘉数登交通政策課長 検討中であるということは、まだ総合事務局のほうと調整中であるということと、一旦自前の資金で船を建造しまして、それを買い取りする際に我々が支援するということでやっておりますので、そういった資金面の調節の件についてもいろいろ検討されていると考えております。

○砂川利勝委員 事業者が建造しているというなら、確かに資金面はやりくりが大変と思います。ただ、やはりその方法でしかできないのか、例えば、事業者が負担せずにできる方法があるのか、そういう方法があれば答えてください。

○嘉数登交通政策課長 今の時点では買い取り支援という方法でしかないのですが、そういった事業者の資金調達ですとか、沖縄総合事務局の調整において、県が何らかの支援ができるようなことがあれば議論に加わっていきたい、あるいは協力していきたいと考えております。

○砂川利勝委員 ぜひそういう対応をやっていただきたい。基本的に台風がきたら1週間ぐらい行けませんので、これから支障が出ると思っています。
 最後に、できて買い取る場合の資金というものは、一括交付金で補助を出すのですか。

○嘉数登交通政策課長 一括交付金を活用しまして、先ほど御紹介した離島航路運行安定化支援事業の中で、10分の8までの補助率で購入支援することが可能となっております。

○金城勉委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○金城勉委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、企画部関係の陳情に対する質疑を終結いたします。
 説明員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 どうぞ御退席ください。休憩いたします。

   (休憩中に、執行部退席)

○金城勉委員長 再開いたします。
 陳情等の質疑については全て終結し、採決を残すのみとなっております。
 陳情等の採決に入ります前に、その取り扱いについて御協議をお願いいたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、議案等採決区分表により協議)

○金城勉委員長 再開いたします。
 これより、陳情等の採決を行います。
 お諮りいたします。
 陳情等については、休憩中に御協議いたしました議案等採決区分表のとおり決することに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○金城勉委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 次に、閉会中継続審査・調査事件の申し出の件についてお諮りいたします。 先ほど、閉会中継続審査・調査すべきものとして決定した陳情16件と、お手元に配付してあります本委員会付議事件を閉会中継続審査及び調査事件として、議長に申し出たいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   
   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○金城勉委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 次に、お諮りいたします。
 ただいま採決しました陳情等に対する委員会審査報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○金城勉委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 以上で、本委員会に付託された議案等の処理は全て終了いたしました。 
 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。






沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

  委 員 長  金 城  勉