委員会記録・調査報告等

1つ前に戻る



 
公共交通ネットワーク特別委員会記録
 
平成26年 第 6

2
 



開会の日時

年月日平成26年12月19日 曜日
開会午前 10 時 3
閉会午前 11 時 28

場所


第6委員会室


議題


1 陳情平成24年第116号、同第140号の5、同第141号、同第142号、同第197号、陳情平成25年第9号、同第10号、同第29号、同第38号、同第50号の5、同第86号、同
  第89号、同第91号、同第93号、同第94号、同第104号の5、陳情第95号及び第96号
2 閉会中継続審査・調査について


出席委員

副委員長 新 田 宜 明 君
委  員  砂 川 利 勝 君
委  員 島 袋   大 君
委  員  新 垣 哲 司 君
委  員 髙 嶺 善 伸 君
委  員 玉 城   満 君
委  員  渡久地   修 君
委  員  儀 間 光 秀 君
委  員 大 城 一 馬 君
委  員 比 嘉 瑞 己 君


欠席委員

金 城   勉 君


説明のため出席した者の職・氏名

企画部長   謝 花 喜一郎 君
交通政策課長 嘉 数   登 君
 交通政策課公共交通推進室長  真栄里 嘉 孝 君
土木建築部参事 東   樹 開 君
警察本部交通規制課長 伊 波   一 君



○新田宜明副委員長 ただいまから、公共交通ネットワーク特別委員会を開会いたします。
 鉄軌道を含む公共交通ネットワークの整備拡充並びにこれらに関連する諸問題の調査及び対策の樹立に係る沖縄鉄軌道の計画案策定に向けた取り組み状況について、陳情平成24年第116号外17件及び閉会中継続審査・調査についてを一括して議題といたします。
 本日の説明員として、企画部長の出席を求めております。
 まず、本委員会付議事件鉄軌道を含む公共交通ネットワークの整備拡充並びにこれらに関連する諸問題の調査及び対策の樹立に係る沖縄鉄軌道の計画案策定に向けた取り組み状況について審査を行います。
 休憩いたします。

   (休憩中に、プロジェクターのセッティング)

○新田宜明副委員長 再開いたします。
 ただいまの議題について、企画部長の説明を求めます。
 謝花喜一郎企画部長。

○謝花喜一郎企画部長 ただいまから、沖縄鉄軌道計画案策定に向けた取り組み状況について御説明させていただきます。
 お手元に資料を配付しておりますが、説明は前方のスクリーンにて行わせていただきたいと思います。
 まず、取り組み状況です。
 鉄軌道計画の検討に当たりましては、県民等の理解と協力が不可欠でございます。計画案策定のプロセスをより透明性のあるものにしていくことが求められております。そのため、平成26年10月14日に沖縄鉄軌道計画案策定プロセス検討委員会の第1回会議を開催いたしました。その中で検討プロセスや検討体制等について検討を行っております。検討結果については11月1日から1カ月かけまして県民等と情報共有を図り、3000人を超える方々から意見をお寄せいただいております。寄せられた意見を踏まえまして、来年1月6日に第2回目の委員会を開催し、検討プロセスや検討体制を決定することとしております。
 これより、沖縄鉄軌道の計画案検討プロセスと体制のあり方について説明をさせていただきます。
 まず、計画案策定に向けた基本方針です。
 計画案を策定する狙いとしましては、県で沖縄県総合交通体系基本計画において県土の均衡ある発展を支える利便性の高い公共交通ネットワークの構築を位置づけております。そのため、那覇―名護間を1時間で結ぶ鉄軌道の導入に向けて取り組んでいるところでございます。鉄軌道の導入に向けては県民等の多様なニーズを把握しながら、県民や地域と連携してまちづくりと一体的に検討を進める必要があると考えております。このため、県民と情報共有を図りながらまちづくり及び県土構造の再編の方向性を定め、沖縄鉄軌道導入に向けた県計画案策定に向けて取り組むこととしております。
 次に、検討の対象です。
 今回の検討の対象は赤の波線で囲まれている部分でございます。概略的な構想を行う構想段階という位置づけで御理解いただければと思っております。計画案策定後には、国と事業化に向けて特例制度の創設について調整を行います。その中で事業主体や営業主体を決定した後、事業化ということになります。その後詳細検討を行い、環境アセスメントや都市計画決定、鉄道事業法等に係る手続を経て工事着手という流れになります。
 次に、計画案策定の内容です。
 1つ目は鉄軌道整備計画に関する事項となり、起終点のおおむねの位置、おおむねのルート、想定するシステム、おおむねの駅位置の考え方、主な構造について決定してまいりたいと考えております。2つ目に鉄軌道と連携するフィーダー交通ネットワークのあり方についても検討してまいります。3つ目に沿線市町村の役割として、駅を考慮したまちづくり計画の検討、自動車交通から公共交通転換への取り組み実施について市町村と連携して検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、進め方の基本姿勢です。
 県計画案の検討に当たりましては、透明性、客観性、合理性、公正性を確保し、県民等の理解と協力を得ながら幅広い視点で検討を行ってまいります。そのためには検討プロセスの明確化を図る必要があります。計画策定プロセスのあり方ですが、国土交通省において計画策定プロセスの明確化を図ることは公共事業の構想段階における計画策定プロセスガイドラインで位置づけられております。
 次に、計画検討プロセス案でございます。
 鉄軌道の計画については5つのステップに分けて県計画案を検討してまいりたいと考えております。まずステップ1として、これは10月から始まっておりますが、来年1月6日に第2回目の委員会を開催し、沖縄鉄軌道計画案検討プロセスと体制のあり方を決定しよう考えております。ステップ2として、現状と課題、将来あるべき姿、将来像実現に向けた対策の必要性、対策案検討のための評価項目について検討を行っていくこととしております。ステップ2以降は技術・専門的検討の委員会による議論とあわせ、県民等の意見を踏まえながら検討を行ってまいりたいと考えております。検討期間は平成27年1月から5月ごろをめどとしております。ステップ3では、ステップ2で設定した評価項目の具体的な評価方法、将来像実現に向けた対策案について検討を行っていきたいと考えております。検討期間は平成27年6月から10月ごろをめどとしております。ステップ4では、評価項目に基づく複数案の比較評価について検討を行ってまいりたいと考えております。検討期間は平成27年11月から平成28年1月ごろをめどとしております。最終段階であるステップ5では、ステップ4で実施した比較評価結果を踏まえて計画案を選定してまいりたいと考えております。検討期間は平成28年2月から3月ごろをめどとしております。
 次に、計画案策定に当たっての体制について御説明いたします。
 国土交通省の公共事業の構想段階における計画策定プロセスガイドラインを踏まえて、検討の支援的立場を担う専門・技術委員会として、1つ目に計画検討手順に対して助言等を行う委員会等、2つ目に住民参画促進に対して助言等を行う委員会等、3つ目に技術・専門的検討に対して助言等を行う委員会等の設置を考えております。
 次に、検討に必要な役割です。
 役割として、計画決定は知事が行い、計画検討の主体として沖縄県を位置づけております。計画策定主体を支える各委員会として、まず計画検討委員会は交通政策や観光、経済等の学識経験者で構成し、県の検討内容や結果について交通政策、観光振興、経済振興等の総合的観点から検討を行うための委員会でございます。技術検討委員会は交通計画や都市計画、環境などの学識経験者で構成し、交通工学、施工性、環境等技術的観点から検討を行うための委員会を想定しております。コミュニケーションについては、県が事務局となって取り組んでまいりたいと考えております。さらに、これらの取り組みが現在検討を行っている検討プロセスに基づいて適切に実施されるよう監視・助言、運営管理を行うためのプロセス運営委員会を設置したいと考えております。この委員会は現在の鉄軌道計画案策定プロセス委員会がそのまま移行することを考えております。これらの組織の関係を示したものが今の図になっております。
 次に、各ステップにおけるコミュニケーション計画案を示しております。
 各ステップごとに、各段階の検討において必要な情報を県民や市町村の皆様に提供してまいりたいと考えております。提供方法としてはニューズレターの配布、市町村や商業施設等でのオープンハウスの実施、ホームページでの情報提供、市町村説明会などを行っていくこととしております。特にステップ2以降は市町村との情報共有を図るための会議や県民会議を設置することを想定しております。市町村や特に感心を寄せている県民等と意見交換を行いながら、お互いの理解を深めてまいりたいと考えております。これがコミュニケーションのイメージ図です。
 次に、ステップ1の検討の実施状況について御説明いたします。
 10月14日に鉄軌道計画案検討委員会を開催し、11月1日から30日までの1カ月間行いました県民と情報共有を図るPIの実施状況について御説明いたします。
 まず、ニューズレターを56万9000世帯へ全戸配布いたしました。それから、オープンハウスを商業施設、市町村役場等36カ所で開催しており、計7440人の方に参加いただきました。市町村等に対しての行政説明会として、本島北中南部、宮古、石垣の5カ所で開催し、計65人が参加しております。また、専用のホームページを開設し、委員会資料等も含め情報を発信しております。PIでは約3000人の県民の皆様から意見が寄せられました。主な意見といたしましては、早く検討をスタートさせてほしい。広く広報することはよく、感心を持った。理解しやすいよう易しい言葉を用いて情報を提供してほしい等の進め方に関する意見のほか、計画の必要性やルートに関する意見などが寄せられました。お寄せいただきました意見につきましては12月中に分類及び分析を行い、来年1月6日に開催する第2回目の検討委員会において報告することとなっております。また、本日御説明したプロセスについて来年1月6日の検討委員会で最終的に決定したいと考えております。なお、決定したプロセスにつきましては1月以降にホームページやニューズレター等として公表していきたいと考えております。最後に、オープンハウス、ニューズレター、ホームページ、行政説明会等の様子を示しております。
 簡単ではありますが、以上で説明を終わります。

○新田宜明副委員長 企画部長の説明は終わりました。
 これより、沖縄鉄軌道の計画案策定に向けた取り組み状況について質疑を行います。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行い、重複することがないように簡潔にお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 大城一馬委員。

○大城一馬委員 3112人から意見が寄せられたという報告ですが、主にどういった意見なのか簡潔に説明してください。

○謝花喜一郎企画部長 早く検討をスタートさせてほしい。広く広報していただくことはいいことだという意見をいただいたほかに、沖縄の経済観光の振興のため実現してほしい。那覇-名護などの移動時間が短縮されるのは便利になる。北部の人口増加等の振興に資するので期待する。車依存型社会からの脱却に資するのでいいのではないか。電車利用により歩く習慣がつき健康長寿復活にも寄与する。鉄軌道の整備により渋滞緩和への効果が期待できる。運賃をできるだけ安くしてほしい。既存交通との連携を考え公共交通ネットワークを構築してほしい。採算性の合うような計画にしてほしい。計画を早期実現してほしい。観光地をつなぐ、また特定の地域からのアクセスがよくなる。本島全体を循環するようなルートを求める意見もありました。鉄道よりもLRT導入を求める意見もありました。おおよそこういった形の意見がございました。我々が求めていましたのはこういったプロセスでよろしいでしょうかということだったのですが、このプロセスについての意見は少なく、鉄軌道ができる場合の意見が多かったように感じております。

○大城一馬委員 県民の意見はおおむね、この鉄軌道導入については賛成の方向で早く導入すべきだということなのですが、例えば工法について7つのトンネルを掘るという話もあり、そういった環境面からの話は全てがいい話ではなく、厳しい意見もあったのかどうか、その辺のところを教えてください。

○真栄里嘉孝交通政策課公共交通推進室長 工法の地上、地下につきましては、沖縄の美しい空や海を考慮しまして、やはり地下鉄よりは地上を走行させてほしいという意見がかなりあったかと思います。

○大城一馬委員 いよいよ導入に向けてしっかりとやっていこうという取り組みの立ち上げだと認識しております。いつも言うのですが、那覇-名護間もそれは結構でしょう。そして今部長からLRTの件もありましたので、そういったところの議論もしっかりやっていただきたいと思います。これは第一段階ですから、これからまたしっかりと導入が実現するよう頑張ってください。

○新田宜明副委員長 ほかに質疑はありませんか。
 髙嶺善伸委員。

○髙嶺善伸委員 着々と進んでいる様子がうかがえて、ぜひ初期のスケジュールで実現できるよう頑張ってください。イメージなのですが、私は先日台湾に行って、台北メトロを見てきました。車両幅も小さく、都市の中は地下に入って、出ると郊外です。そして郊外に出るとスピードもかなり出るのです。今までの線路型ではなく、工夫をしたらいろいろな形態の鉄軌道があるのだなと思っています。皆さんも国内外のあちこちを見てこられて、沖縄の鉄軌道を進める上でイメージはできているのではないかという気がするのですが、どんなイメージか教えてくれませんか。

○謝花喜一郎企画部長 今委員の御指摘のように、都市部は地下に潜ってゆっくり、郊外に出るとスピードが出るという形で、ほかの国々でもそういったものもあろうかと考えております。我々は今委員が申し上げたようなことも含めてさまざまなことが考えられると思っておりますが、すべからく評価項目というものをどういった視点でこの鉄軌道をやるのかということに最終的には尽きると考えております。均衡あるまちづくり、そして観光客の利便性向上、環境の維持などいろいろな視点があります。こういったもろもろの議論を行った上で、一定程度の駅の位置やルートが決まります。そのときにその町に合わせて外に出るのか地下に出るのかということになると思います。ただ、全体としては事業採算性ということも根っこの部分ですので、我々が当初から申し上げているのは小型の高速鉄道―国内でいいますと大江戸線のような規模のものであれば、仮に地下でやったとしても通常の規模の鉄道よりも事業費は抑えられるだろうと考えておりますので、この事業採算性もにらみながら、一方で沖縄の将来像にふさわしいようなルート、これはどういった視点でルートを決めるかという評価項目について十分にその専門の委員の方々に御議論いただき、また県民の意見も聞いた上で決定していきたいと考えております。おおよそのイメージはそれぞれ持っておりますが、これについても幅広く意見を聞いた上で最終的には決めるのが重要だと思っております。

○髙嶺善伸委員 イメージが湧かないと県民意見も具体的に出てこないということもありまして、今から行くとステップ4ぐらいで大体どういうイメージの鉄軌道になるのかというものが出てくるのですか。

○謝花喜一郎企画部長 はい。ステップ4で複数案の比較評価になりますので、そのステップ4の段階ではおおよその駅の位置やルートが見えてくるだろうと考えております。

○新田宜明副委員長 ほかに質疑はありませんか。
 渡久地修委員。

○渡久地修委員 先ほどの説明を受けて、大変な作業だと思っています。今まちづくりの話もありましたが、鉄道を敷く場合、鉄道が先にあって、その沿線に街ができてくるということが今までの日本の街の形成ではないかと思います。このように街がどんどんできている中に鉄道を新たに通すということは余りないのではないかと思うのですが、その経験はありますか。

○謝花喜一郎企画部長 まさしく渡久地委員のおっしゃっるとおりで、戦後まず国が手がけたのは鉄道の復活だったと考えております。そのように人も物も運ぶ鉄道ができて、その周辺に町ができていったということで、復興のシンボルとしても鉄道の再開というものは重要であったということです。一方で沖縄県は既に車社会が形成されており、そういった中でどういう形で鉄道を敷くかということはこれからですが、あえて今回まちづくりということを入れたのは、やはり南北縦貫の鉄道はやりますが、それにあわせたまちづくりをどうするか、フィーダーとしてどういう形で結ぶかという観点は県だけでできるものではなく、市町村のまちづくりの意見も聞いて、そのフィーダーもあわせてやらなくてはいけません。それはさらに大きな計画になろうかと思いますが、鉄軌道を敷かないと利便性の向上にもつながらないだろうと考えておりますので、フィーダー交通ネットワークのあり方について、それから沿線市町村の役割についても市町村等を含めて議論をし、進めていきたいと考えております。

○渡久地修委員 皆さんがやろうとしている計画で、街が先にあってその後に敷くということは全国的にもなかなか例がないのですが、世界的にも例はないのですか。

○真栄里嘉孝交通政策課公共交通推進室長 例えば、東南アジアのタイやフィリピンでは大変な渋滞があり、町ができているのですが、その後、鉄道の計画で渋滞の緩和をするというものがございます。ヨーロッパについては、ある程度街ができている中で、地下鉄を選ぶかLRTを選ぶかということが議論され、鉄道計画ができているかと思います。ただ、沖縄においては街が相当固まっておりますので、こういう状況というものは先進国では余りないと思います。

○謝花喜一郎企画部長 企画部におきましては、今言ったフィリピンといったところも視察をしております。それから私自身もハワイに行きましたが、実はハワイでは今、鉄道に着手しており、オアフ島の西からホノルルの空港を経由して市街地へという計画ができております。郊外のほうから橋桁ができているという状況でした。おおよそこういうイメージで沖縄の鉄軌道も実現に向かっていくかと考えております。

○渡久地修委員 ハワイは参考になるのですか。

○謝花喜一郎企画部長 規模は違うにしても、同じ観光地域として一つの参考にはなるかと思いました。

○渡久地修委員 ルートについて、以前皆さんが示したルートがありましたが、おおむねあれで行くのですか。例えば、単純に沖縄本島の真ん中を真っすぐ背骨のように行くのか、西海岸を行くのか、東海岸を走るのか、あるいは皆さんが示したいろいろなもの、そのルートが基本になるのですか。

○謝花喜一郎企画部長 お配りした資料の10ページを見ていただきたいのですが、検討事項として現状及び課題、将来あるべき姿、そして将来像実現に向け対策は必要か、その場合どういう対策が必要かといったものを議論して、対策を実施した場合に期待される効果として何が想定されるか、どのような視点、指標が必要かということで、ここで評価項目が出てまいります。実はこのステップ2の議論が極めて重要になるだろうと考えておりまして、それを踏まえて一定の評価項目を考えたときに、次の11ページを見ていただきたいのですが、評価方法の設定に係る考え方を整理して、どういう対策案が考えられるかといういろいろな議論を行って最終的に複数案が出てくるということです。ですから、我々が平成24年、平成25年に調査をしてルートを示しましたが、これに固執するつもりはなく、いろいろな評価項目の中でどういったルートが考えられるのか、自然に複数案が出てくるだろうと考えております。

○渡久地修委員 では、以前に示した地下を通るルートに対してもいろいろな意見がありますが、これが一つの基準になるものではないのですね。

○謝花喜一郎企画部長 あれは我々は事業採算性を考えるために出したルートですので、それをベースにルート等を決めようということは考えておりません。

○渡久地修委員 それをベースには考えていないということは、白紙ではないのですよね。あくまでも一つのイメージであって、これが一番ベターなルートということではないのですね。

○謝花喜一郎企画部長 この検討に当たっては、まさしくゼロベースで議論しようと思っております。極端に言いますと、つくらないという選択肢も含め、そしてつくるとした場合にどんな課題が出てくるかということも含めて議論を行い、ルートを決めていきます。その際にはお互いにいろいろな意見を出し合って、それぞれ一つ一つを聞いてルートが決まっていく、そういうプロセスを大事にした作業を進めていくことが重要だと思っております。

○渡久地修委員 今のつくらないという選択肢とはどういう意味ですか。

○謝花喜一郎企画部長 県民の中には要らないという意見ももしかしたらあるかもしれませんので、こういった意見も含めてつくらなかった場合にどうなるのかということも議論をするということです。行政の主体としてはぜひつくりたいという気持ちはありますが、それとは別に選択肢はゼロベースで考えて行うということがプロセスのあり方のスタートだと考えております。

○渡久地修委員 ではあのルートというものは、今言ったようにイメージとして出したものであって、これからルートについてはいろいろ検討していく。言ってみれば、あのルートは白紙みたいなものでいいのですか。

○謝花喜一郎企画部長 先ほども申し上げましたように事業採算性を試算するためのルートでございまして、委員のおっしゃったようにある意味白紙ということでよろしいかと思っております。

○渡久地修委員 先ほどの説明で、まちづくりも含めてくると相当大変です。特に鉄軌道になってくると、商店街や商売をなさっている方々は死活問題になるのです。那覇市でモノレールを敷いたときも大変でした。僕たちが最初にモノレールにかかわってから、相当期間がかかりましたよね。本当にできるのかという思いがあって、開通したときには物すごくうれしかったのですが、工事が始まったときに景気が悪いこととぶつかって、首里の商店街はモノレールのおかげで店が潰れたなど、いろいろなものがたくさん出てきたのです。特に駅の選定になってくると、駅がつくられたところはいいのですが、そこから外れた商店街からはいろいろなものが当然出てきますよね。これも想定しているのですか。

○謝花喜一郎企画部長 私もモノレール建設中の交通渋滞や店が開けないなど、いろいろなことがあったことは新聞等でよく承知しております。そういったこともあり得ますし、委員のおっしゃったように駅位置によって影響が出るということも考えておりますが、そういったものも含めて関連する市町村の意見も聞き、どういうまちづくりをするかという議論―これは逆に県だけでできるものではなく、関係する市町村の意見もよく聞いた上で最終的なルート等の選定がなされると考えております。やはり主体が県ということはありますが、この意味では市町村の役割も大きいと考えております。

○渡久地修委員 これは今後の課題になりますが、沖縄で鉄道を敷く場合に、沖縄の自然環境を生かした鉄道にしていくためには、本土と同じような―本土では鉄道が走って、駅前の再開発事業でどこに行っても同じような町並みになっていて、2階に広場があって、そこからおりると商店街が広がって、どこの街もほとんど似ている。そんなものではなく、沖縄らしいものということをこれからは頭に入れて、大変な作業ですが頑張ってください。

○新田宜明副委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○新田宜明副委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、沖縄鉄軌道の計画案策定に向けた取り組み状況について質疑を終結いたします。
 次に、陳情平成24年第116号外17件の審査を行います。
 ただいまの陳情について、企画部長の説明を求めます。
 なお、継続の陳情については、前定例会以降の新しい事実についてのみ説明をお願いいたします。
 謝花喜一郎企画部長。

○謝花喜一郎企画部長 公共交通ネットワーク特別委員会陳情案件につきまして、お手元の陳情に対する説明資料により処理方針を御説明申し上げます。
 表紙をめくっていただきまして、陳情説明資料の目次がございます。継続の陳情が16件、新規の陳情が2件となっております。前回の処理方針に変更のない陳情につきましては説明を略し、変更のある陳情について説明いたします。
 12ページをお開きください。
 道路偏重政策に断固反対し、フェリー・旅客船の維持・存続を求める陳情で、処理方針を変更しております。変更した箇所を見え消しで表示し、変更された内容は下線で表示しております。読み上げて御説明いたします。下から6行目、「九州知事会等を通じ国への要望を検討しております。」を削除し、「軽油引取税の課税免除措置の延長など、離島航路の確保・維持を図るための各種支援策について、九州知事会を通じて国に求めてまいりました。国土交通省においては、総務省に対し、平成27年度税制改正要望の主要項目として、「軽油引取税の課税免除の特例措置の延長等」を提出しております。今後、軽油引取税の課税免除措置については、平成27年度の税制改正の議論において、国民生活への影響等を精査し、引き続き、延長するかどうか判断されるものと認識しております。」を追加しております。
 次に、27ページをお開きください。
 新規の陳情でありますが、陳情第95号バスレーン延長計画実施の見直しについて(要請)について、読み上げて御説明いたします。
 沖縄県は、急激な自動車利用の拡大とバス利用者の減少により、極めて高い自動車依存型社会が形成され、交通渋滞が日常化しております。そのため、沖縄21世紀ビジョン基本計画に掲げる人間優先のまちづくり、「低炭素島しょ社会の実現」等を図ることを目的として路線バスの定時性向上など公共交通の機能強化及び利用促進等に取り組んでおります。路線バスの定時性向上に向けては、過度な自家用車利用から公共交通利用への転換が重要であり、国道58号を中心とする那覇市から沖縄市までの区間に、定時速達性が高く多頻度で運行する基幹バスシステムを平成29年度に導入することとしております。同システムの導入に向けて、国道58号におけるバスレーンを段階的に延長することとしており、平成27年2月2日から第一段階のバスレーン延長を実施することとしております。バスレーンの終日実施については、バスレーン延長の効果検証を行い、その結果について県民及び関係機関等と情報共有を図り、事業計画のあり方を検討することとしております。
 次に、28ページをお開きください。
 新規の陳情であります。陳情第96号旅客船に係る軽油引取税特例措置の延長・恒久化に関する陳情について、読み上げて御説明いたします。
 沖縄県は離島県であることから、軽油引取税の課税免除措置の廃止や燃料価格の上昇は、離島航路事業者の経営、ひいては、離島住民の日常生活や地域振興への影響が懸念されます。そのため、県としましては軽油引取税の課税免除措置の延長など、離島航路の確保・維持を図るための各種支援策について、九州知事会を通じ国に求めてまいりました。国土交通省においては、総務省に対し平成27年度税制改正要望の主要項目として、軽油引取税の課税免除の特例措置の延長等を提出しております。今後、軽油引取税の課税免除措置については、平成27年度の税制改正の議論において国民生活への影響等を精査し、引き続き延長するかどうか判断されるものと認識しております。 
 以上、公共交通ネットワーク特別委員会陳情案件につきまして御説明いたしました。
 御審査のほど、よろしくお願いいたします。

○新田宜明副委員長 企画部長の説明は終わりました。
 これより各陳情に対する質疑を行います。
 質疑に当たっては、陳情番号を申し述べてから重複することがないように簡潔にお願いいたします。
 なお、質疑・答弁に当たっては、挙手により委員長の許可を得てから行うようお願いいたします。
 質疑はありませんか。
 儀間光秀委員。

○儀間光秀委員 陳情第95号のバスレーン延長について、私も再三、一般質問でこの件は質問させていただいております。先だって浦添の商工会議所から陳情が出てきておりますが、一般質問で平成22年度に県民にPIを行っておおむね賛成の意見が多いという答弁を再三繰り返していたのですが、これに実際にかかわる浦添の商工会が会員にアンケートをとり、これも恐らく手元にあると思いますが、大多数が反対なのです。平成22年にPIをとって4年経過しているのですが、この直近の商工会のアンケートについて県の見解をお願いします。

○謝花喜一郎企画部長 商工会議所のアンケートは、終日バスレーンの実施については反対だということでございます。その商工会議所の方々から陳情を受けまして、直接意見交換も行わさせていただきました。我々が来年2月2日に行いますのは第一段階の限定的なものでございまして、それについては彼らから理解を示していただいていると考えております。終日バスレーンの延長については陳情処理方針にも示してありますように、警察本部も一緒に入っている協議会の中で検証をしっかり行った上で、終日バスレーンの延長に踏み切るかどうか議論するということで、これについて会議所の皆さんにも御説明したところ彼らにも一定の理解を得られたと考えております。

○儀間光秀委員 このアンケートの資料が手元にあるのですが、平成26年度2月2日から行うもので、朝の久茂地向けでは―今部長がそうおっしゃっていたのですが、52.7%が反対なのです。夕方の伊佐向けでは56.2%の反対が出ています。その数字についてはどういう理解をしているのですか。

○謝花喜一郎企画部長 先ほども申し上げましたように、こういった数字にはなっておりますが、商工会議所としては県が協議会で議論した来年2月2日からのものについて特に反対しないというお答えをいただいております。

○儀間光秀委員 一般質問と少しかぶるのですが、やはり西海岸の道路のあたりの臨港道路浦添線、県の浦添港川道路、沖縄西海岸道路、浦添北道路などが開通してからという意見が根強いと思います。現状でバスレーンを導入すると、さらなる渋滞を招くという反対意見が商工会のアンケートの中にもあります。そういったものを勘案すると、例えば、夕方の伊佐向けは安謝の高架橋の下も右折帯を延長していて、僕もよく通るので工事を急ピッチでやっているのはわかるのですが、少なくとも夕方の伊佐向けは仲西のほうから北に向かっての渋滞が今でもひどいのです。ですから、その辺だけでも安謝までで区切るなどといった見直しを、2月2日に向けてもう少し検討する必要があると思うのですが、いかがですか。

○謝花喜一郎企画部長 こういったものを含めて、これまで協議会で議論を行ってその延長区間を決めてまいりました。その沿線の企業の方々にも個別に訪問を行って理解を求めてまいったところです。まず今回の第一段階の延長については予定どおり進めさせていただければと思います。本会議でも儀間委員からは学校校区などいろいろな抜け道の懸念が示されたと思います。私どももしっかり説明をしたいということを答弁しましたが、その件についてもこれまで神森小学校で出前事業として公共交通について2回ほど意見交換をしております。それから自治会に対しても説明会などをこれまで実施しております。さらに「わったーバス党」というものを立ち上げまして、12月10日で9社、それから10日以降も新たに3社加わり合計12社が入っております。12月17日以降も浦添商工会議所の役員の方々が関連する企業の方々と自家用車通勤を公共交通に移管して「わったーバス党」にぜひ入ってもらいたいということで働きかけを行っております。そういった形で企業・県民ぐるみで企業の方々の理解を得て、通勤に自家用車からバスへの移管ということを積極的に働きかけており、これをやることによって交通渋滞を少しずつ緩和していく。こういった流れをつくるために一生懸命取り組んでおりますので、御理解を賜りたいと考えております。

○儀間光秀委員 2月2日から実施するということで理解はできるのですが、めどとしてどのぐらいの期間を経過してから効果検証を行う予定ですか。

○真栄里嘉孝交通政策課公共交通推進室長 バスレーンの延長が来年2月2日に実施されます。効果検証についてはある程度落ちついたころ―例えば、11月に交通状況を把握し、それを比較したものと、それを踏まえた県民意見のアンケートを実施しまして、来年度3月の活性化協議会に効果検証結果を提出したいと考えております。

○儀間光秀委員 県として関係する市町村と警察も含めて、ぜひ県民に支障がないようにしっかりやっていただきたいと要望して終わります。

○新田宜明副委員長 ほかに質疑はありませんか。
 瑞慶覧功委員。

○瑞慶覧功委員 陳情第96号です。提出者の沖縄旅客船協会は何社で組織されているのですか。

○嘉数登交通政策課長 申しわけございませんが、沖縄旅客船協会の名簿に関しての手持ちがございません。ただ、県内の離島航路など全てが入っている団体です。

○瑞慶覧功委員 船の大きさは大型、中型、小型とあるのですが、割合は大体何隻ですか。

○嘉数登交通政策課長 先ほど、会員についての資料は手元にないとお話ししましたが、きょうは船舶数についても資料を持っていないのですけれども、軽油引取税の課税免除に係る航路として、今赤字航路について県が補助しているのですが、渡嘉敷航路、座間味航路、水納航路の高速船が軽油を使用しておりますので、直接影響が出てくるのはこの航路だと考えております。

○新田宜明副委員長 ほかに質疑はありませんか。
 渡久地修委員。

○渡久地修委員 陳情第第95号のバスレーンとの関係なのですが、首里山川町からのものはバスレーンではなく交通規制でしたか。朝7時からやっていたものが7時半からに変わったのですが、その成果はあらわれているのですか。

○伊波一警察本部交通規制課長 委員の御質疑は県道29号線のお話だと思います。これはバス専用道路、いわゆるバスレーン規制の一種でございます。委員のお話のとおり、県民の要望を受け、ことし7月に時間短縮して午前7時半から午前9時までのバス規制に見直しをしました。これについては、その成果を取りまとめ中でございますが、先に実施した国道58号では渋滞の緩和が認められるというところはあると思います。さらに詳しいところは、年明けに整理をして公表しようと進めているところです。

○渡久地修委員 ちなみに、これが始まったのは7月からですか。

○伊波一警察本部交通規制課長 2段階で実施しておりまして、国道58号では7月、首里では8月と、一月ずらして実施しております。

○渡久地修委員 僕が見た限りでは、30分短縮したという点では喜ばれているのではないかと思います。
 それから今のバスレーンの関係で、崇元寺通りというのかな―安里から泊高橋まで、朝は泊向けが2車線、夕方は安里向けが2車線という変更車線だったのですが、これが最近変わったのです。これもバスレーン規制と関係するのですか。

○伊波一警察本部交通規制課長 この路線については、昔にバスレーンが廃止になっておりまして、中央線変移という規制を実施しております。御存じのとおり、ここは昭和の時代に物すごく渋滞があり、それを緩和する手法として県道が3車線化をし、それ使ってうまく渋滞緩和しようということで中央線変移という規制を実施しております。ただ、近年おもろまちや那覇市内の道路環境が大分整理され、交通の流れが変わりました。中央線変移の場合、時間によって中央線に使う車線が変化しますので、走る方々が中央線側をなかなか利用されないということと、どうしても1車線で右折しようとすると後ろの直進車両を妨害―逆に阻害してしまうという実態が生じてまいりました。そういうことがありましたので、道路管理者との協議の上、道路をうまく使って渋滞などの円滑化を図ろうということで中央線変移を廃止し、片側1車線の通常の道路に戻すことを実施しております。

○渡久地修委員 わかりました。
 それから、陳情第29号のモノレールの延長の件ですが、工事の進状況はどうですか。

○東樹開土木建築部参事 現在、4駅を含めた4.1キロメートルを事業化しておりますが、行程として平成26年末で約24%仕上げております。当初心配していたのですが、用地買収が大分進みましたので、平成31年春には確実に間に合うと私は思っています。

○渡久地修委員 先行開業の話はもうなさそうですか。

○東樹開土木建築部参事 先行開業については同じ平成31年春ということで、結局は同時にやろうということで那覇市とも調整が全て済みまして、現在、平成31年春が確実であれば4駅全て一緒にやるような方向になります。

○渡久地修委員 要するに、石嶺先行ということではなく、最終駅の浦西まで同時にできるという意味ですか。

○東樹開土木建築部参事 そのとおりです。

○渡久地修委員 これができればいいことなので、そうできるよう大いにやってください。

○東樹開土木建築部参事 大丈夫です。頑張らせていただきます。

○渡久地修委員 では、石嶺がそれより先に完成するということはないのですか。

○東樹開土木建築部参事 前那覇市長にも御説明申し上げたのですが、どんなに頑張っても1年前倒しできるかできないかの世界だったのです。また、石嶺だけを先行開業すると予算がすごくかかる状態になるということもあり、いろいろ協議をして平成31年春に全部一緒に開業ということになっております。

○渡久地修委員 頑張ってください。
 それから先ほどの「わったーバス党」との関係で、ことしの夏あたりからモノレールの券売機が変わってIC乗車券になり、僕も最初は非常に戸惑ったのですが、今はかざすということに皆なれてきています。しかし、チケットを買って乗るのはいいのですが、このチケットは回収箱に入れるという前近代的なやり方なのです。あれだけはどうもおかしいと思うのですが、将来どういう方向に持っていこうとしているのですか。

○真栄里嘉孝交通政策課公共交通推進室長 最近QRというものがあり、現在はそのQRコードで読めるようになっております。今回、前の磁気からQRに変えたのは、磁気券だと改札機を通ったときに中で詰まることが結構あり、それが故障の原因だったり、時間歴の増になったということがあります。今回は、確かに前近代的な箱に入れるような形になっているのですが、前の磁気券ではリサイクルできなかったのですが、QRについてはリサイクルするようなシステムをとっておりますので、そういった意味では自然に優しいと考えております。

○渡久地修委員 このチケットは持ち帰ったらどうなるのですか。

○真栄里嘉孝交通政策課公共交通推進室長 チケットは持ち帰っても次回は使えませんので、できたらそのリサイクルの箱に入れるということを―モノレールのほうと連携し、周知徹底を図っていきたいと思っております。

○渡久地修委員 なぜこんな質疑をするかといえば、普通は自動的に回収していくのにこの箱に入れてくださいというものだから、箱に入れずに持ち帰ったらどうなるのかと駅員に聞いたのです。そうすると、どうぞ持ち帰っていいですと言うものですから、モノレールという近代的なもので箱に入れるということになかなかなじみがなかったのですが、ずっとこれでいくのですか。

○真栄里嘉孝交通政策課公共交通推進室長 はい、ずっとこれでいくこととしております。観光の土産にでもなればいいのかなと思っております。

○渡久地修委員 頑張ってください。

○新田宜明副委員長 ほかに質疑はありませんか。
 比嘉瑞己委員。

○比嘉瑞己委員 陳情第95号、先ほどの浦添のバスレーンなのですが、現在のバスはどういった状況にあるのか。乗車率などがわかればお願いします。

○嘉数登交通政策課長 バスの状況ということで、輸送人員の推移で言いますと、本島のバス4社集計の数字ですが、平成21年度が2698万3000人、平成22年が2589万3000人、平成23年度が2552万5000人、平成24年度が2544万2000人で、ここまでは減少しておりますが、平成25年度が2583万9000人ということで対前年比で1.6%、約40万人ふえております。

○比嘉瑞己委員 この延長によってどれぐらいバス利用がふえるかというときに、1台のバスに空席が現在あるのかどうかを知りたかったのです。
 では少し角度を変えますが、延長に伴うバスの増便の計画はありますか。

○真栄里嘉孝交通政策課公共交通推進室長 現時点では、人員増による具体的な増便計画はございません。
 補足でありますが、バスについては、昭和60年を100とするとバス1台当たりの走行距離はほとんど変わっておりませんが、輸送人員で言いますと昭和60年で100運んでいたとすると現在は約半分になっており、非常に厳しい状況です。ですから、今回バスの活性化として何が悪いのか県民の意見を聞いたところ、やはりバスの定時・定速性がないということでしたので、その一環で今回バスレーンの延長をすることで過度な車利用からバスへの転換を図っていただきたいということでございます。

○比嘉瑞己委員 全体的には乗車人数は減っているけれども、朝夕のラッシュ時のバスは割と乗っているような印象を持っています。この延長の対象となる区間の状況はもう少しつかんでいないのですか。つかんでいるとすれば、来年検証するわけですからその目標もあるはずだと思いますが、その現状と目標についてもう少し聞かせてもらえませんか。

○謝花喜一郎企画部長 先ほど課長のほうからもあったように、バスの利用者が2544万2000人ということで、これまではずっと右肩下がりだったわけですが、この平成24年度から公共交通の利用環境の改善事業として低床バスの導入やバス・ロケーション・システムなどをやりまして、これが平成25年度に約40万人ふえて2583万9000人に伸びたわけです。この数字の出し方なのですが、バス協会から資料をいただいており、バス協会さんは回数券の枚数をトータルしてやっているようなので、どの区間、どれだけ乗ったかということは協会のほうもつかめていないのが現状です。ですから、我々が交通対策をするためには現状を把握する必要があるということで、今モノレールで先行導入しておりますIC乗車券システムを来年4月からバス4社にも導入しようと考えております。これができますと、どの区間からその区間に乗ったというデータが全て出ます。これが統計データとして把握できますので、それによりバス会社にとってもどの時間帯にどれだけお客さんがいるのでこの区間はさらにふやしたほうがいいといったいろいろな対策が経営的にもできますし、そういった仕組みによって利用環境の改善にさらにつなげていきたいと考えております。

○比嘉瑞己委員 私も那覇市議会で公共交通の特別委員会をして、皆さんとも意見を交換させていただきましたが、県民意識は大分変わったと思います。しかし、実際にお話を聞くと、バスレーンをせっかくやっていてバスに乗りたいと思っていても、便が少なかったり、朝から満員で乗りたくないという意見が那覇ではありました。浦添の区間はよくわからないのですが。ですから、せっかく利用促進するのであれば、ただ延長するのではなく、これだけバスが便利になったというところもあわせてやらないといけないのでないかという懸念を持っています。それに、これは2月からですが、ICは4月からなのですよね。実際は朝夕はかなりの利用率があると思うので、バスの増便ということも検討したほうがよかったのではないかと思うのですが。

○謝花喜一郎企画部長 ごもっともな御意見だと思います。私も国道58号でバスを利用したりしますが、来るときは3台も4台も数珠つなぎで来て、来ないときは全く来ないという時間帯が10分続いたりして―朝の時間帯で10分というのは大変重要なので、結局タクシーで通勤ということもよくありました。バスレーンの延長によって、そういった定時制、速達性などがある程度よくなることで利用者がふえます。その利用者がふえる分について、本来ならば2月2日から増便ということも考えるべきだったと思いますが、まだバス会社にとってもどの程度ふえるかという把握ができていないという部分があります。ですから、確かにIC乗車券システムの導入をその前にやればよかったという御批判は受けますが、それをするのも平成24年度からバス・ロケーション・システムやIC乗車券システム導入等を全て一遍にスタートさせて今になったということで。4月以降のIC乗車券システムについてもバス協会の方々にも働きかけたいと思いますが、1カ月間見て、必要であれば増便も検討するようお願いすることも大事かと考えております。後手に回った点は反省をしながら、しっかり対応したいと考えております。

○比嘉瑞己委員 頑張ってください。

○新田宜明副委員長 ほかに質疑はありませんか。
 砂川利勝委員。

○砂川利勝委員 航空運賃についてはたくさんありますが、今、スカイマークが全日空やJALとお話をされていて、その内容がどういうふうになるのか、わかっているところだけでもいいので教えてもらえますか。

○嘉数登交通政策課長 我々も新聞報道でしか知り得ていないのですが、スカイマークの経営がかなり厳しくなったということで、JALグループ、それから全日空と共同運航をしたいという申し入れをしていると聞いております。これも新聞報道ですが、対象路線としては羽田発着の幾つかの路線で、その中に羽田―那覇というものが入っていると聞いております。

○砂川利勝委員 裾野がどんどん広がって、せっかく今、離島のほうもそれなりに格安航空会社が参入して値段が下がっているので、しっかりこれを注視して、スカイマークだけではなく、ほかの格安航空会社も参入していただくような形をとってもらうとこれまでのいい流れが続くと思いますので、また何か情報があれば教えていただきたいと思います。
 それともう一点、離島の過疎振興の中で波照間についてフェリーの建造がありましたが、その進状況はどうですか。

○嘉数登交通政策課長 委員の御質疑は安栄観光のフェリーの新造の件だと思いますが、我々が作成しました更新支援計画の中では平成26年度から平成27年度にかけて建造した船を平成28年度に買い取り支援するという計画で進めておりました。しかし、まだ安栄観光においてどういった船をどの規模でつくるかという決定まで至っておりませんので、若干その時期がずれると考えております。ただ、県としては、現有フェリーが22年ぐらい経過してかなり老朽化しておりますので、安栄観光と連携して早期に着手できるように協力していきたいと思っております。

○砂川利勝委員 会社の状況もいろいろあると思いますので、できる方向をしっかり話し合ってもらいたいのですが、この期限がずれても支援ということは変わらないのですよね。

○嘉数登交通政策課長 更新支援計画を見直して今年度にずらすということは可能でございます。

○新田宜明副委員長 ほかに質疑はありませんか。
 髙嶺善伸委員。

○髙嶺善伸委員 陳情第96号の軽油引取税の課税免除措置についてお聞かせください。これは平成27年度の税制改正の議論で決まるということなのですが、見通しはどうでしょうか。

○謝花喜一郎企画部長 これについては処理方針にありましたように、総務省のほうに税制要望がなされております。今、自民党の税制の委員会で議論がされておりまして、今のところまだ俎上にのっているということです。このままスムーズに30日の税制改革大綱に載れるように県としても情報収集を行っておりますが、何とかできる方向で動いているという感触は得ております。

○髙嶺善伸委員 ちなみに、沖縄県として課税免除措置の効果としては年間どれぐらいですか。

○嘉数登交通政策課長 離島航路の座間味、渡嘉敷、水納航路の3航路にかかわってきますが、約5800万円ぐらいの免除効果があると推計しております。

○髙嶺善伸委員 この軽油引取税は道路を走らない船舶、農耕のトラクターなど、そして離島航路の各船が使っている軽油等全てにかかわるので、単なる赤字航路の3航路ではないと思うのですが。

○嘉数登交通政策課長 失礼しました。私が赤字3航路と言いましたのは補助金の対象となっている3航路で約5800万円ぐらいですが、赤字の対象となっていない―例えば石垣の高速船等を含めますと、離島航路分だけで1億7400万円ぐらいの課税効果があがります。

○髙嶺善伸委員 これは農家なども申請免除をして知事の許可でやっていますので、みんな影響があるのです。ですから、県内の各産業、県民生活にこの軽減措置がなくなることによってどれだけの影響があるということを具体的に把握しないと、今のようなやり方では国を動かすだけのインパクトはないと思います。

○嘉数登交通政策課長 委員の御指摘の点については、各部各課で対応しておりまして、企画部では離島航路の部分を対応しているということで、農林水産業については農林水産部、砕石の機械に係る軽油の部分については商工労働部がしっかり対応していると認識しております。

○髙嶺善伸委員 国の税制を動かすときには、沖縄県として企画部が窓口になって各部局や産業分野への影響もしっかりまとめ、タイミングを逸することのない取り組みをしないと、特に道路を走らない離島航路などが本当の生命線なのです。そういう航路事業者に大きな影響がありますので、皆さんが言っている程度の課税免除額ではないと私は把握しております。全庁的にその辺の情報を取りまとめて、この年末の税制協議の中に―沖縄県としては復帰特別措置の延長同様、強力な取り組みが必要だと思います。我々県議会としても厳しい状況だということであれば一緒になって延長要請をしていくのですが、この辺の状況判断というものが甘いような気がするのです。

○謝花喜一郎企画部長 軽油引取税については国土交通省が中心になっていろいろやっているのですが、今ありましたように船舶というもの以外にも、例えば港湾整備に従事する作業車の動力源など、いろいろ細かく分類されております。そういったものについて、それぞれ理論武装を行って国民の生活に影響を与えないようにという形で総務省のほうに要求しています。先ほど課長が説明したのは、それぞれの省庁ごとにそういった作業も行われているということで、各省庁からつながりのある担当部局のほうが関係するものについて九州知事会でまとめて要請をしております。このまとめてやるものは企画部のほうで総括してやっており、この割り振りも企画部でしっかり対応させていただいているという趣旨での答弁だと御理解いただきたいと思います。

○髙嶺善伸委員 この地方税で軽油引取税というものは以前は目的税で、道路を走る燃料だからその税収で道路を直したりするという趣旨であったのですが、これが税制改革で普通税になってしまって必ずしも道路に使う目的税ではなくなってしまったものですから、非常に心配しているのです。我々にとっては道路を走らない船舶が軽油を使っているので、最初から道路がない分、軽油について課税免除をしてほしいという離島振興の立場があるので、沖縄県は違うということを特に強調して言わないと、全国ベースでの軽油引取税免除でいくと負ける可能性があります。今、部長の話を聞いて、窓口は企画部でやると言っているので、もう一度情報を全て集めて影響額を出し、総力を挙げて―これは各県温度差があるのです。ですから、沖縄県と類似の県というと九州です。その九州でまとまってやっているというので、長崎県や鹿児島県などと連携をとってやってください。きょうはこの質疑で終わるのですが、皆さんの仕事はきちんと延長ができるような取り組みについて年末まで大きな責任がありますので、重大な税制改正だという認識で取り組んでもらいたいと思います。部長、最後に決意を聞かせてください。

○謝花喜一郎企画部長 12月25日から本格的に小委員会で議論がありますが、まだ俎上にはのっています。これが30日の税政改革大綱で認められるよう、しっかり対応したいと思います。

○髙嶺善伸委員 よろしくお願いします。

○嘉数登交通政策課長 先ほど瑞慶覧委員から質疑のありました旅客船協会に関する資料が手元にありますので御説明させていただきます。
 軽油引取税の課税免除措置を要請している団体なのですが、事業者数としては全体で34社、保有している船が101隻で、今回要請のある軽油を使用している事業者が7社、船が27隻でございます。軽油使用船の内訳は、私が当初申し上げました本島周辺の3離島―渡嘉敷、座間味、水納海運―この水納海運は本部町と水納島を結んでいる事業者です。宮古のほうでは宮古フェリーと株式会社はやてですが、これは来年1月31日の伊良部大橋開通に伴って廃路が決まっておりますので、大きな影響はないと見ております。それから八重山観光フェリーと石垣島ドリーム観光で、ここには影響してくると思いますが、計19隻を保有しているという状況になっております。トータルで27隻です。

○新田宜明副委員長 ほかに質疑はありませんか。

   (「質疑なし」と呼ぶ者あり)

○新田宜明副委員長 質疑なしと認めます。
 以上で、企画部関係の陳情に対する質疑を終結いたします。
 説明員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 どうぞ御退席ください。休憩いたします。

   (休憩中に、執行部退席)

○新田宜明副委員長 再開いたします。
 陳情等の質疑については全て終結し、採決を残すのみとなっております。
 陳情等の採決に入ります前に、その取り扱いについて御協議をお願いいたします。
 休憩いたします。

   (休憩中に、議案等採決区分表により協議)

○新田宜明副委員長 再開いたします。
 これより、陳情等の採決を行います。
 お諮りいたします。
 陳情等については、休憩中に御協議いたしました議案等採決区分表のとおり決することに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○新田宜明副委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 次に、閉会中継続審査・調査事件の申し出の件についてお諮りいたします。 先ほど、閉会中継続審査・調査すべきものとして決定した陳情18件と、お手元に配付してあります本委員会付議事件を閉会中継続審査及び調査事件として、議長に申し出たいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   
   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○新田宜明副委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 次に、お諮りいたします。
 ただいまの陳情等に対する委員会審査報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○新田宜明副委員長 御異議なしと認めます。
 よって、さよう決定いたしました。
 以上で、本委員会に付託された議案等の処理は全て終了いたしました。 
 委員の皆さん、大変御苦労さまでした。
 本日の委員会は、これをもって散会いたします。






沖縄県議会委員会条例第27条第1項の規定によりここに署名する。

  副 委 員 長  新 田 宜 明