陳情文書表

受理番号第221号 付託委員会土木環境委員会
受理年月日令和2年12月1日 付託年月日令和2年12月8日
件名 「首里城火災の出火・延焼拡大・文化財焼失原因の要因と管理体制」に関して県議会及び第三者委員会での調査・検証を促し、定期的に経過報告を求める陳情
提出者首里城火災の出火・延焼拡大・文化財焼失原因と管理責任を究明する会
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要旨


 首里城火災に関して、既に警察及び消防の調査結果は「原因不明」と報告されている。しかし、再発防止対策を的確に立案し実施するためには直接的な原因だけではなく、防災・防火設備の基本設計・運営維持から出火・延焼拡大・文化財焼失に至るまでの背景要因や、失敗学などの学門体系を用いて解明することが不可欠である。既に火災から1年が経過したが、その再発防止検証作業は5人の委員で構成される第三者委員会に付託されているのみで、沖縄県民及び世界の首里城を愛する人々の期待には程遠い。
 ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 再建が急がれる中、県議会においても再発防止対策に不可欠である首里城火災の出火・延焼拡大・文化財焼失に至る要因と管理体制について国際的なレベルで補充検証して万全を期すこと。また第三者委員会だけでは果たせない防災・防火設備の基本設計・運営維持等、重要事項があれば追加検証することを要請し、それらについて定期的に経過報告を行うこと。
2 去る9月11日に第三者委員会は中間報告を出したが、疑問やあるいは全く触れられていない重要な点について、パブリックコメントの実施あるいは質疑・討論の場を設けることにより、最終報告書及び今後の再建計画に反映できるように具体策を講じること。

採択された請願・陳情の処理経過及び結果について(報告)

報告を求めた者知事
報告内容

1 首里城火災の再発防止策の検討にあたっては、国は有識者や関係省庁から構成される「首里城復元に向けた技術検討委員会」を設置し、正殿等の防災・防火設備の基本設計など整備に関する検討を行っております。
 また、県は法律、消防防災、建築防火、公園計画の有識者から構成される「首里城火災に係る再発防止検討委員会」を設置し、事実関係の確認や正殿等が全焼に至った要因を踏まえ、適正な管理体制のありかたを示した再発防止策の検討を行っており、令和3年3月に同検討委員会から「首里城火災に関する再発防止策等報告書」が報告されております。
 県は、当該報告を踏まえ、令和3年4月に首里城公園の管理体制の構築に向けた今後の取組方針を示した「首里城火災に係る再発防止策(基本的な方向性)」を策定しております。令和3年度から具体的取組を進めるにあたって有識者等で構成される委員会を設置し、国等関係機関と連携して、管理体制の構築に係る検討を進めており、令和4年度は公園の一体管理を見据えた公園管理センター増築棟の基本設計業務等を実施しております。
2 「首里城火災に係る再発防止検討委員会」の再発防止策は、県から独立した専門性を有する第三者機関である同委員会で検討しており、令和3年3月に「首里城火災に係る再発防止策等報告書」が県に報告されております。