陳情文書表

受理番号第9号 付託委員会土木環境委員会
受理年月日令和2年12月28日 付託年月日令和3年2月16日
件名 北中城村及び中城村北中城村清掃事務組合が策定しているごみ処理基本計画に対する廃棄物処理法の規定に適合しない沖縄県の不適正な技術的援助の適正化に関する陳情
提出者******
要旨


 廃棄物処理法(以下「法」という。)第4条第2項の規定により、県は市町村に対して、一般廃棄物の適正な処理に対する市町村の責務が十分に果たされるように必要な技術的援助を与えることに努めなければならないとされており、法第5条の6により、県は、国と連携して県が定める廃棄物処理計画の達成に必要な措置を講ずるよう努めなければならないとしている。また、法制度上、環境省は県が定める廃棄物処理計画を無視して財政的援助を含む事務処理を行えないことになっている。法の基本方針に適合しないごみ処理基本計画を策定している市町村は、法第4条第1項の規定に従って一般廃棄物の適正な処理に必要な措置を講ずるように努めていないことになるので、ごみ処理施設の整備に当たって国の財政的援助を受けることはできない。また、補助金適正化法第3条第1項の規定により、国は、法令の定めに従い、国の補助金等が公正かつ効率的に使用されるよう努めなければならないとされている。
 法の基本方針において、市町村は地域ごとに必要となる最終処分場を今後とも継続的に確保するよう整備することとされており、県の第四期廃棄物処理計画において、市町村は今後も計画的に最終処分場の整備を進めていく必要があるとされ、しかも、市町村は県の定める廃棄物処理計画の考え方に即してごみ処理計画を策定することとされている。令和2年度における県内市町村の中で、ごみ処理基本計画に最終処分場の整備に対する国や県の施策に反して「焼却炉プラス民間委託処分方式」を採用している市町村は、中城村及び北中城村しかない。
 また、県議会(土木環境委員会)における陳情の審議によって県職員が環境省に確認したことにより、北中城村及び中城村北中城村清掃事務組合は平成28年度に改変したごみ処理基本計画を変更し、計画の対象区域に含まれている米軍施設(キャンプ瑞慶覧)から排出される米軍ごみの処理計画を策定することになった。この場合でも、法の基本方針、県が定める廃棄物処理計画及び浦添市が策定するごみ処理基本計画との整合性が確保されている適正なごみ処理基本計画を策定しなければ、中城村及び北中城村は、法と補助金適正化法の規定に従って浦添市とのごみ処理の広域化を推進することができない。
 そもそも、法第2条の4の規定により、国民(中城村及び北中城村の住民を含む)は、廃棄物の適正な処理に対する県の施策として県が定める廃棄物処理計画の達成に協力しなければならないとされている。
 ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 県が、平成時代から、市町村のごみ処理事業に対する他の市町村の努力を無視して中城村と北中城村だけに特段の配慮をしていることは、不公正な技術的援助を与えていることになるので、2村に対して、浦添市とのごみ処理の広域化を推進する前に、県内の他の市町村と同様に最終処分場の整備に対する国及び県の施策に従い、民間委託処分を停止して最終処分場の整備に着手するよう要請すること。
2 2村において最終処分場の整備が困難な場合は、浦添市と同様に最終処分ゼロを継続するための措置を講ずるよう要請すること。
3 市町村は民間の廃棄物処理業者ではないので、2村において最終処分場の整備を行うことも最終処分ゼロを継続するための措置を講ずることも困難な場合は、座間味村や渡名喜村等と同様に、最終処分場を所有している他の市町村(那覇市等)に処分を委託するよう要請すること。
4 県が令和2年度においても2村に対して必要な技術的援助を与えない場合は、最終処分場の整備に対する県の施策と2村の施策との整合性を確保するために、県が法第5条の5の規定に従い令和2年度末までに変更することになっている令和3年度以降の第五期廃棄物処理計画(令和3年度から令和7年度)における最終処分場の整備に対する県の考え方を訂正すること。
5 過去に遡って、県が定めている廃棄物処理計画を変更することはできないので、中城村と北中城村に対して、2村が平成時代から最終処分場の整備を放棄して一般廃棄物の民間委託処分を継続していたごみ処理事業の実態を確認した上で、必要となる代替措置(県が法の規定に従い2村に対して適正な技術的援助を与えることを怠っていたことにより2村に累積している「負の遺産」を解消するための措置)を講ずるように適切な技術的援助を与えること。
6 国の財政的援助を受けてごみ処理施設を整備しているにもかかわらず、法令に違反して法の基本方針に適合しないごみ処理事業を行っていた市町村は、法令違反を是正して法の基本方針に適合するごみ処理事業を行っていることを第三者(裁判所を含む)に証明しなければ永遠にごみ処理施設を廃止することができないため、県が中城村と北中城村に対して技術的援助を与える場合は、そのことに十分に注意すること。
7 県が中城村と北中城村に特段の配慮をして浦添市とのごみ処理の広域化を推進していることが判明した場合は、1市2村によるごみ処理の広域化が白紙に戻るので、県の職員は十分に注意をして、都道府県の第1号法定受託事務を職員の適正な判断に基づいて、問題が発生する前に適正に処理すること。
8 県が中城村と北中城村だけに特段の配慮をして事務処理を行わなければならない正当な理由がある場合は、法令に基づく根拠(例外規定等)を土木環境委員会において明確に説明すること。