陳情文書表

受理番号第18号 付託委員会経済労働委員会
受理年月日令和4年1月31日 付託年月日令和4年2月15日
件名 新型コロナウイルスにより影響を受けた貸切りバス事業者への支援に関する陳情
提出者一般社団法人 沖縄県バス協会
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要旨


 沖縄県は本土復帰後の振興策として観光振興を大きな柱として推進し、貸切りバスも観光インフラとして主要な役割を果たしてきた。
 しかし、一昨年2月から感染拡大した新型コロナウイルス感染症の影響により、貸切りバスの運送収入は令和元年度比で、今年度6か月間で約9割減収となった。
 今後、修学旅行インフラとしても、県の重要施策として沖縄復帰50周年であることも考慮し、沖縄県の貸切りバスに対する新たな経営支援を強く要望する。
 長崎県では、貸切りバス1台に対して令和2年度20万円の「事業継続等支援事業奨励金」の支給等により貸切りバス事業を支援する事例もある。
 ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 沖縄県の観光復興のため、貸切りバスに対する真水の財政支援を行うこと。
2 県が(公財)沖縄観光コンベンションビューローに委託している安全・安心な修学旅行実施のためのバス・タクシー増車支援事業について、補助額の上限が3万円までとなっているが、上限額を外すこと。
3 1月9日から沖縄県に適用されたまん延防止等重点措置による修学旅行等のキャンセルや、バスガイド不足のためバスガイドの派遣等の要請及びコロナ対策に要した費用等、これ以上の負担は厳しいことから、これら費用等を回収するため、国においてキャンセルに対する補塡措置を手当てするよう求めること。

採択された請願・陳情の処理経過及び結果について(報告)

報告を求めた者知事
報告内容

(処理経過及び結果)
1 県では、令和3年11月1日から令和4年1月9日まで、貸切バス事業者へ1台あたり最大3万円を支援し、学校行事や自治会旅行などで貸切バス需要を喚起する「おきなわ彩発見バスツアー促進事業」を実施しました。
  また、令和3年度は、緊急事態措置又はまん延防止等重点措置に伴う外出自粛等による影響により、対前年同月比などで50%以上売上げが減少した事業者を支援する国の「月次支援金」を受給した県内事業者に対し、個人事業者に最大10万円、法人は売上規模に応じて最大30万円を2月分支給する「観光関連事業者等応援プロジェクト」を実施しました。
  さらに、令和4年度における新たな取組として、新型コロナウイルス感染症の影響により、対前年同月比などで売上が30%以上または50%以上減少し、国の事業復活支援金を受給した貸切バス事業者を含む幅広い県内事業者に対し、個人事業者に最大10万円、法人に最大50万円を支給する「おきなわ事業者復活支援金」により支援を実施しました。
  また、コロナ禍における原油価格・物価高騰に伴い、経営に大きな影響を受けている観光事業者を支援するため、「観光事業者事業継続・経営改善サポート事業」を実施しております。
  同事業においては、赤字企業であって、かつ、事業計画を策定した事業者に対して、従業員規模に応じて最大600万円を補助することとしており、関係機関と連携のうえ、観光事業者へ周知を図ってまいります。
  沖縄観光は回復傾向にあるものの、コロナ前と比較し、観光事業者の受入体制が整っていないことから、令和4年11月補正(追加提案)において、受入体制の再構築を支援する「観光事業者受入体制再構築等緊急支援事業」を計上しました。
  赤字企業、黒字企業を問わず、受入体制の再構築に必要な経費であって、令和4年10月以降に要した人材の確保、バリアフリー等受入に必要な施設改修や今後の観光需要に対応する前向き投資等に要する経費に対し、最大500万円を補助する事業を実施しております。
  「観光事業者事業継続・経営改善サポート事業」及び「観光事業者受入体制再構築等緊急支援事業」については、令和5年度へ予算を繰り越し、引き続き、支援を実施してまいります。
  令和5年6月議会においては、「観光事業者受入体制再構築等緊急支援事業」の支援対象者を拡充するため、補正予算を計上して、支援を実施しております。

2 教育旅行推進強化事業にて実施していた「安全・安心な修学旅行実施のためのバス等増車支援」 は、コロナ禍においても安全・安心な教育活動の場を提供し、沖縄修学旅行実施の後押しとするため、国(内閣府)の沖縄振興特別推進交付金(ソフト交付金)を活用し、令和3年10月から令和4年2月末まで実施しておりました。
  令和4年度は、「観光事業者事業継続・経営改善サポート事業」により、貸切バスの利用促進のため、利用料金の低減を従来の上限額3万円に加え、バスガイドを利用する場合には、さらに1万円を上限に支援しておりますが、令和5年度においても、引き続き、事業を実施するため、繰越予算を活用するとともに、令和5年6月議会において、単価を見直した上で補正予算を計上したところであります。
  引き続き、ソフト交付金・地方創生臨時交付金や観光庁の予算などを活用し、必要な財源の確保に努め、安全・安心な沖縄修学旅行実施に向けた施策を検討してまいります。

3 令和3年11月15日から利用開始した旅行需要喚起策である「おきなわ彩発見キャンペーン第4弾」は、まん延防止等重点措置区域の指定により、1月9日から一時停止となりましたが、これに伴い発生したキャンセル料については、キャンセルポリシーに基づき旅行者の負担が発生する場合には、事業費で補填したところです。
  キャンセル手続に伴う事務経費や、団体旅行等のキャンセルによる損失については、国の交付要綱において、直接経費の対象とされていないことから、地域の実情に応じた弾力的な運用を認めるよう、これまで国へ要望を行っております。