陳情文書表

受理番号第182号 付託委員会土木環境委員会
受理年月日令和2年10月15日 付託年月日令和2年11月25日
件名 沖縄県中城村・北中城村エリアにおいて行われている廃棄物処理法の規定に適合しない「米軍ごみ」の不適正な処理の適正化に関する陳情
提出者******
要旨


 北中城村及び中城村北中城村清掃事務組合が平成28年度に改変したごみ処理基本計画の対象区域には、米軍施設(キャンプ瑞慶覧)が含まれているが、同村及び同組合は、同計画において廃棄物処理法(以下「法」という。)第2条第2項の規定に基づく一般廃棄物(産業廃棄物以外の廃棄物)である同施設から排出される米軍ごみに対する処理計画を策定していない。
 このことは、同村及び同組合が、法第6条第1項の規定に違反してごみ処理基本計画を策定していることになる。しかし、同村及び同組合は、平成29年12月頃から民間の一般廃棄物収集運搬業者や一般廃棄物処理処分業者と連携して米軍ごみを処理している。
 この点、法第6条の2第1項の規定により、市町村は、市町村が策定しているごみ処理基本計画及びごみ処理実施計画に従いごみ処理を行わなければならず、同条第2項の規定により、市町村が市町村以外の者にごみ処理の一部を委託する場合も、市町村が策定しているごみ処理基本計画及びごみ処理実施計画に従い委託しなければならない。そして、市町村からごみ処理の一部を受託する民間業者も、市町村が策定しているごみ処理基本計画及びごみ処理実施計画に従い受託したごみ処理を行わなければならない。
 したがって、沖縄県には、法制度上、中城村・北中城村エリアから排出される一般廃棄物である米軍ごみの収集運搬や処理処分(分別及び不燃物の処分を含む)を行うことができる法の規定に基づく民間の許可業者は存在しておらず、中城村・北中城村エリアにおいては、県職員や県知事の考え方にかかわらず、法の規定に従い同エリアから排出される米軍ごみの適正な処理を行うことができない状況になっている。
 ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 沖縄県の職員の考え方にかかわらず、法第4条第2項の規定により、都道府県には市町村の自治事務であるごみ処理事業に対して必要な技術的援助を与えるよう努める責務があるので、県は、北中城村及び中城村北中城村清掃事務組合に対して、平成28年度に改変したごみ処理基本計画の変更及び米軍ごみに対する処理計画の策定を求めること。
2 沖縄県の職員の考え方にかかわらず、沖縄県の市町村が法の規定に違反して米軍ごみの処理を行っていることになるので、県は、同村及び同組合に対して、ごみ処理基本計画を変更するまでは、米軍ごみの処理の停止を求めること。
3 沖縄県の職員の考え方にかかわらず、県内の民間業者が法の規定に違反して県内の市町村から市町村のごみ処理の一部を受託していることになるので、県は民間業者に対して米軍ごみの収集運搬及び処理処分(分別及び不燃物の処分を含む)を停止するように適切な行政指導等を行うこと。
4 沖縄県の職員の考え方にかかわらず、米軍施設(キャンプ瑞慶覧)が日本の廃棄物処理法に違反して米軍ごみを同施設から搬出していることになるので、県と国(沖縄防衛局を含む)が連携して、キャンプ瑞慶覧に対して適切な法令説明等を行い、同村及び同組合がごみ処理基本計画を変更するまでは、キャンプ瑞慶覧からの米軍ごみの搬出を停止することを求めること。
5 同村及び同組合が、法第4条第2項の規定に基づく県の技術的援助に従ってごみ処理基本計画を変更しない場合は、沖縄県における「ごみ処理の秩序」を守るために、米軍ごみの処理処分(分別及び不燃物の処分を含む)を同村及び同組合から受託している民間業者に対して、法第9条の2の2第1項の規定に従い、県知事が与えている一般廃棄物処理施設設置許可を取り消すこと。
6 同村及び同組合が県の技術的援助に従ってごみ処理基本計画を変更しない場合に、米軍施設(キャンプ瑞慶覧)が、県や国の求めを無視または拒否して同施設から米軍ごみを搬出した場合は、沖縄県における「法秩序」を守るために、知事がその責任において適切な措置を講じること。
7 同村及び同組合が、ごみ処理基本計画を変更して米軍ごみに対する処理計画を策定しない場合は、県は、同村及び同組合に対して、ごみ処理基本計画を変更して、行政区域内に米軍施設のある他の市町村と同様に、ごみ処理基本計画の対象区域から米軍施設(キャンプ瑞慶覧)を除外することを求めること。
8 地方自治法第245条の6の規定により、都道府県の執行機関は、市町村における自治事務の処理が法令の規定に違反していると認めるときは、当該市町村に対し、当該自治事務の処理について是正の勧告を行うことができるので、沖縄県における「ごみ処理の秩序」と「法秩序」を守るために、県が同村及び同組合に対して積極的に是正の勧告を行うこと。