要旨
日本トランスオーシャン航空(JTA)と琉球エアコミューター(RAC)は4月18日から離島割引・特定路線離島割引運賃を9~15%値上げすると発表した。両社ともに、新型コロナウイルスの影響による航空需要の減退や各種費用の増加を受け、経営努力を続け運賃を維持してきたが、将来にわたる離島航空路の維持に向けて自助努力だけでは賄い切れない状況にあるとし、値上げに踏み切った。
一方で、石垣-那覇間を運航している全日本空輸(ANA)は値上げをする予定はないとしている。離島割引運賃は沖縄県の沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業により、離島住民の移動に伴う負担を軽減するとして実施しているところであるが、今回のJTAの値上げに対し、ANAは値上げをしていないことから、県はJTA、ANAの間で価格差が生じるため公金を投入できないとし、補助を打ち切るという報道がされている。
離島割引運賃の補助が打切りになれば、運賃は4割増となり離島住民の生活に多大な影響を及ぼすことは必至である。一方の値上げにより、価格差が生じた双方の補助金を打ち切ることは、乱暴かつ、もう一方の値上げを助長してしまう事態になりかねない。
ついては、沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業においては、今回の値上げに柔軟に対応し、離島住民の交通コストの負担が増加することのないよう配慮してもらいたい。 |