陳情文書表

受理番号第24号 付託委員会文教厚生委員会
受理年月日令和6年2月5日 付託年月日令和6年2月14日
件名 戦没者の尊厳を守るための条例制定を求める陳情
提出者戦没者遺骨混入土砂を埋立てに使わせない条例研究会
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要旨


 逃げ場のない生き地獄だった場所の土を軍事基地のために使うことは、戦没者をもう一度殺すことになる。激戦の中を生き延びた先輩たちが負債の重みに耐え、戦争を回避できなかった過ちを正すことが戦没者の尊厳を守る道と考え、不戦沖縄を再建する苦労を重ねてきた経緯から、沖縄戦の戦没者の尊厳を守り、遺骨混入の可能性のある土砂を埋立てに使わないようにする条例案を3年がかりで検討してきた。
 令和3年、沖縄県議会が政府と国会に向けて「沖縄戦戦没者の遺骨等を含む土砂を埋立てに使用しないよう求める意見書」を採択したのは、戦没者の尊厳を守ろうとする県民と遺族等の熱意の表れである。ところが、政府は戦跡国定公園の土砂までも大浦湾の埋立てに使う可能性を否定せず、国会もまた特段の意思表示をしていないことから、県が自主的に意見書の趣旨を推進するしかない。
 戦後生まれの人口は9割を超え、戦争体験者と遺族は高齢化し、記憶の風化が進んでいる。この状況を踏まえ、沖縄戦の戦没者の尊厳を再認識し戦争の悲惨な事実を将来に伝え、平和創造に努めることを誓うため、条例に条例の目的(戦没者の尊厳を守るための基本理念を明らかにし、県知事及び県民の責務並びに県の主要な施策を定めること)を定め、「戦没者」及び「沖縄戦」の用語の定義、基本理念(沖縄戦の歴史的事実を踏まえるとともに、住民の生命と人権を守る地方公共団体の基本的責務及び非戦と非軍事化への県民意思に基づき、慰霊・追悼と平和の創造に努めることによって、戦没者の尊厳を守る)及び、県、県知事、県民の責務を規定し、さらに県の主要な施策(戦争遺跡の史跡指定を進めること、沖縄戦跡国定公園を戦争遺跡群として整備すること、遺骨収集と遺族確認及び細片遺骨の現場安置に努めること、沖縄戦の歴史的事実と教訓を継承し平和学習などを通じて本条例の基本理念に関する理解を広めること、施策に要する経費に関すること及び東アジア諸国出身の戦没者の慰霊・追悼に関すること)を掲げる必要がある。
 ついては、上記を踏まえた条例を早急に検討し制定するよう配慮してもらいたい。