陳情文書表

受理番号第124号の2 付託委員会経済労働委員会
受理年月日令和4年8月9日 付託年月日令和4年9月30日
件名 令和4年度美ぎ島美しゃ(宮古・八重山)圏域の振興発展に関する陳情
提出者美ぎ島美しゃ市町村会
会長 石垣市長 中山 義隆
要旨


 このたび、美ぎ島美しゃ市町村会は、宮古・八重山圏域における喫緊の課題や財政的に解決が困難な課題等を次のとおり取りまとめた。
 ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 狩猟者研修センター等の建設について
  石垣市の基幹作物であるサトウキビ、パイナップル及び野菜等が有害鳥獣の被害を受けており、被害防止のため駆除実施者に有害鳥獣の駆除を依頼している。しかし、県内に猟銃の研修場所がなく、安全面の確保や資質向上に課題がある。また、新規で有害鳥獣駆除の資格を取得する際には、県外へ行く必要があるがその際の費用が大きな負担となる。このため、狩猟者研修センター等を建設する必要があり、石垣市狩猟者研修センター(仮称)建設推進協議会を立ち上げた。
  ついては、建設に向けた補助金の予算化をはじめ、石垣市有地での建設を推進するための技術的な指導及び支援を行うこと。
2 獣医師の確保について
  竹富町の畜産業における年間死亡頭数は決して少なくなく、令和元年度の肉用牛死亡頭数は343頭(農業共済加入者の家畜)であり、それに伴い獣医師の診療件数も多くなり、令和2年度における竹富町(竹富島・小浜島・黒島・西表島・波照間島)の状況は4014件、1万565頭と膨大である。現在、同町に獣医師が常駐する家畜診療所はなく、全ての獣医師は近隣の石垣市を拠点に往診している。診療件数の最も多い黒島では、民間診療所が寝泊まりできる設備を整え対応しているが、黒島の次に件数の多い西表島では、令和2年3月に民間の獣医師が撤退し、現在も常駐する獣医師がいない。獣医師の往診は、多島で構成される同町においては、民間の獣医師では採算が取れない地域もあり、公的支援を行わなければ往診もままならない状況である。
  ついては、農家が安心して畜産業を営むことができるよう、竹富町に常駐する獣医師の確保及び各島々において獣医師の診療サービスが提供できる環境整備に早急に取り組むこと。

採択された請願・陳情の処理経過及び結果について(報告)

報告を求めた者知事
報告内容

(処理経過及び結果)
1 農作物等へ被害を及ぼす鳥獣を捕獲するため、その担い手である狩猟者の技能向上は重要であると認識しております。
  そのため、県では、国の鳥獣被害防止対策交付金を活用し、県内の実施隊員を対象に、県外の射撃場において研修を実施したほか、石垣市とも意見交換等を重ねてきたところであります。
  狩猟者研修センター等の建設にあたっては、同交付金をはじめ、国の各種補助金等の活用が考えられますが、一方で、補助金毎に、さまざまな採択要件が定められております。
  県としましては、各種補助金等の情報提供に努めるほか、引き続き、意見交換を継続するなど、鳥獣被害防止の取り組みを支援してまいります。

2 産業動物獣医師の不足については、本県を含め、全国的な課題となっております。
  そのため、県では、安定的な獣医師確保と育成を図るため、
 ① 獣医大学生を対象とした修学資金の給付
 ② 獣医大学訪問による説明会の開催
 ③ インターンシップの受入
などを積極的に実施しております。
  県としましては、引き続き、関係機関と連携し、新たな施策の検討も含め、県内の産業動物獣医師の確保・育成に努めてまいります。
  また、沖縄県農業共済組合八重山家畜診療所では、令和4年度から1名増員し、5人体制にて八重山地域の往診体制を強化しております。