要旨
「新・沖縄21世紀ビジョン実施計画」は、目指す5つの将来像に「沖縄らしい自然と歴史、伝統、文化を大切にする島」を掲げている。しかし、小・中・高等学校では琉球・沖縄について系統的に学ぶ機会が少ないため、琉球・沖縄の歴史や文化に対する児童生徒の認知度は非常に低く、目前にある沖縄の様々な課題に対する理解も浅いのが実情である。沖縄の子供たちが高等学校を卒業するまでに、琉球・沖縄の歴史と文化に関する基本的な教養を身につけることができるよう、歴史教育の在り方を改善する必要がある。
ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
記
1 日本と世界の近現代史を関連づけながら学ぶ高等学校の必履修科目である「歴史総合」は、工夫次第で重要項目の指導が可能であることから、記事項3が実現するまでの間、同科目において、近現代を主とした沖縄の歴史を体系立てて指導するよう全ての地理歴史科教師に周知すること。あわせて、指導力向上のための講習会(学習会)を開催すること。
2 同科目において、近現代を主とした沖縄の歴史を体系的に位置づけた年間指導計画を例示し、各学校に配付すること。
3 次年度以降を見据えて、琉球・沖縄史を体系立てて指導するための「琉球・沖縄史教育推進委員会」(仮称)を立ち上げ、委員会で調査・研究した指導方法を基に「琉球・沖縄史教育」の具体的な実践案(単独科目としての教育課程への位置づけ方、既存科目での具体的な指導方法、小・中・高校の系統的な琉球・沖縄史教育計画等)やテキスト・資料集等を作成して各学校に提供するとともに、指導・助言を行うこと。 |