要旨
今日、世界のウチナーンチュ大会の躍動と発展に如実に示されているように、世界各国に在住する40万人とも言われる世界のウチナーンチュの連帯と結束の絆は一段と強まり、郷土沖縄と連携する「もう一つの沖縄」としての存在価値を高めている。その中で、南米大陸にはブラジル19万人を中心に各国合わせて約30万人のウチナーンチュが在住し、世界のウチナーンチュの約75%を占めている。ブラジルにおいては、1世移民が減少し続けているとはいえ、2世・3世、さらには4世・5世の新しい世代がブラジル社会のあらゆる分野に進出している。新しい世代の人々は、沖縄を自らのルーツとして捉え、文化的・人的交流をより一層活発化し、国際的な視野と発想に立った政治経済的諸関係の確立を求めて模索し続けている。しかし、郷土沖縄との関係において、情報が決定的に不足している。逆にまた県当局は、南米のウチナーンチュたちが、何を求め、何に直面し模索しているのかについて、その具体的内容を知る機会がほとんど持てていないのではないか。それは、情報を収集し活用する行政組織的ルートがいまだに確立されていないことと深く関係していると考える。このため私たちは、沖縄県と南米ウチナーンチュとの交流・連携を一段と強めていく上で、その重要なかけ橋となる沖縄県南米連絡事務所(仮称)設置の必要性を痛感している。
ついては、母県・沖縄県と南米ウチナーンチュの一層の連携を目指して、沖縄県南米連絡事務所を設置するよう配慮してもらいたい。 |