陳情文書表

受理番号第136号 付託委員会文教厚生委員会
受理年月日令和2年8月6日 付託年月日令和2年9月15日
件名 新型コロナウイルス感染症に係るクラスター発生時の対応に関する陳情
提出者八重山市町会
会長 石垣市長 中山 義隆
要旨


 去る7月30日、石垣市美崎町の接待を伴う同一の飲食店に勤務する6名に新型コロナウイルス感染症の陽性者が確認された。現在、保健所による濃厚接触者の特定と並行し、市当局においても新型コロナウイルス感染症相談外来を設置し、当該クラスターの関係者の特定・検査等に努めている。
 八重山圏域の新型コロナウイルス感染症対応病床は、県立八重山病院に感染病床が3床、結核病床の転用による6床を合わせても9床しかなく、二次感染が拡大した場合、医療崩壊が起こり八重山郡民の生命に大きな危険が及びかねない。
 ついては、クラスターへの早期の対策は二次感染拡大防止の観点から急務であり、県における対応が不可欠であるため、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 クラスター発生に係る店舗名の公表等について
 クラスター発生の際に、その中心と考えられる店舗名等に関する情報が迅速に公開されない場合には、行政当局からの検査受診への協力呼びかけの実効性が低下し、クラスター対策の遅れによる二次感染の拡大を招きかねず、また、郡民の不安をいたずらに増幅させることにより、適切な行政運営に支障を来しかねない。
 このため、感染者と接触した可能性のある者を迅速に把握し、各郡民が感染症を蔓延させないための適切な行動が取れるようにするため、国の指針に従い、関係者の同意がない場合においても、クラスターの中心と考えられる店舗名等を県から積極的に公表すること。また、その際に、感染の要因が感染防止策を適切に講じていなかったと考えられる場合には、その不十分だった対応も併せて具体的に公表すること。
2 県による休業要請及び協力金の支給について
 クラスター発生時には、感染の拡大状況や経済に及ぼす影響等を総合的に勘案し、特定の地域・業種の休業要請を行うことが適切と考えられる場合には、市町と協議の上、県において休業要請及び協力金の支給を行うこと。
3 軽症者用療養施設の迅速な確保等について
 クラスター発生時には、感染症病床数をはじめとした医療リソースが短期間に逼迫する可能性が高いことから、クラスター発生またはその可能性が生じた場合、県において軽症者を受け入れる臨時の療養施設の準備等を迅速に行うこと。

採択された請願・陳情の処理経過及び結果について(報告)

報告を求めた者知事
報告内容

(処理経過及び結果)
1について
 県では、夜の繁華街地域等において感染拡大の兆候がある場合、当該地域への感染拡大防止対策の徹底等を呼びかけるため、「沖縄県新型コロナウイルス感染注意報」を発信することとしております。
 特に、集団感染が発生し、濃厚接触者が多数に及ぶ場合等においては、更なる感染拡大を防ぐ観点から店名を公表することとしております。

2について
 県では、特定の地域及び業種において、集団感染が多数発生し、更なる感染拡大が懸念される場合に、当該地域の所在市町村や関係団体等の意見等を踏まえ、休業要請について検討することとしております。
 また、県内での集団感染の発生に伴う休業要請を踏まえ、那覇市松山については令和2年8月2日から同15日まで、宮古島市平良西里・下里及び石垣市美崎町については同年8月7日から同20日までの全期間休業に応じた該当施設を運営する事業者を対象として、休業協力金の支給を実施してきたところであります。
 県としては、引き続き県内の感染状況の把握に努め、県内経済への影響を見極めながら、必要に応じて協力金等を含めた事業者への支援に取り組んでまいります。

3について
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、重症者に対応可能な医療提供体制の確保が重要となることから、無症状者や軽症者については、宿泊療養とする体制を整備しております。
 石垣市においては、8月4日からホテルを借り上げ、55室を確保しているところです。
 ホテルは令和4年3月末まで借り上げることとしており、感染拡大に対応できるよう、受入体制を確保してまいります。