陳情文書表

受理番号第136号 付託委員会経済労働委員会
受理年月日令和5年9月28日 付託年月日令和5年10月10日
件名 肉用牛経営基盤確立に関する陳情
提出者沖縄県農業協同組合中央会
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要旨


 長期化する飼料価格高騰により生産コストが上昇していることに加え、子牛価格は下落し続けており、農家経営は厳しい状況にある。生産者は、総力を挙げて経営安定に取り組んでいるが、自助努力だけでは到底解決できない状況となっている。肉用牛生産の拡大に向けて繁殖雌牛頭数も増加に転じているが、このままの状況が続けば子牛供給産地として築き上げてきた肉用牛生産基盤の維持に支障を生じかねないと、関係者は大きな不安を抱えている。
 ついては、経営安定に向けた万全の対策を講じるとともに、本県肉用牛生産の実態に合った支援策の拡充のため、下記事項につき配慮してもらいたい。 
                

1 肉用子牛価格下落に対する支援策の実現について
  本県の肉用牛経営は離島県として特有の課題を抱えており、経営体力が脆弱である中、飼料価格高騰に加えて子牛価格の下落により肉用牛経営は厳しい状況が続いており、生産基盤の維持さえも危ぶまれる危機的状況となっている。
  肉用子牛生産農家の経営安定に資する制度の機能が十分に発揮されるよう、離島県である本県の販売価格の状況など、地域の実情を踏まえた支援策を講じること。
2 子牛価格の引上げに向けた販売促進活動の展開について
  全国的な生産頭数の増加によって牛肉の生産量及び在庫量が増加している影響を受け、肥育農家の素牛購買意欲が低下していることで、県内の子牛価格は大きく下落し続け、過去10年間で最低水準となっている。
  県外購買者に大部分を依存している本県の家畜市場の実態を踏まえ、販売促進活動の強化と牛肉の消費拡大に取り組むこと。
3 持続可能な肉用牛経営の確立に向けた施策について本県の肉用牛経営に係る生産性は、離島県としての地理的条件や生産基盤の整備遅れ等により本土と格差があり、さらに、子牛価格の下落によって再生産可能な所得水準を確保できず、厳しい経営状況にある。
  持続可能な経営が図れるよう、生産基盤の整備や機械導入への支援を行い、生産能力の高い種雄牛の造成や優良繁殖雌牛の保留など生産性の向上に向けて、経営改善の取組に対する支援策を講じること。