陳情文書表

受理番号第179号 付託委員会経済労働委員会
受理年月日令和4年12月6日 付託年月日令和4年12月13日
件名 ライフガード業務従事者の地位向上と雇用安定に関する陳情
提出者一般社団法人 沖縄ライフセービング協会
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要旨


 沖縄県の最大の資産というべき青く美しい海における海域レジャーは、県民のみならず国内外の多くの観光客を引きつける大きな魅力であり、観光立県である本県の観光産業振興に大きな恩恵をもたらしている。遊泳やマリンレジャーを楽しむ笑顔の背景には、その安全を守るライフガード業務に従事する能力の高い人材が多数必要であるが、実態は海外の国際的海洋リゾート地のライフガードと比較すると大変劣悪な環境で、慢性的な人手不足と人材育成が進まない状況にある。
 国際的なリゾート地として地位を確立しているハワイでは、ライフガードは警察官や消防士のように公務員として従事しているそうだが、沖縄県においては低賃金のパート契約に遊泳シーズンのみの期間雇用が一般的なため、結果的に能力の高い人材ほど離れてしまうのが現状である。また、コロナ禍に沖縄県における緊急事態宣言が発令された期間中は、県内ほとんどのパブリックビーチが閉鎖され、雇用の継続が困難となりやむなく職を離れた人材が多く、そのほとんどは観光需要が回復しても戻ってこない。民間のリゾートホテルは時給を上げて募集しているがそれでも人が集まらず、フロントや料飲サービス等ほかの部署からの応援で急場をしのいでいるとの声もある。当然、パブリックビーチでも同様な事態に陥っているが、県や市町村が発注する指定管理者制度の下、委託される予算では賃上げするのも難しい上、経験を積んだ能力ある人材を育成するために必要な継続雇用もできず、大変苦しい状況である。
 ついては、一刻も早く海の安全・安心を確立し、沖縄県が国際的な観光地として内外から評価され発展するため、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 ライフガード業務に従事する者が、適正な知識・技術を習得するために、沖縄県水難事故の防止及び遊泳者の安全の確保等に関する条例第8条に定める水難救助員及び監視員に必要な資格習得費用の補助を目的とした給付金制度を設けること。
2 沖縄県内の海浜公園で募集される指定管理者制度でのライフガードの在り方を見直すとともに、能力に応じた適正な価格で業務に従事できるように労務規格に応じたライフガードの適正単価を定めて、県がリーダーシップを取り、各自治体に指導・推進すること。