陳情文書表

受理番号第159号 付託委員会文教厚生委員会
受理年月日令和5年11月14日 付託年月日令和5年11月28日
件名 沖縄県教育委員会が保管する琉球人遺骨の取扱いに関する陳情
提出者ニライ・カナイぬ会
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要旨


 令和5年9月、台湾大学から沖縄県教育委員会に移管された琉球人遺骨の情報開示請求訴訟の判決が確定し、同委員会は原告のニライ・カナイぬ会に遺骨の収集場所を開示した。しかし、同委員会は遺骨を元の墓に戻すのではなく、各市町村の委員会に移管・協議する意向であることが県内紙で報道された。
 収集場所が明らかになった今、遺骨を故郷の墓に返すのが道理であり、遺骨の保管場所を変えるだけで、研究できる可能性が残るならば、それは遺族や琉球固有の葬祭文化、それを継承・実践する遺族の権利に対する侵害である。
 今や遺骨の返還は国際的な潮流であり、国際人権規約で「自己の文化を享有する権利、自己の宗教を信仰しかつ実践する権利」は保障され、ユネスコの「ヒトゲノムと人権に関する世界宣言」やICOM(国際博物館会議)でも、収蔵品の収集過程や研究に当たり、遺族や地域コミュニティーの同意、伝統文化への配慮を義務づけている。県教育委員会は文化継承をうたっており、教育機関や児童生徒の模範となるべく、遺骨の尊厳や遺族の権利、伝統文化を尊重すべきである。
 ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 収集場所が明らかな遺骨については元の墓に戻すこと。
2 県教育委員会は責任を持ってホームページやメディアなどを通し情報公開を行い、遺骨の遺族や子孫を捜すこと。
3 遺族が見つからない、あるいは許可が得られない遺骨に関しては、研究をしないこと。
4 収集や研究に関して、国際的な潮流や国際規範にのっとった人権を尊重する倫理指針を作成すること。
5 各市町村由来の遺骨に関しての市町村教育委員会との協議の場に、ニライ・カナイぬ会のメンバー及び遺族が判明した場合には遺族も参加させること。