陳情文書表

受理番号第106号の2 付託委員会経済労働委員会
受理年月日令和2年7月6日 付託年月日令和2年7月14日
件名 新型コロナウイルス感染症の影響を受けた農林水産物に関する陳情
提出者宜野座村議会議長
石川 幹也
要旨


 農林水産業は「水と緑と太陽の里」、「有機の里」を掲げる宜野座村の重要な基幹産業であるが、今回のコロナ禍による影響は予想を超える大きさで農林水産業の経営は深刻な状況にある。
 これから最盛期を迎えるマンゴーやパイナップルは、ふるさと納税の返礼品としての需要も高く本村が期待する農産物であるが、物流体制の確保が困難であることから、先行きに不安を抱えている。また、モズクや海ブドウの養殖をはじめとする海産物についても同様である。
 新型コロナの第2波、第3波の襲来に備えつつこのような状況が長期化すると、沖縄県はもとより本村の農林水産業もかつてない打撃を被ることは必至である。
 ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 コロナ禍による影響で被った農林水産物の損失補塡や今後の経営に対する支援金等、あらゆる支援策を講ずること。
2 農林水産物の輸送に係る物流体制の早急な正常化と強化策を講ずること。
3 農林水産物の販路の確保・拡大に対する支援策を講ずること。

採択された請願・陳情の処理経過及び結果について(報告)

報告を求めた者知事
報告内容

1について
 新型コロナウイルス感染症拡大に伴う学校の休校措置、イベントの自粛及び観光客の減少等によるホテル、飲食業向けの需要の減少により、農林水産業においても消費や価格面のほか、物流面で様々な影響が生じております。
 このため、県では、金融機関等に対し、資金の円滑な融通や償還猶予等について要請するとともに、既決予算や補正予算などを活用し、休校措置に伴い影響を受けた酪農生産者への支援や、輸送手段の確保対策、農業者の次期作に向けた支援のほか、学校給食等への食材提供を通した消費喚起対策等、各種支援策を実施しているところであります。
 さらに、県では、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた中小企業者等を支援するため、「安全・安心な島づくり応援プロジェクト事業」を実施しており、農林漁業者等も対象として支援を行っております。
 県としましては、農林水産業に対する影響について、引き続き情報収集を行うとともに、生産者団体等と連携し、生産者の経営安定に向けた対策を講じてまいります。

2について
 新型コロナウイルス感染症に伴う航空便減便の影響に対処するため、県は、去る4月30日、航空会社に対し貨物輸送の確保について要請するとともに、臨時便の就航や機材の大型化が図られるよう5月1日から6月30日の期間について、農林水産物流通条件不利性解消事業の補助単価の特例を設け、支援を行いました。
 また、7月には航空物流機能回復事業により先島路線の臨時便の就航を支援しております。今後も引き続き、同事業を活用し、県産生鮮品の円滑な航空輸送体制の確保を図ってまいります。

3について
 新型コロナウイルス感染拡大に伴う農林水産物の需要減を受け、緊急的な消費拡大対策として、メディアを活用した県民への消費喚起に取り組むとともに、市町村等と連携し、全国展開している量販店での販売促進に取り組むなど、関係機関と連携した販売促進対策に取り組んできたところです。
 さらに、6月補正予算を活用した「ちばりよ~!わった~農林水産業応援プロジェクト事業」による学校給食等での利用促進や、公共施設等への飾花など、食育・花育を通じた消費拡大等に取り組んでまいります。