陳情文書表

受理番号第239号 付託委員会文教厚生委員会
受理年月日令和3年11月26日 付託年月日令和3年12月8日
件名 「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」の改正を国へ求める意見書の提出に関する陳情
提出者市民の人権擁護の会沖縄支部
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要旨


 障害者に対する虐待は障害者の尊厳を害するものであり、障害者の自立及び社会参加にとって虐待防止は極めて重要である。障害者に対する虐待の禁止等を目的として、「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」(以下「法」という。)が制定されている。しかし、同法では虐待発見時の行政機関への通報義務が養護者、障害者福祉施設及び使用者に課せられている一方、医療機関内での虐待については、発見者は通報義務の対象外となっている。
 近年、医療機関内とりわけ閉鎖性の高さが問題視されている精神科病院内において、患者への虐待が取り沙汰されており、厚生労働省による令和2年8月の調べでは精神科病院内では過去5年間に72件の虐待が報告され、このうち半数以上は自主的な通報がなかったとされている。身体的・精神的に弱い立場の障害者が、助けてもらえると思って行った病院で虐待に遭った場合、外から見えない場所での虐待に声を上げられず、また障害者の家族も閉鎖的な病院内で起こっていることに気づきにくく、泣き寝入りせざるを得ない状況にある。このような障害者に対する差別や人権侵害を根絶するためには、障害者福祉施設等と同様、医療機関における虐待発見時の行政機関への通報義務が必要である。
 ついては、法に規定されている虐待発見時の行政への通報義務の対象に、「医療機関における障害者虐待」を加える旨の意見書を可決し、国に提出するよう配慮してもらいたい。