陳情文書表

受理番号第127号 付託委員会経済労働委員会
受理年月日令和3年6月21日 付託年月日令和3年6月30日
件名 コロナウイルス蔓延防止に伴う水際対策に関する陳情
提出者一般社団法人 沖縄県マリンレジャー事業者団体連合会
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要旨


 コロナ禍での自粛の反動が沖縄観光に集中すると予測されているが、コロナウイルス感染予防の具体的な解決策がないまま、観光客が沖縄に殺到する観光バブルが到来することになれば、医療体制が脆弱な沖縄県では医療崩壊により県民の生命に影響が出ることも危惧される。
 ダイビング業界においては、日本潜水医学会よりコロナ収束までダイビングを控えるようにと一般ダイバーに向けてお願いが出るほどクラスターになる確率が高いことに加え、本年5月に開催されたアジアパシフィック地域の潜水医学会においても、肺機能低下が深刻な後遺症として残るとの症例が報告され、コロナウイルスに感染することは廃業と同等の意味となっている。
 一方、広島県では国の助成を受け、県内全域の住民を対象に無料でPCR検査を受ける事業が今年度スタートし、県民は何度でも気軽にPCR検査を受けることができるようになった。観光立県を目指す沖縄県も、県民がPCR検査で陰性を証明することで、安心して訪れることのできる観光地として付加価値を高め、観光客には「責任のある観光」として「ウイルスを沖縄に持ち込まない」ことを証明してもらうことで、県民の生命と健康を守り、見えない不安を一掃することが可能になることに加え、安心して訪れることのできる観光地として、沖縄経済によい影響を与えると考える。
 ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 水際対策として検疫を強化し、沖縄県への全ての入域者に対し、陰性の検査証明を持っていない入域者の受入れを行わず、入域直後のPCR検査もしくは抗体検査を実施し、陰性の証明が出るまで自費で隔離する暫定措置を行うこと。
2 来沖する全ての観光客に、新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)のインストールを義務化する暫定措置を行うこと。
3 ハワイ州でスタートしたワクチンパスポートを早期に導入し、国内外からの受入れを促進すること。

採択された請願・陳情の処理経過及び結果について(報告)

報告を求めた者知事
報告内容

(処理経過及び結果)
1について
 国外から入国する者に対しては検疫法に基づき、罰則を伴う検査の実施等、一部強制的な対  応を取ることとされています。
 一方、国内移動に関しては、強制的に検査を実施できる法令の規定はないことから「移動の  自由」を制限する検査を義務づけることは困難であり、協力を得ての検査となります。新型インフルエンザ等対策特別措置法において、都道府県は個人に対し、新型インフルエンザ等対策の実施に関し必要な協力を要請することができるとしていることを踏まえ、県では、来訪者に出発地で事前にPCR等検査による陰性判定を受けてから来県を求めるとともに、国に対して、旅行前PCR検査の徹底・強化など、旅行前に陽性者を発見できる体制の構築を要望してきました。
 また、那覇空港及び離島空港におけるPCR等検査体制を整備するとともに、旅行者専用相談センター沖縄(TACO)による健康相談等を実施し、水際対策の強化に努めてきたところです。
 なお、令和5年5月8日より、新型コロナウイルス感染症が5類感染症へ移行したことに伴い、那覇空港及び離島空港におけるPCR等検査を終了したところですが、旅行者専用相談センター沖縄(TACO)による健康相談等については、引き続き実施しているところです。
2について
 厚生労働省の新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)については、感染拡大防止と社会経済活動の両立を図る目的で本県が普及に努めている RICCAとともに、県HPや沖縄観光情報WEBサイト「おきなわ物語」における情報発信のほか、空港やイベントでのチラシやカードの配付、新聞、CM、SNS等の各種メディアを活用して登録等を呼びかけてまいりました。
 国がCOCOAの機能を停止したことに伴い、県が運用するRICCAについては、接触通知機能を停  止したものの、感染者数の公表や感染対策に係る情報発信等の機能を維持した上で運用してい  るところです。
3について
 ハワイ州では、「セーフ・トラベルズ・プログラム」と呼ばれる、米国の他の州と比較して  より厳しい水際対策が運用されていたことは、報道等により承知しております。
 日本においては、今後の感染拡大時における緊急事態宣言やまん延防止等重点措置等下においても、感染リスクを低減し、行動制限の緩和を可能とするため、令和3年11月19日付けで、「ワクチン・検査パッケージ制度要綱」を制定しており、ワクチン・検査パッケージの活用範囲として、不要不急の都道府県をまたぐ人の移動について、国として自粛要請の対象に含めないことなどを定めております。
 また、ワクチン接種証明のデジタル化については、国において令和3年12月20日に「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」が公開されております。
 一方、県では、経済団体などと合同で「沖縄県ワクチン接種・検査陰性証明活用ガイドライ  ン」を策定し、感染拡大時でも一定程度の行動制限の緩和を可能とする運用方法を定めました。
 しかしながら、感染力の強いオミクロン株の流行を受け、国の基本的対処方針に基づき、一  時的に運用を停止しております。
 県としては、活用の再開に向けて情報の収集に努め、国の制度が再開した際には、経済団体等と連携し、制度や運用方法等の周知啓発に取り組んでまいりました。
 令和5年4月29日以降、全ての入国者におけるワクチン接種歴及び陰性証明は不要となったところであります。