陳情文書表

受理番号第153号 付託委員会米軍基地関係特別委員会
受理年月日令和5年11月1日 付託年月日令和5年11月28日
件名 米軍無人偵察機の嘉手納基地配備計画への抗議に関する陳情
提出者嘉手納町議会議長
仲村渠 兼栄
要旨


 令和5年10月6日、嘉手納町に来訪した防衛省幹部等から、海上自衛隊鹿屋航空基地に一時展開している8機の米空軍無人偵察機MQ9と隊員約100人が期間を定めず嘉手納基地に配備され、11月から運用開始されるとの説明があり、10月22日までに計6機が飛来した。同省は鹿屋航空基地への一時展開に際し、事前に住民説明会の開催、デモ飛行、騒音測定等を重ね、さらに鹿屋市と九州防衛局において安心安全対策など運用に関する協定書を締結し慎重に進めてきたとのことだが、嘉手納基地への配備においては本町への説明から僅か1週間後には1機目が飛来しており、歴然たる対応差に不信感は高まるばかりである。同機は今年8月、鹿屋基地内の滑走路を逸脱し地上施設に接触する事故を起こし、1か月以上飛行停止していた。米国側の調査で機体の安全性が確認されたとして飛行再開したが、事故原因が公表されない中での嘉手納基地への配備には強い憤りを禁じ得ない。
 同省の資料によると、同機は滞空時間が長く頻繁な離着陸がないこと、騒音は約75デシベル程度と戦闘機と比べ小さいこと、複数の飛行制御システムを持ち、航空管制に従って飛行すること、駐機場は住宅地から離れた場所とするなど、基地の負担増にはならないことを強調するが、嘉手納基地においては常駐機、巡回配備機、外来機が入り交じり、日常から昼夜問わず轟音を立てながら離着陸・飛行訓練を行っている。また、パパループについても当初の説明に反しHH60ヘリが頻繁に使用し、早朝から夜遅くまでエンジン調整音が鳴り響くなど、周辺住民の安眠を妨げる騒音被害が発生している。
 南西地域周辺での情報収集、警戒監視及び偵察能力の強化が求められていることは承知しているが、具体的な負担軽減策が示されない中での無人偵察機の無期限配備は、基地の機能強化、負担増にほかならず、断じて容認できない。
 ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 
                 
1 鹿屋航空基地で発生した滑走路逸脱事故原因を速やかに公表すること。
2 米空軍無人偵察機MQ9の嘉手納基地配備計画について、見直しを含め検討すること。
3 嘉手納基地における負担軽減(嘉手納におけるさらなる騒音軽減)に基づき、町民が実感できる有効な対策を早急に講じること。