陳情文書表

受理番号第104号 付託委員会経済労働委員会
受理年月日令和4年6月16日 付託年月日令和4年6月29日
件名 糸満漁港内高度衛生管理型荷さばき施設の使用に関する陳情
提出者一般財団法人 沖縄県水産公社
************
要旨


 沖縄振興開発計画において「広く県外船をも対象にした開発前進及び中継基地」として糸満漁港北地区の整備が進められ、また、同計画において当地区は、本県水産業の振興を図るための先導的な役割を担う漁港及び水産物流通加工拠点漁港として位置づけられている。このような中、本年3月末に糸満漁港内に高度衛生管理型荷さばき施設が完成したことから、10月に沖縄県漁連の市場機能を泊漁港から糸満漁港へ移転することで長年の懸案事項が改善されると水産業界は大きく期待している。また、県産水産物を同施設で取引することで県内外の消費者等から求められる食の安全・安心にも応えることができ、さらには、県産水産物のブランド化が図られ、魚価の向上及び漁業者の所得向上につながると期待している。
 一方で、同施設において開設者となる水産公社が県に支払う施設使用料の負担が増える場合、水産公社は卸売業者となる沖縄県漁連及び糸満漁協に市場手数料の増額を求め、最終的には漁業者へ手数料の増額を求めざるを得なくなることから、漁業者はこれまで以上の負担を強いられ、漁業経営に大きな影響を与えることとなり、結果として市場機能の停滞を引き起こす事態が危惧される。
 ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 沖縄県水産公社が県に支払う高度衛生管理型荷さばき施設の施設使用料を当面の間、免除すること。

採択された請願・陳情の処理経過及び結果について(報告)

報告を求めた者知事
報告内容

(処理経過及び結果)
1 県は水産物流通の効率化や産地間競争力強化のために、高度衛生管理型荷捌施設を整備し、衛生管理体制の高度化により、消費者ニーズに対応した安全・安心な水産物の安定供給、付加価値の向上及び販路拡大を推進することとしております。
 当該荷捌施設の完成に伴い、令和4年10月に開設が予定されている糸満新市場は、水産物流の拠点となることが期待されております。
 一方、水産業を取り巻く状況は、新型コロナウイルス感染症拡大、軽石の漂流・漂着や原油高騰等の影響により、水揚量の減少、価格の下落等が生じていることから、市場開設当初の運営は、事業計画の想定よりも厳しくなると認識しております。
 そのため、当面の間の施設使用料については、沖縄県水産公社の経営状況等も踏まえ、関係部局と協議を進めているところであります。
 県としましては、継続的に安定した市場運営を維持するため、関係団体と連携しながら取扱量の増大等に取り組んでまいります。