請願文書表


受理番号第4号 付託委員会文教厚生委員会
受理年月日令和3年11月26日 付託年月日令和3年12月8日
件名 化学物質過敏症に関する請願
提出者一般社団法人 化学物質過敏症・対策情報センター
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紹介議員翁長 雄治
要旨


 化学物質過敏症は、ごく微量の化学物質に反応して体調不良を起こす疾病であり、発症のきっかけ、症状及びその度合いは個人差が大きいことが特徴である。化学物質過敏症が悪化すると、学校へ行くことも働くことも困難になる。肉体的苦痛はもちろんのこと、周囲の無理解による精神的苦痛、生活が破壊されていく恐怖、経済的な困窮、将来に対する不安感などは、筆舌に尽くし難い。
 2015年に発表された疫学調査によると、化学物質過敏症の有病率は成人の7.5%に上り、子供の発症者も増えている。しかし、この病について知る医療従事者は少なく、社会的認知度も低い。化学物質過敏症の診断書を書ける医師は国内に数名しかおらず、不適切な処置により体調を悪化させている人が多いことが懸念されている。化学物質過敏症を発症させない、悪化させないために、社会的対策を講ずる必要がある。
 ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 県のホームページに化学物質過敏症の情報を掲載すること。ポスター・チラシを作成し、県内の保健所、役所及び公立病院に掲載・配布すること。
2 県内の全ての公立学校の養護教諭向けに、化学物質過敏症の勉強会を開催すること。
3 県内の全ての公立学校において毎年4月に行われる健康診断の際に、教員及び保護者向けに化学物質過敏症の説明文書を配布すること。
4 県内の全ての公立学校において毎年4月に行われる健康診断の問診票に、化学物質過敏症に関する質問事項を追加すること。
5 県内の全ての公立病院において、化学物質過敏症の診断書を発行できるようにすること。

採択された請願・陳情の処理経過及び結果について(報告)

報告を求めた者知事、教育委員会
報告内容

(処理経過及び結果)
1 化学物質過敏症の患者が安心して生活するためには、社会全体の化学物質過敏症への理解を深める必要があると考えております。
  県ではホームページに化学物質過敏症の情報を掲載しており、引き続き化学物質過敏症の周知に取り組んでまいります。

5 化学物質過敏症については病態や発症メカニズム等未解明な部分が多く、標準化された診断基準、治療法は確立されておりません。今後、専門家等の意見を伺い、関係医療機関と情報を共有してまいります。

【保健体育課】
2及び3
 化学物質過敏症は、身近にある微量の化学物質が原因で頭痛や吐き気などの様々な症状が現れるといわれております。現在治療法が確立されておらず、症状を誘発させる原因物質からの回避が最も有効な対処法となっております。
 令和3年8月に消費者庁、文部科学省、厚生労働省、経済産業省及び環境省が作成した「香りの配慮に関する啓発資料」を各学校へ周知し、活用を依頼したところです。また、県立学校校長研修会及び沖縄県養護教諭研修会において、ポスターの周知や子ども達が快適に過ごせる環境作りについて説明しました。
 今後、研修会等を通し、県ホームページに掲載されている「化学物質過敏症について知っていますか?」を教員や保護者に向けて周知してまいります。4 沖縄県学校検診委員会にて検討した結果、令和4年度から県立学校用保健調査票に「化学物質や、香りで体調がわるくなったことがある」という項目を追加しております。