要旨
令和4年8月8日、県病院事業局長から精神科医療機関へ「精和病院移転・統合基本構想(素案)に対する意見について(照会)」が発出された。同病院が老朽化のため建て替えを要し、その際に県立南部医療センター敷地内へ移転が検討されていることは理解している。しかし、移転・統合に際しての医療機能の検討内容が現在の県内ニーズに合致していない。素案の内容は第7次医療計画を踏まえているが、既に第8次医療計画に向けた検討がなされており現状に即していない。また、地域医療構想等の全県的な構想も含まれておらず、専門的機能についても既に多くの医療機関で担っているものがある。さらに、今回の素案は、県内の多くの精神科機能を担っている民間精神科病院、高度精神医療を提供し人材育成や教育の要である琉球大学病院及び国立病院機構琉球病院との事前協議や機能に関する検討会等を持つことなく作成され、到底受け入れられない。精和病院はこれまで民間医療機関が対応困難な事例を受け入れ、精神科医療の最後のとりでとしての役割を果たしてきた。同病院が今後どのような政策医療を担うかは、県内の精神科関係者にとって重大な関心事であり、全県的な検討事項である。
ついては、今後の精和病院の機能及び役割について、原案をゼロベースで再検討し、現在の精和病院移転・統合検討委員会の構成メンバーを一新して、県内精神科関係団体の代表者を加え、全県的な議論を行った上で結論を出すよう配慮してもらいたい。 |