要旨
昨年4月、沖縄防衛局は辺野古の軟弱地盤を認め、設計変更申請書を県に提出し、その中で埋立用土砂の調達先に沖縄本島南部が含まれていることを明らかにした。本島南部からは良質な石灰岩が大量に採れるため、埋立用全土量の70%を糸満・八重瀬地域から搬出すべく、現在、業者による鉱山開発などの届出等が急ピッチで進められている。採取する鉱山は戦没者が祭られている魂魄の塔や、隣接する平和創造の森公園内の東京の塔を目前にする熊野鉱山をはじめ、糸満市内18か所、八重瀬町内の鉱山からも搬出する計画という。これら地域は、去る大戦において日本軍とともに追い詰められ避難した那覇・南部一帯の住民たちの血で赤く染められた地であり、犠牲となった県民の多くは死亡地も特定されないまま遺族の元に帰れず、現在も2700体余がなお地中にあると推定されている。風雨にさらされ風化し土と見分けのつかない骨もある。南部一帯から搬出した土砂を戦争のための軍事施設に供することは、死者と遺族を冒瀆するものである。
ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
記
1 沖縄県議会は、辺野古大浦湾の軍事基地建設に、沖縄戦で犠牲となった旧南風原村民らが眠る土を使わせないための意思を明確にすること。
2 沖縄県議会は、遺骨が残っている可能性の高い南部地区における緑地帯での土砂や石材の採取を禁止する条例を直ちに制定すること。 |