陳情文書表

受理番号第32号 付託委員会経済労働委員会
受理年月日令和3年2月15日 付託年月日令和3年3月17日
件名 養豚振興対策の拡充強化に関する陳情
提出者沖縄県農業協同組合中央会
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要旨


 沖縄県の畜産業は、本県の農業生産基盤において重要な地位を占めており、また本県特有の食文化を支えてきた重要な産業である。しかし、本島中部における豚熱発生により、1万2000頭規模の殺処分や豚の出荷・移動規制が行われるなど、多大な影響が生じている。また、新型コロナウイルスの発生により家庭用仕向けの豚肉需要は増加し供給量が追いつかない一方で、沖縄ブランド豚アグーについては、海外輸出の停止や入域観光客数の激減で多くの在庫を抱えており、早期の輸出再開を求めてワクチン接種の終了を望む声も多い。
 ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 多産系の優良種豚を県内の養豚農家全体に普及させること。また、家畜改良センターの種豚の選定と生産供給の強化等について、生産者の意見を反映した供給体制を構築すること。
2 豚熱再発防止に向けた食品残渣の飼料利用に対する指導強化について
(1)食品残渣飼料の加熱処理について、生産現場での徹底した指導を行うこと。
(2)廃棄物処理業者が食品残渣の飼料利用や養豚生産者へ供給している実態があることから、同事業者に対する法令遵守の指導を徹底すること。
3 ワクチン接種の終了など、早期の輸出再開に向けた販売環境を整備すること。
4 県畜産課や家畜衛生保健所等の関係機関の職員を増員し体制強化を図ること。

採択された請願・陳情の処理経過及び結果について(報告)

報告を求めた者知事
報告内容

(処理経過及び結果)
1について
 県では、家畜改良センターにおいて、家畜改良増殖目標に基づく種豚改良を推進し、優良種豚を養豚農家へ供給をしてきたところであります。
 県としましては、引き続き、養豚経営の安定や生産性向上を図るため、生産団体や関係機関で構成される豚改良協議会等において意見交換を重ね、優良種豚の生産及び供給体制の強化を図ってまいります。

2について
 ⑴ 家畜伝染病予防法の改正に伴い、令和2年7月1日に飼養衛生管理基準の新基準が施行され、   防鳥ネットや防護柵の設置、食品循環資源の飼料利用に係る加熱処理条件などが強化されてお り  ます。
   このため、新基準に適応出来るよう、令和2年度の補正及び令和3年度の当初予算において消費   安全対策交付金など家畜防疫対策予算を計上し、生産者支援とともに家畜保健衛生所による指導の  強化を図ってまいります。
⑵ 飲食店や給食施設等から排出される食品残さは一般廃棄物に該当しますが、CSF発生を受け調   査したところ、市町村長の許可なく処理費用を徴収し食品残さを収集している事業者が確認されまし   た。
  そのため、当該事業者に対し、廃棄物処理法に基づき市町村長の許可を取得するよう助言すると   ともに、令和2年2月12日付けで市町村廃棄物主管課長宛、食品残さの排出事業者に対し許可業者  への処理委託について周知・指導することや、無許可業者への回収停止を命ずること等の依頼をして  おります。
   県としましては、引き続き関係機関と連携して法令遵守の徹底を図ってまいります。
3について
 本県においては、令和2年1月の豚熱発生に伴い、豚熱ワクチン接種を行っていることから、生鮮豚肉が輸出できない状況となっております。
 なお、香港へのソーセージやハムなど豚肉加工品の輸出は可能となっており、県産畜産物輸出体制構築事業により、豚肉加工品の輸出を進めているところであります。
 ワクチン接種終了については、国内での豚熱の発生状況、県内の飼養衛生管理基準の遵守状況を勘案して、国との調整を検討してまいりたいと考えております。 
4について
 県では、豚熱、アフリカ豚熱、高病原性鳥インフルエンザ、口蹄疫など特定家畜伝染病の防疫および家畜伝染病予防法の改正に対応するため、令和3年度から「家畜防疫対策監」を配置した上で、「家畜防疫対策班」を設置したところであります。
 また、畜産課、中央家畜保健衛生所、北部家畜保健衛生所にそれぞれ、1名づつ計3名を増員することとしております。
 県としましては、引き続き、畜産行政の体制強化を行い、畜産業の振興発展を図ってまいります。