陳情文書表

受理番号第63号 付託委員会文教厚生委員会
受理年月日令和3年3月10日 付託年月日令和3年3月17日
件名 医療的ケア児の入園・入学に関する陳情
提出者沖縄県自立生活センター・イルカ
********
要旨


 那覇市では、入園前健康診断書と内定通知書の様式に、医療的ケア児は入園が困難であると記載されている。医療的ケア児を「原則教育保育困難」とする取扱いは、障害を理由とする不当な差別であり、安心して地域の中で子供たちと集団で一緒に発達する権利を奪ってしまう。子供たちがどんな学び・育ちの場においても、保護者の付添いを強いるなどの条件をつけず、環境整備、合理的配慮を行うことは、インクルーシブ教育を目指す特別支援教育の本来の在り方であり、行政の責務である。また、医療的ケア児等の受入れに関して、幼稚園・認定こども園だけでなく、小・中・高等学校等においても、地域の学校から排除されているのではないか危惧している。
 ついては、下記事項につき2022年度中に漸次行い、2023年度までに完全に実施されるよう配慮してもらいたい。
                 

1 県内各市町村において那覇市と同様の事案がないか確認を行い、先進的事例については他市町村に紹介すること。
2 入園入学前審査時の差別的な適格判定項目をなくすよう県内各市町村教育委員会に通知すること。
3 医療的ケア児等が保育園等児童福祉施設、幼稚園、小・中・高等学校及び高等教育機関等へ入園・入学を希望する際には、必要な環境を整備し、入園・入学を認める措置を講ずるとともに、市町村教育委員会等に対しては講ずるよう通知すること。
4 国の施策の情報も得ながら、県として医療的ケア児等の入園・入学に関して内閣府(認定こども園)・厚生労働省(保育園)・文部科学省(幼稚園、小・中・高等学校)といった管轄ごとの縦割り対応ではなく、連携し包括的な対応を取るための措置を講ずること。
5 「令和2年度沖縄県医療的ケア児等レスパイトケア推進基金事業補助金」の補助対象に、幼稚園、認定こども園、小・中・高等学校、高等教育機関等を加えるか、別建てで同内容の予算を立てること。
6 保護者等の同伴を入園・入学の条件としないよう通知すること。
7 看護師や介助者雇用のための予算確保を含めた措置を講じ、その際、安定したケアができるよう看護師等のチーム体制を取る等雇用環境を整えること。
8 医療的ケア児であっても、保育士、教諭等様々な職域の人がそれぞれの役割を果たしながら子供たちの集団の中で関わりが持てるよう、研修を実施すること。