要旨
伊平屋村の医療機関は県立北部病院附属伊平屋診療所及び伊平屋村立歯科診療所の2か所であり、両診療所があることによって、村民が安心・安全な暮らしを営むことができる。村内の高齢化率は平成30年に27%に達し、今後も上昇傾向であることから、ますますニーズが高くなると想定される。
一方、両診療所の築年数は、診療所が41年、歯科診療所が40年を経過している。また、両施設はバリアフリー化されておらず、高齢者や身体的ハンディキャップのある患者には利用しにくい施設である。さらに、両施設ともに、海岸付近の低地域に設置されており、台風や高波等の災害発生時に真っ先に被害を受ける危険にさらされ、防災・減災の観点からも懸念される。
このような中、令和2年12月、令和4年5月には、新型コロナウイルス感染症が村内でも猛威を振るい収束に向かったものの、当該期間内において、村民や医療職の長期間の緊張状態、一般診療の制限等、村民の生活を根底から揺るがした。これは、狭小施設であるがゆえにゾーニングスペースの確保ができない現状によるもので、憂慮される喫緊の課題である。
ついては、公立沖縄北部医療センターの令和10年度供用開始(予定)と並行して、伊平屋村の診療施設を高台に移転すると同時に、感染症対策を備え、高齢者や障害のハンディキャップを有する者も安心して利用可能な施設を整備するよう配慮してもらいたい。 |