要旨
2009年ユネスコは琉球諸語を絶滅危機語に指定した。いわゆる奄美、国頭、沖縄、宮古、八重山、与那国の6つの言語圏である。さらに村々里々に「生まりじま」の言葉が800種類もあり、集落ごとに特有のイントネーションやアクセント、また微妙な語尾の切り方があり、「他しま」の人には理解できない言葉がある。中には多くの島言葉を学びたいと言う人もいるが、人間の頭脳では無理な話であり、各人が「生まれじま」の言葉1つに絞って覚える方法が一番良い学習方法だと考える。そうすることで結果として800種の「生まりじま」の言葉を守ることになるのではないか。今、沖縄の言語が「しまくとぅば」と「うちなーぐち」が入り乱れてカチャーマートゥーになっており、「生まりじま」の言葉を習うにしても、まず共通語である「うちなーぐち」から始めることが肝要である。戦前、戦後の復興期から復帰前後にかけて、芝居シー(沖縄芝居役者)が芝居の巡業公演をしたおかげで、県内どこでも通用する「うちなーぐち」が広がりを見せた。また、復帰前後はテレビ、ラジオでの沖縄芝居の放送もあり、その功績により「うちなーぐち」は県内どこでも通用する共通語の役目を果たすことになった。
どこの国にも公用語があり、地域語がある。そして自国の言語に誇りに持っている。我々琉球・沖縄人もアイデンティティーを取り戻すためにも現在、共通語の役目を果たしている「うちなーぐち」を県の第二公用語に条例で制定するよう配慮してもらいたい。 |