陳情文書表

受理番号第230号 付託委員会土木環境委員会
受理年月日令和3年11月15日 付託年月日令和3年11月25日
件名 浦添市、中城村及び北中城村によるごみ処理の広域化に対する県の全体的な事務処理の最適化を求める陳情
提出者******
要旨


 浦添市、中城村及び北中城村(以下「1市2村」という。)によるごみ処理の広域化に対する県の全体的な事務処理の実態を確認するため、沖縄県情報公開条例に基づき公文書の開示を請求したところ、次の事実が判明した。
①防衛省の補助金を利用して平成15年度に青葉苑を整備した中城村北中城村清掃事務組合(以下「組合」という。)が、補助目的達成の条件である米軍施設(キャンプ瑞慶覧)から排出される米軍ごみの処理を一度も行っていない状態で、平成26年度から同省の補助対象財産である溶融固化施設の運用の休止を決定した際に、県は組合に対し、防衛施設周辺環境整備法第8条の規定を無視して技術的援助を与えていた。また、県は組合に対し、同省の財産処分の承認基準における補助対象財産の経過年数(補助事業者が補助目的のために事業を実施した年数)を無視して技術的援助を与えていた。さらに、県は組合に対し、同施設の再稼働を行わずに休止したまま廃止する場合の同省の財産処分の承認基準における代替施設の整備に関する技術的援助を与えていなかった。
②浦添市とのごみ処理の広域化を推進するため、中城村及び北中城村が平成28年度に組合とごみ処理基本計画を改変した際に、県は北中城村及び組合に対し、廃棄物処理法の規定に従って計画の対象区域に含まれている米軍施設(キャンプ瑞慶覧)から排出される米軍ごみに対する処理計画を策定するよう求めていなかった。また、県は、2村及び組合に対し、青葉苑に適用される防衛省の財産処分の承認基準に即して同施設の廃止時期を定めるよう求めていなかった。
③1市2村が環境省から循環型社会形成推進交付金の交付を受けるため、平成29年10月に循環型社会形成推進地域計画を作成する際に、県は、1市2村に対し、2村及び組合が平成28年度に改変した瑕疵ある不適正なごみ処理基本計画を変更(適正化)するよう求めていなかった。
④組合が平成29年12月から米軍ごみの処理に着手した際も、県は、北中城村及び組合に対し、廃棄物処理法の規定に従い米軍ごみに対する処理計画を策定するよう求めていなかった。また、県は、組合に対し防衛省の財産処分の承認基準に即して青葉苑の運用計画を策定するよう求めていなかった。
⑤県は、廃棄物処理法の基本方針に即して廃棄物処理計画を定めているにもかかわらず、平成時代から、中城村北中城村エリア(以下「中北エリア」という。)に基本方針に即して地域ごとに必要となる最終処分場の整備に努めるよう求めていなかった。
⑥県は、平成時代から中北エリアに対し、廃棄物処理法第6条の2第2項の規定のみを根拠として、地域ごとに必要となる最終処分場を整備せずに他の市町村に一般廃棄物を搬出して民間委託処分を行うことができるという極めて不適切な技術的援助を与えていた。このため、令和3年度において、本島内で最終処分場の整備を行う努力を放棄して他の市町村に一般廃棄物を搬出して民間委託処分を行っている市町村は、中城村及び北中城村の2村だけという状況になっている。
 ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 県職員は、組合が防衛省の補助金を利用して青葉苑を整備した平成15年度に遡り、組合及び県の組合に対する事務処理の実態を令和3年度において検証し、知事及び土木環境委員会に対し、その結果を文書で報告すること。
2 令和3年度において、キャンプ瑞慶覧から排出される米軍ごみの最終処分を行っている民間事業者は、北中城村及び組合が策定しているごみ処理計画を無視して施設を運用していることになるので、民間事業者による最終処分場の設置に当たり許可権者となっている知事は、必要な事務処理(立入検査、改善命令等)を行い、民間事業者が知事の改善命令等に従わない場合は、民間事業者に対する許可を取り消すこと。
3 県が平成時代から行ってきた中北エリアに対する不適正な事務処理によって令和4年度に1市2村によるごみ処理の広域化が白紙撤回となるおそれがあるので、知事は、令和3年度末までに1市2村のごみ処理の広域化に対する県の全体的な事務処理(キャンプ瑞慶覧から排出される米軍ごみの適正な処理に関する県の事務処理を含む。)の最適化を図ること。