陳情文書表

受理番号第100号 付託委員会文教厚生委員会
受理年月日令和4年6月15日 付託年月日令和4年6月29日
件名 若年妊産婦の宿泊型居場所の設置に関する陳情
提出者一般社団法人 おきなわ子ども未来ネットワーク
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要旨


 改めて復帰後の50年間を振り返ってみると、児童・若者の福祉面においてはまだ課題が山積している。中でも「子供の貧困」については、沖縄の子供の3人に1人、さらにひとり親世帯の子供は2人に1人が貧困状態にあると言われている。そのひとり親の中でも、若年で子供を産んだ未婚の母子は、全てが貧困状態にあると言っても過言ではない。その若年出産の割合が沖縄は全国の2倍であり、しかも長年全国一が続いているにもかかわらず、抜本的な対策が講じられていない現状にある。その状況を何とかしたいと、私たちは3年前に妊娠を早い段階で発見する「若年にんしんSOS沖縄」事業、子供を産んで育てられない人のために民間の「特別養子縁組あっせん事業」を立ち上げて実施してきた。そして昨年、住む場所がない若年妊産婦のために、妊娠中から預かり無事出産まで支援する若年妊産婦の宿泊型居場所「まりやハウス風のいえ」を設置した。
 ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 県立の若年妊産婦の宿泊型居場所を設置すること。
2 特定妊産婦の実態を把握すること。
3 若年妊産婦の実態を把握すること。
4 若年妊産婦の自立支援施策を実施すること。
5 「まりやハウス風のいえ」に対して支援すること。

採択された請願・陳情の処理経過及び結果について(報告)

報告を求めた者知事
報告内容

(処理経過及び結果)
(子ども生活福祉部)
 若年妊産婦の支援については、第二期子どもの貧困対策計画において重点施策に位置づけ、取り組みを推進することとしております。
 若年妊産婦の居場所運営支援は、沖縄こどもの貧困緊急対策事業において市町村事業として実施されており、出産・育児に関する相談指導や就労支援等、安定した生活を営むための自立の支援が行われているところです。市町村事業を広域的に補完する観点から、令和5年度は県事業において、若年妊産婦の居場所を1箇所設置することとしております。
 県では、令和4年度から、子どもの貧困対策推進基金を活用し、若年妊産婦の居場所が設置されていない市町村居住者等を主な対象とした若年妊産婦支援促進事業を実施しており、この事業を通して、市町村における居場所設置を促すとともに、若年妊産婦が求める支援ニーズの把握に務め、今後の事業のあり方について検討していくこととしております。
 また、県においては、市町村への照会を通じ、各市町村の要保護児童対策地域協議会に登録されている特定妊婦の数の把握に努めているところです。
 なお、令和5年度から国庫補助事業を活用し、若年妊産婦等が安心して生活を行うための相談支援や宿泊型居場所の提供等を行う「特定妊婦等支援臨時特例事業」を新たに実施することとし、取り組んでおります。

(保健医療部)
県では、令和3年度から、母子の健康を守る視点で、妊娠の可能性がある等の不安を抱えた若年層の女性に対し、専門の相談員によるSNS等を通じた相談や、妊娠検査薬での判定支援、産婦人科への同行支援、福祉等の長期的な支援に繋ぐまでの間の緊急一時的な居場所の確保を行う「若年妊婦支援事業」を実施しております。
 本事業において、経済的な支援や居住場所を必要とする若年妊婦を把握した場合は、市町村の福祉の相談窓口等関係機関に繋いでおります。 
 また、市町村においては、妊娠届出時に全数面接を行っており、妊婦の状況を把握し、経済的支援や生活支援が必要な方については、福祉の担当部署に繋ぐ等、連携強化をすすめております。
 県では、市町村で聴取した妊娠届出時面接のデータを取りまとめ、若年妊婦の状況について市町村に還元しており、今後も若年妊産婦に対し必要な支援が提供できるよう、身近な行政サービスを担う市町村と連携し、取り組んでまいりたいと考えております。