陳情文書表

受理番号第124号 付託委員会総務企画委員会
受理年月日令和4年8月9日 付託年月日令和4年9月30日
件名 令和4年度美ぎ島美しゃ(宮古・八重山)圏域の振興発展に関する陳情
提出者美ぎ島美しゃ市町村会
会長 石垣市長 中山 義隆
要旨


 このたび、美ぎ島美しゃ市町村会は、宮古・八重山圏域における喫緊の課題や財政的に解決が困難な課題等を次のとおり取りまとめた。
 ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 離島の子供たちの移動に対する負担軽減への支援について
  現在、離島の子供たちへの航空運賃の支援は、一般の離島割引から小児運賃分を差し引いて運賃を軽減するものであるが、12歳を超える子供には当該運賃が適用されず負担が大きい。また、小児運賃が適用される場合であっても、本人の申請により差引額の還付を受けることとなっており、煩雑である。
  ついては、一般の離島割引運賃とは区別し、簡素な手続で購入可能となる「18歳未満の離島子ども割引運賃」を航空会社と連携して設定する等、離島の子供たちの移動に対して、より一層の負担軽減の支援を行うこと。
2 離島における石油製品価格低減への支援について
  離島における石油製品価格(ガソリン価格)は、「令和3年度県内離島の石油製品小売価格の状況」によると、沖縄本島と1リットル当たり平均約17円の差が生じている。県は、石油製品輸送等補助事業を実施し、離島の石油製品価格の低減に取り組んでいるが、コロナ禍からの需要回復、ウクライナ情勢の悪化及び円安の進行等から、離島の住民にさらなる負担となるおそれがある。
  ついては、本島に比べて割高な離島の石油製品価格(ガソリン価格)に対して、同事業の拡充や新たな支援措置の創設等、価格低減への支援を行うこと。
3 沖縄振興公共投資交付金(ハード交付金)の確保について
  令和4年度沖縄振興公共投資交付金(ハード交付金)は368億円と、前年度から109億円減額され、ピーク時である平成26年度と対比すると約4割の額となり、生活基盤の充実に向けた計画的な事業執行に遅延が生じている。県は、市町村分事業への影響を最小限にとどめるため、減額分を県事業で調整しているが、県事業の実施は地域経済の振興にとって重要であり、特に離島において県事業が計画的に実施されないことは、より影響が大きい。
  ついては、沖縄振興公共投資交付金(ハード交付金)の交付額について、県分・市町村分とも必要額が十分に確保されるよう、国に強く働きかけること。
4 離島の移動・輸送の不利性に対する永続的な支援について
  離島の地理的条件がもたらす移動・輸送の不利性に対しては、これまで沖縄県分の一括交付金事業を活用した各種事業が実施されており、今後の沖縄振興においても継続する必要がある。一方、移動・輸送が高コストとなってしまうことは離島の構造的課題であり、時限的かつ規模的な制限がある事業として対応すべきではない。
  ついては、離島の地理的条件がもたらす移動・輸送の不利性に対して、国へ支援制度の創設を求める等、永続的な支援が可能となる仕組みを構築すること。
5 海面利用ルールの策定について
  離島地域では、近年、観光客が多く訪れる海浜、海岸等でパラセーリングやウェイクボードなど船舶やジェットスキー等を利用したマリンレジャーが各事業者によって盛んに行われている。このような中、海水浴を楽しむ島民や観光客から、レジャー船舶の高速走行や蛇行走行、遊泳区域に近接しての移動等に不安の声が多く、漁業区域内でのマリンレジャー等の迷惑行為も発生している。
  ついては、島民や観光客が安心・安全で快適なマリンレジャー等を楽しむため、また、漁業者の操業等の安全性確保のため、県が主導してマリンレジャー等を営む事業者に対する海面利用のルールを早急に策定すること。
6 救急搬送業務に係る財政支援について
  竹富町は非常備消防の自治体であり、各島における救急搬送は、役場職員ではなく各地区の消防団員が行っている。消防団員は、基本的に無資格のボランティアである一般人で、急患搬送に対しては処置を含め十分な対応ができず、24時間対応も含め業務に対するストレスが重大となっている。西表島は令和3年度に世界自然遺産に登録され、コロナ感染症の収束後は、人口、観光客の増加に伴い救急搬送の増加も予想されている。消防団員の負担軽減及び救急救命体制の充実を図るため、令和2年度から救急搬送業務(開庁時間内)を民間事業者へ委託し、令和3年度からは24時間体制で委託しているが、委託費の財政負担が大きく、県の財政支援が必要である。
  ついては、民間事業者への救急搬送業務委託費の財政支援を行うこと。
7 国境交流再開に向けた事業への支援について
  与那国町は、高速船を活用して台湾(花蓮市)と与那国間を結ぶ事業による国境交流事業の再開に取り組んでいる。
  ついては、同事業で最大の課題となっているCIQに関するハード及びソフト両面の課題について支援が必要であるため、「与那国町国境交流結節点化推進事業」の推進を支援すること。