陳情文書表

受理番号第134号 付託委員会土木環境委員会
受理年月日令和3年7月5日 付託年月日令和3年9月10日
件名 佐敷東地区沿岸部の住環境悪化に対する県の対応を求める陳情
提出者南城市議会議長
国吉 昌実
要旨


 南城市佐敷地域は、旧佐敷町時代の昭和60年代から21世紀の海辺のまちづくりに取り組み、平成2年に県の中城湾港マリンタウンプロジェクトにおいて、佐敷東地区として港湾計画に盛り込まれた。しかし、中城湾港における絶滅危惧種トカゲハゼの環境保全の課題等から事業化に至らず、今日まで港湾計画の見直しもない。この間、同地区は、トカゲハゼ等の環境保全は図られたが、地域の悲願であった東西を連結する道路整備は実現せず、老朽化護岸の整備も行われていない。加えて泥質干潟の陸化等により、排水路はけ口が閉塞するなどして大雨時に背後集落等では冠水が頻発し住環境は悪化する一方である。中城湾港マリンタウンプロジェクト上、同地区は港湾事業推進とトカゲハゼ保全との共存の観点から重要な役割を担っているが、令和3年4月に中城湾港長期構想が公表された際、これに先立つパブリックコメントにおいて地域から多くの意見等が出されたものの、同構想の長期的な空間利用計画から同地区は除かれ、今後の港湾計画改訂で削除されないか危惧している。
 ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 護岸排水路はけ口への閉塞を防ぐため、土砂の除去、導流堤の整備及び護岸排水口の改修等の対策を行うこと。
2 老朽化した護岸を、養浜など海辺に親しめる護岸となるよう全面改修すること。
3 築島の保全対策として浸食防止の護岸整備を行い、利活用すること。
4 新開と冨祖崎を結ぶ湾岸道路の整備に関する支援を行うこと。
5 築島の保全及び利活用と併せ、トカゲハゼの最大生息地保全・環境の学習・観察の場とするための干潟環境整備を行うこと。

採択された請願・陳情の処理経過及び結果について(報告)

報告を求めた者知事
報告内容

1 普通河川の護岸排水路はけ口等については、市町村が管理し必要な整備を行うこととなっており、市町村が主体となって取り組む必要があります。県としては、南城市と意見交換しながら技術的な支援や事業化に向けた協力を行っていきたいと考えております。
2 当該地区の護岸については、平成30年度までに施設の点検及び健全度評価を行い、長寿命化計画
を策定しております。
 今後、長寿命化計画に基づき護岸の老朽化対策に取り組んでいきたいと考えております。
3、4及び5 干潟環境整備及び築島の保全と活用並びに湾岸道路整備については、整備手法や活用方法等について南城市と意見交換を行いながら、対応方針を検討していきたいと考えております。
 また、佐敷地区のトカゲハゼ生息地については、県の「自然環境保全に関する指針」において評価ランクⅡと評価されている重要な区域であると認識しております。
 当該区域を保全しつつ、環境の学習・観察の場として活用することについては、地元の意見を踏まえながら、どの様な取組ができるか検討してまいります。