陳情文書表

受理番号第33号 付託委員会文教厚生委員会
受理年月日令和4年2月16日 付託年月日令和4年3月16日
件名 子供の福祉にかなわない強硬な家庭復帰をなくすことに関する陳情
提出者子どもの権利を大切にする里親有志の会
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要旨


 児童福祉法は第1条で、全ての児童は等しくその生活を保障され、愛護されなければならない旨規定しており、同法に基づき措置された保護者に看護させることが不適切であった子供を、里親は愛情を持って我が子同様に養育する。愛情や心、情緒は人の生育に不可欠であり、その醸成を目的の一環としているのが里親制度である。
 そうした中、沖縄県において、生後2か月から5歳まで養育してきた里子を、児童相談所が里親から実親に戻すため里親委託を解除し、里子が一時保護所へ入所する事例が生じた。本件措置は、当該児童に精神的ダメージを与えるおそれがあり、さらに発達障害のある本児にとっては過酷な状況で、適切な対処とは思えないと里親が訴えている。実親から自分で育てたいと希望があったとしても、生後2か月から5歳までの間、親子の面会は一度もないことから、しかるべき段階的な交流を経る必要がある。そうした丁寧な支援の実施が里子の安全な未来、実親との信頼及び里親の安心につながる。
 家庭復帰などの委託解除に関しては、強引とも取れる同様の事案が多々あり、現状では、同法が適切に実施されているとは言い難い。
 ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 委託解除を行う場合、その理由や今後の生活について段階的に丁寧に説明し、子供の混乱や分離による傷つき等がないよう、子供の意見を尊重し、合意の下に行うこと。段階的親子交流の経過、信頼関係、愛着関係の修復など、親子の安心の醸成を見極め、再び児童虐待が行われないための予防などを含めたリスクアセスメントを行った上で家庭復帰を行うこと。
2 厚生労働省の示す児童相談所運営指針や子ども虐待対応の手引きにのっとり、県の所管する児童相談所が適切に業務を行っているか、検証すること。
3 児童に関する全ての措置を取るに当たっては児童の最善の利益が主として考慮されるものであることを踏まえ、早急に第三者機関を創設し、児童の意向確認及び子どもの権利条約に則したアドボケイト機能を果たすこと。