陳情文書表

受理番号第93号 付託委員会土木環境委員会
受理年月日令和3年5月10日 付託年月日令和3年6月15日
件名 循環型社会形成推進交付金の交付申請書の審査に関する県の不適正な事務処理の適正化を求める陳情
提出者******
要旨


 環境省の循環型社会形成推進交付金(以下「交付金」という。)に係る予算は、一般廃棄物の適正な処理に係る関係法令及び国の施策に即して定められており、同省は法令や国の施策に反してごみ処理事業を行っている市町村に交付金を交付できないはずである。そして、過去に法令違反や国の施策に反してごみ処理事業を行っていた市町村に対しても交付金を交付できないはずである。
 しかし、県は、浦添市、中城村及び北中城村が環境省の交付金を利用してごみ処理の広域化を推進するために浦添市が作成した交付金交付申請書の審査に際し、中城村及び北中城村の無視し得ない過去・現在にわたる不適正なごみ処理事業の実態を無視して事務処理を行っていた。そして、県は、両村に対しても交付金を交付すべきと判断した。沖縄県でこのような事態が生じているのは、県が両村のごみ処理事業に対して廃棄物処理法の規定に従い必要な技術的援助を与えることを怠っていたこと、県が交付金交付申請書を十分に審査することを怠っていたことによるものと思われる。いずれにしても、県が両村のごみ処理事業を適正と判断して交付金交付申請書を審査している場合は、県が2村に特段の配慮をして事務処理を行っていることになる。
 なお、環境省は市町村が作成した交付金交付申請書の一部に不備のあるものが見受けられることから令和3年3月31日付で全都道府県に対して交付金交付申請書の作成・確認方法に対する新たな事務連絡を行っている。このため、県が当該事務連絡に従わずに特定の市町村に特段の配慮をして不適正な事務処理を行っていたことが判明した場合は、県や市町村の関係者に補助金適正化法の罰則規定が適用されるおそれがある。
 ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 県は、令和3年3月31日付の環境省の新たな事務連絡に従い、浦添市、中城村及び北中城村が同省の交付金を利用してごみ処理広域化を推進するために浦添市がこれまでに作成した全ての交付金交付申請書に対する再審査を行い、県が適正に審査していたことを再確認すること。
2 再審査に当たって、県が適正な審査を行っていなかったことが判明した場合、知事の判断が間違っていたことになるので、知事が環境大臣に提出した交付金交付申請報告書を取り下げること。
3 知事が環境大臣に提出した交付金交付申請報告書を取り下げない場合、県の責任において環境省及び土木環境委員会に対し、中城村及び北中城村が過去、法令の定めに従い国の施策に即して適正なごみ処理事業を行っていたことを事実に基づいて立証すること。
4 知事が環境大臣に提出した交付金交付申請報告書を取り下げない場合、県の責任において環境省及び土木環境委員会に対し、中城村及び北中城村が令和3年度においても法令の定めに従い国の施策に即して適正なごみ処理事業を行っていることを事実に基づいて立証すること。
5 過去に浦添市が作成した交付金交付申請書を県が再審査しない場合、環境省に対し土木環境委員会における審議内容をありのままに報告し、県が同省の通知や事務連絡等に従い適正な事務処理を行っていることを確認すること。
6 過去に浦添市が作成した交付金交付申請書を県が再審査しない場合、環境省に対し土木環境委員会における審議内容をありのままに報告し、県が同省の通知や事務連絡等に従い適正な事務処理を行っていることを確認した上で、令和3年度における浦添市の交付金交付申請書を審査すること。
7 県が補助金適正化法の規定に基づく国の補助金等に関して不適正な事務処理を行っていたことが判明した場合、県に対する国の信用度だけでなく、県知事及び県職員に対する県民の信用度が著しく低下することになるので、知事の責任において万全の体制を整備すること。
8 浦添市が作成した交付金交付申請書の審査に当たり、県が中城村及び北中城村に対して特段の配慮をしなければならない合理的な理由がある場合は、法令に基づく根拠を明確にして全市町村(一部事務組合を含む。)に周知するとともに、国の事務処理とのそごを回避するために環境省との間で法令に基づく根拠を共有すること。
9 環境省は、令和2年5月から令和3年4月までの1年間で、都道府県に対し適正な事務処理を確保するために数多くの通知や事務連絡等を行っているので、県が令和3年度に同省の交付金に係る事務処理を行う場合は、知事の責任においてこれら通知や事務連絡等の内容を十分に理解している職員を選抜して担当者にすること。
10 環境省の循環型社会形成推進交付金制度は、国が都道府県を信用して都道府県に頼らなければ市町村からの要望に応えられない制度になっており、都道府県における事務処理のミスが国や市町村のミスに直結するおそれがある。また、地方公務員である都道府県職員がその裁量権を濫用して職務遂行していたことが判明した場合は懲戒処分の対象になる。したがって、沖縄県において環境省に代わって市町村の交付金交付申請書の審査を担当している職員は、これらのことに十分留意して与えられた職務を果たすこと。