要旨
78年前、琉球諸島は、アジア・太平洋戦争の最終局面として日米英決戦の戦場となった。その戦場の記憶をとどめ、可視化するものとして、全国で唯一の戦跡公園が措定されたものと思われる。
令和２年、糸満市・米須地区では、遺骨収集地点を含む一帯において違法な伐採が行われたことから、公園内における鉱業開発の実態が広く知られるところとなった。本来、保全されるべき公園地区から、大量の土砂・岩石が掘り出された大穴が多数、目視されている。これは、公園地区に特別区域と普通区域が混在して設定されたことが起因となっていると思われる。復帰51年を迎える時、自然環境面から考えても、これまでの開発から保全へ向けてかじを切ることが、将来世代への務めである。
ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
記
１ 戦跡国定公園内の普通区域を、特別区域に暫時切り替えていく手だてを講ずること。また、地権者の理解が必要なことから、県民と広く共有する形で進めること。
２ 米須地区における鉱山開発行為により、事業区域に係るシーガーアブ崩落が懸念されることから、早急に県及び糸満市による調査を行い、事業者と調整の上、保存すること。 |