陳情文書表

受理番号第21号 付託委員会米軍基地関係特別委員会
受理年月日令和2年3月9日 付託年月日令和2年7月14日
件名 米軍CH53大型輸送ヘリからのつり下げ物資落下事故に関する陳情
提出者嘉手納町議会議長
徳里 直樹
要旨


 令和2年2月25日午後1時頃、普天間基地所属のCH53大型輸送ヘリコプターが、読谷村米陸軍トリイ通信施設から西側約1.3キロメートルの海上において、鉄製の戦車型標的をつり下げ輸送中に落下させる事故が発生した。
 米軍は「軍事射撃場に向けて機体外につり下げて海上輸送していた物体が不安定になり、乗員の安全を確保するため海上に意図的に投下した。事故の検証結果が判明するまで追加的なつり下げ輸送を停止する」と発表したが、落下現場は嘉手納町関係の漁船等が頻繁に航行する海域であり、断じて容認できない。
 米軍機からの部品等落下事故は、復帰後から近年に至るまで枚挙にいとまがなく、つり下げ輸送や訓練は一歩間違えば住民を巻き込む重大事故を引き起こしかねず、極めて危険で、町民はもとより県民に与えた不安と恐怖は計り知れない。
 さらに、原因を明らかにしないまま、落下事故の2日後には同型機が重機をつり下げて輸送する様子が確認されており、米軍の無神経さ、県民を愚弄する態度に対し強い憤りを禁じ得ない。
 ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 事故原因を徹底究明し、その結果を速やかに公表すること。
2 米陸軍トリイ通信施設を拠点としたつり下げ訓練を中止すること。

採択された請願・陳情の処理経過及び結果について(報告)

報告を求めた者知事
報告内容

1及び2について
 令和2年2月25日に発生した米軍CH-53Eヘリコプターからの構造物落下事故については、投下したとされる地点が、陸地に近く、周辺では定置網やジンベエザメの生け簀が設置され、漁船等が往来していることなどから、一歩間違えば県民の生命・財産に被害を与えかねず、極めて遺憾であります。
 また、米軍は、「検証結果が判明するまで、これら構造物の追加的な機体外輸送は停止する。」としていたにもかかわらず、県や関係自治体に何ら説明のないまま輸送を再開したことは、地元軽視であり、絶対に容認できるものではありません。
 県としては、今回の事故発生及び物資の吊り下げ輸送の再開に強く抗議するとともに、徹底した事故原因の究明や実効性のある再発防止策と安全管理の徹底に万全を期すことに加え、読谷村における吊り下げ訓練等の中止を強く要請したところです。
 今後ともあらゆる機会を通じ、軍転協などと連携を図りながら、米軍及び日米両政府に対し、米軍演習のあり方や安全管理体制の抜本的な見直しを粘り強く働きかけていきたいと考えております。