陳情文書表

受理番号第254号 付託委員会文教厚生委員会
受理年月日令和3年12月1日 付託年月日令和3年12月8日
件名 オンライン授業の早期実施を含めた「登校選択制」の導入を求める陳情
提出者全国で登校選択制導入を訴える会
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要旨


 新型コロナウイルス感染症の感染拡大は社会の幅広い分野に甚大な影響を及ぼし、教育現場でも文部科学省のガイドラインに準じた対策を続けている。しかし「登校して学ぶ」前提の学校教育において、児童生徒同士・教職員との接触などの密は避けられず、ウイルス株の変異で若年層の感染や重症化リスクへの懸念も高まる中の対策として万全とは言えない。
 感染や後遺症などで健全育成の妨げにならぬよう登校を控えさせたい保護者、家庭へのウイルスの持ち込みなどを懸念して登校を控えたい児童生徒にとって、登校以外の選択肢がない現状は異常事態と言える。公的な保障がないことで内申点への影響を危惧し、迷いや不安を抱えながら登校せざるを得ない児童生徒も少なくない。今必要なのは、学校教育の現場への新たな感染拡大防止策で、若年層の感染拡大を最小限に抑え、全ての児童生徒が学習の機会を継続できる環境を整えるため、文部科学省に対しオンライン授業の早期実施を含めた「登校選択制」の導入を強く要望する。
 「登校選択制」の導入により、誰もがどこからでも安心して学びを継続させることができ、周囲の目や将来への影響などを気にせずに登校か自宅学習かの選択をできる環境により、感染不安・登校不安など精神的負担が解消される。どの選択も間違いではない、自分と違う選択も認め合うといった経験は児童生徒の自己肯定感を高め、他者の価値を尊重する心を養い、選択により教室内の密が回避されることで登校する児童生徒、教職員の感染リスク軽減にもつながる。また自宅学習に「オンライン授業」を導入することで出席認定が可能になり、授業をそのまま中継する双方向型の通信であれば、教室での授業と同じく学習指導要領に準じた内容を学ぶことができ、学習の進捗や理解度の把握なども円滑になる。文部科学省が進めるGIGAスクール構想の配付端末やICT学習教材を活用することで新たなコストは最小限に抑えられ、また、安全な環境下で教師や児童生徒間の活発な関わりは継続され、登校再開の際にもスムーズな移行が期待できる。
 「登校選択制」を進めることにより、公的な支援や保障が行き渡りあらゆる格差が緩和される。特に島嶼地域である沖縄県においては離島出身の生徒もおり、緊急事態宣言下で学校や寮に戻れないケースも生じており、心身の健康と学びを両立するために、登校選択制は大変有効な手段である。一人も取りこぼすことのない学校運営は子供たちの命と健康、学びを守ること、ひいては日本の未来を守ることにつながり、学びの機会を止めることなくどこからでも授業を受けられるシステムの導入は、登校のしにくさを感じる全ての児童生徒に明るい希望となり、今後の日本における学校教育の可能性は飛躍的に大きくなる。
 ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 登校を希望する児童生徒は教室で授業を受け、登校しにくい児童生徒は自宅でオンライン授業を受ける「その選択」が可能となる制度を実施すること。
2 オンライン授業の受講により登校の有無を問わず「出席」の扱いになり、成績や内申等に不利益が生じない措置を講じること。
3 全ての児童生徒が分け隔てなく利用できる制度とすること。