要旨
八重山郡内の人工透析患者の数は、1990年代は100人以下であった。しかし、高齢化や本島と比較しても肥満、高血圧及び糖尿病などリスクを抱えた人が多いことが要因で、2001年に100人を突破し、その後も増え続け、直近では170人余となっている。今後も増加が見込まれるが、深刻な人手不足により一、二年で人工透析医療はパンク状態となり、年内にも郡内の新規患者は、本島で人工透析医療を受ける事態になることが予想される。また、人工透析医療が必要な郡出身者や旅行者について、帰省時や旅行時における透析の受入れは既に断っている状況である。
このため、八重山で人工透析医療を実施している県立八重山病院、石垣島徳洲会病院及びよなは医院の院長をはじめとする関係者が、今後の対策を協議し、安定した人工透析医療の継続に必要なスタッフの増員を県病院事業局に要請しているが、必要とする人員には全く足りない状況であり、県内医療機関を網羅しての対応が必要となっている。
ついては、危機的状況にある八重山圏域の人工透析医療体制に対して早急に支援するよう配慮してもらいたい。 |