要旨
他の都道府県と異なり鉄道のない沖縄県では、長年にわたり民営の路線バス事業が県内の基幹的な交通手段として、通勤・通学・通院・買物等、県民の足や生活インフラとしての役割を果たしてきた。しかし、ほとんどの路線バス事業は赤字経営であり、兼業の貸切りバス事業収入による内部補塡で成り立っている。これまで新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、県による3回の緊急事態宣言発出、県立学校等の一斉休校、テレワークの推進、県民の行動の自粛要請等が出された。さらに昨年5月から9月末まで4回目となる緊急事態宣言が発出され、事業所等におけるテレワークの推進等が要請された。この結果、路線バス事業者の運送収入は大幅に減少し、緊急事態宣言解除後も運送収入は戻らず、厳しい状況である。加えて、本年に入りオミクロン株が急拡大し、1月9日から沖縄県にまん延防止等重点措置が適用された。
このような中、軽油価格が高騰しており、バス事業の経費に占める燃料費の割合は高いことから、経営圧迫にさらに拍車がかかっている。県は本年度2回にわたり路線バス事業へ支援しているが、そのとき以上に軽油の高騰やオミクロン株の急増もあり、深刻な経営状況となっている。
ついては、路線バス事業に対し、さらなる財政支援を行うよう配慮してもらいたい。 |