陳情文書表

受理番号第15号 付託委員会文教厚生委員会
受理年月日令和5年1月30日 付託年月日令和5年2月14日
件名 マスク着用の有無による差別・偏見等の防止に係る啓発及び学校教室への換気システム導入等に関する陳情
提出者全国有志子どもを思う会~沖縄支部~
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要旨


 学校における児童生徒等のマスク着用について、文科省及び厚労省から、児童生徒等の心情に適切な配慮を行うことや、不要な場面において積極的にマスクを外すよう促すこと等が示された。しかし、私たち全国有志子どもを思う会に、マスク着用の有無による差別・偏見・いじめ・強要があるとの報告があったため、子供向けアンケートを実施したところ、次のとおり実態が判明した。
 まず、ほとんどの子供たちが屋外や着用が必要でない場所等においてもマスクを着用し学校生活を送っていることが分かる。それは、多くの回答から、偏見やいじめ、圧力によるためであると認識できる。また、保護者や教職員の感染対策に係る指導がそれぞれに違うため、マスクを外すと、マスクを着用しなければいけないと子供同士で指摘し合う等の事態が発生し、子供たちの関係が悪くなり、いじめや差別、偏見等が広がっている状況が表れている。
 また、アンケートの結果から、マスク着用により不登校になりがちになった児童生徒、息苦しくて学力が落ちてしまった児童生徒がいることも分かる。どんな表情で話をしているのか分からず、児童生徒間、教職員と児童生徒間のコミュニケーションにも影響が出ていることも感じ取ることができる。
 さらに、給食時の黙食の緩和について、県から通知があったにもかかわらず、感染対策の強化等の報道があると、園、学校及び教職員で黙食緩和に対する判断が分かれ、大切な食育の時間を維持することが困難となっている。感染対策を重視するあまり、現場では、学校教育の一貫でもある食育で学ぶ食事のマナーや楽しい会話が、黙って食べなさい等と叱られ、現在でも黙食が継続されている。給食の主眼を置き換える必要があることがアンケート結果に表れている。
 ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 県は、マスク着用に係るいじめや差別・強要があることを踏まえ、関係行政機関、市町村、園及び学校に対して、各省庁からの通知にもあるように、「マスク着用の強制・強要はしないこと」を強調して通知し、継続的に丁寧に周知・啓発すること。
2 教室内の安全性を保ち、教職員及び児童生徒の心理的不安を解消することにより、常時マスクを必要とする児童生徒とそうでない児童生徒が互いの考えや行動を尊重し合えるよう、高機能換気設備、二酸化炭素濃度計測器、サーキュレーター及びHEPAフィルター付空気清浄機等を導入するなど、早急に学習環境を整備すること。

採択された請願・陳情の処理経過及び結果について(報告)

報告を求めた者教育委員会
報告内容

【保健体育課】
1 国においては、新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針において、個々人が「三つの密」を回避し、人と人との距離の確保、手洗い等の手指衛生、換気等の基本的な感染対策を徹底することが重要であるとしており、「新しい生活様式」として呼びかけています。
 県においても、接触、飛沫、マイクロ飛沫による感染リスクの回避策として、こまめな手洗い、手指の消毒、換気や距離の確保等を呼びかけています。
 なお、マスク着用について、令和5年3月13日から個人の主体的な選択を尊重し、着用は個人の判断に委ねることを基本とすることとしており、併せて、高齢者等重症化リスクの高い方への感染を防ぐため、効果的な場面ではマスク着用を推奨することとしております。
 県としては、個人の主体的な判断が尊重され、マスクの着脱を強いることがないよう、引き続き必要な周知を図っていきたいと考えております。
2 県教育委員会としましては、学校の教育活動を継続していくために、引き続き、手洗い、換気等の基本的な感染対策を講じることは、重要であると考えております。
 換気についてはCO2モニターやサーキュレーター等の換気対策機器も活用し、効果的な換気対策を講じるよう周知しております。
 引き続き、市町村及び県立学校に対して、換気対策機器の設置を促してまいります。