要旨
学校における児童生徒等のマスク着用について、文科省及び厚労省から、児童生徒等の心情に適切な配慮を行うことや、不要な場面において積極的にマスクを外すよう促すこと等が示された。しかし、私たち全国有志子どもを思う会に、マスク着用の有無による差別・偏見・いじめ・強要があるとの報告があったため、子供向けアンケートを実施したところ、次のとおり実態が判明した。
まず、ほとんどの子供たちが屋外や着用が必要でない場所等においてもマスクを着用し学校生活を送っていることが分かる。それは、多くの回答から、偏見やいじめ、圧力によるためであると認識できる。また、保護者や教職員の感染対策に係る指導がそれぞれに違うため、マスクを外すと、マスクを着用しなければいけないと子供同士で指摘し合う等の事態が発生し、子供たちの関係が悪くなり、いじめや差別、偏見等が広がっている状況が表れている。
また、アンケートの結果から、マスク着用により不登校になりがちになった児童生徒、息苦しくて学力が落ちてしまった児童生徒がいることも分かる。どんな表情で話をしているのか分からず、児童生徒間、教職員と児童生徒間のコミュニケーションにも影響が出ていることも感じ取ることができる。
さらに、給食時の黙食の緩和について、県から通知があったにもかかわらず、感染対策の強化等の報道があると、園、学校及び教職員で黙食緩和に対する判断が分かれ、大切な食育の時間を維持することが困難となっている。感染対策を重視するあまり、現場では、学校教育の一貫でもある食育で学ぶ食事のマナーや楽しい会話が、黙って食べなさい等と叱られ、現在でも黙食が継続されている。給食の主眼を置き換える必要があることがアンケート結果に表れている。
ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
記
1 県は、マスク着用に係るいじめや差別・強要があることを踏まえ、関係行政機関、市町村、園及び学校に対して、各省庁からの通知にもあるように、「マスク着用の強制・強要はしないこと」を強調して通知し、継続的に丁寧に周知・啓発すること。
2 教室内の安全性を保ち、教職員及び児童生徒の心理的不安を解消することにより、常時マスクを必要とする児童生徒とそうでない児童生徒が互いの考えや行動を尊重し合えるよう、高機能換気設備、二酸化炭素濃度計測器、サーキュレーター及びHEPAフィルター付空気清浄機等を導入するなど、早急に学習環境を整備すること。 |