陳情文書表

受理番号第67号 付託委員会総務企画委員会
受理年月日令和4年4月27日 付託年月日令和4年6月14日
件名 新型コロナウイルス感染拡大の長引く影響を受けたタクシー事業への緊急支援に関する陳情
提出者一般社団法人 沖縄県ハイヤー・タクシー協会
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要旨


 鉄道のない沖縄県では、ハイヤー・タクシー事業は県民生活や観光客等の移動に欠かせない公共交通機関であり、年間輸送人員はバスやモノレールを上回る約3000万人となっている。また、ハイヤー・タクシーの県民1人当たり年間利用回数は全国1位の27.8回であり、他県と比べて地域に密着した公共交通機関としての比重が高い。
 しかし、新型コロナウイルス感染症がいまだ予断を許さない中、イベントの中止、テレワークの推進、外出の自粛及び飲食店への営業時間短縮要請、観光客の激減等により利用者が減少するなど、長引く影響は極めて甚大である。
 タクシー事業者の営業収入はコロナ禍前と比べ減少傾向が著しく、これまでに県から「コロナに負けない公共交通奨励金」及び2次にわたる「公共交通運行継続支援金」を受けている。それにもかかわらず、1月9日のまん延防止等重点措置の指定や延長により、営業収入は減少の一途にある。法人タクシー事業者は、このほか最低賃金の引上げや燃料費高騰が追い打ちとなっており、乗務員の給与確保にも窮するのみならず、一部車両の同業他社への譲渡、事業の売却、廃業の検討を余儀なくされている。
 さらに、新型コロナウイルス感染症の感染リスク等を理由にした自主退職のほか、休職者も約500名となるなど、令和元年3月と令和2年11月との比較でタクシー乗務員数は10%以上も減少し、従来からの乗務員不足に拍車がかかり、運行もままならない状況にある。
 ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 ハイヤー・タクシー事業の継続のための運行等に要する諸経費について、タクシー・ハイヤー1台当たり20万円以上の支援を早期に実施すること。
2 タクシーの運行継続のため、現在、県が行っている飲食店への支援と同様に、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発令期間中は、タクシー1台当たり日額1万円の支援措置を講ずること。
3 原油価格高騰による燃料価格の上昇を受けて、タクシー事業者の経営改善に向けて、経済産業省が実施するガソリン小売価格高騰抑制や、国土交通省が実施するLPガス価格高騰支援を念頭に、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金等の財源を活用した県独自の追加支援を実施すること。
  とりわけ、沖縄本島に比べ高額となっている宮古島や石垣島等の離島における燃料価格の高騰については、特段の支援を実施すること。

採択された請願・陳情の処理経過及び結果について(報告)

報告を求めた者知事
報告内容

(処理経過及び結果)
 県では、令和2年6月補正予算において、公共交通 機関の持続的な感染防止対策の定着を支 援するための奨励金を計上し、法人タクシー138社に対し総額1億4,845万円(1台あたり4万円) を支給いたしました。
 令和3年4月補正予算においては、公共交通の運行継続を支援するための支援金を計上し、法 人タクシー139社に対し総額1億6,623万5千円(1台あたり4万5千円)を支給いたしました。
 また、緊急事態宣言の影響長期化により、タクシー事業の経営環境が大変厳しい状況におかれ ていることを踏まえ、令和3年9月補正予算においても同様の支援金を計上し、法人タクシー137社に対し総額2億3,953万円(1台あたり6万5千円)を支給いたしました。
 さらに、国において、令和3年11月から令和4年3月の売上高が、新型コロナの影響により一 定程度減少した事業者に対し、法人事業者は上限250万円の受給が可能な事業復活支援金の給付 が実施されております。
 県においても、令和4年度予算にて、国の事業復活支援金の受給者を対象に、法人事業者は上 限50万円の上乗せ支援(おきなわ事業者復活支援金)を行っております。
 また、令和4年6月補正予算においては、燃料高騰分の一部への補助として、法人タクシー事 業者に対し約1億6,700万円の補助金を予算計上しております。
 加えて、燃料高騰の長期化に伴う追加支援として、令和4年11月補正予算にて約1億9,300万 円の補助金を予算計上しております。
 県としては、引き続き、県民生活に不可欠な公共交通の確保維持に取り組んでまいります。