要旨
宮古島への陸上自衛隊のミサイル・弾薬庫建設は、地域住民が反対の意思を明確に示してきたにもかかわらず、地元の合意のないまま強引に進められている。
2020年6月15日、河野防衛相は、秋田県と山口県で進めてきた地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」配備計画の停止を発表したが、宮古島へのミサイル配備・基地建設は、コロナ禍における工事中止を申し入れても強行されていることに強い憤りを禁じ得ない。
2019年6月の報道で、陸上自衛隊の地対艦ミサイルが火災に巻き込まれた場合、「爆発から2分以内に1キロメートル以上逃げよ!」との陸上自衛隊「教範」の内容が明らかにされた。弾薬庫計画地に近い保良集落は、世帯数180戸・313人、七又集落は世帯数30戸・48人が暮らしており、弾薬庫計画地からの距離は、両集落の全世帯が計画地から1キロメートル以内に居住し、高齢者が7割以上を占めている。
また、建設現場からは、掘削工事による粉じんが舞い上がり隣接する地域の住宅に被害が起きている。加えて、掘削工事の地形変更による生活環境への影響、地下水への影響も看過できない。
これまで、防衛省や沖縄防衛局へ住民の不安や疑問を申し入れてきたが、住民の生命、財産の安全、生活環境について考慮されないまま工事が強行されている。ミサイル・弾薬庫建設の撤回を繰り返し求めてきた中で強行される建設工事により、地域住民生活への被害、環境影響への懸念は増すばかりである。
ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
記
1 宮古島保良地区へのミサイル・弾薬庫建設について、建設地周辺の湧水等の「地下水水質モニタリング調査」を昨年度の調査地点に追加し、実施すること。
2 掘削工事等により近隣住宅地へ粉じんを巻き上げ、生活環境が汚染されている。また、掘削工事でむき出しになった砂利等による台風時の集落、近隣住宅への被害が懸念される。生活環境への影響について、調査を実施すること。 |