陳情文書表

受理番号第3号 付託委員会米軍基地関係特別委員会
受理年月日令和2年12月16日 付託年月日令和3年2月16日
件名 多発する米空軍兵の道路交通法違反に関する陳情
提出者嘉手納町議会議長
徳里 直樹
要旨


 令和2年11月14日深夜、沖縄市仲宗根町の道路において、衝突事故を起こした嘉手納基地所属の米空軍兵が警察官による呼気検査を拒んだため、飲酒検知拒否の道路交通法違反容疑で現行犯逮捕された。その後の検査により基準値の約4倍のアルコールが検出された。また、同月20日には、北谷町美浜において米空軍兵が基準値の3倍を超える酒気帯び状態で乗用車を運転し、対向してきた原付車両と衝突する事故を起こし逮捕された。さらに同月26日にも米空軍兵が那覇市牧志において、酒気帯び運転で逮捕されるなど、同基地所属の軍人・軍属による道路交通法違反が多発しており、今年だけで10件以上に上っている。
 嘉手納基地第18航空団の複数の部隊においては、11月中旬以降飲酒を制限する命令が相次いで出されているとの報道があったが、依然として改善が見られない。この状況は米軍における綱紀粛正及び再発防止の取組、また米軍内で実施している教育プログラムの在り方に疑問を抱かざるを得ない。
 ついては、下記事項につき配慮してもらいたい。
                 

1 軍人・軍属へさらなる綱紀粛正の徹底、実効性ある再発防止策を講ずること。
2 日米地位協定の抜本的な改定を行うこと。

採択された請願・陳情の処理経過及び結果について(報告)

報告を求めた者知事
報告内容

(処理経過及び結果)
1について
 県は、飲酒運転が発生する度に、より一層の綱紀粛正及び教育の徹底を含め、再発防止について万全を期すよう沖縄防衛局及び米軍に対し、強く要請を行っているところです。
 また、県は、令和2年10月に官房長官及び防衛大臣に対し、より一層の綱紀粛正措置を図ることを強く求めたところです。
 加えて、令和2年12月に、外務省沖縄事務所、沖縄防衛局及び米軍と、米軍人等に係る飲酒絡みの事件・事故防止に向けた実務者会合を行っております。
 県としては、今後ともあらゆる機会を通じ、再発防止に向けた取組の強化について、米軍及び日米両政府に対し、粘り強く働きかけていきたいと考えております。

2について
 県としては、米軍基地から派生する諸問題を解決するためには、米側に裁量を委ねる形となる運用の改善だけでは不十分であり、日米地位協定の抜本的な見直しが必要であると考えており、平成29年9月に改めて、日米両政府へ要請を行っております。
 また、去る5月の本土復帰50年に向けた在沖米軍基地の整理・縮小についての要請においても、同協定の早急な見直しを求めております。
 今後とも渉外知事会、軍転協等とも連携を図りながらあらゆる機会を通じ、日米両政府に同協定の見直しを粘り強く求めてまいります。