要旨
ブラジルの日系社会において、ニッケイ新聞は唯一の邦字紙となったが、次の世代に日本人としての誇りと文化を伝承していくため、多くの日系人から存続を懇願されている。同時に、ブラジル社会への日本文化の伝播とソフトパワーの最前線としての役割も担っている。しかし、移住者の高齢化により購読者が先細りする中で、新型コロナウイルス感染拡大による経済停滞に伴い広告主が激減している。また、日本と異なりブラジル政府から企業への支援が全くなく、当紙の経営は大きく傾き、このままでは存続は難しい。
このため、関係各位に支援を要望しているところ、静岡県が2月に計12回の半ページ広告を掲載し、県の特産品や歴史、特徴を紹介するとともに県人会や在日ブラジル人のことも紹介する多彩な内容で好評を博した。これは総務省の中南米日系社会と国内自治体との連携促進事業プログラムを活用して広告出稿したもので、県側の費用負担はない。寄附金という形で支援を受ける場合、現在の寄附口座では税制上の問題があるため、在サンパウロ日本国総領事館の助言を受けて、現在NPO法人化を進めているところである。法人の設立には時間がかかるが、設立登記終了後、改めて寄附を依頼する予定である。
ついては、広告主が激減し経営が大きく傾いている当紙へ、広告出稿するなどの支援を行うよう配慮してもらいたい。 |