要旨
私たちは名護市の辺野古・大浦湾の生物多様性豊かな自然環境の保全に長年にわたり取り組んでいる。大浦湾チリビシのアオサンゴ群集と長島の洞窟の天然記念物の指定について、2020年10月28日に日本自然保護協会が沖縄県教育委員会と意見交換を行った。その席上、指定基準で規定されている「学術上貴重で、我が国の自然を記念するもの」という要素のほか「記念物の指定には人が親しんでいること」も重視しているところ、チリビシのアオサンゴ群集と長島の洞窟の2件については、当該要素を満たすか不明であるため、県としては天然記念物の指定は困難であるとのことであった。その後、これら2件の天然記念物の指定について、名護市議会から2021年1月21日に県知事宛てに意見書が、1月25日には県議会に陳情がそれぞれ提出された。さらに賛同者をインターネットと紙媒体にて国内外から集めたところ、合計2万5925名の賛同が得られたので、同年2月9日に県知事に届けた。このような市議会の意向とともに、名護市民と世界の2万5925名が関心を持ち親しんでいるということは辺野古・大浦湾の自然環境の保全を進める上で重要なことだと考える。
ついては、大浦湾のチリビシのアオサンゴ群集と長島洞窟を天然記念物に指定することについて、再度検討するよう配慮してもらいたい。 |